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【ラスプーチン】
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青酸カリ、殴打…どうしても亡くなってくれない
とはいえ宮殿内でブッコロすわけにもいきません。
貴族同士の間でよくあるディナーへの招待でラスプーチンをおびき寄せました。
主犯はロシアきっての名門貴族・ユスポフ公と皇帝の従弟・ドミトリー公です。
しかし青酸カリを混ぜた食事でも燭台で殴られても死なず、川に沈められてようやく死んだといわれています。
これじゃ神のご加護を受けているとか思われても仕方ありませんね。
「青酸カリの保存状態が悪くて、毒性が失われていたのでは?」
「そもそもパチモンつかまされてたんじゃね?」
とも言われているので、薬に対する疑問がないわけでもないようですが、頭蓋骨が砕けるほど殴られて死なないというのは強靭すぎましょう。
やはり神秘な力というより”怪僧”でしょう
本人は自分が殺されることを予見していたそうで、こんな風に言っていたとか。
「もし私を殺す人間が陛下のご一族ならば、皆様は悲惨な最期を迎え、ロシアにも長い間血が流れるでしょう」
ロシア革命と皇帝一家の最期、それに伴う内戦、そして後の粛清の数々など。
彼の国では当てはまることがあまりに多すぎるため、ラスプーチンが何らしかの神秘的な力を持っていたのは本当では?と考える人もいるようです。
「殺されるのがわかっていて抗わなかった」というのは美談として捉えられることが多いですしね。
ただし、正教会の聖人扱いにはなっていない(皇太子は聖人扱い)ので、やはり”怪僧”と捉えている人のほうが圧倒的に多いようです。
見た目的にも聖属性とか光属性より闇とか魔とか不死とかが似合ってますしね。
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長月 七紀・記
【参考】
『甦るロシア帝国 (文春文庫)』(→amazon)
ラスプーチン/wikipedia