その男、信長の命を狙うスナイパーにつき【戦国浮世絵ANARCHY11】

戦国時代の大名は、常に命を狙われ、危険と隣合わせ――。

とりわけ幾度もピンチを乗り越えてきたのが織田信長でしょう。

寡兵で今川の大軍に立ち向かった【桶狭間の戦い】

浅井長政に裏切られ、越前から京都まで命からがら逃げ出した【金ヶ崎の退き口】。

石山本願寺と対したときなどは、雑賀衆率いる敵の鉄砲部隊に太ももを撃たれたなんてこともありました。

二度に渡る暗殺未遂劇

【暗殺】を仕掛けられたこともあります。

大河ドラマ『麒麟がくる』でも斎藤義龍が入京前の信長を狙った――そんな1シーンがありましたが、あちらは『信長公記』が元ネタになっていた模様。

そして！

同じく『信長公記』に記されているもう一つの暗殺未遂劇が

であります。

このエピソード、鉄砲で命を狙うというマンガ的展開も衝撃的ながら、結末もなかなかに非情なのです。

非情な結末に震えてしまいそうになる

織田家と敵対する六角氏。

その六角氏に雇われたのが杉谷善住坊です。

鉄砲の名手だった彼が、近江から岐阜へ戻る信長を狙い撃ちすると、弾は身体をかすめて致命傷を与えられず、暗殺に失敗しました。

そして後日、織田軍に捕らえられるのですが……その処刑方法がキッツい。

なんと身体を土中に埋めて首から上だけを出し、鋸を引くというものだったのです。

これを現代の戦国浮世絵師・鞘ェもんに描かせたらどうなるか？

不気味でCOOLな絵を待ってますよ……と願っていたら、予想以上におそろしい！！！

ええのぅ、ええのぅ～！

首筋に梵字タトゥを入れ、不敵な表情の杉谷善住坊。こちらを見遣って目を光らせています。

信長をホンキで殺そうとしたことなど、まるで反省していない。

尾張美濃の大大名？ んなんも関係あらへんがな。酒を一杯飲ましてくれんか？ どうせ死ぬんだし。

そんな調子で所望でもしたのでしょうか。

ワンカップの空き瓶が置いてあります。頭部も梵字だらけです。

Tシャツにしたら悪趣味かい？

土に埋め鋸を引くなんて、非情な中世においても、かなり強度の強い処刑方法。

いやぁ、いい絵ですね～。

こんな図柄のTシャツとか着てみたいわ、アッハッハｗ

と、強がってこんな冗談つぶやいたら、世の中にはいるんですね。実行にうつしてしまうお茶目な方が。

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絵・鞘ェもん（ツイッター／サイト）
文・五十嵐利休

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