青天を衝け感想あらすじ

青天を衝け第24回 感想あらすじレビュー「パリの御一新」

青天を衝け第24回感想あらすじレビュー

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青天を衝け感想あらすじレビュー

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パリの栄一と、京都の慶喜――対照的な運命が描かれます。

血洗島では餅つきをしています。正月なのに泥棒が入ったと、セリフで説明。

栄一がいなくなって五度目の正月ですが、そこへ杉浦愛蔵が入ってきました。アポなしなんですね。

杉浦は栄一の手紙を渡しつつ、夫婦愛を強調するようなことを……。まぁ、パリで美女にメロメロだったとは言えませんね。

そしてホトガラ(写真)を見せました。

千代は髷を切っていることが不満だったようで、「あさましい」と浮かない顔。

こんなものは誰にも見せられねえ!

異人と同じ姿になっているなんて!

そうショックを受けます。

実は千代は書物が好きなだけに、尊王攘夷の影響も濃かったのです。本作の描き方だと、そもそも千夜の教養や聡明さがわからないので、その点不明瞭ですが。

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大政奉還と言われても信じられず

慶応4年(1868年)新年――。

徳川幕府最後の正月とも知らず、パリで祝宴が開かれています。

フランス語で乾杯!

そこへエラールが幕府からの書状を持ち込まれます。

書状には、昨年末に大政奉還が行われたことが書かれていました。政権を朝廷に返し、これからは薩摩等と共に政治を行うことになるとか……。

誰もが信じられないことでした。

フランスとしても

「あれだけ援助させといてそりゃないよ!」

となってしまい、外交的にもマズい。しかしドラマでは日仏関係がしっかり描かれてないので、ちょっとわかりにくいですね。

その後、栄一はプリンスとお散歩しています。乗馬する徳川昭武はフランス語を覚えているそうです。

徳川昭武
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ここで気になるのは栄一の本心です。

彼はいわばステルス倒幕派。幕府なんて倒れればいいと尊王攘夷テロ計画をし、天狗党ともお仲間でした。

それで捕まりそうになったら平岡円四郎のスカウトを受けてふら〜っと幕府側に着いた、なかなか流されやすい人物です。

当然ながら昭武は焦っています。

彼の地位は将軍の弟。兄・慶喜がそのポジションから追われたらどうなるのか? 不安だらけです。

栄一は慶喜の言葉を思い出します。

日本で何があろうと、無闇に動いてはならぬ。しかし今後は5000ドルの送金だけが頼り。

そこへエラールがやってきます。そして証券取引所へ。

一応エラールが仕組みを説明するのですが、社債とか国債とか、本作は経済の説明もセリフで済ませるため、わかりにくい視聴者も多かったのでは? 役者やファンの熱意でなんとかしている傾向を感じます。

朝ドラ『あさが来た』でも見られた欠点ですので、なぜそこを工夫できなかったのか、惜しいです。

 


不甲斐ない慶喜

そして同年2月。

鳥羽・伏見の戦い】における慶喜の不甲斐ない行動が、パリの栄一らに手紙で伝えられました。

この辺、ほとんど描写されないのは、慶喜の負の一面を目立たせてしまうからですかね?それとも次週に持ち越しでしょうか。

栄一が手紙を読むのですが、ラベンダーカラーで無地の壁紙がすごすぎてちょっと頭に入ってこない。

当時の壁紙ってこういうものでしたっけ? やはり調度品や衣装の作りの甘さが気になる……。というか場所もいまいち不明です。寝室にしては人が「ボンジュール」と通過してゆくのでおかしい。

ここで尾高惇忠からの手紙の内容が語られます。

平九郎が江戸で頑張っているというは死亡フラグですね。尾高長七郎は元気がないとか。

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次はかっさま。家族のほのぼのとした日常トークが続き、そして千代です。

栄一は千代を恋しく思っているのか。ちょっと薄気味悪い一本調子の笑いで「あいてぇなあ、あいてぇ」とセリフを。

史実ではパリで「うっひょー! 美女だらけ!」と鼻の下を盛大に伸ばし、プロの女性をお持ち帰りしようとしていたんですけど……。

しかもこれがなかなか酷い話で。

「愛しているよぉ〜、でも今仕事でここに来ているんだよね。悪いけど、帰国後日本まで追いかけてきて」

「ハァ、日本くんだりまでついて来い? バカじゃないの? 本気で愛しているならここに留まるだろうが!」

ときっぱり相手に振られています。悲しいかな、国語の授業で皆が激怒する『舞姫』未遂をやらかした男だったりするのです。

さらに明治維新などの説明セリフが入ります。

予算、知識、理解をはじめ、色々と足りてない様子がうかがえます。

セリフだけで敗走が語られる幕府軍。劇中では慶喜が頑張って軍事調練していたのになぁ。

慶喜の最低だった敗走も、セリフ処理です。彼の責任放棄についてはきっちり説明するのが誠実な対応だと思うのですが、次週に繰越なんですかね。

今のままですと慶喜=いい人♪という公式が視聴者に浸透して、幕末史が勘違いされてしまいそうです。

史実の重要性に対する取捨選択が無茶苦茶で、悲しくなってきます。

去年の『麒麟がくる』における長篠の戦い三方ヶ原の戦いをカットするのとはワケが違うでしょう。それこそ桶狭間の戦い金ヶ崎の退き口をカットするようなものです。

江戸城の無血開城はどこまで触れられるのか。勝海舟の出番がないのもいかがなものでしょう。

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なぜあっさりと幕府を放棄できるの!

昭武のもとへは、兄の慶喜から手紙が届いていました。

なぜかそれを渋沢栄一に相談する昭武。

にしても調度品やセットの急場ごしらえ感が非常に気になるなぁ。例えば、福島県天鏡閣ロケは無理だったんでしょうか。あそこは定番でして『夏目漱石の妻』でも使われたことがあります。

話を戻しまして、当時の栄一はそこまで重要な役職でもありません。

他の幕臣を押しのけて相談されるのは、主人公補正ですね。そのような主人公持ち上げをするなら、倒幕の経緯を説明してほしいところです。

そこは期待されていたのではありませんか?

私は戊辰戦役がカットされると予想していますが、的中しそうで辛い。上野戦争会津戦争がどこまで描かれるのか。イケメン土方を散らすため函館戦争だけ大きく取り上げるのだとしたら、あまりに不自然ではありませんか。

慶喜は留学続行を訴えますが、さすがに無理難題でしょう。

まぁ、慶応4年の慶喜も無責任の塊でしたので、ある意味、史実通りですが……さすがに栄一もキレます。

なんでそんなにあっさり幕府を放棄できるのよーッ!

そして、情けないと一気にまくしたてる。もう少し緩急をつけたほうが実感こもりそうなところですが……。

医師の高松凌雲も、なんだか綺麗事を並べて帰国。人道的な治療をする「伏線」でしょう。

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そして成一郎からの手紙も届きます。

もう慶喜は寛永寺にいるってさ。江戸に戻ったあと、篤姫和宮から怒涛の塩対応を受け、泣きつき、助命されたことは描写されず……。

小栗忠順「なんだこれは」

榎本武揚「なんでぇこれァよ……」

勝海舟「俺のいねぇ無血開城なんて前代未聞だぜぇ!」

脳内で幕臣たちが毒づいていますが、個人的に補完しないとやってられません。

渋沢栄一の振る舞いを免罪するとすれば、分身のような成一郎の奮戦ゆえでしょう。傷を負っても江戸まで戻り、戦うことにします。

しかし、そういう幕臣の思いを無視したのも慶喜。新選組や会津藩を足蹴にして、パークスあたりの思い入れもあって謹慎するのですが、その辺の史実も流されてしまいますね。

『無双』シリーズで、山賊を倒す序盤を思い出す。雑魚を倒して俺TUEEE!か。最強の勇者が転生したなろう系漫画のバナー広告も思い出します。こうやってイケメンが雑魚相手に無双することに需要があるのですね。

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