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『光る君へ』感想あらすじレビュー第39回「とだえぬ絆」惟規と伊周の最期から浮かぶもの

中宮彰子が二人目の皇子を産みました。

祖母の穆子が喜んでいると、母の倫子は「次も皇子がいい」とまで言いだします。

娘の野心に驚きつつも、微笑み合う穆子。

一方、土御門殿では、皇子の【産養(うぶやしない)】が賑々しく開催されていました。

道長の権勢はますます盤石です。双六の賽子を振っても勝つばかり。天意まで味方するように思えます。

まひろはそんな中、光源氏の栄光の人生に影がさす、物語の続きを執筆していました。

 


賢子の実の父親は…

まひろは実家に帰りました。

道長からもらった酒、菓子、そして賢子の裳着(もぎ)で使う立派な布があります。

それを見た弟の藤原惟規がポロッとこぼす。

「やっぱり自分の子はかわいいんだな」

中宮様のお召し物みたいだと話を続ける惟規に、困惑するのは為時。おずおずと惟規に尋ねます。

「今、なんと申した?」

中宮様のお召し物となんとか……と返す惟規に、「その前だ」と苛立つ為時です。すると惟規はようやく気づく。

父は、賢子の実父を知らない?

これには、まひろといとも困惑。

惟規はケロッとして「言ってよかった」「父上に伝わってよかった」と、結果オーライで押し通そうとしますが、そんな強引な手法が通用するわけありません。

「黙れ!」

思わず藤原為時が声を荒げます。

「そうなのか……なんということを……宣孝様は何も知らずに逝かれたのだろうな」

「いいえ」

佐々木蔵之介さん演じる藤原宣孝は、何も知らないどころか全て知っていた。その上で一緒に育てようという話になり、実際に賢子を可愛がっていた。

しかし、肝心の実父である道長はこのことを知りません。

「いい折だから話したらどうだ?」

為時がそう提案すると、当人の賢子が戻ってきました。

左大臣からの贈り物だと知ると、「要りませぬ、そんなの」と素っ気ない。

まさかもう知っているのか?と為時が困っていると、まひろは首を横に振っています。

宣孝や惟規のように“このおかげで出世が見込める“とは割り切れない為時なのでした。

 


密通:プロットを動かす要素

寛弘7年(1010年)、道長たちは宴をしています。

琴が奏でられ、白磁の酒器からは濁り酒が注がれる。

優美といえばそう言いたくなるようで、なんと質素な宴会なのだろうとは思います。

日本人としても、こうした宴で満足はしていなかったのであり、時代が進むにつれて酒や肴は洗練され、楽器も三味線のようにリズミカルでノリがよいものへ進化してゆきました。

そのため江戸時代ともなれば、現代人から見ても「盛り上がっているねェ」と思える宴会になりますが、平安時代は貴族といえども、とにかく地味。

殺し合いにならないだけ、鎌倉武士よりはマシってところでしょうか。

今年と来年の大河ドラマは、生活レベルの向上を感じられそうです。

ただし、この場で緊張気味の為時にとっては、とにかくきらびやかな会合でしょう。道長のことを何か言いたげに見つめ、ソワソワしておりますが……。

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さて、まひろは藤壺で『源氏物語』を書いています。

光源氏が妻の女三宮と柏木の密通を察知する箇所です。あらためて“密通”がメインプロットに絡んでくるとは何事でしょう。やはり恐ろしい作品だと思えてきます。

するとそこへ道長が来て、子の日の宴に為時を呼んだことを話し始めました。

何か言いたげにずっと道長のことを見ていた上に、宴の最中にいきなり帰ったとのことで……「まひろは何か聞いていないか?」と訝しげにしている道長です。

まひろは慌てて「きっと華やかな場所で調子が狂ったのだろう」と取り繕い、父にはきつく申しておくので許して欲しいと言うのでした。

そして【中宮大餐】だからと、仕事へ向かうふりをして誤魔化します。

まひろは賢子のことを打ち明けるのでしょうか。

 


独走を強める道長

道長が、気心の知れた仲間と宴を開いています。

皇子が二人いれば盤石だと斉信。

しかし公任が、次の東宮は敦康親王、さらに次は敦明親王で、道長の孫はずっと先だと指摘します。

行成もこれに同意。

すると道長が不敵な顔で、できれば俺の目が黒いうちに敦成親王が帝となる姿を見たいと言い出しました。

源俊賢がすかさず「お力添えをする」と答えると、斉信が「自分を売り込むな」と牽制しています。

すると話題を変えるようにして、公任が伊周の話題を始めました。具合が悪いらしいが、何か知っているか? と道長に聞いてきますが、「いや」と否定する道長です。

あれれ? 道長は前回、呪詛で精神が決壊した伊周を見ているはずです。

今回の宴は、己の意に逆らわぬ側近だけを集めて開催されていて、実資のようなお堅い公卿はいない。それでも隠しておきたいのか。

道長はもう『貞観政要』で説かれているような、諫言ある政治を目指していないのでしょうか。

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