荒れ果てた王都を歩むジョン、ティリオン、ラヴォス。
死屍累々、そこにあるのは惨劇のあとでした。
女王デナーリスの命令のもと、グレイワームはラニスター将兵の処刑をせよと命じています。
ジョンとダヴォスが止めても、復讐の鬼と化した彼は止まりません。
いや、止まらないのはデナーリスなのか。
「サーセイに従うものは殺す!」
そう言い切るわけです。
ジョンはショックを受けた顔でデナーリスを探しに向かいます。
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兄よ、姉よ! 無念の獅子吼
ティリオンは松明を手にして、崩れ落ちた建物の中へと歩いて行きます。
その光に照らされた先にあるのは、ジェイミーの義手でした。
この義手をめぐっては、消し忘れでいろいろあったようですが。
◆「ゲーム・オブ・スローンズ」、コーヒーカップに続き新たなミスが発覚でファン呆れ顔 (→link)
ティリオンは瓦礫を取り除き始めます。
そこにあったのは、ジェイミーとサーセイの死体です。
母の胎内に戻るように、双子は折り重なって死んでいるのでした。
ティリオンは悔しそうに瓦礫を叩きつけ、泣き出します。
俺を化け物扱いしなかった兄よ!
憎みながらも、理解したかった姉よ!
二人ともティリオンからジェイミーに授けられた策で動いていた部分もあるわけです。
デナーリスの王都進撃において、彼の責任は回避できません。
ティリオンよ……生まれることで母を殺し、父を手に掛け、そして姉と兄をもその死の引き金を引いてしまったのです。
一体何人の死を見届けねばならないのか。
ティリオンは泣き叫びます。
あまりに悲痛な声でした。
アリアも、茫然自失とした顔で荒れ狂うドラスク戦士を見ています。
もう、サーセイを殺すどころではありません。
輪からの解放か、虐殺か
ジョンはデナーリスに会いに行こうとしますが、グレイワームが立ちふさがります。
その頭上を、ドロゴンが飛んでいく。
デナーリスはヴァリリア語で演説を始めます。
「【血盟の血】よ! 彼らの城を陥落させ、七王国を我がものとした! ドロゴ・ヌォド、汝を陸軍大臣に任命する!」
このヴァリリア語が、彼女はウェスタロスの人間でないことを強調するようでもあります。
歓声を送るドラスク戦士も、そのことをはっきりと示すのでした。
アンサリード(【穢れなき軍団】)は、奴隷から今は解放者になった。
王都を解放したのだ!
そうデナーリスは高らかに宣言します。
「戦いは続く! 七王国を我がものとするのだ。ウィンターフェルからドーンまで!」
ラニスポートからクァースまで。
夏諸島から翡翠の海まで。
東西南北、戦いあるのみだと。
「すべての女も、男も、子供も! 解放あるのみ! ありとあらゆる輪を解放する!」
そう高らかに宣言するデナーリスの言葉を聞き、ウィンターフェルに生まれたジョンとアリア、ラニスポートに生まれたティリオンは顔を硬ばらせるのです。
それからデナーリスはこうティリオンに告げるのです。
「お前は兄を逃したな。反逆罪と知りつつ、そうしたのだな?」
「ええ、俺は兄を逃しましたとも。そしてあなたは王都を屠った!」
ティリオンはそう吐き捨てると、【女王の手】のブローチをむしり取り、投げ捨てるのでした。
階段下へ転がり、金属音を立ててゆくブローチ。
デナーリス配下の兵が、槍の柄で地面を突いていた音が止まります。
「連行しろ」
かくしてティリオンは、囚われてしまうのでした。
ジョンは呆然とした顔で見ています。
その横にはアリアがいました。
「ここで何をしているんだ?」
「サーセイを殺しにきたが、先を越されたようだな」
「彼女は今や我らの女王だ」
「サンサがそれに納得すると思うのか?」
「門外で待っていろ」
ジョンはアリアの言葉に、明らかに動揺してそう言うしかないのです。
「サンサは知っている。あなたの正体を。あなたは女王にとっては脅威だぞ。人殺しは、見ればわかる」
アリアはそう告げます。
なんとも皮肉な説得力ですが。
ティリオンをとらえたデナーリスが、ジョンをそうしないとは思えません。
ターガリエンは【炎と血】
ティリオンの独房に、ジョンが姿を見せます。
「ワイン持ってきたのか?」
「いや」
「まぁ、来てくれてありがとうな。女王はすぐに捕虜を殺すからなぁ。まだマシかもしれんね。ヴァリスの遺灰が俺の遺灰に、私の思った通りですって言うと思うぜ」
ティリオンは怒涛の嫌味を言います。
一回死んだなら、死後の世界って知らんかね。
ジョンは困惑し、覚えていないと回答します。
「あっそ。忘れていいんじゃね。俺は愛人(シェイ)を殺したし、父も殺したし、女王も裏切ったし。自分の運命を選んだようなもんだしな。でも、王都の民は違うんだぜ。正当化できねえぞこんなん」
戦は終わったとジョンは苦しい言い訳をするわけですが。
「それを信じるん? 女王の演説聞いてそう解釈できんの? 奴隷湾から王都まで、あの調子で解放し続けるんだぞ」
「あなたも俺も今日まで仕えただろう」
「ああ、あくまで今日まで、な」
ヴァリスは正しかったとティリオンは続けます。
「ま、ターガリエンといえば【炎と血】ってわけだ。【炎と血】。まさにそれじゃね」
「それを言うなら、俺も【炎と血】だ。父と君は関係ないだろ」
ジョンはそう続けます。
ターガリエンの血が、もはや呪いに成り果てました。
「まぁよ。父の血ってことなら、俺もタイウィンの息子だわな。タイウィンもサーセイも極悪だったわ。けどよ、あの二人が殺した死体を積み上げても、女王の王都虐殺1日分半分以下だわな」
これは重要な指摘なんですよね。
【レッド・ウェディング】にせよ【大聖堂爆破】にせよ、犠牲者人数でカウントするとそこまで多くないんです。
【レッド・ウェディング】の元ネタは、40名以下ですからね。
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グレンコーの虐殺|ゲーム・オブ・スローンズ「レッド・ウェディング」の元ネタ
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先週も書いたのですが、
「戦をするくらいなら謀殺の方がいいよっ!」
というわけです。
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ゲームオブスローンズ シーズン8第5話 あらすじ相関スッキリ解説!
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ジョンは弱っております。
義務は愛を殺す
「批判するなよ。その場にいなかったろ。それにミッサンディ斬首、ドラゴンを殺されて怒ってたっていうのもあるし」
「それが虐殺の理由になるのかよ。お前もあのドラゴンが生きていて、乗っていたら、あそこまで焼きまくるのか?」
「わかんないな……」
「嘘こくなよ。裏切りたくねえから言ってるんだろ」
アスタポアでの虐殺。
貴族磔刑三昧。
ドラスクのカールどもを大量に焼き殺す。
デナーリスは、自分が悪人認定した相手は殺しまくってきた――ティリオンはそう主張します。
そうして殺すことで、自分の力を噛み締めてきただろうと。
言われてみればそうですね……。
裏切った侍女のドリアを閉じ込めて処刑あたりから、容赦ないものがありました。
本作の第1話は、エダードがブランや息子に斬首を見せつける場面でした。
殺す重みを見せつける、スターク家の教育方針です。
デナーリスは、そんな教育を受けていない。
命の重み、殺す重みを理解していないのでしょう。
全人類のためによりよい世界を作ると宣言し、殺しまくる。逆らえば殺す。そういう人だろうが。
ティリオンはそう指摘するのです。
ジョンは座り込んでしまいます。
「愛しているのはわかる。俺もだ。お前ほどうまくできなかったけれども。信じてた。彼女を心からな。愛は理性に勝るってこと。誰もが知ってるだろ。俺の兄貴もそうだったよ。愛は義務を殺すんだ」
「今気づいたのか?」
「ま、メイスター・エイモンの言葉だわな」
これはジェイミーの最期でもありますが【王の盾】になった経緯でもあります。
ジェイミーは嫡男なので、結婚できない【王の盾】になることはタイウィンの想定外でした。
しかし彼は、愛ゆえにサーセイの側にいるために、嫡出子である義務を捨てたのです。
「時に義務は愛に死をもたらす。あんたは人を守るために尽くしてきただろ。今、人にとって最大の脅威は何だと思う? 残酷なのはわかちゃいるが、それが正義だ」
そうだ。ジョンは【冥夜の守り人(ナイツ・ウォッチ)】として、死者から生者を守るべく奮闘してきたのです。
「最後に処刑されるのは俺じゃない。【鉄の王座】の邪魔者は殺され続ける。女王が下す判断次第ってわけだな」
「こんな結末で残念だ」
「お前の妹たちはどうだろうな。まだ女王に忠誠を誓っていないよな」
「誓うさ!」
「サンサはなんで俺に、お前の正体をバラしたんだろうなぁ。今、選べよ!」
ティリオンはそうジョンに突きつけるのでした。
こんな結末は残念――ジョンの言葉が重い!
【鉄の王座】に座る時を待っていた
デナーリスは、人生を賭けて求めてきた【鉄の王座】を見て感無量の表情です。
その彼女の背後に、ジョンが立ちます。
「兄が言っていた。エイゴンが倒した剣を固めた王座だって。20まで数えられない私でも、高い山で座ったエイゴン王の足の裏しか見られないだろうな、って思っていた。そういう高い山を想像していたの」
「ラニスターの捕虜を処刑するのを見たんだ」
「必要だった!」
「見ていたのか? 幼子まで死んだぞ」
「和平交渉を壊したのはサーセイだ! 人質を利用した、そんな奸計に負けるわけにはいかない!」
「ティリオンは義務を果たしたんだ。彼を許してくれ」
「それはできぬ!」
「許してくれ。皆を、許してくれ。過ちを理解させて許すんだ。頼むよ、ダニー」
「できない。問題に向き合わねばならん。慈悲よりも忠義が必要なのだ!」
「慈悲こそが必要なんだ!」
ダニーと親愛を込めて呼びかけても、彼女には通じない。
「存在しない世界を夢見よう。難しいことだ。けれど、きっといい世界になる!」
「どうしてわかる?」
「善を見極められるから。あなたもだろう」
「他の皆はどうなんだ? 世界の他の人は見分けられるのか?」
「奴らに選択肢はない。あなたは私の側でよりよい世界を作るのだ」
ずっとそうだった。落とし子だった頃から、20まで数えられなかった幼い頃から、輪を壊そうとしてきたはず。
そう、うっとりとデナーリスは語るのです。
「君は我が女王だ。今も、これからも」
ジョンはそう言い、二人は抱き合います。
そのとき……ジョンの短剣が、デナーリスの体を刺し貫くのでした。
ぐったりと倒れるデナーリス。
そこへドロゴンが悲痛な声を上げながら飛んできます。
ドロゴンは死んでしまったデナーリスを確かめ、嘆きを見せます。
そして炎を吐き出すのでした。
ジョンには向かわず【鉄の王座】へ。
溶けて流れて、デナーリスが目指した王座は消えてゆくのです。
そしてドロゴンは、デナーリスの屍とともに飛び去るのでした。
どういうバッドエンドだ。
そう唖然としますが、これもティリオンとの対話、そしてあの惨劇を踏まえればそうなるのかも。
王を選ぶ
ティリオンは、呆然とした顔でグレイワームに引き出されます。
デナーリスの死を受け、ジョンは捕縛。
そして七王国の諸侯が集っているのでした。
ここで話し合いとなりますが、旧デナーリス配下のグレイワームやアンサリード、ヤーラ・グレイジョイはおさまりません。
死闘をくぐり抜け王都を支配したのに、納得できるわけもありません。
ジョンは処刑だといきり立っています。
一方で、サンサとアリアは助命したい。
苛立ちながらヤーラは主張します。
「我が女王を殺したジョンは処刑だ!」
「あぁ? 兄貴のこと殺すと言ったらお前を先にぶっ殺すぞ?」
アリアがそうヤーラを脅すのでした。流石ですなぁ。
ダヴォスは、リーチ(旧ティレル領)をアンサリードにやるからとグレイワームに妥協を促しますが、賠償より正義が欲しいと拒否されます。
ここで、ティリオンが前に出ます。グレイワームは苛立っているのです。
「お前は黙ってろ!」
「俺より口がうまい奴いねえだろ。ジョンのことは女王が決めればいいんだ。王でもいいけどな」
こうして王を選ぶ流れになるのです。
ここでエドミュア・タリー(キャトリンの弟、【レッド・ウェディング】は彼の結婚式だった)が立ち上がり何かを言おうとします。
「叔父上、ご無理なさらずお座りくだされ」
ここでサンサが止めます。
なんのかんのでこのエドミュア、いい扱いかな? 生きているし。そこにいるだけでなんかちょっと和みます。
サムウェルがここで提案します。
「諸侯のためでなくて、全ての民のための王を選びましょう」
犬や馬のために選ぶのかよと突っ込まれても、サムウェルはめげません。
輪を壊すもの
「ま、俺はあの女王に仕えて裏切った。嫌われもんよ。
けど、数週間考えてばかりでな。ちょっとここで小鬼(インプ)の意見を聞いてくれねえかな。
ずっと考えてきたけどよ。血みどろの歴史に、ろくでもない失敗。人を団結させるもんってなんだろうな?
軍? 金? 旗?
物語だと思う、物語あってこそ! 誰にも止められねえよ。戦も勝てない。
そこで! 不自由なブランってことだわ。窓から落ちて、壁を超えて、【三つ目鴉】として全てを知ったんだ。最高じゃねえか」
ここで、ブランは野心がないし、子作りもできないという意見があるのですが。
「そこがいいじゃない! デナーリスが壊したかった輪ってまさにそこなのよ! 血統で決めないこと。話し合って決めることだ!」
それでこそ領主。権力を望まない。それはわかる。
だからこそ、無欲だからこそ、皆が選んだ王として最高なんだ。そうティリオンは力説します。
だからこそ、よりよい七王国に尽くしてくれる――。
「だからこそここにいるんだ」
「賛成!」
「賛成だ」
「賛成しよう」
ティリオンの演説を受け、諸侯が次々とブランに投票します。
最後のサンサは、愛する弟はきっとよい王になると太鼓判を押します。
「けれど、北部は犠牲になってきた。生き延びたものはこれ以上忠誠を誓えぬほどだ。戦った北部はこの先、何千年と自由の王国にしていただきたい!」
サンサがそう言うと、皆が頷きます。
こうしてブランは、七ならぬ六王国の王となったのです。
「不自由王ブランばんざーい!」
「万歳!!」
ティリオンは【王の手】に任命されます。
ダヴォスにしてくれよと本人が言ってもダメですね。
正義を尽くすことが残りの人生の意義と諭されるのでした。
さて、ジョンは……。
また【壁】で会おう
ジョンは【冥夜の守り人】に戻ることとなりました。子も土地も持たない、あの身分に戻るのです。
それが適切でしょう。
誰かがターガリエンの血を利用しようと企むかもしれない。
デナーリス殺害という罪を犯したからには、暗殺されるかもしれません。
「俺は正しかったのか? 俺たちは……」
正しい気がしない。
ジョンがそう言います。
「10年後にまた聞いてくれ」
「会えるのか? もう二度と会えないだろ」
「どうだかね。【王の手】なんざやってたら、また【壁】で小便したくならぁ」
ティリオンはそう言います。
思えばシーズン1で、二人はそう言い会ったものでしたっけね。
グレイワームは、ミッサンディと約束したナースへと船で向かいます。
サンサは違う道があればよかったとジョンに許しを請います。
「君のおかげで北部は解放されたんだ」
二人はしっかりと抱き合います。
ジョンはアリアに「いつでも【黒の城(カースルブラック)】で会えるな」と告げるのですが。
「そりゃどうだろうな」
「女だから追い出されるってか?」
「北部には戻らん」
「どこへ行く? 西へ向かう。西の果てには何がある? 誰にもわからんよな。地図にもないんだ」
「【ニードル(針)】はあるか?」
「ここにある」
そう言うと二人は抱きしめあいます。
ジョンはブランに跪きます。
「陛下、必要な時に不在で申し訳ありません」
「いるべき場所にいたから」
そう語るのです。
【王殺し】が女王を守った
【王の盾】総帥となったデナーリスは【白の書】を見ています。それは歴代の騎士について記されたものです。
ジェイミー・ラニスターの章に、彼女は続きを書いていきます。
【王殺し】が生者のために戦い、女王を守るために王都に戻り死んだ――そんな運命を記すブライエニー。彼女の中にはジェイミーがいます。
ジェイミーの死は愛の証であったかもしれませんが、彼はそれでも消え去りません。
騎士の魂を彼女の中に残していったのです。
ティリオンは、小評議会のために椅子を並べています。
きっちりと並べ返し準備万端です。
氷と炎の歌
しかし、やってきたブロンは結構ドカドカと椅子をずらすのでした。おいっ!
ここでグランドメイスターになったらしきサムウェル登場!
「ロバート王死後のことを【氷と炎の歌】という書物にまとめました」
「ほほう」
ティリオンは、俺については悪いこと書いてあるんだろうなあとめくり始めます。
ブロンの反応がなんだかおもしろいですね。
「あの、あなたのことは書いてありません……」
気まずいぞ、ティリオン!
ここで、ブライエニーがブランの車椅子を押して登場します。
「密告者の長がいないね。法務大臣、軍事大臣も。ドロゴンはどこだろうか?」
「探せばよろしいかと」
「じゃあ探してみようか」
「お望み通りにどうぞ」
そう告げると、これまた【王の盾】となったポドリックに伴われ、ブランは去るのでした。
「六王国の王万歳!」と言うものの、なんだかいまいち。
「練習させます!」と締めます。
さて、ブロンですが。リーチをもらいがっぽがぽ。しかも財務大臣だそうです。
この人事でいいのかな?
ここでティリオンは、これでええんかと念押し。
そして、復興するから財務大臣頼むで〜と念押しするのでした。
ブロンは文法ミスを指摘されて、
「んだてめえ、文法大臣か、このやろう!」と毒づいたり絶好調っすね。
ダヴォスは艦隊、港湾、水運の復興担当。海軍大臣ですね。
その他、下水道整備、売春宿の復興。課題は山積みです。
サムが「うーんシタデルとしては売春宿の効能はちょっと」と抵抗を見せるのでした。
そこでティリオンが、ロバと蜂の巣を売春宿に持ち込んだ話で脱線するという。
なんのかんので、六王国はうまくいきそうです。
平和になると笑いが戻るんですね。
壁の向こうへ、海の向こうへ
ジョンは壁を超え【自由の民】と合流。
トアマンドが嬉しそうに迎えます。ゴーストも!
うん……ジョンは壁に来て正解だったんだな。そう思える再会です。
スターク家のきょうだいではないからアルビノのゴーストをもらったジョン。
ダイアウルフが最後まで残ったのが、このゴーストというのも面白いですね。出てきてよかった。
まぁ、トアマンドは失恋しちゃったし、ジョンも妻帯禁止ですが、そのぶん男同士の友情でもあたためちゃいなよ! よかったな。
【ニードル】を身につけたアリアは、スタークの旗のもと、前人未到の西へ。
サンサは威厳と狼の王冠を身につけ、堂々たる【北の女王】に。
ジョンは【自由の民】と壁の向こうへ向かうのでした。
完
MVP:ティリオン・ラニスター
ティリオンの弁舌、弁舌、弁舌!
デナーリスの息の根を止め、ブランを王にしたのも、彼の弁舌あってのことでしょう。
ティリオンの弁舌がともかく冴えていました。
ドラゴンが暴れようが、弁舌や知略がなければ勝利できない。
そんなことを痛感したティリオン無双でした。
予想の答え合わせ:
サンサとティリオン共同統治:❌
まあ当たってはいませんが、サンサは北の女王、ティリオンが【王の手】だし、まぁまぁいい線いってたかな。
好きなキャラは死んだか?:
一番好きなキャラは死にました。
予想通りではありますが、いい死に方なのでまぁよかったかなと。
三番目くらいに好きなブロンがなんだかんだで大出世なので、満足です。
デナーリスは踊り続ける
オールドストーンズのジェニーの歌は、当たったとも言えます。
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ゲームオブスローンズ シーズン8第2話 あらすじ相関スッキリ解説!
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デナーリスはドロゴンに連れ去られました。
最も愛したドロゴの名をつけた我が子のようなドラゴンと、どこかで彼女は踊り続けるのかもしれない。
デナーリスはかわいそうといえばそうです。
何もかもを失って、全てを捨てて賭けてきたのに、王座に座ることすらなく、死んでしまうわけです。悲劇といえばそうですが。
じゃ、何が悲劇かって?
血統です。世襲の悲劇です。
本人に特性があるかわからないのに、それが運命だと吹き込まれ突き進んだ悲劇がそこにあります。
ヴィセーリスが王に向いていないことは明確です。
デナーリスもそうだった。気づきにくいだけでそうだった。
どうしてデナーリスに、ジョン、ティリオン、多くの民、視聴者まで騙されたのか?
美貌? 血統? 正義? 物語?
ティリオンが指摘する通り、危険な兆候はいくらでもありました。
それを見逃したようなことが、あなたにもないかどうか。安易な救世主を求めていないか。
考える必要があるでしょう。
血統の魔法ということを考えますと、ターガリエン朝はフランスのボナパルト朝を彷彿とさせます。
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英雄の血は不要――そうフランスが悟るまで、大量の血が流れたものです。
その王朝当事者は悲劇的ではあります。
ただ、振り回される側だって十分迷惑なのです。
デナーリスの悲劇は、救世主や血統に夢を見る人間の頭をぶっ壊すインパクトがありました。
確かにデナーリスはかわいそうですが。
ティリオンの言葉を借りれば「個人がかわいそうなことと、王都の虐殺関係ねえし」となるのでしょう。
世襲の否定
デナーリスとジョンのターガリエンが完全に否定された一方で、ブランの子供を作れないことが大絶賛されました。
あぁ、このドラマってアメリカの作品だったねえ。
そう納得したものです。
海外は、日本ほど世襲を重視しないもので、特にアメリカは顕著です。
むしろ七光りを嫌い、隠すこともあるほど。
セレブが我が子を無理矢理よい大学に入れていて、そのことが問題視されていたほどです。
幕末、福澤諭吉のような日本人は、アメリカで誰もジョージ・ワシントンの子孫を知らないことに驚きました。
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当時の日本では、家康の子孫が治めていたわけですからね。
そういう世襲を否定してきた国が作るドラマで、中世ヨーロッパを模した世界観で、どうするのか。こういう落とし方があったんだと納得できました。
本作って、世襲の権力に否定的なんです。
デナーリスは、第一子流産の際に妊娠できない呪いをかけられました。
エダードの嫡男・ロブは【レッド・ウェディング】で殺害。
この際、ロブの血を引く胎児ごと殺されています。
我が子に執着したサーセイは、三人の子を失う。
サーセイが死んだ際に、妊娠していたことも皮肉です。
我が子に権力を譲りたいと思ったものが、登場人物の感情移入を無視して殺されているかのように思えます。
その一方で、ブランといい。ジェンドリーのプロポーズを断ったアリアといい。ジェイミーと別離を体験したブライエニーといい。自分の血を引かないジリの子を愛するサムといい。
結婚をしないでも生きていく。
我が子がいなくとも生きていく。
そういう人物の明るい未来を示しています。
高貴な血を引くデナーリスといい、ジョンといい、古典的なファンタジーの美味しい設定がてんこ盛りでした。
それを全否定し、流れる血よりも奉仕する心、知性、動機、物語だと本作はきっちり示しました。
2019年――求められる権力者とは何か。
その答えをきっちりと見せてきたわけです。
そりゃ、中世やファンタジーのセオリーを考えて予測したら当たらないわ。
ひねりにひねって、大団円を迎えたように思えます。
愛って結局なんだったんだろう?
それにしてもこの大団円を迎えて、やはり恐ろしいと思えてきます。
サーセイとジェイミーはじめ、そしてデナーリス。
愛に生きたものが死んでしまう中。ティリオンは義務のためなら愛を殺せと言い切り、その結果、ジョンはああなってしまう。
愛と義務の話は怖かった……。
本作って厄介だ。
愛の力でむしろなんとかなる。そういう創作が多いように思えるのに、全否定してこそ2019年。
おそろしい、本当に恐ろしい!
愛は奇跡を生みません、悲劇を生みます!
これも、世襲否定にもつながりがあるのかと思えてしまうのです。
ブランは子供ができないからこそ適任。すごいっちゃそうですよね。
別に子作り禁止ということではなく、家族や恋人への愛を、国への奉仕の上に置いたらいかんだろうということなのでしょう。
イヴァンカのような親族をホイホイ重要ポストにつける、トランプ大統領への皮肉かも。
トランプが本作と絡めたツイートをした時、スタッフも出演者も叩きまくっていましたっけ。
権力に媚びない姿勢が本作なのだな、と思ったものです。
ファンタジーがおとぎ話だと思った奴を焼き払う。
本作ってしみじみ、そういう作風だと思います。
この大団円も、2019年にふさわしいんですよね。
ある意味、完璧なポリティカルコレクトネス!
エログロあるからポリコレを無視したドラマと言い切る人がいるようですが、いや、そんなことありません。
◆サンサが北部女王になる
→民族的に異なる北部が独立する構図は、先住民保護やスコットランド独立運動を彷彿とさせます。日本は関係ない?「アイヌ新法」があるじゃない!
◆ジョンと【自由の民】の融合
→壁で隔てて敵対していた民と融合する。北部復興の助けにもなるはず。これぞ移民や難民を受け入れるべき、そういう世界の流れに一致するのでは?
◆ストーリーと障害のあるブラン王
→多様性だ!
個々人の違いを受け入れる融合。そういう路線がしっかりとあります。
ファンタジーはやっぱりファンタジー。そんなことをきっぱりと否定した本作です。
銀髪とドラゴンという、ファンタジーの王道女王デナーリスを葬った本作。実に厄介な傑作でした。
こんな厄介なドラマはもうできないだろう。
そう思える、幸福な没入感でした。
あ、でも、G・R・R・マーティンよぉ……自分の構想通りなら、あと3シーズンか5シーズン必要と語っているそうですが。
いいから、このシリーズ書け。
それが、ドラマ化以前からシリーズを追いかけているファンの願いです。
本作の脚本には不満があるとも言いますが、それを回収する原作を楽しみに待ちたいと思います。
いや、完結するとは信じていませんけどね……半々です。
ともあれ、スタッフ&出演者の皆さま、お疲れ様でした!
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【参考】
『剣嵐の大地 (中)〈氷と炎の歌 3〉(ハヤカワ文庫SF1877)』(→amazon)





