こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
【空也上人】
をクリックお願いします。
お好きな項目に飛べる目次
口から出ている六体の阿弥陀像は「南無阿弥陀仏」
さて、空也に関するお話をもう一つ。
出自の謎からか徳の高さからきているのかわかりませんが、空也と称される木像には他の聖者たちとは全く違う特徴があります。
質素な服装や首から下げた鉦(手に持って鳴らす金属製の楽器)と撞木(しゅもく)を持っているところまではいいとして、口から阿弥陀像が六体吐き出されているのです。
一見罰当たりとも取れる表現ですが、これは「南無阿弥陀仏」の六文字を表しているのだそうで。
つまり「吸う息吐く息が念仏のように尊い方だった」ということなのでしょうが、これ思いついた人すげえな。
「南無阿弥陀仏」の文字をそのまま口から出してたら、マンガの吹き出しになっちゃいますしね。
もしかしたら一度そうしてみて「いやいやこれはねえだろwwww」と思ったから仏像に置き換えた……なんて話だったりするのかもしれません。
しかし、それだけ尊いと思われていた人の事跡がこれほどまでに不明というのもしっくり来ないですね。
もしかしたらどこかのタイミングで、空也の存在が不都合になった人物が記録を処分してしまったのかもしれません。
ただ単に災害や戦火で散逸・焼失してしまった可能性も大ですが、はてさて。
死海文書みたいにどこかの洞穴から見つかったりしませんかね。
あわせて読みたい関連記事
太鼓を打ち鳴らしての踊り念仏♪ 一遍上人も最初は地道に木札を配ってた
続きを見る
弘法大師空海の生涯と功績~日本密教の祖にして至高の文化人だった
続きを見る
信者を大量獲得した法然の浄土宗は何が凄い?南無阿弥陀仏を唱えれば
続きを見る
「一休さん」こと一休宗純は後小松天皇のご落胤だった?破天荒な僧侶ライフ
続きを見る
日本に茶や禅を伝えた栄西~宗派を超えてリスペクトされたのはなぜか
続きを見る
曹洞宗・道元と懐奘の師弟愛に感涙してしまう~堅苦しそうで楽しい鎌倉仏教
続きを見る
長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典
空也/Wikipedia