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【『どうする家康』感想あらすじレビュー第38回「唐入り」】
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パクってどうする!
次回の予告編で、
「秀頼がお前の子のわけがない!」
と淀殿が秀吉に告げていました。
この言い方ですと「パクリ」と言われても仕方ないかもしれません。
華流ドラマ2011年『宮廷の諍い女』のオチでほぼ同じセリフがあります。
豊臣秀頼が秀吉の実子でなければ誰の子なんだ?粛清された陰陽師たちの中に……
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『パリピ孔明』をみようか
歴史ドラマを見たいという欲求を叶えてくれます。
『大奥』はシーズン1の時点で出来がいいと確認できていましたが、嬉しい誤算だったのが『パリピ孔明』です。
本作、淀殿の中国語にはゲンナリさせられる一方で『パリピ孔明』はディーン・フジオカさんですから、外すわけがない。
◆「パリピ孔明」ディーン・フジオカの劉備&中国語ナレーションにSNS沸く(→link)
しかも、です。あの孔明は、たとえやることが音楽フェスでの対決であっても、いちいち兵法を踏まえているから素晴らしい。
ドリンクの供給、照明、地形、そして心理などなど、兵法に必要な要素を踏まえており、見ていて頭がスッキリとするのです。
曹操は、陳琳の文章を読むと「頭痛が吹っ飛ぶ!」と喜んだそうですよ。
あのドラマを見ていると、まさにそんな気持ちになりますね。
兵法語りをしたいからこそ、歴史を学んでいるのだ! そう再確認できて嬉しくなるのです。
声聞情に過ぐるは、君子これを恥ず
声聞情に過ぐるは 君子これを恥ず。『孟子』
やらせレビューとか、「泣ける」連呼提灯記事量産とか。まともな神経の持ち主なら恥ずかしくてやれんだろ。
このドラマにまつわることは、何もかもが恥ずかしくなります。
例えば今週も旺盛な提灯ニュース。
◆【どうする家康】家康と家臣の絆に視聴者涙「殿と家臣団にマジほれた」「泣ける」(→link)
「マジほれた」とか「泣ける」とか、どこまで陳腐なのか。
ジャニーズ性加害問題でメディアの忖度が激しく問われているのに、相変わらず流される提灯記事にはため息しか出ません。
ジャニーズきっての人気タレントを主役に用いながら、ドラマが洒落にならないほどコケた――そんなことは何があっても許されないとばかりに、ニュースだけではなく、イベントも開かれています。
北条氏政がマザーセナ教徒だという捏造妄想をやらかしながら小田原でイベントを開いたことにも驚きましたが、50席という会場の小ささにも驚きました。ご興味ある方はニュース映像もご覧ください。
ちなみに放送前のイベントでは、
◆ 松本潤さん 大河「どうする家康」初回放送前にトークショー(→link)
静岡市・岡崎市・浜松市で3,000人でした。
3,000→50人って、もう軍団崩壊じゃないですか。桶狭間あとの今川、長篠の戦いのあとの武田よりもはるかに酷い。
ちなみに『大奥』の場合は
◆【放送時間変更】「大奥」緊急ファンミーティング 3月25日深夜に放送 2167人が将軍3人の“威光”にほれぼれ(→link)
シーズン1の終了直前に緊急のファンミーティングが開かれ、それでも2,167人も集まっています。
本当に人気のある作品であることが一目瞭然でしょう。
あるいは『らんまん』の場合も
確実に盛り上がっています。
それに引き換え『どうする家康』の体たらくときたら……。
どれだけ不人気でも、今はもう、とりあえずニュースを取り上げ、必死に誤魔化そうとしているとしか思えません。
もう今年の大河は終わった――。
肌でそう感じてしまうほど酷い状況になっているのに、SNSに目を向ければ、一部のファンたちが「批判する者は許さん! 異端者だ!」と言わんばかりの激烈さを見せている。
本当に今年は何なのでしょう。
大河は、来年以降も続きます。
今年はもう諦めるにせよ、将来に禍根を残すのだけはやめてほしいと願うばかりです。
借屍還魂
『パリピ孔明』のおかげで個人的にはノリノリ絶好調!
しかし、孔明のように兵法を用いて物事を語ろうとすると、人間関係に支障をきたします。
よほどの理解者でなければ、うざいだのキモいだの遠ざけられ、人間関係はどんどんミニマムになっていく……悲しいことですが、乱世ならばそれも致し方なし!
そんなワケで、孔明のごとく兵法で世の中を見ていきましょう。
借屍還魂――屍を借りて魂を還す。
兵法三十六計の第十四計にあたります。
徳川家康の屍を振りかざし、自分たちの「承認欲求」と「自己実現」を取り戻す――それが『どうする家康』の計略でしょう。
今年の大河ドラマは話題性だけを考えている。
徳川家康の屍は利用されているだけ。
『鎌倉殿の13人』のように真っ当な大河ドラマは、北条義時以下、役者の生身を用いて歴史上の人物を甦らせることができます。
しかし今年の家康は屍のまま利用されている。
歴史はそのアリバイに過ぎない。
それが『どうする家康』です。
証拠としてこちらでも。
◆大物理事のジャニーズ事務所への「天下り」も…NHKが「ジャニーズ依存」を強めてしまった本当の理由(→link)
◆石原さとみ、吉田羊、米倉涼子…ジャニーズ “共演ゼロ女優” が躍進する!セクゾ菊池風磨はロケで奮闘もジャニーズ凋落は必至(→link)
NHKは公共放送でありながら、視聴率達成のため無茶な目標を設定しました。
それを手っ取り早く満たすのであれば、ジャニーズ起用が一番。
ただし、ジャニーズは共演女優に口を出し、女性人気と好感度を重視する。
そんな縛りがある中、ジャニーズ主演の相手役をゲスな悪女にするわけにはいきません。
そこでアリバイとなる史実を探し出し、『平清盛』以来固定ファンがいる磯CPに語らせます。
しかし脚本家は加減を知りませんでした。
彼は「歴史は勝者が語るもの」だから信頼できないとし、「そんなことよりも自分のフィーリング重視だ!バラフライエフェクトだ!」とかなんとか言い出し、「せっかくなら悪女否定から、もっと話をデカくしよう!」と思いついてしまった。
◆脚本家・古沢良太が『レジェバタ』に込めた想い「歴史に残らず、人知れず消えていく蝶の羽ばたきこそを描きたい」(→link)
だから、兵站を無視した空撃ち数年だの。
北条氏政が「関東の隅っこで、侵さず侵されずに引きこもっていただけ」なんていうマヌケで基礎知識が欠落したプロットが通ってしまう。
それでも本作は止まりません。
承認欲求。
自己実現。
史実なんてものはその遥か下にあるちっぽけなものに過ぎないのでしょう。
なんせNHKの公式メディアから、こんな自己承認欲求にまみれた記事を出すほどなのです。
◆大河ドラマ「どうする家康」は「平清盛」のリベンジ作!? 初回放送で見えた!今後の注目ポイントはココだ!(→link)
大森南朋演じる酒井忠次の海老すくいの3連発とか、ラストシーンで家臣たちに「どうする!」を連呼されるシーンなどはこれまでの大河ドラマにはなかった演出だった。
磯CPの意気込みが、そんなところからも伝わってくる。
意気込みが「酒井忠次の海老すくいの3連発」って……一体何をどうすればそんなことになりますかね。
求められるのは良い作品を作る気概であって「リベンジだ!」などという個人的な願望ではありません。
公共放送にあるまじき認識。
これでよく歴史を扱おうなどと思ったものです。
と、思ったら、ノベライズ担当者が明かしていますね。これはもう歴史の二次創作だと。
◆大河ドラマ『どうする家康』が若者世代を繋ぎ止める?ドラマ評論家・木俣冬が教えるNHKの仕掛け「二次創作化の世界に入ってきている」(→link)
まぁ、ノベライズ担当者の見解がどれだけ当てになるか、なんてわかりませんよね。
誰が何と言おうが、最低は最低では?
◆史上最低だけど最高だったNHKの大河ドラマ「いだてん」に金メダルを贈りたい(→link)
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