光る君へ感想あらすじレビュー

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『光る君へ』感想あらすじレビュー第41回「揺らぎ」まひろも道長を見限ったか

寛弘8年(1011年)、自宅に戻り、武者の双寿丸を見つけたまひろが驚いています。

賢子を助けてもらった――乙丸からそう聞かされ礼を言うと。

「女子が困っていたら助けるだろう? 当たり前のことだ」

素敵な台詞をクールに吐く双寿丸ですが、実はそれが当たり前でもないと思うんですよね。これは彼の大きな長所でしょう。

 

新時代の風を吹き込む若き武者

一方、双寿丸を露骨に追い払いたい様子のいと。「お腹がいっぱいになったら出ていけ」と追い出そうとします。

助けてもらった御礼はするけれど、越後守の孫である姫との身分の違いを強調するのです。

しかし双寿丸はどこ吹く風でこうだ。

「姫様ってツラでもないよな」

そう言われた賢子は怒るどころか大笑い。しかも「お腹が減ったら、またくるように」と告げるのでした。

「おう!」

視聴者と賢子の心を掴みながら颯爽と去ってゆく双寿丸は“新時代”の象徴のよう。

思えば武士政権の設立を描いた『鎌倉殿の13人』第1回は、舞台が1175年でしたが、新時代の芽は為時の邸でも芽吹いていたんですね。

その夜、布団を整えながら、賢子が「内裏の仕事はお休みなのか」と尋ねます。

中宮様の許しを得てきたと答えるまひろは何やら辛そうな表情です。無理もありません。弟の惟規が逝き、帝も崩御し、心労が積み重なっているのでした。

そして賢子に「なぜ、あのような武者にも優しいのか」と語りかけます。

「助けてくれた人だもの」

そう語る賢子ですが、からかわれても怒らないところがまひろには不思議なようです。

「私は怒ることが嫌いなの」

自分には怒っていたとまひろが反論すると、なんでも母上以外には怒らないのだとか。まひろは娘の言葉に考え込んでいます。

珍しく仲の良い母と娘の会話に思えます。双寿丸効果でしょうか。

 

撫子を摘む我が子に涙する母

敦成が撫子の花を摘み、彰子がその姿を見ている。

父の死を知らず、無邪気な幼い我が子が悲しくてならない中宮が、おもむろに歌を詠み始めます。

見るままに
露ぞこぼれる
おくれにし
心も知らぬ
撫子の花

見るだけで涙がこぼれてしまう。父の死も知らずに撫子の花を摘む我が子を見ていると……。

中宮の歌を初めて聞いた――まひろがそう驚いていると、彰子は苦しい胸の内をこぼします。

亡き帝と歌を交わし合いたかった。もっと一緒に語り合いたかった。笑い合いたかった。敦成も敦良も、もっともっと、帝に抱いていただきたかった。

一条天皇の寿命を縮めたような道長の仕打ちを思うと、なんとも言えぬ気持ちになります。

 

新帝の内裏遷御

新たな帝は内裏に入る日が決まっていません。

公任にその手筈を整えるよう命じると、「実資殿がふさわしい」と拒もうとします。

しかし実資には別に頼みがあるようで、しぶしぶ承諾せざるを得ない公任。

左大臣である道長に「よいな?」と念押しすると、道長は陰陽寮にはかっていると返すのでした。

二人が帝の前から下がると、公任が、こういうのはやりたくないと道長にぼやきます。

儀式に詳しいだろと道長に言われますが、だからこそやりたくないのだとか。もしも間違えたら恥ずかしいですし、そのときは実資に嫌味の一つでも言われそうですしね。

そして公任は、周りに人がいなくなったところで、道長にささやきます。

「帝は取り込みを図っており、結束を乱すつもりだ」

どこかノンビリした道長は「それほどの魂胆があるのか?」と他人事みたいに答えるだけ。

公任は、先の帝の側近を遠ざけたいのだとちう見通しを語ります。ここまで言われ、ならば振り回されないようにしようと気を引き締める道長です。

内裏遷御の日は「亡き一条天皇の四十九日にあたる」と道長が伝えると、「それでもかまわない」と答える新帝。

帝は、道長の兄、甥、息子を側近にするとのことです。

困惑する藤原教通。なぜ、兄ではなく自分が帝の側近に望まれたのか。名誉なことだと父である道長が返すと、教通は微笑みながら去ってゆきます。

一方、兄の藤原頼通は不満そうだ。なぜ私ではないのか。

そうこぼすと、道長は取り込まれなかったことをむしろ喜ぶようにと伝えます。

「お前が先頭に立つのは東宮が帝になるときだ」

思わずひきつる頼通の顔。まるでその時機は道長が決めるかのような言い方ではないですか。

 

高松殿生まれと土御門生まれの格差は縮まるのか

道長は、源明子の住まう高松殿に来ています。

なんでも兄の源俊賢は、帝の女房を取り込んでそば近くに仕えようとして失敗したとか。

“取り込む”とは、性的関係を持つことも含まれます。なんでも帝は不快の念をあらわにしたそうで、道長はもう少し考えてやるようにと言います。

「いささか早すぎた」と悔やむ俊賢。それでも道長のため帝の心を掴もうとしているようで、そんな兄に対し、明子が苦言を呈すと、俊賢も妹を黙らせようとする。

俊賢は儀式に詳しいから、帝も頼りにするだろうと余裕の道長。

するとそこへ、明子が産んだ頼宗と顕信がやってきました。二人は、自分たちがいつ公卿になれるのか、気が気でない様子。

特に顕信は、兄とも年齢が変わらぬのに、土御門生まれの藤原頼通は正二位で権中納言だ、と納得できません。

こういうことは帝の心次第ゆえ、もう少し待てと制する道長。

いつまで待てば良いのかと訴える顕信。

兄の頼宗が「控えるように」と制すると、今度は息子二人をフォローするかのように、明子が道長にプレッシャーをかけます。

「父上はそなたの心をちゃんとわかっている」

硬直する雰囲気を和やかにしたかったのでしょう。兄の源俊貴が、焦ってもろくなことがないと道長をフォローするのですが、逆に妹から言われてしまいます。

「兄上に言われたくありません!」

8月11日は先帝の四十九日、新帝が内裏に入ると、さっそく帝は動きます。道長を関白にするつもりのようです。

しかし、丁重に断る道長。

つれない対応になることは予期していたのか、帝はなおも粘りながら「関白にならぬなら朕の願いを一つ聞くように」と交換条件を提示してきました。

いったい何なのか?

娍子(すけこ)を女御にする――。

そう聞かされた道長は、慌てながら「大納言の娘に過ぎず、先例もない娍子は女御にできない」と反論しますが、帝は譲らず、娍子を女御にすると言い張ります。

道長の子である妍子も、女御にすると言い切るのでした。

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