毎週土曜日13時50分に大河ドラマ『べらぼう』をマンガで振り返る――。
第38回放送の注目は蔦重と山東京伝の手打ち、松平定信の出版規制、そして歌麿ときよの別れでしょう。
その中でも心を惹かれたのが松平定信。
清廉潔白で杓子定規でつまらない人間かと思いきや、実は誰より書物を愛していて、政治家でなければその道に進んでいたのでは?と思わせるような印象も……ということで、さっそく漫画で振り返ってみましょう!
決裂
◆もはや完全な脅し。
「日本橋の代表である」とまで思い上がってはいないけど、「自分が一声かけたら協力してくれるよな?」ぐらいは考えている。
つまりは、薄っすらと「日本橋の代表」だとも思っている。
蔦重よ、早く謙虚さを取り戻してくれぃ!
モテたい作家
◆先人たちが切り拓いてきた道を進むとき、自分は後進たちに道を用意しなければならないのか。
「知ったこっちゃねぇ!」とは言えないのが江戸っ子でしょう。
しかし本作の山東京伝は、『北斗の拳』で言えば雲のジュウザなんすよねー。それが魅力。
暴走モード
◆劇中ではこんな風に語っていた松平定信ですが、誰よりも本好き、愛しています。
なんせ、この定信さん、寛政5年(1793年)に自身が老中を退任すると、その後、絵画や書物を作らせているのです。
しかも、規制の対象として追い込んだ山東京伝をはじめ、朋誠堂喜三二や四方赤良(大田南畝)、北尾政美(鍬形蕙斎)などへ発注。
一体そりゃどういうこった?
ということで、こちらは後日、別の記事にてご報告させていただきます。
抜け穴
◆規制を強める当局に対して、膨大な資料を提出して対抗する――個人的に思い出したのが、ゴールドマン・サックス証券が金融危機の調査委員会に対して
10億ページ(5TB)
もの大量データを送りつけた件です(Bloomberg)。
完全に妨害です。今なら、さっくりAIで分析できてしまいそうですが。
賄賂じゃない
◆誰もやりたがらない「人足寄場」の設置を任された長谷川平蔵。
久々に吉原へ。
蔦重だけでなく、駿河屋の親父や二文字屋の女将からも金貨を渡されます。
いったい彼らの目的は?
言質とったぞ
◆将軍家に対する松平定信の忠誠心のみならず文学好きまで刺激して、江戸の地本を助ける――劇中では、タイミングよく大和田安兵衛がやって来ていたのも説得力ありましたよね。
悪玉と善玉を山東京伝が描いた『心学早染草』の版元。
ドラマでは川西賢志郎(元和牛)が演じる上方の本屋ですね。
母
◆蔦重の母つよは「男女の関係わかっている感」が凄いっすよね
お迎え
◆ドラマを見ていて、一瞬、『きよは助かるのかな……』と思ってしまった方おりません?
私はそうです。そして、その後の喪失感が本当にキツかった。
なんという脚本なんじゃ!……ということで次週以降も乞うご期待。
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漫画:アニィたかはし
文:五十嵐利休
【参考】
べらぼう/公式サイト