やばい日本史100万部突破記念帯

歴史書籍

異例の100万部突破『やばい日本史』のいったい何が「やばい」のか?

2026年7月28日、ダイヤモンド社から驚きの発表がありました。

『東大教授がおしえる やばい日本史』シリーズ、累計100万部突破――。

出版不況と言われて久しいこのご時世。

児童書から出発したシリーズとしてはまず拝めない脅威の数値であり、弊サイトにとってもこの日付には少しばかり因縁があります。

本書のシリーズ第1弾をレビューしたのが2018年7月28日、ちょうど8年前の同日でした。

『東大教授がおしえる やばい日本史』を親子から受験生、OLさんにまでオススメ

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当時の記事で私はこう書いております。

「親子から受験生、OLさんにまでオススメ」

正直に申し上げて、100万部到達の予感などはありませんでしたが、現在では「もしかしたらまだ通過点かもしれない……」という思いに震えてしまう。本書のいったい何が「やばい」のか?

やばい日本史100万部突破帯バージョン書影

やばい日本史(→amazon

あらためて見てみましょう!

 


まず売れ方がやばい

まずは本シリーズを発売順に並べてみます。

『東大教授がおしえる やばい日本史』……2018年7月12日

『東大名誉教授がおしえる やばい世界史』……2019年7月18日

『東大教授がおしえる さらに!やばい日本史』……2021年7月14日

『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』……2026年4月22日

第1弾は発売5日で6万部を超え、そこから8年かけてシリーズ全体100万部に到達しました。

注目したいのは、この本がもともと児童書として企画されていたという点でしょう。

実際に発売が始まると、妙なことが起きました。

ダイヤモンド社いわく「子どもに買ったつもりが親の方がハマった」……と、これ身に覚えがありすぎます。

2018年に弊サイトレビューの締めの一文がこれでした。

私も、この一冊で3才の娘と勉強します!

娘のために買ったと言いながら、いちばん夢中で読んでいたのは親――これが全国で同じことが起きていたわけですね。

児童書の棚に置かれた本が、大人の財布から売れていった。

これが1つめのやばさですね。

 


中身も当然やばい

本シリーズの構成は、実にシンプルです。

偉人一人につき見開きで紹介し「すごい」と「やばい」の二面を捉えていく。

注目は当然「やばい」ほうであり、

やばい日本史(→amazon

ネタのチョイスが絶妙なのです。

徳川家康……武田信玄に負けて逃げ帰った失敗談(途中でウ◯コを漏らすという逸話)

土方歳三……故郷にラブレターの数を自慢する手紙を送る

大久保利通……よく撮れた写真を自慢する

野口英世……恩師から借金する

森鷗外……フェイクニュースを書く

葛飾北斎……ゴミ屋敷で暮らす

教科書には、まず載らない。

しかし、聞けば誰もが思わず笑ってしまうエピソードが並ぶ。

教科書に載っている偉人の姿は、あくまで後世の人間が磨き上げた像であり、監修の本郷和人先生もハッキリこう言い切っておられます。

完全無欠の偉人なんていません

偉人を持ち上げるのをやめ、生身のエピソードに目を向けると歴史は途端に面白くなる。

本書シリーズががやっているのは、そういうことですね。

 

「やばい」の使い方がやばい

「やばい」という言葉はもともと「危ない」とか「都合が悪い」という意味の言葉ですよね。

それが転じて「すごい」の意味でも使われるようになった。

そう、本シリーズは、タイトルの付け方も抜群なのです。

同じ人物の二面性を描くのにあたり「やばい」という一言を用いるだけで、日本史を高度なエンタメとして成立させてしまった。

やばい日本史土方歳三

やばい日本史(→amazon

監修の本郷先生・本村先生、著者の滝乃みわこ氏、イラストレーターの和田ラヂヲ氏・横山了一氏・亀氏、そして編集者の金井弓子氏には、あらためて感服するしかありません。

次は200万部を目指してガンガン進んで欲しいです!

ということで、最後に、個人的な話を一つだけ。

2018年のレビューで記した3才の娘もすでに小学校の高学年となり、時折『やばい日本史』を見てニヤニヤしています。

将来は、娘の子供も読むことになったりして……。

なんて冗談っぽく締めようと思いましたが、そんなことも実は全然夢物語ではないんですよね。あらためて恐ろしい本だな!


【参考文献】

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五十嵐利休

武将ジャパン編集管理人。 1998年に早稲田大学を卒業後、都内出版社に入社し、書籍・雑誌編集者として20年以上活動。歴史関連書籍からビジネス書まで幅広いジャンルの編集経験を持つ。 2013年、新聞記者の友人とともに歴史系ウェブメディア「武将ジャパン」を立ち上げ、以来、編集責任者として累計4,000本以上の記事の編集・監修を担当。 月間最高960万PVを記録するなど、日本史メディアとして長期的な実績を築いてきた。 戦国・古代・幕末・世界史の広範な執筆とSEO設計に精通。 ◆2019年10月15日放送のTBS『クイズ!オンリー1 戦国武将』に出演(※優勝はれきしクン) ◆武将ジャパン(団体)国立国会図書館典拠データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001159873

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