幕末・維新

上野の西郷さんが連れている犬の正体は?死の直前まで愛犬家

西郷隆盛が人生を共にした大切なパートナーといえば?

3人の妻?

それとも藩主・島津斉彬か、盟友・大久保利通か、あるいは維新の志士たち全般か?

いずれも間違いではないでしょうが、さらにもう一つ答えを加えるなら“愛犬”を入れたいところです。

上野公園の有名な西郷隆盛像は、愛犬を連れています。

歴史にさほど興味のない方も、動物園でシャンシャンを見た帰りにその像を見れば『あぁ、西郷さんって犬好きだったんだなぁ』と思われることでしょう。

では、実際の西郷はどれほどの愛犬家だったのか?

史実における犬と西郷どんの関係を追ってみたいと思います。

 

肥大巨眼の男が、犬に鰻を食わせる

恰幅のよい、ギョロ目の男が、愛犬を何匹も連れて狩りをしていた――。

明治維新のあと、故郷・鹿児島に戻った西郷の目撃談として、そんな話が数多く残されています。

西郷は心から犬を愛していました。

名前がわかるだけでも、13匹を飼っていたとか。東京では数十匹を飼育していたとも言われています。

西郷は宿や店に行くと、大きな鍋や桶に、飯・鶏肉・魚・卵等をタップリと持ってこさせて、愛犬に食べさせていました。

餌のやり過ぎで肥満してしまい、猟犬としては役にたたなくなった犬もいたほどです。

残飯だけではなく、ときには鰻丼や鰻の蒲焼きも与えていたというから筋金入り。

注文した鰻丼を次から次へと犬に与えてしまい、品切れとなって自分は食べられなかったこともあったそうです。

犬に鰻を与えることに後ろめたさがあったのか。

そういう時は丼の下に大金がそっと置かれたことも……。

そっと隠して金を置くため、気づかないで食い逃げと勘違いして追いかける店主もいたそうです。

「犬に鰻もおかしな話だけど、素直に払えばいいのに」

そんなふうに思ってしまいますね。本人でも意識する度を超した愛犬家ぶりに照れくささがあったのかもしれません。

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当時の人ですから仕方ないことではありますが、鰻の蒲焼きをそのまま犬に与えるのはよくありません。

専門家によると、タレを落とし、小骨を処理して、生のままではなく必ず加熱してから与えるべきとのこと。

栄養としては、犬にもよいとか。

 

名犬の噂を聞くと

愛犬に鰻丼を与えるのですら、ちょっとビックリな愛犬家ぶり。

そんな犬好きの西郷は、誰かが名犬を飼っていると知ると、何がなんでも欲しくなってしまう性格でもありました。

相手からすれば、天下の西郷に頼み込まれて犬を譲らないわけにもいきませんから、なかなかの困りもの。

名犬がいるとなると、矢も楯もたまらず飼い主に譲って欲しいと頼み込んでいたため、御礼の書状も多数残っています。

また、飼い主側が「おはんの犬を西郷サァが褒めやった」と人づてに聞いて、自主的に連れて来ることもあったそうです。

常に立派な犬を何頭も連れていた西郷。

どこで手に入れたのか?

というレベルではなく、自らも求め、そして他からも持ち込まれていたのが実情でした。

 

悲痛な犬の鳴き声

2013年大河ドラマ『八重の桜』で、山川浩が西郷隆盛と出くわす場面があります。

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犬を探していると相手が言ったことから、山川は相手が西郷だと判断。

史実においても西郷は、西南戦争に犬を連れて来ました。新政府軍に追い詰められて撤退するときも、犬を何匹も連れていたという目撃情報があります。

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西郷自身の姿が見えない時でも、犬が四~五匹連れられていたことから、周囲の人は彼がいるのだとわかったそうです。

それだけ西郷と言えば犬という印象が強かったのでしょう。しかし、戦争により……。
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