絵・馬渕まり

江戸時代

妖怪と呼ばれた鳥居耀蔵~裏切った忠邦に報復され20年間の軟禁生活へ

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鳥居耀蔵
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ライバルに密貿易や謀反の罪を着せ

渡辺崋山を例に挙げると、嘘くさいタレコミで身柄を確保し、家宅捜査へ。

崋山が「これチョット過激だから発表するのやめとこ~」とお蔵入りにしていた『慎機論(このままでは日本が侵略されて植民地になるよ、という内容)』を証拠として、蟄居処分にしたのです。

渡辺崋山
渡辺崋山と蛮社の獄~下書きだった『慎機論』がお咎め受けて自害へ

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それだけではありません。

同時に

・ライバルに密貿易や謀反の罪を着せる

というリアルなでっち上げもやっており、この辺りは水野忠邦も噛んでいるとされます。

どいつもこいつも曲者過ぎて……。

耀蔵のヤバイ行動はこれに留まりません。

 

水野忠邦が復職して財産・職をボッシュート

天保の改革が批判にあうと今度は態度を一変させ

・反水野忠邦派に寝返り、機密資料を全部横流し

結果、水野忠邦は失脚して老中をクビになります。

コトはこれで終わりませんよ。

その後も色々あって半年後、今度は反水野派のトップが失脚すると、忠邦が老中に返り咲いたのです。

そうなると、まぁ、裏切り者の耀蔵は許されるワケもなく、不正と職務怠慢を理由に奉行を解任、全財産を没収されました。

さらには他家に身柄預かりとして、明治維新の恩赦まで20年間も軟禁状態となったのです。

晩年の耀蔵は実家の林家を頼って、割と穏やかに過ごしたようです。

亡くなったのは明治6年で、当時78歳というかなりの長寿ですから、彼にハメられた人々は、まぁ報われませんのぅ。

耀蔵にとっては半ば仕事だったとはいえ、でっち上げや言論弾圧はイケマセンね。

ってなわけで、今回のワル査定は星3つ。

悪人度  ★★★☆☆
影響力(権力)★★☆☆☆
外国嫌い度 ★★★★☆

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文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)

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【参考】
国史大辞典
鳥居耀蔵/wikipedia
蛮社の獄/wikipedia

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