こんばんは。武者震之助です。
今週も厳しくなります。西郷どんファンの方、申し訳ございません。
【21話の視聴率は12.0%(前回から0.2%ダウン)でした】
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西郷どん全視聴率【常時更新】直虎・真田丸・花燃ゆとのグラフ比較付き
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ドジな好青年、妻を愛し、子が生まれて喜ぶ
今回は美しいロケシーンからスタート。
楽しみといえば、奄美大島の美しい景色です。
西郷どんは、愛加那の出産に大騒ぎです。こういう路線がやりたいんでしょうね。
ちょっとドジな好青年、妻を愛し、子が生まれて喜ぶ。
そういうことをしたいのなら、ナゼ西郷隆盛なのか。
「桜田門外の変」を超高速で終わらせておいて、子供を抱く父親としての場面は臭いほどダラダラ流す。
このドラマには指摘するまでもない致命的な欠点があります。
もう一度言います。
こういうぬるいホームドラマをやりたいのならば、ナゼ西郷隆盛なのか。
とにかく、その点がわかりません。
主人公の選択と描きたい物語像が構築された大河ドラマを二年連続見たこちらとしては、首をひねるほかありません。
もう放映期間は折り返し地点だというのに。
オープニングの島唄は頑張っていると思います。
ただ、西郷隆盛という人物を奄美大島の歌が礼賛するという趣向は、正直、悪趣味としか思えないのです。
「大島商社」の人だというのに……。
※詳細は以下の記事をご参照ください。
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奄美大島で「フリムン(狂人)」と呼ばれた西郷|現地ではどんな暮らしだった?
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太郎ではなく次郎にして……の長いやり取り続く
赤ん坊を抱いて喜ぶ西郷。
島の人が大きくなあれと祈り、踊っています。
奄美大島に来てもう二年、つい父になったと言われても感慨はあまりありません。
子供には、菊太郎とつけようとする西郷どん。
しかし、龍佐民からは菊次郎にしなさいと言われます。
ここが島妻とその子供の悲しさ。薩摩に戻れば正妻を持つだろうからというわけです。
それにしても……です。
ラブストーリーとしてでも引っかかるのが、西郷どんが岩山糸のことをまったく言及しないところなんですよね。
たとえ別の相手と恋をしていても、心の隅に運命の人が引っかかっている――そういうのが、ジリジリする恋愛ものの王道ではないですか?
朝ドラの『半分、青い。』が、今、まさにそういう展開をしていて、多くの視聴者の心を震わせているんですけどね。
この出産祝いのウダウダが何分続くのか?
数えてみたら8分でした。井伊直弼は瞬殺だったのに。
番組公式SNSで「井伊直弼、最期の心の声」を補完していたのですが、さすがに、それはないよなぁと思いました。なぜ劇中で語れなかったのでしょう。
井伊直弼公、最期の瞬間。
佐野史郎さんが心の中でつぶやいたのは、
「この国を頼む」でごわした。本日【総合】午後1:05~第20回「正助の黒い石」再放送!#大河ドラマ #西郷どん#佐野史郎 #井伊直弼#桜田門外の変 pic.twitter.com/SBVi5Af3U9
— 大河ドラマ「西郷どん」 (@nhk_segodon) 2018年6月2日
思想を削除したらヤンキー漫画になってもた
薩摩藩では、大久保利通と小松帯刀が、藩主・父の島津久光から起用されています。
そして、このへんが奥歯に物が挟まったような不快感があるんですけど……。
要するに尊皇攘夷思想をまるっと無視して話進めているんですよね。
「テロリストサークル」と揶揄されながらも、一応は吉田松陰の思想を描いた『花燃ゆ』のほうが誠実でした。
苦闘し、泥まみれになりつつも、当時の長州藩に漂っていた剣呑さをある程度は描いていたのです。
本作は、思想的なバックグラウンドを引き抜いた結果、ヤンキー漫画みたいになっているんですね。
政治劇はおざなりに描かれ、奄美大島に話が戻ります。
ここで大久保正助がやってきます。
いつまで青臭いことをしているんだろう。
流刑地でも西郷は、他の人と友情を結んでいるわけです。
奄美で友情を結んだ、あの赤山靭負の弟でもある桂久武の立場がなさすぎませんかね。
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西郷の親友・桂久武の生涯(赤山靭負の弟)西南戦争には不参戦のはずだった
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西郷に衝撃を与えた赤山靭負の切腹|由良騒動に巻き込まれた御曹司
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友情愛情を描くのに直接会う以外の方法を考えてほしい
桂久武は、井戸田潤さんが演じられております。
制作サイドにその気があれば十分に描けたはず。
そういうのを無視して正助改め大久保一蔵を引っ張ってくるというのが、もう単純過ぎて。
一人は薩摩、もう一人は奄美大島でも、芯のある友情は描けると思います。
この先、西郷が二度目の流刑のとき、岩山糸が会いに来る展開もあるようですね。
離れていても相手を思う気持ちすら描けない、顔をつきわせてはしゃぐことでしか描けない友愛って、本当にどうにかなりません?
歴史ドラマというより、普通のドラマとして見てもダメだと思うのです。
今回、わざわざ奄美までやってきた大久保と西郷の会話もひどいなぁと感じました。
史実の西郷は、一日も早く復帰することを目指していたのに、ドラマの西郷どんは戻りたくないとウダウダ。
大久保は薩摩には西郷が必要だと語りかけますが、そこまで西郷どんが役に立った場面を見せてもらってないので、意味が全然わからない。
直近で思い出せる西郷の活躍と言えば、月照をおぶって運んだぐらいでは?
そこまで薩摩には人材がいないのか、とむしろ不安になってきます。
いらないよ、全然いらないよ。西郷どん。
リゾートエンジョイ中に面倒な話は勘弁してくれってか
しかも西郷どんが奄美大島に残りたい理由がひどい。
景色が綺麗、山に猪がいる、海には魚もいる。って、猪なら薩摩時代にも狩っていたましたし、豚肉はもっと簡単に手に入るはずです。
薩摩時代だってウナギをさんざん獲っていただろ、いい加減にしてくれい!
奄美大島の南国風景が美しすぎて、
「おれはビーチリゾートエンジョイしてるから、お前が困っていようが帰りたくねえ!」
と語る無責任男にも見えてしまいます。
この無責任男がっ!
水戸藩を血の海に沈めた「戊午の密勅」を、西郷どんから出させたこと。製作者は忘れても視聴者は忘れておりませんよ……まぁ、そんなに数は多くないかもしれませんけど。
大久保も大久保なのです。
愛加那に頭下げて「返して」って。
いや、もっとやりようあるでしょう。薩摩藩で出世しているはずなのに、頭を下げるだけって。
無能に見えてしま〜〜〜〜〜う!!
サブタイだけでわかる親切設計
ここで西郷どん、大久保の言葉を思い出します。
いくら【わっぜソウルフルなBGM】をかけられてもですね、もう、なんとも言えませんよ。
愛加那が子守唄を歌っています。
現在8時20分。
あと20分ウダウダして、8時40分に涙の別れをするんでしょう?
サブタイトルだけで、クライマックスの展開がわかる【親切設計】です。
愛加那は、大久保から預かったものを出してきます。
怖いから出せなかったと。
いや、子供みたいなこと言っていないでそこは素直に渡して欲しかった。
さて、その中身は斉彬の刀でした。
もうね、言葉も出ません。
肌身離さず持ち歩いていないと、ジェダイコスプレした斉彬ゴーストを召喚できない……とか、そういう話じゃなくて、あんなに大切にしていたものを家に置いてくるって。
月照と入水する直前に放棄したまま――という設定?
世の中には、やっていいことと、やってはならないことがあるはずで、斉彬の遺品となる刀をほっぽり出してよいもんでしょうか。
『おんな城主 直虎』で喩えるならば、井伊直虎が小野政次の碁石をなくしていたレベルのズッコケっぷりでは?
西郷どんの人生を貫く斉彬への忠誠心。
それは刀に集約されていたハズです。
楽しいビーチリゾートの前にすっかり忘れてしまった風に見えてしまいました。
嫌われたくないからって非情な決断をくだせないようでは……
愛加那は、頭を下げていた大久保のことを思い出します。
うーん、この退屈な展開がずーっと続くのかあ。なんだかな。
奄美大島の景色は綺麗ですけどね。
こんなことより【西郷どんのドコが薩摩の宝なのか?】を描いて欲しいです。
鳴り物入りっていう感じで出てきた小松帯刀への言及もほとんどないので、またモブが追加されたね、っていう感慨があります。
本作の人物って、初期コーエーシミュレーションゲームの、顔グラを使い回されている武将ばっかりの家みたいに思えます。
個性も何もかもがない。
あるのは8時40分までの時間稼ぎだけです。
西郷どんは藩に対して「流人のままでいたい」と手紙を書こうとします。
ここまで史実と真逆だと笑いがこみ上げてきます。そんな笑いは欲しくないんですけどね。
そして、本当に卑劣だなあと思うのが、西郷どんに「薩摩へ帰って欲しい」と愛加那に言わせるところ。
島妻にして欲しいというときもそうですし、今回もそう。
要するに、西郷どんを悪者にしたくないんですよ。
島妻を求めるのも、相手が言ってきたから。
島から戻るのも、相手が許すから。
マイナスの決断から西郷どんを守ることで、好感度を落とさないようにしている。
でも、それって逆効果でありません?
優柔不断にしか見えませんし、責任逃れにも見えてしまいます。
苦渋の選択は視聴者の共感を呼ぶはず
目の前で謀殺を見せつけられても、父についていくと決断した真田信繁。
家族との平穏な暮らしを捨ててでも、真田幸村としての道を選んだ男。
「地獄へは俺がゆく」と血のついた刃をぎらつかせながら、幼い子供の首を切った小野政次。
井伊家のために龍雲丸との別れを選んだ井伊直虎。
彼らは苦しみながらも、マイナスの選択をした。
それでも視聴者は彼らを嫌いになりませんでした。
ともに苦しみ、共感を寄せたのです。
西郷どんはそういう感情を揺さぶる苦渋の決断から逃げています。
常に受け身です。
肝心の恋愛にしたって、岩山糸も篤姫も愛加那も、いきなり惚れてきて、きれいに身を引きます。
人間的な魅力に惚れるというよりも、猫がマタタビの前でぐだーっとなるような、そういう反応をしているようにしか見えません。
岩合光昭さんと猫のほうが、よほどモテを描けていると思います。
火野正平さんと『日本縦断こころ旅』に出てくる皆さんでもよいですけど。
奄美大島で、西郷のどこがどう成長した?
こういうことばっかりしていて、雄大な自然の前で絵になるハグシーンを撮られても、時計の数字しか目に入りません。
そして時間は8時35分。
愛加那が時間稼ぎのために歌い出しました。がんばれ、あと5分だぞ!
この歌う場面が感動的でした、と明日のネットニュースには書かれるのでしょう。私はもっぱらタイムキーパーです。
奄美大島の風習や歌を出せば感動的になると、そう判断しているのですかね。
残念ながら、この作品はドラマです。観光用のビデオではありません。
そして旅立ちの日がやってきました。
これはものすごく大事なことの気がするのですが、奄美大島で西郷どんは人間的に成長しましたっけ?
確か、この島での生活が、西郷の人生のターニングポイントになるはずです。
やっぱり、来週以降、あまり期待しないで見守るしかなさそうですね。
そして8時40分、ほぼ時間きっかりに西郷どん、島を出立。
この調子で西南戦争までやるのか、それとも無理なのか。
期待はやっぱりできません。
MVP:西郷菊次郎
赤ちゃんは可愛らしいですね。
ちなみに原作では、西郷菊次郎が狂言回しの役回りです。
彼やその母である愛加那についても、ドラマより難しい立場がきちんと描かれております。
原作を素直に映像化しておけば、こんなことには……。
総評
さんざん本文で突っ込みましたが、本作は恋愛ドラマとしてもまったく駄目だなと思います。
本作を見ていて思い出した言葉。
それは「ラッキースケベ」。
優柔不断な主人公の前で、女の子のスカートがバッとめくれたり、落とし物を拾ったときに胸元がチラっと見えたりするアレです。
ああいう漫画では、物理法則をまげてでも、パンツや胸元がやたらと見えるように出来ています。
主人公が生きているだけで、女の子は顔を真っ赤に染めて、
「もう、西郷どんのエッチ!」
とか言い出す。そういう世界観ですな。
そんないちごパンツチラ見せ漫画と、本作のどこが似ているかといいますと……。
「主人公が自分から動かないのに、女の子は勝手に惚れて、勝手に身を引く」
という、ご都合主義そのものです。
主人公がスカートをめくったら、マイナスの行動だからよくないと思われてしまう。
でもパンツは見せたい。
だったら不思議な物理法則でパンツが見られるラッキーな状況を見せよう。というわけ。
この手のかわいいけど、状況がよくわからないまま、さして魅力もない主人公にベタ惚れする。
そういうヒロインに思えます。
恋愛ドラマとしても、『花燃ゆ』以下の気がしてきました。
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【TOP画像】
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【参考】
NHK西郷どん公式サイト(→link)等
















