鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第32回「災いの種」

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第32回「災いの種」

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大病を患い床に臥せっていた源頼家が目を覚ましました。

凄まじい回復ぶりで、大江広元も神仏の加護だと困惑しています。そう聞かされる北条一族はさらに戸惑っています。

思わず「医者の野郎、余計なことしやがって」と口走る時政。

周囲からたしなめられる一方、頼家の母である北条政子は自分のせいだと反省しています。

問題は頼家をどうするか――。

りくが仏門に入れろと言えば、すかさず実衣が「今さら息を吹き返しても遅い」と太々しく言い放つ。

「少しは黙っていろ!」

思わず一喝する北条義時です。

では、頼家が寝ている間に起きたことは、誰が当人に話すか――。

時政は、息子の北条時房に押し付けようとします。

「寝ている間に比企を滅ぼしました……って言えるわけないでしょ!」

困惑しきりの表情で時房が拒否します。坂東彌十郎さんと瀬戸康史さんの掛け合いが愛嬌たっぷりですが、いや、ここをかわいらしくされてもなぁ。

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せめてもの救いは一幡が生きていること。政子がそうこぼすと、北条泰時の目が泳ぎ始めます。

広元が話を進めます。

千幡を征夷大将軍にする使者が京都へ出立していて、止めるなら今しかない。すぐにでも決断せねばならない。

そう迫ると、義時がキッパリ言い切ります。

答えは出ている。頼家の生存は北条には悪い。

時政もしぶしぶと納得しています。

「ここは頼家様が息を吹き返される前に戻す。それしか道はない」

いいのか、それで!

そう問いかけたくなる中、今週が始まります。

 


目を覚ました頼家に時政親子が対峙

今や、不吉な先行きを宣告するばかりのナレーション。

恐るべき早業で比企を滅ぼした北条。

千幡を鎌倉殿とする新体制が生まれる。

しかし、そこに既に大きな亀裂が入り始めている――。

長澤まさみさんの声で、物騒な鎌倉の世界へ。

時政と時房は頼家の見舞いに出向きました。まだ立ち上がるとふらつくと言いながら、頼家はこう問いかけてきます。

「正直に申せ。わしが死ぬと思っておったな」

頼家は、剃髪させられたことで理解していました。父の源頼朝と同じ手順でしたので。

それでも頼家は、出家しても政(まつりごと)ができぬわけではないとやる気を見せています。還俗するという手もある。

そしてせつに会いたがる頼家に、どきりとする時政と時房。

流行病だと答えると、医者はそんなことは聞いていないと言い出します。

しかも、一幡も病に伏せている、と……。

頼家はすぐさま見舞いの品を用意させると言い出します。

せつは鮎鮨。

一幡は干し柿が好物なんだとか。

頼家は、本当に妻子を愛していたんですね。

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義時と泰時が一方的に「おなごはキノコだ!」と思い込んでいたこと比較すると、きちんと対話していたことや細やかな気遣いがあったことを感じさせます。

そして比企の舅を読んで欲しいと言い出す。

それも病と言われ、異変に気付きます。

 


比企の血を根絶やしにしないの?

実衣は赤く豪華な衣装を身につけるようになりました。

念願の鎌倉殿の乳母として乗り気です。

そして政子に出家をする気はないと言い切った。

結局、夫の全成は救われなかったではないか。菩提は弔うそうですが、もはや神仏など信じていない様子です。

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尼姿の政子と、深紅の妹――なんとも対照的ですね。

実衣はふてぶてしいくらいが美しさの極みかも。夫が生きている頃の可憐さとも違う、権力に酔った美貌が出ています。毎週、美しさが更新される姉妹ですね。

宮澤エマさんは、実衣の子孫である阿野廉子(後醍醐天皇の寵姫)を演じてもお似合いでしょう。

義時はしみじみと、それも生き方だと理解を示しています。

まぁ、みっともないから出家しろと言っても、この妹は聞かないでしょうしね。

実衣は、続けて毒のある言葉を吐きます。

私の話はいい、この鎌倉に比企の血を引く者が残っている、根絶やしにするんじゃなかったのか?

義時が目を泳がせつつ、比奈はとっくに北条の者だと反論します。それでも頑固な妹は、比企の血が流れていると言い募る。

政子が焦ったように言います。

「どうしろというの? まさか首を刎ねろと?」

それでも実衣は、あの人には比企の血が流れていると言うばかり。

理不尽な理由で、夫と我が子を殺された憎しみは全く解消されていませんし、それも自然のことかもしれません。

悲しそうな政子は、比奈のことをどうするのかと義時に問うと、痛みを堪えているような義時は、そんな政子に話があると伝えます。

そのころ比奈は、結婚の際に書かれた起請文を眺めていました。

 


母を拒絶する頼家

「一幡は助けると言ったではないですか!」

政子が声をあげると、義時がスラスラと嘘で答えます。

話によれば、一幡は一旦比企の館から出たものの、振り切って火の中に戻ったと。

政子は嘘だと見抜き、初めから助けるつもりはなかったと怒っています。大姫の許嫁であった源義高と同じで、何をするかわからないから殺したのだろうと。

「ちがいますか!」

そう言い、弟の頬を打つ姉。

「あなたは私の孫を殺した! 頼朝様の孫を殺した!」

「一幡様にはいてもらっては困るのです……」

「頼家も殺すつもりですか!」

そう政子に問われ、首をゆっくりと横に振る義時。

もう信じることはできないと返す政子。

立ち上がった義時に、政子がどこへ行くのか問うと、頼家に今回のことを伝えるとのこと。

これ以上、息子を傷つけたくなかったのか、あるいは自分でケジメをつけたいのか。政子は自ら話すことにします。それでも止める義時に、私の役目だと言い切る政子。

「すべてをお話しになるおつもりですか?」

「馬鹿にしないで。私だって心得ています」

なんとも対照的な姉と弟になりました。

政子はこんなことになっても目が澄んでいる。

一方で義時は目に光がまるでない。

何もかもがドス黒い。

まったく正反対に思える、光と闇の化身のよう。それでも向かう方向は同じです。

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頼家が母の言葉を聞いています。

比企が滅んだということは、せつも一幡もこの世にいないのか?

そう問いかけられると、言葉を失い、俯くしかない政子。なぜだ! と取り乱す頼家に、政子が理由を説明します。

誰も頼家が助かるとは思っていなかった。比企一族は館に日を放って自害した。

すると、頼家が泣いて訴えます。

「なぜ死なねばならぬのですか! まやかしに決まってる!」

「あなた一人を死なせるわけにはいかなかったのでしょう」

「本当は何があったのですか? 教えてください」

「本当のことです!」

「北条の奴らだ……あいつらが比企の舅殿を、せつを、一幡を!」

「あの人たちは自ら命を絶ったのです!」

「そんなわけないではないか!」

政子が頼家に近寄ると、親子の情など無いかのように振り払う。忘れろと言われても、断ち切れと言われても、できない。何のために生き永らえたのかと問われても、響かない。

「善哉は?」

「あの子は無事です。三浦が守っています。つつじも。安心して、だから……」

「離せ! 近寄るな! 出ていけ! 北条をわしは絶対に許さん! お前もだ! 出ていってくれ……お願いだから 出ていってくれ……」

頼家は母も失いました。自分の妻子を殺す母なんて、許せるわけがないでしょう。

では、そのつつじと善哉はどこにいるのか?

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