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【『信長の野望』義光の変化】
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「ギリニ」ってなすて!
義光がネットで呼ばれたあだ名は、現在では「鮭様」。
しかし、かつては「ギリニ」でした。
字面からして、なんだか良い雰囲気を感じないでしょう?
というのも「ギリニ」とは、『信長の野望』において「義理」という能力値が「2」だったため。
ワーストワンの松永久秀「ギリワン」と並んで、ヒール扱いのあだ名でした。
松永久秀の場合も、奸雄伝説は長いものがありました。
当時の織田信長すら、そう扱っていたとされるほどです。
「東大寺の大仏殿でキャンプファイアー!」
「主君殺し!」(二度)
「そして平蜘蛛自爆でヒャッハー!」
久秀についての「ギリワン」はきちんと理由もあり、ヒールこそが生きる道、言わば火を噴くレスラー路線だったわけです。
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しかし、義光は違います。
Q:寺社仏閣を燃やしましたか?
A:いいえ。『奥の細道』での山寺立石寺はじめ、保護につとめました。比叡山延暦寺の法灯が消えた時も、最上家で保存していた火で復活したほど
Q:主君を殺し、裏切りましたか?
A:いいえ! むしろ慶長大地震では、恩義ある徳川家康の安否確認に駆けつけ、「もがみんって律儀だね♪」と言われたほどです
Q:平蜘蛛自決みたいな死に方ですか?
A:死を悟り家康に面会してから、穏やかな天寿を全うしています。むしろ文化財破壊に定評があるのは、甥・伊達政宗です!
撫で斬りしない。
降伏武将を受け入れる。
善政を敷く。
他国の武将からもリスペクトされる。
山形人は、そう主張したかった!
しかし、
「伊達政宗をいじめた奴だよね」
「言うてもギリニじゃん」
と返される、そんな辛い日々が続いたのです。
そしてレッツゴー陰陽師♪
顔グラフィックも、ヒール顔でした。
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それが肖像画準拠になったものの、そこに不幸な偶然が襲いかかります。
2008年――。
陰陽師(上記動画参照)の顔が『信長の野望』ファンの間でこう囁かれ始めたのです。
「最上義光の顔グラって、レッツゴー陰陽師そっくりだな」
確かに『革新』と『天道』のものと似ているのです……そっくり……。
結果、どうしたらいいのかわからない、【ギリニのレッツゴー陰陽師!】というあだ名がつきました。
耐えました。
屈辱的なネタ武将扱いを受けながらも、置賜地方以外の山形県民と、最上ファンは耐え忍びました。
「それでも……2009年の大河ドラマ『天地人』で慶長出羽合戦が出てくるはず。そして皆、カッコいい義光公を知ってくれるはず!」
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「北の関ヶ原」こと慶長出羽合戦は、主役・直江兼続の仇となる。
ひどい悪役として描かれたりしゃしないか?
そんな気を揉みながら放映を待ちわびていると……。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
慶長出羽合戦が始まったと思ったら
いつのまにか終わっていた
な… 何を言っているのか わからねーと思うが、
おれも 何をされたのか わからなかった…頭がどうにかなりそうだった…
手抜きだとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…
瞬間的に終了したのです。
しかも最上義光は兜のみ、前田慶次は朱槍のみという、山形県民全員が唖然とする展開でした。
最上領だった置賜地方以外の山形県民。
前田慶次を応援していた、米沢藩領置賜地方の山形県民。
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全員まとめてガッカリ……。
「そんな一体感は求めていなかった!」
そう叫んだ山形人の多かったことよ。
伝え聞くところによると、この大河スタッフ山形トークショーは、容赦ない質問が飛び交ったと言います。
ちなみに置賜地方の不満は、2016年『真田丸』における素晴らしい直江兼続により、払拭されました。
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しかし、続く2018年の『西郷どん』では散々な結果に終わります。
山形・庄内藩は、薩摩藩と色々と因縁があり、戊辰戦争では西軍を叩きのめす――素晴らしい戦火を挙げたにもかかわらず、またもやドラマでは酷い描かれ方をしてアッサリ終了してしまったのです。
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大河もダメなら、どうすればよいのだ。
山形の心はもうズタボロでした。
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