大河ブギウギべらぼう編

豆腐の角もぶつけ方次第 まんが『大河ブギウギ べらぼう編 第36話』

毎週土曜日13時50分に大河ドラマ『べらぼう』をマンガで振り返る――。

第36回放送の注目は「豆腐の角に頭をぶつけて」死んでしまった恋川春町でしょう。

むろんそれは洒落であり、他人の死を笑ってよいものかどうか悩ましいかもしれませんが、春町の場合は「最期まで戯作者たれ!」という本人の遺志を感じさせるもので。

蔦屋重三郎や朋誠堂喜三二も泣きながら……ということで、さっそく漫画で振り返ってみましょう!

📘 『べらぼう』総合ガイド|登場人物・史実・浮世絵を網羅

 

自称ファン

◆「可愛さ余って憎さ百倍」とはまったくもって上手い表現があるもので、ファン心理とは難しいものです。

 


言うこと聞け!

◆贅沢を倹約して普通の生活に戻す――とかそういうレベルではないんですね。

武士たちの給料(米)は基本的に上がらず、江戸での生活費はかさむばかりで、単純に生活費が足りない。

ゆえに旗本御家人は困窮している方が多かったわけで、詳しくは以下の記事にもございます。

なぜ旗本御家人は総じて貧しいのか
なぜ『べらぼう』に登場する旗本や御家人は総じて貧乏なのか?

続きを見る

 

発禁

◆劇中で鶴屋喜右衛門(風間俊介さん)に指摘されていました。

市井の声に耳を傾ける田沼意次が例外であって、普通はそんなことはない。

ましてや怒りの炎を燃やしてアンチに転じた松平定信が、その対象である蔦屋重三郎に寄り添うなど……。

 

断筆

◆恋川春町は石高1万石の駿河小島藩、朋誠堂喜三二は20万石の久保田藩(秋田藩)。

小藩と大藩では立場も変わってくる。

一藩士の活動で迷惑のかかる度合いが違い過ぎます。

 


送別会

◆根っからの女好き、まぁさんこと朋誠堂喜三二(本名:平沢常富)

史実からして、復帰はしません。

久保田藩9代藩主・佐竹義和に釘を差されたからです。

まぁ、仕方ないですよね。

佐竹義和の肖像画

佐竹義和/wikipediaより引用

 

豆腐屋

◆そのための松前藩上知だったのか……。

 


一世一代

◆たらいのように落ちてくる豆腐。

こちらの春町さんは仕掛けが一段と凝っていたようで……生粋の戯作者、最期の洒落に、御冥福をお祈り申し上げます。

 

異次元

◆……次週以降も乞うご期待!


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【参考】
べらぼう/公式サイト

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アニィたかはし

漫画家。現在は武将ジャパンにて、まんが『大河ブギウギ べらぼう編』シリーズを連載中。 2014年より歴史漫画家として活動を開始し、2015年には連載作品をまとめた商業コミック『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社)を全国発売。 以降、独自のポップ表現と歴史知識を融合させた「ブギウギシリーズ」を継続し、戦国・江戸・幕末など幅広い時代を題材とした作品を制作している。 2024年からは大河ドラマの各回を題材にした“ドラマ考証型マンガ”へと表現領域を拡大し、作品の幅をさらに広げている。 ◆主な著書 『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社、2015年、ISBN:978-4865370324) ◆国立国会図書館データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001200494

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