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本書はワンアンドオンリーだ!
武士って何だろう?
とかくプラスイメージで語られがちなこの言葉。
それはあくまで現代人が【武士に弓矢で射られたり、斬られたりしないからではないか?】と思うことがありました。
それは歴史に触れたときです。
幕末の武士が、人をバシバシ斬り捨てていた話。
「鉄火起請」関連の歴史。
戦国時代にあった地獄の裁判「鉄火起請」は血で血を洗う時代には合理的だった?
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そのイメージの根源をたどってゆくと、少年時代の子供向け『義経記』にまでたどり着きます。
美麗な挿絵とともにワクワクしながら読んだものの、中世武士のあらぶる戦いぶりに、心臓がバクバクして、震えが止まらなかったものです。
戦の天才だった源義経~自ら破滅の道を突き進み兄に追い込まれた31年の生涯
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それ以来続いてきた、武士という存在への、アンビバレントな思い。
憧れる一方で、
「こんな恐ろしい集団が生まれる時代に生きていなくてよかった」
そう思ってしまう。
そんな恐怖の集団の起源について迫った本書を読むと、幼少期の読書体験や、そのあとに続く史跡めぐり体験、記憶がさーっと走馬燈のように駆け巡ってゆくのです。
本書を読んだ歴史界隈の方が、真剣なまなざしで本書を勧めて来た気分がよくわかりました。
ミステリーが解けた爽快感。
記憶が走馬燈のように駆け巡る興奮。
こんな異次元を旅して、ふらふらと突っ伏してしまうような超体験を、このお値段で味わえてよいのですか?
脳みそがワーッとなる、読む合法ドラッグが、千円以下って正気ですか?
この本は、とんでもない一冊です……読んだあとで世界が変わってしまう、そういう本が世の中にはある。
本書は、間違いなくその類いのものです。
最終章を読んで唖然とした者が集い、軽く酔っ払いながら朝まで語り合う会を開催したいほど。
ただ、そんな会合をしたら、武士の魂が召喚されてきてとんでもない惨劇が起こりそうで恐ろしい!
ともかくこれは、読んで驚け、腰を抜かせとしか言いようがない!
絶対に読むべきだと声を大にして言いたい!
そんな一冊です!!
興奮ばかり書いていて、結局何なのか?と問われそうですが、そんな本書のスゴイ結論を書評で書いてよいとは思えません。
読む者だけが、あの境地にたどり着けるんだ……読もう、読まないと!!
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文:小檜山青
※著者の関連noteはこちらから!(→link)
【参考】
桃崎有一郎『武士の起源を解きあかす──混血する古代、創発される中世 (ちくま新書)』(→amazon)