革新的な「シン・大河になる」として、放送前は何かと盛り上がっていた、2023年の大河ドラマ『どうする家康』。
映画『レジェンド&バタフライ』は、その現象を表す好例でしょう。
『どうする家康』と同じ脚本家によって、三英傑の織田信長が描かれ、主演はジャニーズ。
地元の祭りに参加をすれば数十万人の見物客が集まり、前年大河『鎌倉殿の13人』の最終回では『吾妻鏡』を読む家康が登場したり、事前の盛り上がりは最高潮でした。
それだけに各メディアでも
「これは傑作になるぞ!」
と鼻息荒かったものですが、私の中では疑念が高まるばかりでした。
予告映像や番宣を見ている限り、とても戦国好きや大河ファンが堪能できる作品になるとは思えなかったのです。
だからこそ私は以下の記事にてドラマの仕上がりを「凶」と事前予想していましたが、
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2023年大河ドラマ直前予想『どうする家康』はどうなる?消せない懸念
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結果は、予想をはるかに凌駕してきました。
「凶」どころか「大凶」すら超える「大々凶」だったのです。
なんせ視聴率は大河史上ワースト2位を記録。
ワースト1位『いだてん』の主役知名度を考慮すれば、『どうする家康』が事実上のワースト記録と言っても過言ではないでしょう。
徳川家康という超鉄板素材を主役にしておいて、この体たらくはあり得ません。
※以下はどうする家康の全視聴率まとめ記事となります
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どうする家康全48回の視聴率速報&推移! 過去7年分の大河と比較あり
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では、本作のいったい何がそんなに酷かったのか?
大河ドラマの未来のため、総集編としてまとめておきたいと思います。
※今回はドラマの前半部(1~25話)を送り、続きは12月29日昼に公開します
なぜこの大河は失敗したのか?
なぜ『どうする家康』は失敗したのか。
原因は何だったのか。
もちろん複合的な要因が絡まって最悪の展開になったとは思うのですが、最近の傾向として特に注目しておきたいのが「ネット依存」です。
2023年末、こんなニュースがありました。
◆ NHK取材メモ流出 派遣スタッフ「SNSの盛り上がり見たかった」(→link)
NHK記者の取材メモがネットに流出した件で、派遣スタッフが以下のように答えているのです。
「SNSが盛り上がるのが見たくて興味本位でやった」
SNSでの盛り上がりのため、何かを犠牲にする――思えば2023年はそんなニュースばかりでした。
回転寿司店で醤油さしを舐める高校生ならまだしも、大のオトナまでもがなぜそんな愚行をしでかしてしまうのか。
実は『どうする家康』もまたそんな世相と合致したドラマと言えます。
SNSでの盛り上がりを都合よく切り取ったコタツ記事が出て、ドラマがさも盛り上がっているかのように誘導され。
ネットニュースと視聴者が共犯関係のような状態になり、ドラマの評価まで左右されるようになる。
近年の大河ドラマや朝ドラでは割とよく見られる現象となりつつあり、その始点は大河が2012年『平清盛』であり、朝ドラが2013年『あまちゃん』でした。
『平清盛』は視聴率が低迷する一方、Twitter(現X)のハッシュタグは異常に盛り上がった。ファンアートが神社に奉納される程の人気で、あれから10年以上経っても
『平清盛』という作品を認めていた自分の見る目がいかに正しかったか
を主張する人がいます。
彼らの中には翌年の大河『八重の桜』を必要以上に貶める人もいて、個人的には見苦しさを感じていましたが、その答え合わせが今年だと思えました。
『どうする家康』のプロデューサーが『平清盛』と同じ磯CPだったのです。
彼の立場からすれば、視聴率が低迷した『平清盛』を徹底分析して、次に活かすべき場面でしょう。
徳川家康をどう描くのか。
ネットの評価に惑わされるような事態だけは避けて欲しい。
しかし実際は、無反省のまま改善すべき点を悪化して引き継ぎ、『平清盛』の長所を捨てたのが今回の『どうする家康』のように思えてなりません。
おそらく大河視聴者のほとんどは、SNSやブログで発言するようなことはなく、近づくとしても眺める程度でしょう。
ネット上では一部のファンが投稿を執拗に繰り返し、ときには複数のアカウントを使い、偏った“民意”が形成されることがあり、それが制作サイドに伝播することを危惧していました。
視聴率やNHKプラスなどの数字を気にするあまり、中身など関係なく主演を見るファン層への需要ばかり考え、作品のクオリティを上げる努力が放棄されてはたまったものではありません。
そして結果は、こちらの懸念がドンピシャ当たってしまったような印象です。
磯CPや脚本家は『どうする家康』で掠りもしなかった家康の愛読書『貞観政要』を学んで欲しいものです。
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というわけで第1話から振り返ってみましょう!
第1回:デカい主役が走り回る悪夢
前年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に、主役世代の子役はいません。
序盤の三浦義村や実衣は相当無理がありながら、三谷幸喜さん大河の慣例でそのまま起用されました。
それでも、主人公の子供世代となると子役が起用されます。
まだ幼い子役から、童形のまま本役となった金剛(のちの北条泰時)。初登場時にはこんなテロップが出て、話題をさらいました。
「成長著しい金剛」
そうはいっても、そこは坂口健太郎さんです。子どもらしい所作を工夫していたとは思えます。
一方『どうする家康』では、松本潤さんがいきなり「竹千代」としてはしゃいで遊ぶ姿が映されました。
これは一体どういうことか?
突然の幼稚な描写に、目を逸らしたくなった視聴者は私だけではないでしょう。
確かに『鎌倉殿の13人』で主役の北条義時に子役はいませんでしたが、そもそも北条政子と源頼朝の出会いから動向が追える北条一族と、徳川家康とでは、状況があまりにも異なります。
家康を描くならば、竹千代の幼少期の逸話から始まることが当然なのに、なぜ子役は起用されなかったのか?
大河ドラマでは子役が話題を集めて数字につながることも期待できる。
なのになぜ、どう見ても姿かたちがオトナの竹千代に人形遊びをさせたのか。あれで一気に視聴者を減らした可能性は否定できないでしょう。
いくら松本潤さんのファンであっても、見てられないほどの恥辱だったとも思えます。
残念ながら、この子役カットは最終回まで祟ります。
最終回では、家康そっくりだという竹千代(後の徳川家光)が出てきます。
大河のお約束では、こういうとき主人公の子役再登場なのですが、そうはならず。
不可解なことに、回想シーンで登場する家康の子役はいます。あまりにも不自然です。
・現実逃避がしたいんだもん!
初回ではいきなり家康が戦場から逃げたとされます。
いくらなんでも総大将のすることなのか?
他にも、しばしばゲスい人間性が描かれる脚本。この点については、断固として揺るがないまま最終回まで完結しました。
もはや大河ではなく汚泥ドラマです。
・物理法則を無視した遺体損壊
本作では、初回から今川義元が討ち死にしました。
スケジュールが詰まっており、あまり長く出られなかったとか。第1回VPともいえる真っ当な義元が消えるとはどういうことなのか。
しかもその生首を、馬に乗った信長が投げる。
兜首の重さすら理解しない。死者への敬意もない。
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墓石を蹴ってイキっているような、人としての常識なきスタッフがいると、この時点でわかりました。
第2回:兎と狼でBL♪
「兎と狼」という意味不明なサブタイトル。
まさかカップリング表記をふったネタだとは思わないわけじゃないですか。
初回は瀬名とイチャイチャ。で、2回目からはボーイズラブの仕込み。
女性を応援すること=BL狙いは『西郷どん』で失敗していましたのに、失敗から学ばないことは、愚の極みです。
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・SNSが荒れていたのは序盤から
今年の特徴として、大河に絡むSNSファンダムの荒廃があげられます。
序盤から危険な兆候はありましたが、完全に自業自得でしょう。
主演のファンをモロに引き込もうとしている。
ポスターはじめ、本作のビジュアルイメージカラーは淡い青か、白でしょう。それがどういうわけか、大河ドラマ館では紫が用いられました。
このドラマを熱狂的に褒めるSNS投稿には、紫のハートマークが並びます。
主演のテーマカラーなのです。
そりゃあ公式がそういう目配せをしたら、大河ドラマが主演ファンクラブの延長線になるでしょうよ。
それが悪の元凶なんです。
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第3回:えびすくい♪
初回からしつこいほどに披露されたえびすくい。
もう、この単語を打ち込むだけで目眩がします。
なんでも磯CPのこだわりだそうで……そんなに好きならご自身のTiktokで披露してりゃいいのに、早くも第3回で出てきました。
えびすくいを流行語にでもしたかったんですかね。
NHK公式メディア「ステラ」でこんな自前提灯を書かせるあたり、恥を知らぬというのは恐ろしいことです。
◆ 大河ドラマ「どうする家康」は「平清盛」のリベンジ作!? 初回放送で見えた!今後の注目ポイントはココだ!(→link)
大森南朋演じる酒井忠次の海老すくいの3連発とか、ラストシーンで家臣たちに「どうする!」を連呼されるシーンなどはこれまでの大河ドラマにはなかった演出だった。
磯CPの意気込みが、そんなところからも伝わってくる。
・このころからトレンド1位にシフトする提灯記事
第3回目の放送を迎えたところで、中身など何もない。
視聴率もガタ落ちなので「トレンド1位」でアクセス稼ぎを始めました。
何を考えているのか。いや、何も考えていないのか。
家康の生涯を描くうえで三河平定より、えびすくいが大事だなんて、どうしてそんなことになるのでしょうか。
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第4回:清須城がまるでパチモン紫禁城
信長のいる清須城へ出向いた家康と家臣団。
「まるで紫禁城だ!」として放送直後から大いに話題となりました。
「いやいや、中国ドラマの紫禁城はあんなにしょぼくないよ」という指摘もありますが、問題はそこではありませんよね。
時代考証の芝氏も「(できあがった映像を見たら)紫禁城みたいで驚いた」と言ってるほどです(読売新聞→link)。
要するに、発注する制作スタッフにしても、注文を受けた制作会社にしても、あまりに知識がない。
なぜ引き受けたのか?と質問したいほどのレベルです。
現在、VFXは海外チームに発注することが定番ですが、それでもここまでの大失敗はありません。
ちなみに清須城だけでなく、本證寺もRPGに出てくる砦のようでした。
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・北の空に太陽が登り、南に虹が出る
放送回は違いますがVFXについては「虹があり得ない方向に出ている」というお粗末な間違いもありました。
誰も気づかなかったのでしょうか。
さらには、また別の放送回で「北の空に太陽が輝く場面」も指摘されています。
どういう体制でドラマ作りをしているのか? チェック担当はいなかったんですかね。
・コーエーテクモゲームスは逃げて正解
「どうする家康 VFX」
こんな風に検索をかけると、制作サイドからの言い訳、弁明記事がゴッソリ出てきます。
働き方改革だとか、革新的だとか、見る側にとってそんな話はどうでもいい。
要は、普通にきちんとしたものを作ってくれということです。
このドラマは「VFX撮影は自分たちから始めている」と言いますが、10年前『八重の桜』の時点でモーションキャプチャー兵士の導入や、フルCGの鶴ヶ城が出てきています。
まぁ、問題はそういった技術ではなく、基礎的な日本史知識の話だったりしますよね。
『真田丸』『鎌倉殿の13人』のように、コーエーテクモゲームスの協力があれば、こんな無様なことにはならなかったのでしょう。
ちなみにコーエーテクモゲームスは映画『首』ともタイアップしています。
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・とにかく“無理矢理でも擁護”する
清須城の描写があまりにもおかしい。
誰が見たってそうだからこそ、いわゆる炎上騒動となり、批判が殺到しました。
一方で、無茶苦茶な“擁護”も出てくるのが本作の特徴。
『どうする家康』の公式ノベライズを担当する著者が、あまりに強引な見解をこちらに掲載しています。
◆ 仮面が登場するドラマが続々 『どうする家康』での必然性と遊び心 冒頭の絵にも注目(→link)
一方、信長は恐怖の魔王的なイメージだ。
清須城の表側は妙に乾いた荒野のようで、灰色で、緑がまったくなく、異国のように見える。内側に入るとやや緑もあったが、入り口と広場のビジュアルはこれまでの時代劇ではあまり見ない。
アジア映画のように感じたが、この頃の城はいわゆる日本の城ではなく、京都御所のような平地に広く作られていたそうだ。
それにしても緑がなさすぎて不安感があるわけは信長のこれまでの武将たちとは違う存在感の現れであろうか。
おかしいならおかしいと、ハッキリ指摘しませんか?
なぜ、こんな奥歯に物が挟まったような物言いになるのか。
まぁ担当編集から、そういう原稿に仕上げろ、という発注が来ているのかとは想像できますが。
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第5回:瀬名ちゃんとラブラブ作戦! 前編
家康の一生は長い。
それなのに「瀬名救出作戦」をよりによって「前後編」でやるという無茶苦茶な展開力を発揮し始めます。
案の定、映像は間延びして、ひどくツマラナイ。
一体私達は何を見せられているのか?
と思ったら、この辺りから「NHKが主演に振り回されているという報道」がチラホラと出てくるんですよね。
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第6回:瀬名ちゃんとラブラブ作戦! 後編
せやから、くどいっちゅーねん。
そういえば
「たすけて せな」
と書かれた血文字も話題になりましたね(第4回)。この時は筆でなく血であったため気づかなかったのですが、このドラマは筆跡がおかしかった。
当時は崩字なのに、そうなっていない。筆は立てて持たずに倒して持つ。基本からしておかしかったんです。
ペース配分もおかしくなって不思議はないかもしれません。
今川氏真の外道描写も無茶苦茶でした。
氏真はこんな酷いことをしていない。そこは「物語ですから~!」とばかりに創作するくせに、史実に基づいて「家康と氏真が深い絆を結ぶ」ところだけはつまみ食い的に入れる。
そのせいで家康は、最愛の妻を性的暴行しかけた男と仲良くするという根性なし展開になりました。
そうそう、そんなヒーローがヒロインを救う展開を長々する理由って、なんだったのか。その謎は後半意外なところからあかされます。
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第7回:わしの家=カルトファミリー大河
「わしの家」という、公私混同センスが発揮されたこの回。
家康は家臣団を含めて我が物とする、カルト教祖じみた人物だとこの回で宣言されました。
マンソンファミリーかっ!
※マンソンファミリー:チャールズ・マンソンが取り巻きを洗脳した集団。シャロン・テート殺人事件等を起こす
まあ、この見立てが洒落にならないのがこのドラマなんですよね……。
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第8回:ミイラ取りがミイラになる
一向一揆の回です。
このドラマは宗教考証が極めてあやしく、お粗末です。
「大手カルト教団との繋がりを揶揄した」なんて擁護もありましたが、実はこのドラマそのものがカルトじみていると後半明らかになります。
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第9回:女は殺すか、脱がすもの
本多正信のオリキャラ幼馴染とその死が描かれました。
皆さん、覚えてますでしょうか?
いや、忘れている方が大半でしょう。
正信の生涯やキャラクターを描く上で、どう考えても必要なシーンではなく、このドラマは女を殺すことが本当に大好きなんですよ。
しかも客寄せとして殺すからタチが悪い。
フェチも同様ですね。本作はやたらと、巫女だのくノ一だのがお色気要員として使われている。
そういう趣味は自分一人で発散してください。受信料を使って何やってるんですか。
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第10回:側室オーディション
ただでさえイベントみっちみちの家康大河なのに、側室を選ぶ回だけで1回使いました。
いい加減にしてください。
・グラドルを出す
側室オーディションには、グラビアアイドルがほぼそのまんまの姿、コスプレ状態でやってきました。
それを見てニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤする反応を集めたコタツ記事が翌日出る。
悪夢以外の何物でもない。
・LGBTを遊び半分で出す「クィアベイティング」
しかも、最終的に選ばれた側室は女性同性愛者だったことが判明し、やめることになりました。
まるでアリバイのように出された唐突な同性愛です。
『鎌倉殿の13人』の次の年に、どうしてここまで劣化するのか。
こういう客寄せ話題作りの同性愛描写は「クィアベイティング」と呼ばれ、むしろ差別の一種とされます。
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第11回:武田は野生の軍団か?
本作の武田家は異常です。
いや、まともな家があったか?という話ではあるのですが……。
・『鎌倉殿』のパクリをしてどうする
『鎌倉殿の13人』では、義時がやたらと女性にキノコを贈りました。
それをうっすらとパクリ、家康も瀬名への贈り物として栗を探す。義時とキノコと違って、全く面白くありません。
・ズベベベ茶道
信玄が片手で茶碗を持ち、「ズベベベ……」と茶を飲んだ場面はひっくり返りそうになりました。
汚くて、不潔。
普通に飲ませればいいのに、あれは一体どんな狙いがあったのでしょう?
オレってワイルドだろ~、とでも言いたかったんですかね。
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第12回:自分より若いイケメンは、ゆるさん!
大河ドラマは豪華キャストが売りです。
老若男女が勢揃いしてこそだといえる。
それがどうにも『どうする家康』はおかしい。
女優はカタログ状態でやたらとエロい見せ場がある一方、男性はむしろ見せ場を削られているようにすら思えます。ヘアメイクまでおかしい。
・若手俳優の無駄遣い
その一例が溝端淳平さんです。
彼は時代劇が似合う端正な容貌をしており、身体能力も抜群。将来の大河主演候補といってもよろしいかと思います。
しかし、初大河となるこのドラマではおかしい。
身体能力が高く、殺陣もできるのに、文弱という印象の強い今川氏真役でした。
しかも瀬名を性的暴行仕掛けるわ。夫婦仲が良好であった正室を虐待するような描き方だわ。侮辱としか言いようのない場面まであります。
この回は今川氏真の退場回です(後に一瞬復活しますが)。
総大将同士でタイマンバトルの末に決着がつく無茶苦茶な展開。
どうして令和版・柳生十兵衛である溝端さんが、松本潤さんとタイマンで戦って負けなければならないのか。本当に主役忖度ばかりの作品です。
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第13回:主役がエロくねえ『麒麟がくる』は大嫌いですw
本作の脚本家は「歴史はフィクション」だのなんだの言い募ってまっとうに学びません。
その上で大河ドラマの近作をなぞってくる。
『鎌倉殿の13人』『真田丸』の劣化コピーをして、『おんな城主 直虎』『麒麟がくる』に対しては、あてつけのように用いている。
弊害が出てきたのが、この回です。
・『麒麟がくる』の逆張り
ともかくゲスとしか言いようのない足利義昭。『麒麟がくる』で描かれた真面目な義昭像へのあてつけのようでした。
しかし、そういうことをするとかえってドツボに陥ります。
歴史嫌いな脚本家さんにとってはどーでもいいのでしょうが、義昭は暗愚な像こそむしろかつての定番。
それをひっくり返したのが『麒麟がくる』の清新な義昭像であり、本作では、当て擦りをした結果、陳腐な像に逆戻りしたのです。
しかも、真っ当にインプットしていないから、ただ単に下劣になっただけ。大袈裟すぎて、リアリティに欠けているのが何より痛い。
・くだらない伏線のせいで無茶苦茶だ
近年のネットニュースは、ドラマの記事について「伏線回収!」とするのが大好きです。
ワケがわかりません。そもそもドラマとは、それが当たり前でしょうよ。
本作の第13回放送では、赤ん坊の茶々を家康が抱く場面がありました。制作陣としては後に「伏線回収!」と書かせるためにそうしたのでしょうが、あまりにもお粗末。
当時の貴人女性が自ら乳児を育て、長旅するなんてありえないでしょう。
お市が上洛している意味もわかりません。
歴史に興味も知識もないのに無理をするから失敗する好例です。
・ネタを使い回す
金平糖って戦国時代は高級品だったって!
そんな歴史好き小学生でも知っているようなネタを、脚本家は使い回します。
映画『レジェンド&バタフライ』でも金平糖が出てきて、この『どうする家康』第13回でも作品を跨いで使い回しをしている。
プライドは無いのでしょうか。
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第13回「家康、都へ行く」
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ド派手な話題作りで中身は空っぽ|映画『レジェンド&バタフライ』
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第14回:侍女マラソンで「なんやかんや」
悪名高い侍女マラソンの回。
悪名高くない回などあったのか?と問われたら答えに窮するんですが……。
・阿月マラソン
小豆袋という後世の創作をひねくり回し、「阿月」として擬人化させてマラソンさせる、あまりにもしょーもない回。
しかも文春砲が本当ならば「脇役を目立たせたことで松本潤さんが怒った」ようで、とにかくもうバカとしか言いようがない。
結果、鳥居強右衛門のインパクトが低下するという、前半最悪候補の回です。
それでも脚本家は自慢げに阿月マラソンについて語っているから恐ろしい。
当人は「史実を尊重しないから叩かれている」と言い募っていますが、そんなワケないでしょ。
つまらない。くだらない。幼稚で陳腐だから叩かれているんですよ。
まぁ「つまらない」ということを認めると脚本家として致命的になるので、「史実じゃないから」とすり替えているのかもしれません。
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またお市が信長“小豆袋”を送る…『豊臣兄弟!』でも繰り返されたありえない話
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・なんやかんや無双
阿月のマラソンは執拗に描いたくせに、金ヶ崎の撤退は「なんやかんや」で終了。
どうやらこの脚本家は、『麒麟がくる』など、近年の大河で描かれた話はスッ飛ばせると誤解しているようです。
ただの手抜きでしょ。
まっとうなプライドがあれば、過去作を上回ろうとするはずですが、オリキャラ女を殺すことばかりやりたいんですかね。
誰かを死なせれば、涙腺の弱い層から安易な涙を誘えますもんね。
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金ヶ崎の退き口|浅井長政に裏切られ絶体絶命の窮地に陥った信長や秀吉の撤退戦
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第14回「金ヶ崎でどうする」
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第15回:パワハラ信長
織田信長は同盟者に裏切られやすい。性格的なものもあるのでしょう。
そんな中で例外が徳川家康。それなのに、この作品では信長が家康をいたぶることに。
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なぜ信長は何度も裏切られたのか『不器用すぎた天下人』を読めば疑問がスッキリ
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・DVじみた耳噛みボーイズラブ
今までの大河もで、たしかにBL狙いはありましたよ。
しかし、その中でもワーストが本作。
信長は子役時代の竹千代と相撲を取り、投げ倒す暴力気質の小児性愛者じみたことをする。アドリブで耳を噛みました。
メンツを大事にする武士がありえないというツッコミも当然出てくる。
それのみならず、こういう暴力的なBLに萌えるだろうとつきつけてくるセンスが決定的に古い。
「古の腐女子w」「JUNE系」でも狙いましたかね。
しかし、時代はブロマンス。互いを尊重し、敬愛することがBLでも大事でしょうよ。一体どういう年齢層を狙っているのか?
だいたい、ジャニー喜多川氏の性犯罪報道をBBCが流したあとでこの酷い描き方ですからね。
危機管理がなっていないとしか言いようがありません。
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戦国時代の男色は当たり前だったのか?信玄や義隆ら戦国武将の実例を見てみよう
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・前倒しで逸話の使い回し
姉川の戦いでは、信長による家康への「問鉄砲」がありました。
関ヶ原の戦いで小早川秀秋に対し、家康が使ったとされる手です。それを先んじてこちらに持ってきました。
こういう逸話をオリジナルのようにパクるセンスがともかく悪い。
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第15回「姉川でどうする!」
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第16回:ジャニタレゴリ押し大河
この回はジャニーズ事務所から長尾謙杜さんが出ました。
しかも一般的に知られておらず、重要でもない家康の弟役です。
・映画とのタイアップでゴリ押し
長尾謙杜さんは映画版『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』において、若年期の主役を演じています。
しかしこれも妙な話で、高橋一生さんとは似ておらず、必要性も感じさせない。
映画はNHKドラマ版のスピンオフであり、かつ『どうする家康』と衣装デザイナーが同じです。
『レジェンド&バタフライ』といい、映画とタイアップしたようなことを大河ドラマが平然としていいのでしょうか。
公共放送の意味が薄れません?
・オイラ、井伊直政は初回から堕ちるだけだ
井伊直政が初登場。
女装して家康を暗殺しようとしましたが、思えばここが本作の直政全盛期でしたね。
もしも『おんな城主 直虎』を見ていたら、とにかくワケがわからなくなったことでしょう。
家康を殺そうとしていましたが、井伊の仇は徳川ではありません。
この直政は「なんか気に入らない」ってだけで重要人物を暗殺しようとする残念な倫理観の持ち主。
とにかく最低最悪の直政でした。箇条書きにしておきましょう。
・甲冑が似合わない
・主語が「オイラ」→江戸期以降の東国で使われるもので設定に無理がある
・義経と同じでイケメンなのに力自慢だと言う→むしろ義経は腕力が弱いことがコンプレックスだった
・罰ゲームかと思うほど似合わないダリ髭を装着
・赤備えのためか、兜に映り込む白い天井照明が最も目立ってしまう
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第16回「信玄を怒らせるな」
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第17回:信玄はサンタクロース
本作の信玄は、なぜかモコモコしています。
衣装の最悪さが露呈していました。
・ローマ人というか、サンタクロースというか
演じる阿部寛さんが『テルマエ・ロマエ』の主演であるためか。
ローマ人だなんて言われていた本作の武田信玄。
本作の特徴でもある衣装センスの最低さが存分に発揮されています。
なぜか赤い着物がモコモコとしている。そのうえ、襟だけ白い。和服ではそう言う作りにならないでしょう。
なんかこう、デジタルでデザインして、ペイントツールで色を塗っているような残念な感覚ですね。
アナログでデザインしているとは思いますが、なぜ、こんなことになってしまったのか?
武田信玄がサンタクロースじみて見えるなんて、何を言っているのかわからないけれども、実際にあったのだから仕方ない。
2023年「信玄公祭り」での信玄役は、大河の阿部寛さんではなく、『大奥』で徳川吉宗を好演した冨永愛さんが務め、話題となりました。
当然の帰結だと思います。あんなサンタクロース信玄は無用。
そもそも別の祭りでは、大河主演俳優が強引な発注をし、弁当屋に迷惑をかけたなんて話も文春砲にはありましたね。
「信玄公祭り」運営者の判断力が光ります。流石です!
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第17回「三方ヶ原合戦」
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第18回:シン・大河ってなに?
サブタイトルが「真・三方ヶ原合戦」。
薄ら寒いこのセンスを誰か止められなかったのでしょうか?
だいたい「シン・」と頭につけて喜ぶ層って、リアルタイムでアニメ初代『エヴァンゲリオン』を見ていた年代だと思います。
それって本当に若者向けなの?
・ノベライズ担当者に持ち上げさせる宣伝センス
この「シン・大河」は本作ノベライズ担当者が発祥かと思われます。
この著者は、磯CP作品のノベライズを担当し、本作脚本家のファンだと公言。
幇間のような優しい質問を得意とするためか、インタビュアーとしてもよく仕事をつとめています。
どんなドラマでも褒めるのであれば、「ポリアンナ(何でも良かった探しする人のこと)ちゃんだな」で済ませることができます。
しかし、自分がノベライズ担当者だと褒めちぎり、そうでもないドラマ、叩いた方がPV稼ぎができるとあれば貶す――となると誰だって色々と考えてしまうでしょう。
◆ 松潤主演NHK『どうする家康』は「シン・大河」になる? 大ヒット大河ドラマ“勝利の方程式”とは(→link)
こういう“ぬるま湯”に浸かってばかりいるから、肝心の仕事が失敗するのではありませんか?
甘ったるく褒める人間に、ノベライズだの大口の仕事を与えることが、公共放送としてやるべきことでしょうか?
NHKは受信料を徴収しておきながら、物販で利益を得ているNHKエンタープライズが存在します。
公共放送なのに金勘定をし、それに忖度する者を有利にするとは、倫理はどうなっているのか。
ただでさえ視聴者の目線が厳しい最中に、それでいいと本気で信じているのか。
そんなことを続ければ早晩滅びます。
無様な終末を私は見たくありません。
・アル中が中高年の共感を得られると思っているくだらなさ
本多忠勝の育ての親である叔父・忠真をアル中にして、それがおもしろいと思っているあたりはこのドラマの馬鹿馬鹿しさでしょう。
歴史的観点からみますと、兵を率いる将がベロベロに酔っ払うって、軍律違反なので切腹ものです。
確かに酒乱の逸話を持つ武将はいます。それにしたってせいぜいが宴会での話です。
気候も寒冷で米も貴重な時代に、「酔いどれ侍」がキャッチフレーズになると思っているという時点で小っ恥ずかしい。
ウケ狙いで実在した人物を侮辱しないでください。
今、世界規模でアルコール消費量が減っています。
若い世代は「ソバーキュリアス」(しらふで好奇心を持つこと)がクールな時代。
それなのにこんなノリを押し出し、それが若者向けだと思っていることそのものがくだらない。
「今時の若い連中はさ〜、飲み会嫌がるんダヨナ〜」
こうおじさん構文で愚痴っているようなものだと気づいてください。
つまらないだけでなく、この駄作はひたすら時代錯誤。自分が若いと勘違いしたおじさんらしさが滲んでいて、鬱陶しいのです。
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第18回「真・三方ヶ原合戦」
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第19回:話題作りのためなら出演者の身内も使え!
本作の武田勝頼は暗愚じゃない!
とかなんとか、そんなことが喧伝されましたが、勝頼の再評価など珍しくないでしょう。
それこそ『真田丸』では短い出演時間にもかかわらず、凛々しい人物像として描かれ、ファンになった人も多いはず。
本作の場合は、研究成果の反映というより、もっとくだらない理由が垣間見えます。
・出演者親族の死すら利用する
大作家スティーブン・キングは、妻タビサも作家です。この夫妻の息子にジョー・ヒルという作家がいます。
日本ならば親の十四光で華々しく売り込んだことでしょうが、ヒルはそうなりたくない。
純粋に自分の筆力を試したい――そう考え、親のことは伏せ、わかりにくいペンネームでデビューしました。
世界的に世襲アピールは古臭くなりつつあるのです。
しかしここは日本。
世襲議員の割合が世界最高と言われる世界観です。
芸能界だってこの流れに乗っかるものですが、そうはいっても作り手の匙加減ではあり、近年大河で最悪なのがこの『どうする家康』です。
このドラマでは、本来信玄の嫡子であった武田義信にまったく触れません。
実際には信玄の認識では嫡孫を跡継ぎに指定しており、勝頼はあくまで中継ぎでした。これが勝頼と家臣の間にある関係にマイナスの影響を及ぼしたことも、勝頼の不運とされます。
ところがこの信玄は、勝頼をともかく褒めまくる。期待をかける。
歴史は関係ない。勝頼を演じる眞栄田郷敦さんと、亡くなったその父である千葉真一さんの関係を重ねているだけでしょう。この放送にあわせ『ファミリーヒストリー』では親子が取り上げられていました。
出演者の親族の死まで話題作りに利用する浅ましさ。そういうドラマの作り手の卑しさは、歴史や死者の扱いにも反映されます。
本作の信玄は、山の中で死に、野晒しになったような演出が為されました。
勝頼は諏訪法性兜を父から引き継げていません。それをドラマでは、毛の部分が赤い偽物を被らされています。
どこまでも他者を舐めきったドラマです。
・発想が性犯罪者、フェチを感じさせる
最終回で家康はダラダラと、何一つとしてやりたいことなんてないと言います。
しかし、この回は「お手つきしてどうする!」です。
要するに蒸し風呂でエロい女にムラムラして、子どもまでできたという話ですね。
「電車が動いで尻に手が当たっただけなんだ! わざと触ったわけじゃない!」
「あの子が誘ったんだ!」
ウダウダとそう言い出す性犯罪者を思い出しましたよ。
『どうする家康』というタイトルで、迷う選択肢の中に「美女を抱いちゃう? それとも我慢できるカナ?」があるとは思いませんでした。WEBのエロ漫画広告じゃないですか。
側室のお愛が家康の尻を叩く場面もセールスポイントだとか。阿茶が家康の頬をビンタする場面も撮影されていたとか。
公共放送で己の性癖を披露しないでください。
そういうことをすると、主演俳優のスキャンダルまで探られるので悪手だと思いますよ。
◆ 広瀬アリス 松本潤のお尻叩きシーン「遠慮がなくなって…」(→link)
「松本(潤)さんから、遠慮なんかしなくていいからどんどん来てくれって言われたんです。最初のうちはどうしても遠慮をしてしまっていたのですが、テストをしているうちにだんだん慣れてきちゃって(笑)。強くなっていきました」
◆松本若菜、NHK「どうする家康」未公開シーンで松本潤へ両頬ビンタしていた「私の武勇伝となりました」(→link)
続けて大役を演じ切った松本潤へ「そして、殿。本当にお疲れ様でした。あなたの背中を間近で見れてたくさん学びました。幸せでした」とねぎらいの言葉を送り、「もしかしたら殿の人生で初だったかもしれない両頬ビンタをしたことは(本編ではカットされていました。※アドリブではありません。台本にしっかりと書かれていました笑)決して忘れません。私の武勇伝となりました」と告白。
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第19回「お手付きしてどうする!」
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第20回:男がやる気を出すのは金か女目当てだ
鳥居強右衛門といえば、勇者として知られます。
逸話の内容から、精悍な武士像として描かれるのが一般的です。
それがこのドラマではふくよか。
そのくせ甲冑をつけたまま泳げてしまう上に、余裕こいてマヌケな歌まで歌えちゃう、凄まじいアスリートミュージシャン。
ただし、話の展開は阿月マラソンのせいで二番煎じ感が凄まじい。鳥居強右衛門の墓前で謝ってきてください。

月岡芳年の描いた鳥居強右衛門/wikipediaより引用
・おじさんは女か金でないとやる気出さないんダナ
鳥居強右衛門が勇者の中の勇者とされるのは、危険を承知で死線を突破したから。
仲間を救うため、己の勇名を残すところが素晴らしいとされた。
しかし、このドラマの作り手は、そんな武士の心情など全くわからない。
そういう高潔さの代わりに、性欲と金銭欲がインプットされている。
作り手がそんな調子だと、劇中の武士も、勇敢さより劣情がフックにされてしまいます。
本作の鳥居強右衛門は、主君の娘である亀にデレデレし、金で釣られる最悪の存在と化しました。
そんな浅ましい感情を公共の電波に乗せて平然とできる、クソ度胸に驚かされるばかりです。
ゲス野郎を描きたかったならば、『仁義なき戦い』の山守親分目線バージョンでも作っていればよかったのに。
前述の通り、文春砲によると、脇役が目立つ回となると松本潤さんはお怒りだったとか。
気持ちはわかります。怒る方向性は違いますけれど。
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第21回「長篠を救え!」
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第20回:うまい飯食って酒を浴びるほど飲んで女遊びしてぇ!
美味い飯!
美味い酒!
女遊び!
信康事件の元凶にされた大岡弥四郎というモブが叫んでいました。
いや、これ、製作者の本音でしょ?
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第20回「岡崎クーデター」
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第21回:屋内で合戦撮影
長篠の戦いです。
この辺りで「なんだかおかしい……」と気付いた方もいたでしょう。
そう、本作は頑ななまでにロケをしないんです。阿部寛さんも戸惑いつつそう明かすほど。
LEDウォールの前でちまちま撮影し、その割合が高すぎるものだから視聴者にバレてしまう。
『鎌倉殿の13人』や『大奥』でも同じ技術を用いていますが、ここまで露骨に「ロケしたくないんです!」という作品も珍しい。
なぜ、こんなことになってしまうのか?
ヒントとなる話が、韓流スターであるパク・シフにあります。
彼は端正な美貌で時代劇がよく似合います。ヒット作『王女の男』は伝説的な名作とされます。
けれども本人は、絵になるロケ地を求めるため移動が長すぎることが辛い。そのため「時代劇は苦手」と公言しています。
そんな幻のパク・シフ時代劇となれば、それだけで期待値最大級! ほぼ10年ぶりの時代劇『風と雲と雨』も大きな話題となったのでした。
パク・シフは潔い。
出たくないから、最低限に減らしています。そしていざ出ると素晴らしい演技を見せます。
じゃあ日本の松本潤さんはどうかというと……?
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第22回「設楽原の戦い」
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第23回:萌える女をともかく出そう、ギャルゲーみたいで斬新だww
「女性を応援しちゃうぞ! うちは可愛い子揃えてます! うちの会社で働かないカナ♪」
そんなしょうもない会社のPR動画を見て絶望したことがあります。
女性を応援すること=好みの女をエロエロ目線で見ること♪
こういう絶望的な勘違いをしている人います。
恐ろしいことに女性でもおりまして、セクハラを訴えたら「あら、女として見られるっていいことじゃない」と返されたりするとか。
そんなもん、肉牛が「あら、食べられるってことは愛されているってことじゃない」と言うようなもんでしょうよ。
コンプライアンス研修の時点でおかしいと気付いてくれ!
それが……NHKの看板ドラマがこのレベルの勘違いをしているんだよなぁ。
このあたりから瀬名がパワーアップしてマザーセナとして覚醒します。
発火点は鬱陶しい歩き巫女の千代でした。
本作の女性は老化しないし、巫女に、くノ一に……18禁ゲーでも遊びたい欲求をぶつけたような女性ばかりが出てきます。
で、結局、女大鼠なんて必要でしたか?
織田信長が娘の五徳の顔を掴む虐待じみた場面を「どや、かっこええやろw」と何度も宣伝材料に使う。人として何か感覚が欠落していませんか。
・『源氏物語』を理解しているのか?
この回では「『源氏物語』は書物ではない」というセリフがありました。
大河の作り手が『源氏物語』の重要性を理解していないのでしょうか?
連歌や和歌には『源氏物語』を詠みこむことが教養です。
屏風はじめモチーフとした工芸品も贈答の定番です。
それすら知らないってどういうことでしょうか。
そう思っていたら、最終回には『源氏物語』が一冊だけぺろっと出てくる。
はいはい、次作への伏線ですね。本当にあざといな。
・横光三国志みたいな滅敬
唐人医である滅敬の正体は、穴沢梅雪だった!
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滅敬って一体何者なんだ!武田の穴山が扮する唐人医は実在したのか?
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いや、もう勘弁してください。
本作は「歴史はフィクション」と豪語する脚本家が書いているだけに、なんでもかんでも自由自在。
穴山梅雪にしてもそう。千代だって馬場信春の娘であると後から判明します。
重臣の娘が忍者になるものでしょうか?
確かに過去の大河ドラマでもこういうことはあります。
『天地人』では真田幸村の姉が忍者でした。『鎌倉殿の13人』では平知康が押松となりました。どちらも相当無理がある設定です。
とはいえ『どうする家康』はそうしたフィクションだからと、許される枠を広げすぎる。
さらにはお粗末な唐人衣装がおかしい。
横光三国志か!
そう突っ込みたくなるようなシロモノです。もっと真面目に作れませんか?
ちなみに同時期、別のNHK番組にでできた明代中国人の衣装はまっとうでした。それで当然です。
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第23回「瀬名、覚醒」
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第24回:これがシン・瀬名だ!
このドラマ最大の問題点は、瀬名がマザーセナとして覚醒したことでしょう。
そのせいでプロットをうだうだと引っ張り、2023年らしいカルト臭が存分に発揮されました。
慈愛の国だのなんだの唐突に語り出すマザーセナ。
うっとりと聞き入る家康とその家臣団。
マザーセナに性的暴行をしかけておきながら、ノコノコやってくる今川氏真。
そんなDV夫についてくる糸。
漂うのは圧倒的なカルト臭です。
木彫りウサギは教団の収入源ですね。どこぞの壺のように法外な値段で売られるのでしょう。
・空鉄砲で誤魔化せるんだ!
マザーセナ妄想に基づいて、家康と勝頼がやらかすのが空鉄砲の撃ち合い。
なぜ誰もこれを止められなかったのか……。
鉄砲だけで戦ができるわけもない。火薬が必要です。
日本国内だけでは生産が間に合わず、海外貿易も駆使して手に入れるため、相当な苦労を伴ってしまう。
『麒麟がくる』ではその辺りをプロットに組み入れていました。
2022年から高校の授業で、海外との関係を重視する「歴史総合」が導入されました。18世紀以降を扱うとはいえ、その前史として戦国時代の海外との関係も重視されることでしょう。
そんな高校生から見たら、この大河ドラマがいかにナンセンスか……。
「火薬はどこから持ってくるの? 湧いてきたの?」
こう失笑されかねない恥ずかしい展開が予測できます。
将来、恥となるとわかっていて、どうしてこんなものを肯定できますか?
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第24回「築山へ集え!」
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第25回:はるかに遠い彼女との距離
なんでも「この回が一番重要である」と、主演はじめ、ドラマ制作者は語っていたとか。
いま思い出すと赤裸々な回だったと思います。
家康は「国より妻を守る!」と叫ぶんですよ。今にして思うと、実際これが本音だったんでしょうねぇ……。
主演が脚本家に「俺ならこう言うけど」とでも語ったのか。最終回の前、このドラマの制作風景が放映されました。
そこではおどおどした監督、歴史に詳しくなさそうな脚本家、何もかも口出しする強気な主演俳優が映されておりました。
◆『どうする家康』名場面第1位は「瀬名の最期」 松本潤「だいぶ引きずりましたね…」【全ランキング掲載】(→link)
・瀬名をなぜ再評価するのか?
なぜ瀬名をここまで強引にプッシュするのか?
当初は本当に不可解でなりませんでした。
脚本家と磯CPはじめ製作者たちは「悪女説が江戸時代以降である」と同じことをやたらと繰り返す。
◆《NHK大河「どうする家康」》脚本・古沢良太が語った松本潤と有村架純の今後と、頼りにする“実力派俳優”(→link)
古沢 近年、徳川史観が見直されているんです。
家康は死後、神格化されました。そのため、江戸時代になって作られた史料は家康の行動を正当化する一方、瀬名や信康の悪行が記されています。
ところが、倒幕運動が起き明治の世になると、一転して狡猾な男と評された。
その両極端のフィルターを通した家康像が現代に伝わってきているので、どちらもいったん取り外して、等身大の家康とその家族を、なるべく自分や視聴者が共感できるように書いていくつもりです。
近年も何も、徳川史観の批判など、ずっとあったでしょうよ。
明治以降、それが顕著になるとはいえ、識字率が上がれば江戸時代の庶民だってつっこんでいました。
それより、もっと別の切り口はできなかったのでしょうか?
ジェンダーと歴史学観点とか……できるわけないですね、本作は古臭くておぞましい女性観ばかりが披瀝されていますもんね。
結局、どんなインタビューを見ても、一生懸命暗記した作文を読み上げる小学生みたいな受け答えですし、皆が揃いも揃って同じような主張を繰り返すのも妙な話です。
だからといって、彼女をここまで無茶苦茶な教祖にする必要はあったのでしょうか?
その答えは、文春砲に正解があったのかもしれません。
松本潤さんは、共演した女優の中でも有村架純さんにばかり気を遣い、様々なプレゼントを贈っていたという報道が過去にもありました。
そして大河にかこつけて両者が接近するよう、ドラマ外の紀行までお膳立てされていたというのです。
この文春砲が正確であれば、公私混同があまりに酷い。
そう思っていたら、最終回の放送日翌日、有村架純さんの交際報道が流れました。お相手は6歳下のジャニーズ俳優で、3年前、つまりはドラマの制作前から交際していたというものです。
彼女も大変だったことでしょう。
ジャニーズ俳優と交際中なのに、その先輩である松本潤さんにアプローチされて。
と、そんな風に瀬名を持ち上げておきながら、劇中で、性的暴行未遂のシーンを無理やり入れるあたりが、このドラマ製作者のわけのわからないところ。いや、わかりやすいところでしょうか。
女なんてトロフィー扱い。人間性なんかない。その主張だけは貫かれています。
瀬名は初回から、家康と氏真がタイマンで取り合うトロフィー扱いであり、いつの時代かと言いたくなるような扱いをされてきました。
その結果が、あの最終回直後の交際報道とは……。
本作の制作陣は、お姫様を救う王子様のお膳立てを受信料でしていたつもりなのでしょう。
しかし、実際にしたことは町娘の帯を解こうとする悪代官に金の最中(つまりは賄賂)を渡す悪徳商人となっていた。
賄賂の原資は受信料……いや、もう、いい加減にしろて。
有村架純さんの交際報道の後に、「マザーセナが自害して、浅すぎる湖でバチャバチャした家康」を思い出しました。
現実とドラマが見事に合致していたとは、不覚にも笑いそうになりました。家康、全身全霊のボケがすごいなっ!
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『どうする家康』感想あらすじレビュー第25回「はるかに遠い夢」
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★
以上、前半の振り返りです。
ちょうど半分のところで、ドラマの腫瘍のようだったマザーセナは消えました。
では、後半ではよくなるのか?
確かにそういう評価はあります。時間が足りなくなり、年表通りにコマ送りにした結果、家康ドラマとして見やすくなった、と。
しかし、それはマザーセナに捧げる展開が不要になった分、マシに見えるだけであり、ドラマが面白くなったワケではありません。
◆ 低迷する「どうする家康」一転して盛り上がる必然 家康は「築山殿事件」をどう乗り越えるのか(→link)
私は一年間を通して、この大河を批判してきました。
理由は簡単なことです。
つまらないから。
誉めたら恥ずかしいから。
忖度しないから。
忠臣とは諫言を恐れぬ者を指します。
私は別に大河を主君とは思っていませんが、忠臣の心意気だけは持ち合わせておきたい。
以下は「後編」となりますので、併せてご覧ください!
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『どうする家康』感想レビュー総論・後編26~48話 悪夢の一年間を総括
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皆さま思うところがあれば、直接NHKへよろしくお願いします。
◆NHK みなさまの声(→link)
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文:武者震之助(note)
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【参考】
どうする家康/公式サイト




















