どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想レビュー総論・後編26~48話 悪夢の一年間を総括

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『どうする家康』感想レビュー総論・後編26~48話
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第36回:日記、人の心が、どういうものかわかっているのか?

本作は、後出し後付が大好物です。

場当たり的に話が進むから、辻褄を合わせるために回想シーンをねじ込んで、話の流れを補う。

あの人物にもこんな過去が……と突然やらかす。

レーシックお愛もそうでした。

・オープンテラス城、屋根のない廊下

本作は、家具もおかしい。

屏風のような遮蔽物がない。家具も最低限しか揃っておらず、城はどこもかしこもオープンテラス状態。

屋根のない木造廊下すらあり、そんなもんすぐに腐るでしょうよ。

ちょっと考えたらわかるようなことも平気で見落とされている、ダメなハリウッド映画並のワンダーJAPAN描写が続きます。

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・市「私が総大将です」茶々「ダーン!」

このドラマのせいで、北川景子さんは本当に酷いシーンを押し付けられました。有村架純さんと、どちらが酷かったか?

市は夫・柴田勝家をさしおいて総大将宣言。

茶々は初登場で火縄銃を持ちながらダーン!

北川景子さんが演じた同じ顔の母と子を辿ってみると、支離滅裂な描写の連続です。

・出会った当時は乳幼児でもおかしくない年齢差なのに、家康に惚れる市

・我が子の前でも家康への思いを語りまくっていた市、浅井長政の立場がない!

・柴田勝家をさしおいて総大将宣言をする市

・そんなに面識もない母の初恋の相手を慕う。織田信長が討たれたあと、家康の無事を願い祈祷までしていた茶々

・それなのに、親子ほど歳の離れた秀吉相手にセクシーな態度をとる茶々

・憧れの家康の前で、火縄銃を抱えて「ダーン!」と出てくる茶々

・家康相手にヤンデレを通り越したことをして関ヶ原を引き起こす茶々

・自分と我が子と家臣領民の命をかけて家康にヤンデレを発揮しつづけ、ついには大坂の陣になってしまう茶々

・家康からラブレターもどきが届いてキャンセルしようとする茶々

・秀頼はキレてしまい、どうしようもない茶々

・逆恨み全開で自害する茶々

よくぞここまで無茶苦茶な人物像を作れたものです。

いや、人物像もくそもなく、場当たり的に話を続けていたらこうなったんですよね。そうじゃないと説明がつかないようなレベルだ。

・火器考証ができていないどころではない

このドラマは火器考証がかなり怪しかった。

火縄を打掛の袖に巻く茶々はその象徴であり、他にも多々あります。

連射する。

射程がおかしい。

装填が早すぎる。

弾薬の入手過程をふまえているとも思えない。

真面目に消化していたら日本史の知識に弊害が出そうなほどです。

こういう描写は「史実じゃなくてもいい」という見解とは、別次元の話ではありませんか?

一方で本作は「最新の説も反映させている!」と言うのが大好きなんだから困ってしまいます。

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第37回:さらばやっつけ仕事

磯CPと脚本家と主演は、徳川家康をどこまで本気で描こうと思っていましたか?

時代劇をどれだけ研究されましたか?

とことん研究し尽くしてあの程度ならもう仕方ありません。もしも、やっつけ仕事でしたら、二度と大河には関わらないで欲しい。

・汁かけ飯がくどい

北条氏政と汁かけ飯の逸話をしつこく扱う本作。

まるで汁かけ飯が特殊だと言わんばかりの描写にも見えましたが、和食で汁をかける食べ方はごく普通のことです。現代のカレーライスもその一種でしょう。

もしも海外のドラマで、カレーライスを食べる日本人がバカの象徴のように描かれていたらどう感じます?

本作の汁かけ飯は、本質的にそういうことです。

真田丸』では三谷幸喜さんが汁かけ飯をうまくアレンジしていた。

そういう巧みなことは一切できず、ただただ人を貶めてウケ狙いだから、かえって自身が笑われることになる。

氏政も、自分は領地に引きこもってただけだと語りますからね。いやいや、合戦もして、関東に領土広げていたでしょうよ。

・「伊達政宗がステルス出演!」と煽るメディア

伊達政宗の出番がないのに、性懲りも無く『どうする家康』関連のネットニュースで彼の名前が出てくる。

本当にうんざりさせられました。

要は「ノリノリの政宗だったらマジうけない?」程度のことで、ドラマに漂う軽薄な空気と共通しているんですよね。

本郷和人先生の本を読み、再確認したことがあります。

豊臣が西国政権、徳川は東国政権であること。その成立過程において、家康が奥羽大名の取次役を果たしたことが大変重要でした。

その文脈で伊達政宗を出すならばよいと思います。秀吉の悪逆非道を描くためにも、出羽の最上義光を出すことだってありだと思います。

でも、本作でやるわけがない。

脚本家は、最上義光の再評価ムーブメントなど知らないでしょうし、なんなら未だに「もがみよしみつ」だと思っているかもしれない。

いや、「歴史に興味がない」と明言してしまうぐらいだから、存在すら知らない可能性だってある……。

最上や伊達のファンにとっては、それでよかったかもしれません。泥舟に乗せられ、海底へ引きずり込まれるところでしたから。

戦国大河は食傷気味だとされるけれども、もう一度奥羽を扱うことは大いにありではないでしょうか。

きちんと歴史を重視する素晴らしい脚本家だって世の中にはいる。

NHKだって重々承知しているでしょう。

刷新された東北戦国史の大河ドラマが見れたら、十分幸せな気持ちになれます。

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第38回:こんなものはいいから韓国の『ハンサン』をみよう

大河ドラマ『どうする家康』がどれだけ駄作なのか。

SNSなどで貶すときに、こんな決まり文句を時折見かけます。

「まるで韓流ドラマ!」

その韓流ドラマとは何を指しているのでしょう?

確かにかつては技術レベルも低く、アイドル人気を当て込んで、正直、出来の良くない作品も数多く入ってきました。

しかし、今は違う。現実を見てください。

『イカゲーム』やBTSが世界を席巻し、韓流スターはどこでも大人気。

日本の若い世代だって「韓流スターになりたい」とうっとりして、コンビニで韓国グルメを楽しむ時代です。

それなのに低劣なものとして韓流を出すのは、自身が時代に取り残されていることを白状するようなものでしょう。

『ハンサン 龍の出現』でも見てください。

海上決戦の迫力はこちらの方がはるかに上です。それだけではなく韓国人俳優が演じている日本の武士の方が『どうする家康』より、はるかに描写がきちんとしています。

・中国語字幕が間違っている

茶々が突如中国語を話しました。

発音は仕方ないにせよ、字幕が間違っていました。

「我的名“子”是茶々」の部分で、正しくは「我的名“字”是茶々」です。

Eテレから中国語講師を引っ張ったと言う触れ込みだったのに、どうしてこうなった?

後で字幕を当てたときに間違ったんでしょうね。そして講師には確認して貰っていない、と。

・薩摩隼人は『大奥』にご期待ください

唐入りといえば島津の奮戦が見どころです。

その島津が、あんなヒョロヒョロの忠勝を敬愛しているというのは、そうとは思えず、ポカーンとなってしまいました。

素敵な薩摩隼人は『大奥』シーズン2の天璋院にご期待ください。

本当に『大奥』がなかったら、今年のNHKはどれだけ酷かったか……。『どうする家康』の制作陣は彼らに感謝して、お年玉でも送ってください。

・女大鼠は意味があったのだろうか?

海を渡って顔見せだけするくノ一の女大鼠。

このドラマほど忍者が無駄な作品もないでしょう。

本能寺周辺に潜んでいた伊賀者五百人は突如消えるし、服部半蔵はお笑い要員で最終回にもお呼ばれしないし、女大鼠はわかりづらい介錯をするし。

むしろ邪魔だったのでは?

制作陣に“くノ一のタイツフェチ”などがあるんだとしたら、ご自身のスマホでエロ漫画でも読んでください。

演じた役者さんの今後も心配です。

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第38回「唐入り」

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第39回:大河、くたばる

前述の通り、本作はサブタイトルの時点でコロコロ変わる悪い癖があります。

この回は何度か変わって、結局「太閤、くたばる」となりました。

身も蓋もないとはこのこと。

むしろ大河そのものがくたばりそうな逆噴射ぶりです。

なぜ、こんなサブタイトルを誰も止められないんだ?

・予告詐欺をやらかす

クリフハンガーという概念があります。

連続ドラマなどで回をまたぐ時、先がどうなるかわからないほど緊迫感のある繋ぎ方をする。

そんな高等な技術が『どうする家康』にあるわけがない。

あるのはゲスな“におわせ”だけです。

前回の予告で、茶々が「腹の子があなたの子だと思ってんの!」と、いかにもなことを語ったわけです。

2011年の華流ドラマ『宮廷の諍い女』で、まんま似たようなセリフがありましたけどね。

それが本作では、蓋を開けてみれば「実質、私だけの子だもん!」と言う。ただ、それだけ。

心の底から、くだらない、く・だ・ら・な・い!

こういう小技の連続ばかりに走って、プライドはないのでしょうか。

・キャンドルサービスは誰の趣味か

秀吉陣営はやたらと蝋燭。ともかく蝋燭。

当時の蝋燭は貴重品です。

脚本家さんが大好きな金平糖ネタは、物珍しさから高価なものだと把握できたけど、蝋燭までは考えが及ばなかったのでしょうか。

・プラスチックじみた甲冑

大河ドラマで使われた甲冑の実物を目にしたことがあります。

本物よりも軽量化されていて、明るい照明の下だとペナペナして見えるものだと驚きました。

そんな軽量化された甲冑を重々しく見せるのは、技術に他なりません。演技力、演出、照明といった力を合わせて、本物のように見せる。まさにプロフェッショナルです。

しかし今年は全く発揮されません。

井伊直政のようにヒョロヒョロした人物は、もうその時点で甲冑を装着できるとは思えない。軽いナンチャッテ甲冑のように見えてしまう。

関節の動きも、エキストラ含めておかしい。甲冑の重量を計算しないで動いている。

おまけに安っぽい照明のせいか、軽くペナペナしています。

極めつけは「白い斑点」でしょう。

スタジオ撮影だったため、天井に設置された照明が兜に反射して、白く映り込んでしまうのです。

毎週のように兜に映り込むため「白い斑点紋様か?」と思うほど。

消さないから、ニセモノ感が凄まじいのです。

奇妙なことに、そんな軽い甲冑ですら家康が着る場面が極端に少ないものでした。もしも甲冑を着たくないのなら、なぜ大河主演なんて引き受けたのか?

ついで言うと、家康が衣冠束帯になる場面もありません。

衣冠束帯姿の肖像画に、顔ハメ看板のように主演の顔を埋め込んだ絵で誤魔化す。

家康は、服装がほぼほぼラフで、演じる側が和服を着たくない気持ちが伝わってきました。

・キレやすい家康

家康がイライラしていて爪を噛んだ話はいい。多くの戦国ファンも知っています。

それをわざわざ持ち出すのは、

「家康って我慢強いイメージあるけど、実際は……」

というギャップを表現するためでしょう。

しかし、この家康には我慢強さがない。

よくキレる。

すぐに苛立ちが顔にでる。

死にかけの老人である秀吉に対してすら怒鳴り散らして罵倒していました。

ドサクサに紛れて秀次事件はそのセリフの中だけで済まされてましたっけ。

もう、爪を噛むのが全然意外性ではなかったんですよ。

・麒麟は来ない

このドラマの作り手は『麒麟がくる』が大嫌いなのでしょう。

あんなもんジジババの娯楽と笑っているのかもしれません。

そのくせ天海役として長谷川博己さんが出るという飛ばし記事が出ていたのだから呆れる。

むろん、飛ばし記事自体は勝手に書かれたもので、制作陣には何ら関係ありませんが、「話題作りのためだけに色々とやる」ことを見透かされているからこその飛ばし記事だったのでしょう。

とにかく話題性だけ! 話題LOVE!

そんな調子でプライドもないから、結局、『鎌倉殿の13人』から小栗旬さんを引っ張ってきてる。

長谷川博己さんの天海役は飛ばし記事でしたが、制作陣の本質は突いていたワケです。

・文春砲直撃

このころ週刊文春が2回に分けて、『どうする家康』の告発記事を掲載しました。

ニコライ・バーグマンの押し花といい。

有村架純さんにやたらとプレゼントを贈る松本潤さんといい。

書かれたことを否定する事実が出るどころか、むしろ正しさを証明するようなことをこのドラマ周辺はやらかしています。

文春砲では、松本潤さんが脚本にまでかなり口を出すと書かれていました。

最終回にあわせた番宣では、主演、脚本家、監督が顔を合わせながら脚本の打ち合わせをする場面が出てきました。

文春砲が暴いた構図そのものです。

最終回のしつこいえびすくいも、松本潤さんたっての希望だと明かされました。

隠すどころか手の内を明かすやり口は、どうにもわかりません。油断し切っているのか、わざとなのか。

2023年最後の文春砲では、報道後に挨拶をするようになった松本潤さんについて明かされていました。ここまで現場スタッフに明かされるというのも、なんとも虚しいことに思えます。

結局、確たる反論はない。文春砲は否定できないのでしょうね。

松本潤さんは来年以降、大河には関わらないと思います。

しかし、彼のせいで心身疲弊したスタッフはきっとこれからも大河に関わることでしょう。そんな彼らが傷ついていたとしたら……本当に悲しいことです。

映像作品は、現場を支えるスタッフがいてこそ成り立つもの。

他の作品を見れば、どれだけ歴史が好きで、手がけているか、理解できます。

そういう人を大事にしない現場の責任者たちは一体なにをしているのか。

特定の事務所に忖度するのが当たり前になっているから、そんな状況を平気で受け入れてるのではありませんか?

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第40回:天下とは結局何かわからない

オープニングがコロコロ変わる本作。

坂本龍一さんの手がけたテーマに、月替わりで素敵な映像が流れた『八重の桜』から、たった十年でここまで落ちぶれるものかと愕然としてしまいます。

思えばロゴからして残念過ぎた。

あんなキラキラクネクネしているデザインでは、コラボした商品にとってはマイナスでしょう。特に、お菓子のパッケージに付いていたら、食欲が減退しそうです。

タイトルからして大失敗だったのですよね。

「どうする」と「諱」に呼びかける時点でダメでした。

当時は、そう容易く諱で呼びかけない。ならばタイトルだけで済ませておけばまだよかったのに、登場人物がシャウトして、礼儀作法も何もありません。

オープニングテーマは、曲そのものは悪くない。戦う乳酸菌のテーマ、腸内フローラ測定を促すコマーシャル曲だったらよいと思います。

ただ、大河のテーマとしてはワースト候補では?

あの『花燃ゆ』だって、オープニングは最高だったのに。

・曲解、論破、マウンティング、群れを作ることが大好きなファンダム

『どうする家康』のファンダムは異常なまでに攻撃的でした。

このドラマはなぜか阿茶だけがキャラ付けとして立膝です。

当時、女性の立膝は当たり前で、『麒麟がくる』はそのことを反映していました。

けれども本作では、男勝りと自称する阿茶だけ、わざとらしく立膝にしていた。

キャラ付けの一種としてそんなことをしているんだとしたら、不自然でならない――と、レビューで指摘したところ、そう読み取れない本作の攻撃的なファンがはしゃいでいました。

「この時代の女性は立膝だって知らないんですかああwww」

「『麒麟がくる』見たら憤死しそうwww」

こういうノリで他者をコケにするんですね。それも一度や二度じゃなく、放送期間中に頻発していたから、根っから染まっているのでしょう。

いい加減、大人になれませんか。

主にエックス(Twitter)で展開される話ですが、そんなところでマウントをとっても、現実社会で何か好転することなどありません。

むしろ、マイナスでは?

攻撃性が高まってしまい、酒を飲んだままエックスで誰かに絡んでいたら、いずれ炎上してしまうかもしれませんよ。

・ダリ髭、剛毛の茶々

井伊直政のダリ髭は何なんでしょう。

茶々のこんもりとした剛毛もわけがわからない。


・ナレ死どころじゃない「相関図死」

後半ともなると、このドラマ名物の「相関図死」が目立ってきます。

服部半蔵のような大物でも、気がつけば死んでいる。公式サイトの相関図で死んでいるとわかる。

ナレ死を超越した「相関図死」の世界です。

それだけこのドラマは、人間に対して思い入れがないんですね。

実在した歴史上の人間にも、役者にも、自分たちが作り上げた像にすら、興味がない。

興味があるのは、話題になるかどうか、それだけ。

人間をただの商材扱いにして、どうして面白いものが作れるというのでしょう。

自分さえ良ければいい、今さえ良ければいい、そんなわがままさだけが空虚に回っています。

ちなみに服部半蔵や井伊直政は、最終回に出てきていません。

あのわけのわからないプロットに織り込めないと言われたところで、そこを工夫してどうにかするのが仕事だろうと指摘しておきたい。

役者のスケジュールか、その他の都合だったのですかね。

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