レーシックお愛が何かを手にしています。
元亀3年10月(1572年)、レーシックお愛の前夫が戦に行くようです。
説明セリフでわかりやすい死亡フラグを立てているのに、現代人が出張に行く程度の気軽さにしか見えない。
あまりにも緩々としていて、緊迫感が欠如している。
見送る側が武運を祈る『鬼滅の刃』の方が、よほど出撃時のお約束を踏まえていますよね……と思ったら、案の定、前夫は討ち死にしました。
「お慕いする人が逝ってしまった……私の心もまた死んだ」
いかにも現代的な回想ですね。
『麒麟がくる』であれば、閨怨(けいえん・寝室で夫の不在を嘆く妻という意味・出征兵士の妻が嘆くテーマは定番)の漢詩でも引いてきたでしょう。
このドラマにそんなことを期待する方が悪いんですかね。
どうするアピール自害
本作名物、くだらない回想シーンの始まりです。
のっけから、わざとらしく自害をしようとするレーシックお愛。
本気で死ぬ気なんて感じられません。
確実な死を狙うなら、重力を活かし、喉や胸に伏せるようにするのでは?
しかし、そんなつもりはないんだな。
自害ポーズなのにカメラを意識したポージング。
自宅にいながら死装束に着替えるわけでもなく、しかも幼い我が子が至近距離でいる。
で、案の定、止まる。
まったくもって幼稚すぎます。なぜ、こんなイージーな展開しか考えつかないのでしょうか。
本作はマザーセナといい、家族の前で頸動脈を切る自害が流行っているの?
真面目に死ぬことを考えていませんよね。
お愛がどういう経緯で嫁いできたか、なんてハッキリ言ってどうでもいい。
偽りは笑顔ではなく近眼設定では?
嘘でもいいから笑っているとお葉に言われたの、だあから無理やり笑っていたの♪
これが泣ける話だと思っているセンスが痛々しい。
ファストフード店コマーシャルじみた笑顔はそういうことですか。だから何なのか。
おまけに回想シーンでマザーセナが出てくるからもう、ますますガッカリ感が募ります。
衣装のセンスもしょーもないし、筆の持ち方もおかしいし、1ミリたりとも見応えナシ。
どうするロマンチックラブイデオロギー
「殿はお慕いしているわけじゃないし」とか、わざわざ日記に書く意味がわかりません。
本作は恋愛脳の人物しかでてこないの?
親や人の上に立つ者の責任なんてない。いくつになっても恋バナしか頭にない。だから幼稚きわまりない。
恋愛ばかり考えている心理状態は「ロマンチックラブイデオロギー」と呼ばれ、人類普遍というわけでもありません。
当時、好きでもないのに嫁ぐ人なんて周囲にいくらでもいたでしょうよ。
それを自分だけが世界一不幸だと言わんばかりにぶりっ子アピールするレーシックお愛には、薄気味悪さしか感じられないのです。
◆ロマンティックラブの結末は? 夫と妻の温度差を「関係性ステータス」で測ろう(→link)
稲と真田信幸の縁談話が進んでいます。
そこへレーシックお愛が偶然通りかかる。
力量のない制作陣が物語を作ろうとすると、とにかく偶然頼りのストーリー展開になりますが、今回もその法則をバッチリ踏襲。
レーシックお愛の恋心はどうでもいいから、なぜ彼女が通りかかると何かが起こるのか、そしてどのようにして視力を回復させたのか、そこがむしろ知りたいです。
稲と信幸の縁談に時間を使う意味もわかりません。
この二人はおもしろおかしく馴れ初めが創作されました。
『真田太平記』にもある、高飛車な稲が婿候補を手荒に扱った話は有名です。
実際にあったか、創作されたのか――そこは取り入れる側の判断によりますが、アレンジした結果、下方修正されるのがこのドラマのお約束もとい呪縛でしょう。
どうする「いい笑顔じゃの」
突然、家康がわざとらしくレーシックお愛の笑顔を褒めだすあたりが、わざとらしい。
そんな話は今までない。辻褄合わせですね。
退場回になってやっとテーマを入れ込んでくるとかどんだけ無茶苦茶なのでしょうか。
笑顔よりも、コロコロと変化する視力の謎の方がよっぽど気になります。
偽りなのは笑顔でなくて近眼設定ではありませんか?
だいたい、笑顔の作り方がわざとらしい。愛する人に対するものというよりも、ファストフード店員の笑顔なんですよね。
どうする北条の処理
秀吉が出てきたかと思ったら、家康と茶飲み話感覚で説明セリフのラッシュ。
北条氏直には娘が嫁いでいるとか、真田に納得させるとか、脚本家が勉強して辻褄合わせをしている感が漂っています。
そしてそこへ氏政が歩いてやってきて、今度は北条の立場を説明セリフで語る。
とにかくもう、立ったまま説明セリフの繰り返しでシンドい!
視聴率の低迷はこうした要素も影響しているんでしょうね。
多くの視聴者は「これ、説明セリフが長すぎない?」なんてツッコミは入れない代わりに、「なんか、このドラマ面白くないな」となって、チャンネルを変えるか、テレビを消すだけ。
だから今回の視聴率では、三度目の二桁割れを記録してしまったのではないでしょうか。
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この稲はどうしたのか?
じゃじゃ馬を通り越して、ただ単に不愉快で幼稚に見える稲。
腹ではなく、頭のてっぺんからキンキン声を出すような発声で、演技も硬いし、表情の作り方もヤンキードラマじみている。和装らしい所作もできていない。
一から十まで何一つ褒めるところが見つかりません。
時代劇に慣れていない若い俳優の責任というより、演技を指導する側の問題でしょう。
もう、慣れぬ衣装を着こなすだけで精一杯のように見えます。
しかも、稲の衣装は緑と赤という補色の組み合わせであり、非常に難しい。相当うまいことやらないとマヌケになってしまう。
ドラマ10『大奥』の徳川綱吉は、まさにその衣装がキャラに合っていてよかった。稲は違うのでは?
衣装といえば本多忠勝のくずれた龍紋みたいな柄もなんなんですかね。安っぽい土産品にしか見えない……。
どうするキャンドルサービス
部屋の中にキャンドルを置きまくるセンスは一体どういうことでしょう。
豊臣の成金アピール?
煙が出ますし、なにより地震で酷い目に遭ったばかりなのをお忘れでしょうか。
大火災を招きかねないキャンドルサービスとは、思い切ったことをやるものです。
どうする生気を吸い取る夫を嘆くねね
そのわけのわからない部屋で、ねねは不倫をテーマにしたWeb漫画広告セリフみたいなことを言う。
ビッグモーター秀長がフォローしても、嘘臭いとしか思えない。
「夫にするなら藤吉郎!」とか笑顔で語っていそうなんですよね。
しかし、秀吉の狂気すら、ねねの暗い顔と説明セリフだけで処理するって、何から何まで怪しいWeb広告みたいですね。
ラーメン店主と本多正信はやたらと腕組みしたがる
これみよがしに腕組みしながら歩く本多正信って、もう何を考えているのか。
頭がいいと勘違いしたイキリバカにしか見えません。
腕組みをしているという状態は、危険です。
転んだ時に咄嗟に手をつけない。ましてや彼は腐っても武士ですからね。敵襲を受けることを踏まえ、両手は空けておくべき。
そんなことよりもカッコつけを踏まえて時腕組みしているなら、相当恥ずかしい。
武士というのは何気ない場面でも、そういう気構えができてこそでしょうよ。
私が見たいのはそんな武士であって、こんなイキリ倒した「ワタシってサバサバ軍師だからぁ〜」とか言いそうな人物ではありません。
だいたい、いつでも腕組みでカッコつけって、ラーメン店主じゃあるまいし。
◆ラーメン店店主の定番「腕組み」元祖は佐野実だった! ポーズに隠された信念とは?(→link)
どうするよくわからない廊下
屋根が全くなく、木造の廊下がある場面はなんなのでしょうか。
このドラマのセットって、日本の降雨や湿気を踏まえていませんよね。
こんな状態では、速攻で腐ってしまうのでは?
どうするマザーセナの巫女
千代がまた出てきた!
こんなカルト臭い女を出さないで欲しい。
穴山梅雪と一緒に討たれた設定で良かったでしょうに、一体どんな需要でしょうか。
女大鼠もこんな風に再登場したらイヤだなぁ……。さっさと半蔵の妻にでもなって、背景にちらっと映る程度で十分です。
それにしても今さら「千代は馬場信春の娘でした!」とか言われたところで何なのでしょう。
武田家重臣の娘を忍びからカルト巫女にするなんて、何がなんやら脱力するばかり。
鳥居元忠の最期に付き添いさせて、感動させたいんですかね。
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どうする山賊忠勝
本多忠勝からまるで強さが感じられません。
武人としての強さは無く、髭をたくわえて粗暴になっただけのように見えます。
下劣な山賊と化しました。
しかも、その暴れる理由が、あのカルト巫女だもんなぁ……もういい加減にしてくれ。
戦場で輝いてこそ本多忠勝でしょ!
こんなヤンキー漫画のようなしょうもない喧嘩に時間を使ってどうするのか。
どうする衣装
薄いペールカラーだらけの女性の衣装が本当にひどい。
ここまで魅力を感じない和装をよく作れるなと思います。
稲世代はビビッドな色合いにしたようですが、安っぽい色でセンスがない。
加齢と共に彩度や明度を落とすとか、そういう気遣いもありません。
どうするレーシックダイアリー
今回のサブタイトルにもなっている愛の日記の“質感”に違和感があります。
厚い紙を束ね、現代人が想像しそうな日記の和紙バージョンと言いましょうか。
ああいう紙は、当時はまだかなり高級だし、綴じ方にも疑念が募ります。
本の持ち方も、現代人なんですよね。
日記を読み返しながら「ハァハァ」……って、こんなわざとらしい「ハァハァ」はホラーギャグ漫画『彼岸島』を彷彿とさせます。
思えば、わざとらしい胸の押さえ方も酷かったなぁ。
どうする色恋にしか幸せを見出せない薄っぺらさ
どうでもいいカルト巫女とレーシックお愛で話を引っ張り、言いたいことは「愛があれば幸せだ」ってか?
ほんと、くだらない。
結局、本作は恋バナとか好き嫌いの話ばかりですよね。
そういうのはマクドナルドで夕食を食べる家族のコマーシャルならば、美談でしょう。
しかし、これは大河ドラマです。何を勘違いしているんでしょうか。
ただの現実逃避ですよね?
スタッフは、歴史にも社会にも倫理にも、何も興味がなく、恋バナぐらいしかアイデアが湧いてこない。
だからそのあたりをネチネチと描く。なぜ大河に来た?
なんなんだよ真田の忍
急に「真田の忍」が連呼されています。
そんなに「真田の忍です!」とわかる誰かがウロウロしているもんですか?
コンピュータウイルスか何かと勘違いしていません?
このドラマはもう手遅れですが、隠密ってそこにいるかどうかもわからないから隠密なんでしょうよ。
なぜ、こんな低レベルすぎるセキュリティ意識なのでしょう。
どうする薬研の使い方
この家康はいつまでたっても薬研の使い方がおかしい。なぜなのか。
そして笑ったと思ったら、レーシックお愛はあの聞きにくいナレーション処理で亡くなりました。
あまりに急なことにビックリ。
フラグを立てまくって、最期を飛ばすんですか。
これでわかるのか?小田原攻めの経緯
「なぜ秀吉が北条へプレッシャーをかけているのか?」
そう問うたら
「まったくわからん!」
と『真田丸』の真田昌幸に即レスされそうです。
とにかく北条に関する説明が不足していて、口ポカーンとなっている視聴者も多そうです。
まっさらの状態からあれを見て、理解できた方っているんですかね。
どうするビッグモーター秀長の説明セリフ
豊臣秀長は、なぜ兄のことを家康にペラペラしゃべるのか。
そんなに悪い兄とわかっていていろいろ勧めているのか。あの中古車販売業社員が街路樹に除草剤を撒いていたような気分なんですかね。
どうする秀吉の弓術
秀吉がこれみよがしに弓の練習をするのがちょっと理解できません。
「弓馬の道」という言葉通り、武士にとって弓は確かに特別です。
しかし戦術革命もあり『鎌倉殿の13人』の頃と比べてその重要性は下がっています。
秀吉の年代と身分で、こうも強い弓を射るのも、しっくりこないんですよね。
そもそも、あんまりちゃんと弓術を指導していないように思える。『鎌倉殿の13人』ほどハッキリと手元を見せていない。
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そう思っていたら、今秋から秀吉役のムロツヨシさんは民放リーガルドラマで主演を務めるそうです。
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大河ドラマで三英傑級を演じるとなれば、さまざまな鍛錬のため他のスケジュールは空けることが慣習でした。
それが今年はそうでもないようですね。
演じる側が時代劇経験もあり、所作が完璧であれば何も言うことはありません。明文化されていない慣習に過ぎないと言えば、たしかにその通りでしょう。
しかし、今年の秀吉は時代劇の所作一つとっても、いちいちおかしいように感じます。役に入り込めないうえに、鍛錬の時間も作っていないのでしょうか。
スケジュールの都合を考慮し、一度は断りかけ、それでも説得されて務めた『麒麟がくる』の長谷川博己さん。
初回から乗馬の障害飛越をこなし、和式所作の鍛錬を重ねていたという『鎌倉殿の13人』の小栗旬さん。
『どうする家康』からは、そうした演じる側の努力が見えてこないのが残念です。要するに、本作はそれだけの価値なのかもしれませんが。
どうしてこんな酷い茶々なのか?
茶々が唐突に出てきました。北川景子さんの再登板です。
このドラマの犠牲者が一人減ってよかった。
磯CPが仕掛けた『なつぞら』の呪いがかかっているこのドラマ。広瀬すずさんは呪縛から解放されていたようで安堵しました。
それにしても、史上最低の浅井三姉妹が確定しましたね。
遊び半分で火縄銃を使う茶々。
だから火災対策はどうしたんですか?
銃の構え方もおかしい……って、秀吉の側室がそんな真面目に構えてもおかしいですかね。それはそうだけど、銃口がダラリと下がったスチル写真が各所でニュースに使われていてウンザリさせられるのも事実です。
「ダーン!」という発声は、わざとだらしなくしているのか。お市との差異を出すため、べっとりとした厚化粧もとにかく悪趣味に見えます。
そもそもが家康とお市が初恋設定という時点で無理があるんですけどね。
この茶々も「私が総大将じゃ!」とか大坂城でカッコつけるのでしょうか。もしかしたら母と同じく、信長譲りの南蛮甲冑でも着るかもしれません。燃え盛る北ノ庄から甲冑をなんとか持ち出したんでしょうね。
提灯記事ではサプライズだのなんだの踊るのでしょうが、北川景子さんの再登板は結構予想されていましたよね。
以下のレビューにて、私ですら予想できていましたよ。
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そんなことだけはやめて欲しいと個人的には願っていたのですが……。
家康と三成の「BL関ヶ原」もバッチリ当たりそうで、心の底から絶望しています。
どうする番宣の罠
本作は、テコ入れに必死です。
しかしストーリー展開にメスを入れるとか、脚本家を入れ替えるといった根本的治療ではなく、目先の宣伝番組に頼るばかり。
そしてその結果、残酷なことが起きていました。
『英雄たちの選択』で「家康が師とした王 〜漢・初代皇帝 劉邦〜」が放映され、この番組で2012年『項羽と劉邦 King's War』の映像が用いられました。
それを見て『どうする家康』との落差に愕然とする人がでたとか。
それはそうでしょう。同じ大河ドラマをとってみても、10年前の『八重の桜』の方がVFXでもはるかに上ですもんね。
私も中国ドラマを見ていて思いました。『どうする家康』の清洲城のどこが紫禁城なのかと。
せいぜいが紫禁城敷地内にある鶏小屋程度でしょう。
本格的な時代劇ならば海外ドラマで事足りる時代なのに、なぜ今年のような駄作大河を見なければならないのか、と感じる人は少なくないでしょう。
打ち切りか、完走か?
本当に、今年の大河ドラマは何かがおかしいのです。
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「於愛日記」なんてやっていて、こんなペースで関ヶ原の戦いや大坂の陣を見どころあるように描けるのか。
ヘタすりゃ、放送されないんでは?
なんて懸念も生じてしまうかもしれませんが、大坂の陣で重要な役割を果たすであろう大野治長の扮装写真がすでに発表されています。スチル用ではなくドラマ収録中に撮影されたと思われます。
となると、ものすごい早回しでもうそのあたりまで撮影している可能性はある。
今年の大河は制作ペースがどうにもおかしい。
時間を節約しているだけでなく、無茶苦茶な撮影スケジュールになっているのでは?と思える状況が多々あります。
箇条書きにしてみましょう。
・「ロケがまったくない」ことを出演者が明かしている
・基礎的なミスを放置したままの脚本。きちんとした直しを入れられていない可能性がある
・所作指導がついていないとしか思えない場面が多い
・脚本家のインタビューを読むと、自分が書いたはずの脚本理解が浅い
・短時間で追加撮影したような時間稼ぎの場面が多い
日本のドラマ、ことブランド性を重視する場合、脚本家が複数いても一人の名義にすることはあります。
このドラマも噛み合っていない箇所が多すぎて、そうではないかと思えることが多い。脚本のチェックが甘い。
たとえば『鎌倉殿の13人』では、北条時政が差し入れする野菜の場面で時代考証をふまえたセリフ直しが入った。
そういうチェックがあるならば、35回で石田三成が西洋だけ星座があるような発言をしたことには、訂正が入ると考えられる。
ところがそうではない。
番宣で脚本段階での考証チェックをあまりしていないと語られたとか。事前に構想していたとは思えない時間稼ぎが挟まれる。
『青天を衝け』でも事前のガイドにあった場面が消え、時間稼ぎが加えられていたことがありました。
あまりに歴史に反することを描くと、そうなるのではないかと私は推察しますが。
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こうした未曾有の事態に陥って、このジャニーズ主演ドラマに打ち切りの可能性が一切ないとすれば、あまりに甘い判断に思えます。
打ち切るべきだという話は、出てはいると思います。
とはいえそんなことは史上初だし、打ち切ることによる負の遺産も生じてしまう。
ゆえに判断がつかない……そんな段階にあると思えます。
撤退戦も見えてきた中で、せめて最終回分まで映像をストックしておこうと。そう考えているのでは?
◆「ザ少年倶楽部」NHKが終了検討 止まらぬジャニーズ離れ…23年続くJr.の〝育成番組〟どうなる(→link)
◆ジャニーズ問題でテレビ局が何だか煮え切らない態度を取っているワケ(→link)
◆ ジャニーズ性加害 どうなる?テレビ局のタレント起用(→link)
◆ 「レッスン中に呼び出され」「テレビ局のトイレで」…告発が止まらないジャニー喜多川氏の性加害報告(→link)
◆ ジャニーズ事務所の性加害問題めぐり《次はテレビ局か》とSNSで意見が広がる(→link)
民放とは異なり、スポンサーに配慮しなくていい――それがNHKの強みであり、弱みでもあるのでしょう。
今年の大河は提灯記事や番宣もしつこい。まだ続けようとする力はあるらしい。ただし、それもいつまで持つのか。
鶏を割くになんぞ牛刀を用いん
鶏を割くになんぞ牛刀を用いん『論語』「陽貨」
鶏肉を解体するのに牛に使うデカい包丁は無駄だよ。
打ち切りになってもおかしくない理由としては、数字の低迷もあります。
以下のような指摘もありますが、
◆NHK「どうする家康」…ジャニーズ4人出演の“メルヘン大河”でも視聴率10%キープのナゾ(→link)
今回の放送で、ついに三度目の二桁割れを記録しています。
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要するに大河という“枠”そのものに、まだ若干の力はあるのでしょう。
しかし、何かをキッカケに脆く大崩壊することは多々あり、もしかしたら今回三度目の二桁割れがそうかもしれません。
ろくに演技指導も殺陣もなく、間違いだらけで、誰一人として魅力的に見えない。ここまで来ると、もはや呪いでしょう。
それでも提灯を灯し続けるメディアは消えず、例えばこちらの記事がそうでしょう。
◆『どうする家康』“石田三成”中村七之助、“家康”松本潤の最高の笑顔を引き出す(→link)
『どうする家康』のノベライズを担当した著者による、このドラマを楽しむ作法指南です。
要するに、歴史なんてどうでもいいんですよ。
先週の放送を見て、家康と三成が不仲であったかどうか、歴史考察をしている方を見かけましたが、そんなことは時間の無駄とでもされてしまうのでしょう。
上の記事にある通り、このドラマの鑑賞に求められる知識とは、歴史ではありません。
芸能界の裏話、芸能人同士の関係性ですね。
俳優同士がお友達だから出演しただの。俳優同士がなかよしだから楽しそうだの。そういうゴシップ雑誌や芸能ニュースを楽しむ気持ちで鑑賞すればいいのです。
繰り返しますが、この大河ドラマを肯定するうえで歴史知識は必要ないでしょう。
なんなら制作陣は「歴史オタなんていう最底辺の連中に、芸能と絡める機会を与えてやったw」くらいの気持ちでいてもおかしくありません。
「陰キャでうざいだけのお前らでも、このシン・大河を肯定すれば陽キャの仲間入りができるよww」
そんなノリですね。
それでも大河は一応、歴史知識があるインテリが好きという印象もあるようで、だから、ドラマを褒めるもの同士はWIN-WINになれる。
歴史トリビアを絡めつつ褒めると、紫色のハートマークが好きな層から「いいね」と「リポスト」がもらえる。
そのお礼の気持ちも込めて俳優を褒めると、またも相手は承認欲求を満たしてくれる。
紫ハートマーク界隈は、歴史的に正しいというお墨付きが欲しい。
歴史うんちくを語りたい層は、ともかく承認欲求が欲しい。
双方満足できるドラマということです。
それに案外双方の距離は近いんじゃないかと思いますよ。
歴史を学ぶということは、戦国武将の逸話を集めて「伊達政宗はDQN四天王だw」と喜ぶこととは異なると思います。
鉄砲がたくさんあるから日本の武士は強いとか、そういうことでもない。
その鉄砲伝来のルートなり、鉄砲を支える火薬の調達なり、そうしたことも踏まえないとわからないこともある。
過去の歴史がどう現在にまで伝わったか。
その教訓をどう活かすか。
そこまで考えてこそ、歴史を学ぶ意義があると思います。
戦国武将のちょっとおもしろい逸話を知っていて、SNSでつぶやく。こういうことは学問というよりも、ゴシップネタと大差ないのでは?
その対象が歴史上の人物か、あるいは芸能人か程度の違いしかないように私は思います。
どうする歴史によるマウンティング
そしてそんなトリビアを、マウントの道具にすることも往々にしてある。
日本史好きである人が、こんなことを言っていたりします。
「こういうことをするのは日本人だけで、だからこそおもしろいんです」
「いや、それは中国に先例がありますね」
こう返したりすると、空気が一気に冷え冷えとしてしまうことが往々にしてある。
相手はマウントされたと思ってしまうのではないかと、私は推察します。それにどうしたって差別意識も感じる。
これが、
「いや、それは同じことがイギリスにもありますね」
であれば、相手はそれほどムッとしない気がするんですよね。
歴史知識は「日本スゴイ!」に使う道具ではないと思うのですが、どうしてそうなってしまうのでしょうか。
衆人皆酔えるに、我独り醒めたり
衆人皆酔えるに、我独り醒めたり。屈原『漁夫辞』
みんなハッシュタグで無茶苦茶盛り上がっているけど、自分はそういう性格じゃないんだよね。
上掲の記事「なぜ大河は10パーセントをとれるのか」について、少し考えてみました。
一定の数字を確保できる理由――それは大河というフォーマットの特性ではないでしょうか。
同じことは朝ドラでも言えます。
大河と朝ドラは、本タグなり、反省会なり、ハッシュタグで放送時間やその前後にX(旧Twitter)に投稿することが盛んです。
配信は放映中以降で、同時刻に全国で放送される(BS等の先行放送を除く)。
今の若い世代はもう配信で好きな時間に見ることが当たり前でしょうが、中高年以上はテレビの放映時間に一斉に見ることが習慣としてありました。
大手掲示板で実況書き込みをする人も多かった。
その若い頃の習慣が抜けず、みんなが見ているときに投稿することで承認欲求を満たすことができるのです。
そりゃ楽しいとは思いますよ。
考えに考えて投稿してもろくに「いいね」も「リポスト」もされないのに、ハッシュタグつけてドラマのことを語ったらそれがドッとつく。中毒性もあるでしょう。
それに気づいているのか、いないのか。
こういう記事も出てきます。
◆ちむどんどん、イライラしても「見てしまう」視聴者達 一体なぜ?識者が推し量る「制作側の意図」(→link)
ハマって見ているならまだしも、つっこんで見ることが中毒性になってしまうですね。
ネットニュースの書き手もそこに乗っかり、PVを狙う。
『ちむどんどん』についていえば、反省会タグに夢中になっていたと思われる方と実際に話したことがあります。
その方は、反省会タグで猛威を振るっていた“ある誤認”を元に批判してきたため、それに対し論拠を示しつつ、否定しました。そのときの相手の不機嫌な顔は今でも思い出せます。
どうやら「いいね」や「リポスト」に溺れていると、自分に確固たる自信が湧いてくるようで。
私の指摘に対して「この番組の識者である我が意に背く気か!」とイラつく様子なのです。
しかし、だからといって論拠立てての反論はしてこない。
こんなとき怒りに震える人間はどうするか?
定番の一つが「トーンポリシング」ですね。
こちらの態度がいかに無作法で腹立たしいか。本筋とは関係のないところで攻撃をしてくるもので、そのときも嫌味っぽく何か言葉を吐き捨てておりました。
同じ時刻に多数が見る。投稿すると、承認欲求が刺激される。投稿していくうちに、自分がドラマ通で一味違う個性があるという気持ちになれてくる。
こういう経験をしていれば、そりゃあ気持ち良くなり、ドーパミン中毒にもなりえるでしょう。
正直なところ、私はちょっとうらやましい。自分がそういうことができる性格ではないので、どうにもならない。
今にして思えば『ちむどんどん』はアンチが強いだけで、そこまで悪くなかったのだと思います。
その次の『舞いあがれ!』は本タグもアンチタグもあそこまで盛り上がっていない。
ただひたすらつまらない、突っ込む価値がないと思われたドラマは、無言の離脱視聴者が増え、ただ単に数字が落ちるだけです。
SNSを見ると『どうする家康』も、反省会投稿そのものが減っています。「いいね」や「リポスト」がそうそうつかないんでしょう。数字や関連商品の落ち込みぶりと一致します。
今も稼働中の「反省会」は、滝行に挑むようなストイックな心境だと思いますね。
バズって気持ちよくなりたいんじゃない。きっと精神修練だ!

文覚と矜羯羅童子・制多迦童子(歌川国芳画)/wikipediaより引用
牝鶏晨す
牝鶏(ひんけい)晨(あした)す。『書経』
フェミがでしゃばると世の中終わるしw
一体いつの時代の話だ――そう言いたくなる言葉ですが、令和になってもこれが好きでたまらん人はいます。
かつて、倫理、教育、道徳、人権、生真面目さを冷笑する態度こそがかっこいいとみなす風潮がありました。
親の世代の反戦運動だの、民主主義の価値観だの。そういうものの偽善性を暴くという意味合いもあったからでしょう。
おりしもその頃は冷戦も終結し、インターネットが広がり、巨大掲示板が生まれた。
クールな本音をネットに書き込む自分たちこそが情報強者で特別だという特権意識が広まっていったのです。
そういう世代が、今ではそれなりの発言権を持つようになり、今、いろいろと弊害が出てきています。
典型的な逆張り冷笑欲求として、草を生やしながら女性蔑視をキメたいというものがあります。
その失敗事例がこちらです。
◆アツギのタイツ企画炎上「性的で怖い」 SNSに潜む罠(→link)
◆「明らかな女性蔑視」アート作品とその解説投稿が物議「様々なご意見が…」美術館“無言削除”の裏事情(→link)
◆ 「美女とホテルへ」浦添市長のTikTok動画、批判集まる 松本市長「ぎりぎりのライン心掛けたつもりだった」(→link)
やっている側はギリギリを攻めたつもりなんでしょうね。
でも痛々しいし、どこかセンスが古いし、公私混同なんだよね――そんな虚しい気持ちになります。
あと何回炎上したら無くなるのでしょう。
こうした当事者の赤裸々な本音が明らかになっている事例もあります。
◆ジャニーズのコンサートに出現して女性転売ヤーを狩る“私人逮捕おじさん”が物議!(→link)
ジャニーズのチケットを転売していると疑っただけで女性を強引に「私人逮捕」して、その様子をネットに晒した男性が炎上しました。
ちなみに彼女はチケット転売そのものをしていなかったそうですが、男の言い分はこうです。
「“女性叩き”というのもあるんですよ。今の日本って、女性のほうが立場が強いんです。女性が悪いことをしても叩かれない。パパ活も、男だけ叩かれて女の子は叩かれないところがある。それを変えて、男女平等にしたいんですよ。その一環として、女性が多いジャニーズのチケットをやっている感じです」
話題作りや数字狙いだとしても、“女性叩き”を本気でかっこいいと思っている様子が気味悪い。なぜ、こんな感覚になるのか?
考えられるのが「エコーチェンバー」です。
◆「エコーチェンバー」極端思考が仲間内で加速…抜け出した男性「集団はカルト宗教のよう」(→link)
あるいは焦燥感なんかも影響しているでしょう。
◆「性的同意ってなに?」灘校生が甲南女子大生と学ぶ、生理の悩みとデートDV【ルポ・男子校の性教育】「お姉さん」目線で「男子のノリ」の限界を克服(→link)
自分たちの下の世代は、性的同意を学べる機会を得た。
すぐ下ネタにはしる自分たちのノリは、近い将来「会社でヌードカレンダーを飾って鼻の下を伸ばしていた昭和のおじさん」と同じ痛いノリとなってしまう。
そんな現実を受け入れたくなくて、“女性叩き”やセクハラを優しく認め、それでいいと甘やかしてくれるコンテンツに抱きつきたくなるんでしょうね。
『どうする家康』は、こうした状況と非常に似通っている。
側室オーディションだけで一回使う。
マザーセナ信仰で何もかもばっちりだ。
バカな女をおちょくる女叩き要素も小ネタとして入れてくる。
団子売りだの大 政所だの、ババアはちゃんとコケにしてくる。
『麒麟がくる』の”駒ちゃん“みたいな生意気な女はいないし!
ああ、なんて甘い世界なんだ!
そういうノスタルジーには合致しますよね。同じ脚本家の『レジェンド&バタフライ』もそうでした。
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ド派手な話題作りで中身は空っぽ|映画『レジェンド&バタフライ』
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そうやってミソジニーで中年男性の心を掴み、ジャニーズタレントで中年女性の心も掴む。
広告代理店の売り込み戦略としては上出来なのでしょう。
ただし、時代を読むセンスがあまりに古かった。
櫝を買いて珠を還す
櫝(はこ)を買いて珠(たま)を還(かえ)す。『韓非子』
ブランドのわかる箱だけ欲しいんです。中身はどうでもいいし。
気になるニュースがありました。
◆ソムリエに「最もまずい」と評価された400円の激安ワインが国際コンクールで金賞を受賞してしまう(→link)
ワインは中身でなくてラベルが大事――これは心理学者が実験していることでもありました。
安いワインと高いワインを自称ワイン通にブラインドテストさせて、結果を見てみる。
すると評価が価格と比例しないことが多い。
結局、中身よりブランドで選んでいるんじゃないの? と、突っ込まれてきた。
それは「ビジネスとしてできる」と、このニュースでは示されています。
今年の大河ドラマを熱心に擁護している方たちの中にも、一部過激な方たちがいます。
ドラマを批判するSNSの反省会タグまで乗り込んできて、批判的なファンを攻撃していくのです。
彼らを見ていると、大河ドラマの出来がよいかどうかより、誰かを叩いたり、仲間同士で承認欲求を満たすことが大事なように思えてきます。
もしも『どうする家康』が民放ドラマや映画だったら。
あるいは女性主人公や女性脚本家であったら。
もっと徹底的にボロボロに叩かれていたかもしれない。
つまり、「男性向き大河」という“ラベル”に『どうする家康』の真価はあり、それを褒め、自己と一致させることが、自我の一部になっているのかもしれません。瓶の中身がまずかろうがどうでもいいと。
自分と仲間が推すと決めた大河は意地でも褒める。そこを抜け出そうものなら里を抜けた忍者のように叩かれる。
そんなギスギスした村社会のシステムが見えてきたように思え、興味深い。
そんな世界の先に何があるのか?といったら時間の浪費としか思えませんが、人間、なにかに没頭しているときは気づかないものです。
そして一定の時間が経過すれば、他人を攻撃していたことも綺麗サッパリ忘れて生きていくのでしょう。
明哲保身
すでに明かつ哲、以ってその身を保つ。『詩経』
思慮深いことこそが、その身を全うする。
たとえ伝統ある大河ドラマとはいえ、酷い作品が続けばブランドは毀損します。無くなる可能性だって出てくる。
大河とて決して安泰ではない。
こちらの記事が話題になっていたので、読まれた方も多いでしょうか。
◆【独自】《ジャニーズCM打ち切り問題》元ネスレ社長独占告白! 看板商品のCMに退所後の香取慎吾さんを起用...「タレントには罪がない」という理由(→link)
元ネスレ社長の見解が述べられています。
ジャニーズ起用の危うさとともに、ネスレは東京オリンピックスポンサーにもならなかったと指摘されています。
どうにも危ういと感じていた。その感覚を重んじたことが今になって急激に評価されています。
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オリンピック負の歴史|スポーツと政治・経済・戦争は切り離せない宿命か
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ではNHKはどうか?
大河ドラマは『いだてん』で東京オリンピック、『どうする家康』でジャニーズとズブズブな関係にあった。
危機管理体制がネスレ元社長に遠く及ばない。
報道機関、しかも公共放送とは思えないほど、あまりに迂闊な姿勢です。
本来なら視聴率に左右されず、中立の立場を保てるはずなのに、目先の数字が欲しいためジャニーズに頼り、今になって右往左往している。
みなさんも大河やNHKに対して何かご意見がありましたら、SNSに投下するのではなく、直接送ってしまいましょう。
以下のリンクから送信できますよ。
◆NHK みなさまの声(→link)
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文:武者震之助(note)
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どうする家康/公式サイト














