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どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想レビュー総論・後編26~48話 悪夢の一年間を総括

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『どうする家康』感想レビュー総論・後編26~48話
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第41回:レッツパーリーは『戦国BASARA』でお願いします

このドラマのくだらなさは色々ある。

その一つに

権力者=レッツパーリー♪

という図式があります。

三成がぼっちだと知り「じゃあ、みんなとパーリーすれば」と言い出す北政所

家康の方が私より盛り上がっていると苛立つ茶々

大坂城で秀頼とパーリーをすることが危険性だというアピール。

出演者たちも、やたらと飲み会アピールをしていましたよね。

SNSで「今度飲みにいこ!」と投稿しただのなんだの、んなもん作品と関係ないでしょうよ。何をアピールしているんですか。

主演は後半、顔がいつも浮腫んでいたように見えたのは、文春砲の告発通り、やけ酒をしていたからなんですかね。

・茶屋四郎次郎はなんだったのか?

茶を売るよりもマラソンしていた初代が相関図死をとげ、眉毛ボーン!の二代目が登場。

この茶屋四郎次郎は肝心なことを結局なにもしません。

鯛をあげて、ニンニクをたっぷりかけた料理を家康に食べさせ、そのせいで死ぬという役目を放棄しました。

出す意味がないのです。

いったい中村勘九郎さんに何をさせているのでしょう。松山ケンイチさんといい、彼といい、もしも磯CPがこう誘っていたらどうしましょう。

「あの大河のリベンジをしましょう!」

リベンジどころか傷口が広がって、塩を塗りたくられてるやないかーい!

・黒田官兵衛はどうしたんだ?

このドラマの番宣資料として配られたテキストには「黒田官兵衛」と記してあったようです。

WEBメディアでそのまま掲載している記事があります。

実際は名前すら出てきませんでした。

一体なぜでしょうか。

・三浦按針を出す意味がありません

単なる話題性だけで出した三浦按針が意味不明でした。

「ガイジンさんいらっしゃい」のノリを、今の御時世で振り回すセンスには、ただただ驚かされるだけです。

・上杉家の呪い

どういうわけか上杉謙信が出てこないこのドラマは、家康と絡むためにしばしば上杉景勝直江兼続は出てきました。

そしてつくづく痛感しました。

このドラマは、出ない方が勝ち組だ。

黒田官兵衛も、伊達政宗も、最上義光も、出なくて本当によかった。

・三河家臣団ランウェイ

もう思い出したくもなかった。

書いていて脱力するしかないのですが、三河武士団がランウェイ感をもって歩き回るシーン。

見ていて恥ずかしい場面No.1候補ですね。

もう馬鹿くさくて、いたたまれなくなって、なぜか自分を殴りたくなるほどクソダサい苦痛の時間。

脚本を書いている段階で、なぜそうと気づかないのだろう。不思議でなりません。

・昔は女を殴ってもガタガタ言われなかったのになあ

鳥居元忠のセリフにこんなものがありました。

「いや……なに、所詮はおなご。言うことを聞かんかったらバシッとひっぱたきゃあおとなしくなりますわい」

センスが昭和のおやじそのもので呆れ果てるばかり。

本作スタッフなら、こう考えていそうですね。

「いや……なに、所詮はおなご。言うことを聞かんかったらバシッと尻でもひっぱたきゃあ、キャア〜とわめいておとなしくなりますわい」

「いや……なに、所詮はおなご。ドラマに批判的だったら、イケメンの裸でも、ボーイズラブ演出でもすれば、ネット評価爆釣れですわい」

「いや……なに、所詮はおなご。主演がイケメンアイドルだったら、紫ハートマークで神回連呼しますわい」

鳥居元忠の悲劇を描くにあたり、忠義に感動できないから、全く老けない千代を強引に絡めるあたりも、女をアクセサリとしか思っていない嫌な感覚が伝わってきます。

セクハラの講習会に使えそうなほど酷いドラマです。

・銀のない日本近世史

いよいよ高校のカリキュラムに歴史総合が導入されました。

Eテレの歴史総合番組を毎回見ておりますが、大変興味深い。

18世紀から始まるとはいえ、日本史という枠で区切らない考え方が大変重要。

そういう歴史総合世代がどう感じるか?という点を考えていかないと、歴史フィクションの賞味期限も短くなってしまいます。

『どうする家康』には、本当に愚かとしか言いようのない描写がある。

大金を見せる場面で金塊チョコレートじみた物体しか出てこない。

銀はどうしましたか?

アメリカ大陸での銀採掘、そして朝鮮経由で伝わった技術により、日本の銀山で大量発掘が始まり、この時代はシルバーラッシュとなります。

銀の重要性は江戸時代になってからも続き、西日本では銀本位制だった。

それなのに、金しか出てこない『どうする家康』はとてつもなく愚か。

映画『首』ではもちろん、金銀が入り混じっていましたよ。

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第42回:だから天下って何?

徳川が豊臣から覇権を取る――天下分け目の戦いだと説明されがちな関ヶ原の戦い

後世の後付けの典型例であり、実際は豊臣家臣ナンバーワン決定戦だったことは、戦国ファンであれば知っている話かもしれません。

それを本作では「天下だ!天下だ!」と、ラスボス前のダンジョンではしゃぐゲームっ子じみた振る舞いをしています。

家康が天下人になるための戦いだったと勘違いする視聴者も少なくないでしょう。

こうなると、脚本家や、脚本に口を出す主演が、関ヶ原の戦いをどこまで認識していたのか、疑問に思えてきます。

わかっていて、盛り上がるようにミスリードしていたのですかね。

・娘を支配したい父親心理が気持ち悪い

本多忠勝が、厨二病を拗らせていたと思ったら、いきなり娘の稲を心配する気持ち悪い父親になりました。

娘に執着する父親の支配欲は、一種のミソジニーかと思います。その典型のようでひたすら不気味だ。

家康が千姫を見る目すら「俺に惚れんなよ」モードが感じられて見ていられない。演技の幅が狭すぎます。

・スタンディング時代劇

『どうする家康』の異常性は、立ったままの場面が多いこともそうでしょう。

和室内で数人が突っ立って話し合いをするような場面がありますが、どうしてそういうことになるのか。

推察はできます。時代物の所作で立って座ることは難しい。

『鎌倉殿の13人』では、小栗旬さんが手を使わずに立って座る所作をマスターしていました。

大河には、こうした所作を見る楽しさもあるはずで、俳優にとっても役者冥利に尽きる話でしょう。

それが本作では、立ったまましゃべり散らすわ、目上の人に尻を向けて平気だわ、もう滅茶苦茶です。

・死ぬことがイベント感覚だ

鳥居元忠と千代をセットで殺し、死んだらメソメソピーピー泣く。

嗚呼、こんな武士は見たくなかった。

・私が「腹を召す」

本作では自分に向かってしばしば敬語を使っていました。

最もわかりやすかったのが「腹を召す」あたりでしょう。

こんな台本が本番まで通ってしまうって、プロは一人もいなかったのでしょうか。

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第43回:BBCにNHKが完全敗北した2023年

2023年は、NHKよりもBBCが、日本人にとって役立つ報道機関であることが証明された年でした。

BBCがジャニー喜多川氏の悪を暴いた。

NHKは、暴くどころか性犯罪の現場となっていた。

関ヶ原の戦いを描くにせよ、10年以上前の『ウォリアーズ』の圧勝です。

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いったいNHKの存在意義とは何なのか?

・女がうろつく関ヶ原前夜

関ヶ原の悲劇といえば、西軍の人質となりそうになった細川ガラシャの自害があげられます。

『どうする家康』に彼女が出ないことは仕方ないでしょう。

問題はそこではありません。

北政所にせよ、阿茶にせよ、本来ウロウロしていなかったはずの女性が出てきます。こんなうろつき女を見逃すほど西軍は脇が甘かったのか、優しかったのか……。

女をうろつかせるためならばリアリティなど無視。それがこのドラマの本質ですね。

・青空がない謎のジャパン

VFXの背景すら使い回しなのか。

ずーっと天気が同じ、灰色の曇り空でした。

ゲームのようだという声もあったVFX。ゲームはゲームでもKOTY(クソゲーオブザイヤー)級です。

・空弁当じゃつまらない、弁当を食わせろ!

「宰相殿の空弁当」の逸話があるからと、本当に弁当を食べる吉川広家

面白いでしょ、って?

・スマホがあるとしか思えない情報伝達

西軍が不利だとその日のうちに察知したような茶々。

この世界はスマホでもあるんですか。

・「問鉄砲」の謎

最終回の直前、読売新聞に掲載されていた時代考証インタビューによると、「問鉄砲」は後世の逸話だから消したとのこと。

しかし、ガイドブックには「問鉄砲」が記載されていました。

それが放送ではない。

いったい「問鉄砲」はどういう扱いだったのか?

姉川の戦いでは、信長が家康に向けて「問鉄砲」するのはありだと時代考証インタビューにはあります。

どこまで基準が曖昧なのでしょう。

もう支離滅裂としていますが、もしかして主人公=主演のイメージ第一だからこそ、そういう展開になっているのでは?

「なんかさぁ、鉄砲で脅すとかイメージ落ちるんじゃね?変えてよ」とでも、語っていそうな状況です。

実際、大坂の陣で大砲を撃ち込むことに対し、主演が物言いをつける場面が番宣特番で映されていました。

歴史的な整合性や、脚本家の意図よりも、アイドルのイメージが重視される。

まともなドラマになるわけないんですよね。

・小早川秀秋のことを考えているとも思えない

そういうドラマですので、小早川秀秋のイメージ云々は1ミリも考えていないのでしょう。

所詮、脇役はただの草木ですから。

・医療考証がない

重傷を負ったはずの井伊直政が、まるで戦況を把握しているようなことを、はしゃぐ小学生のようなハキハキ声でしゃべる。

重傷を負ったらハキハキしゃべれないという当たり前のことですら、このドラマでは無視されてしまう。

・毛利家子孫が激怒

茶々が毛利輝元を引っ叩く侮蔑的な描写に対し、毛利家のご子孫がYoutubeで怒りの告発をしていました。

それに対し、このドラマのファンは罵詈雑言をぶつけています。

もはや何がなにやら……敬意も何もないカオスですよね。

毛利家ご子孫の怒りはごもっともだ。

・干し柿消滅

事前の文春砲によると、石田三成役にとっては名誉とも言える“干し柿の逸話”が、松本潤さんの意向によりカットされたとのこと。

放送日当日、もしも本編で干し柿の話が無ければ、文春砲の信憑性が増します。

果たして結果は?

カットされていました。

当初は、同シーンを撮影する気はあったと思います。

なぜなら、その前に三成と大谷吉継が話す場面で、これみよがしに干し柿が映されていましたから。

こうした積み重ねで信憑性が増してゆく文春砲。

演者同士が親友とアピールされているだけに虚しさも増します。

本当に、親友の見せ場をカットできるものですかね? 記事の信憑性が俄然増したとはいえ、さすがに「ウソだろ……」という思いも湧いてきます。

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第44回:で、徳川四天王って誰?

徳川四天王とは結局誰のことだったのか?

このドラマを通しで見ていたら、誰でもそう思ってしまうのではありませんか。

というより脚本家そのものが、そうかもしれません。

何の思い入れもなければ、いくら最初から登場させていても、心に残るセリフなど書けるもんじゃありません。

・母親すら論破してイキる厨二病家康

苦労をかけた母を気遣う家康は定番のシーンとなるはずです。

それなのにこの家康は「ババアw」と嘲笑うかのような調子で悲しくなってきます。

・九度山トレーニング信繁

毎回新たなマヌケ描写をやらかす本作。

この回では九度山で大声で叫びながら軍事トレーニングをする真田信繁ですね。

兄である真田信之が幕府から「お前の弟、テロ計画中か?」と問い合わせられたら、真田家ごと即終了となってしまう話では?

必死の思いで命乞いをした信之や本多忠勝の苦労すら無にする、ろくでもない脚本でした。

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第45回:いいから『首』を見よう

ついに北野武監督の映画『首』が公開されました。

「『どうする家康』って面白いの?」

「いいから『首』を見よう」

そんな会話が成立するようになり、大河の存在意義は消失。代わりにジャニーズ事務所の受信料を使った宣伝動画が後釜におさまりました。

それにしても、両作品を比べてわかるのは、北野武監督の隠された教養と知性です。

最新説を取り入れたとドヤ顔をする『どうする家康』の脚本家。

それを無理に褒める大手メディア記事の薄っぺらさときたら絶望感しかない。

結局、メディア側も素材のおこぼれを貰ってる以上、提灯記事しか書けません。

・現実とドラマ内のプリンス対決

この回は家康と秀頼の対峙です。

BBCの報道があってからも、大河ドラマには次から次へとジャニーズが送り込まれています。

しかも言葉は悪いけれども、秀頼は「不祥事からのリサイクル枠」にすら思えます。もう一人の若手も不祥事が出るわ。

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この回は、家康と秀頼というジャニーズの二人が「どちらがプリンスか?」と争うような回でした。

しかし、これも放送終了後となると失笑してしまう話でして。

ジャニーズの大物と若手が一人の女優を巡って争っていたようなニュースが出ました。ドラマでは勝利できても、現実では敗北していた、という話です。

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Xには、《有村架純、松本潤に言い寄られるもキンプリ高橋海人を選ぶ》《松潤が有村架純を口説いてる記事が前に出てたけど蓋を開けてみたら3年もの間、ひたすら高橋海斗くんとひっそり愛を育んでいたのか…と思うとオジ惨敗て感じで切ないもんがあるなァ》などと同情的な声が上がっている。


・究極の不敬大河

王道と覇道――今川義元が言い出し、徳川家康がそれを引き継ぐ。

どうやら信長と秀吉は覇道、家康は王道と誘導したいようですが、この時点でやらかしたとしか言いようがありません。

中国史ならばこの対比はアリでも、日本史でやってはいけません。

日本史の場合、徳で天下を統治するのは「王者」たる天皇の役目であり、武士はその天皇を守る「覇者」という位置付けです。

『鎌倉殿の13人』では、後鳥羽院三種の神器の剣の代替として、源実朝を操るという描き方でした。

王者は覇者より上にいて、あくまで操るものだという描き方です。これは正解でわかりやすい。

『麒麟がくる』では、織田信秀は息子の信長にこう教えました。

天皇が世の中で一番えらい、次はそれを守る武士の長である将軍だと。そう信じてきた信長であるものの、正親町天皇と心理的な齟齬が生じてしまいます。

大奥』シーズン2では、孝明天皇徳川家茂を「覇者」として頼りにしています。

こうして正しい日本史を踏まえたドラマを見てくると、『どうする家康』は大河の歴史でもぶっちぎって不敬そのものだと思えます。

天皇の姿はもちろん、セリフですら出てこない。

家康が天皇から将軍宣下を受ける場面もない。

そして、この雑な王道と覇道問答のせいで、歴史から天皇が消されていたような扱いになりました。

磯CPの手がけた『平清盛』では、天皇を「王」とすることが皇室に対し不敬だという議論が湧きました。

あれは明治以降の「皇道」云々、新しい考え方を平安末まで適用していて、気の毒な難癖のつけられ方だと思いました。

しかし、それと比較すると、本作の場合、正真正銘の不敬描写です。

個人的にはこの時代にまでなって、不敬だのなんだの言いたくありませんが、一方で無知というのは恐ろしいものだと痛感します。

それでも今回の不敬は見逃されるとすればなぜなのか。おかしなこともあったものです。

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