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『光る君へ』感想あらすじレビュー第19回「放たれた矢」

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けしからぬ男に、矢を放つ

藤原伊周が、光子のもとへ通おうとしています。

その直前、斉信と光子が話す場面がありました。なんでも、もう一人いる妹にお忍びの客があるとか。

それを知らない伊周は、門にいる立派な牛車を見て、思わず家まで引き返してしまいます。酒を飲んでいる隆家のもとへやってくると、やけ酒をあおります。

「振られたのか!」

とからかう隆家。

「あいつに裏切られるとは思わなかった」

と憮然とする伊周。

手頃な相手だと思っていたからこそ、自分に心酔していると思い込んでいるのかもしれません。

「男が一方的に押しかけたんじゃないのか」と隆家が慰めるように状況を確認すると、見事なしつらえの牛車だったとこぼす伊周。

いわば高級車が停まっていたようなもので、相手の男がそれなりに財力や地位のある人物だとわかる。

伊周にしてみれば「関白になれないから女に軽んじられるんだ!」と嘆いています。

果たしてそれだけが問題なのか。関白の件で精神状態が悪いことは確かなようです。

すると、イケイケの弟・隆家が、泣いていても仕方ない、懲らしめてやろうと言い出しました。

誰か確かめるだけでもいいからと、兄をせかして、光子の元へと向かいます。

そして出てきた男に矢を放つ隆家。

いやいや、思い切りが良すぎでしょうよ。

怯えていたのは花山院でした。

院を気遣う声を聞き、異変を察知する兄弟。

【長徳の変】の始まりでした。

 

MVP:まひろ

藤原為時が越前国司になったことは謎めいています。

帝が為時の対句を詠み、食事もとれぬほど感動した――そんな話が伝わっていますが、史実とは思い難いものがあります。

道長の意向があるのは既定路線としまして、そこにまひろが帝に意見を具申した結果だという、かなりの力技がありました。

大河ドラマで主役周辺を持ち上げることは往々にしてある定番技法といえます。

それにしても相当無理がある展開といえます。

ただ、歴史劇における強引な展開は、作者の描きたいメッセージが何かを考えることも重要でしょう。

このドラマは身分制度の理不尽が強調されているように思えます。

実力主義で人が登用されないことはなぜか?

そう問いかけているのでしょう。

そして、ここにきて道長も第二段階に入ったようです。

確かに為時一家は越前へ向かうことになりますし、もうまひろと道長の恋も遠くまできてしまったと思えてきて、新段階を迎えているのでしょう。

結局、まひろの語る科挙のある国という夢は長いこと叶いません。

今でこそ試験で官僚を選抜するとはいえ、そもそもがスタートラインに差があるということを、朝ドラの『虎に翼』がつきつけてきました。

日本は政治家はじめ、世襲権力者が多い国とされます。

実力が認められる世界は、いつ実現するのか――そんな今も変わらぬ問いを突きつけたい、そんな挑戦を感じさせる作品です。

 

逆MVP:藤原伊周・隆家

こうしたドラマのテーマを踏まえると、この藤原伊周と藤原隆家の兄弟は実像というよりも虚像の側面が強く、あえて悪どく描かれていることは踏まえた方が良さそうです。

『枕草子』とは正反対、どぎついまでに貶められた気の毒な造形です。

そうはいっても、実は演出や見る側の偏見もあります。

道長側だって、現時点でかなり陰湿で卑劣なことをしている。

道長がまだ彰子を入内させていないから目立たないこともあるでしょう。

よってこの先どうなるかは全く読めない――見る側も騙されているのかもしれません。

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文:武者震之助note

【参考】
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