どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第7回「わしの家」

2023/02/20

今川氏真に挑んだ我らが神の君。

次に目指すは三河平定ですが、そこに一向宗が立ちはだかります。

いかにして家康はその困難を乗り越えてゆくのか。

今回のあらすじは「おじさん構文」バージョンで進めてゆきます。

 


あらすじ:おじさん構文バージョン

いよいよ「家康」と名を改めたんだヨネ\(^o^)/

これで家康チャンって呼べるね。おじさんは改名しても家康チャンの味方だから(^з^)-☆――

三河を家にしたいって、素晴らしいよね♪ 今流行りのイクメンカナ♪

神の君がついにおなじみの名前になるなんて、ワクワクしちゃうんだナ(^_-)-☆

でも、なかなか三河統一できなくてさ。

しかも、なんだか怪しい宗教がいると瀬名ちゃんに聞かされたんだよΣ( ̄□ ̄|||)

宗教って怖いね(´・ω・`)

最近そういう話よくでるし。そんな世論を、取り込んだ、神回だね(^^ゞ

ノリノリ踊り狂うとか、アイドルみたいな巫女の前にいる楽しそうな人を見ると、人間っていつの時代も同じだなあってほっこり、胸が、キュンキュン!

おじさんも推しのライブに行ったヨナ(^_-)-☆

今週も優しく暖かい気持ちになって、元気をもらえる、素敵なドラマダネ、日曜夜はこうでないと(^_-)-☆

殺し合いや謀略ばかりの昨年は、マジで鬱。今年より去年の大河がイイ人って陰キャなのカナ? 麒麟くるくる詐欺も陰キャだったっけプギャーm9(^д^)

でも、まあ、好みは、人それぞれだし♪ では来週も楽しんじゃおうネ♪

おじさんは今年の大河を応援してるんだゾ(^з^)-☆――

 


どうする家庭団欒

さて、あらすじでイクメンに触れましたが……。

どうやら今年は現代のイクメンにならざるを得ないパパ層をターゲットにしましたかね?

亀と竹千代を瀬名が育てています。

周囲に任せることはせず、過去大河にもあった悪いところを再生産している。

瀬名ほどの身分なら育児は乳母に任せるでしょう。

それは虐待なんかではなく、むしろ当時なりの工夫によることは、ちょっと調べればいくらでも出てきます。

 

どうするネーミングセンス

瀬名に名前の相談をするあたりが、決定的におかしい。

禅僧なり、教養ある誰かに相談するものでしょう。

それとも「やすやす」のやり取りで笑えと言うのでしょうか。残念ながら寒気しか感じられません。

それにしても「泰康」という当て字も何なのでしょう。

オープニングにダジャレを持ってくるのが好きな本作だけに、もしかして北条泰時を狙っていません? ナスのやり取りも『鎌倉殿の13人』狙いに思える。

こういう雑なことをすると、むしろ前作の良さが際立ちます。

泰時の名は、天下泰平の「泰」だからいいという源頼家のセリフがあった。

源義家から「家」とするというのもわからなくはありませんが、別に源氏でもないのにせせこましい。イメージ戦略が大事だったんだなということを露呈しています。

この後、義家ではなく、ホームの方の家だと言い出すあたりが、決定的にセコくて愚か。

自分が家の頂点に立ってみんなを家族にするって、いい話とも思えません。

『鎌倉殿の13人』でもさんざん描かれたじゃないですか。武士は「自分の家や土地が大事だ」と。

それを勝手に「お前は俺の家族だ!」などと言われたら「俺の家はどうなるんだ!」とブチギレてもおかしくないと思います。

要は、マインドセットが中世武士ではないんですね。

それに、こんな乱世で家だのなんだの言うキャラは、自分の身内しか見てなくて、後世や天下国家など、広い視点からの俯瞰がない。

もっと大志・大望を掲げられないものでしょうか。

中世武士でもないし、令和のセンスでもない。家族観が昭和になっていて違和感ばかりが湧いてきます。

 


どうするデザインセンス

マップの使い方が下手くそです。

オープニングと同じゆるふわアニメを戦国時代の勢力図でやられても困る。

まるでファンシーな通販カタログみたいな画風ですよね。

コーエーテクモゲームスさんのマップと比べたら天と地でわかりにくいと思いませんか?

ドラマの本質ではないんだから、地図なんかでオリジナル色を出さなくてもいい。

戦国時代をテーマにしたゲームで、もしも本作のマップが出てきたら「あれ? なんか間違ったからアンインストールしとっか」となってしまいますよ。

それぐらいジャンルが違う絵でした。

どこか個性的なロゴがくるくる回る演出も、もうお腹いっぱいです。

『鎌倉殿の13人』とコラボしていたお菓子のパッケージが『どうする家康』バージョンに変わったのですが、あの妙にギラギラテカテカしたロゴの個性が強すぎて、購買欲が削がれてしまいそうです。

売上、保てているんですかね?

重厚な大河を好む層は、おそらく「ロゴとタイトル」を見た時点で、今回は視聴を回避している気もします。

現実問題、最初から低かった視聴率がそれを物語っているのでは?

 

どうする衣装とメーク

信長がマントを常時身に着けているので、かえって貧乏くさく思えてきました。

『それしか持ってないの?』

そう思ってしまうわけです。

もしかして予算が無いのか……と心配になる一方、秀吉の日焼けを表すドーランは、いかにも「塗りましたよ!」という感じが出るほど、贅沢に塗りたくられていました。

『麒麟がくる』の染谷将太さんは、実は色白であり、ドーランで日焼けしたように見せていました。

それがあまりにも自然な仕上がりだったからでしょう。長谷川博己さんは、メイクを落とした染谷さんを見て「そうだ、こんなにかわいかったんだ」とハッとしたとか。

そうした仕上がりと比べると、今回の秀吉は、まるでコントのように汚れていて、とにかく嘘くさい。

これまた『麒麟がくる』の場合、秀吉の衣装は五行説のため“白”がテーマでした。

白い衣装を絶妙な感じで汚くするにはどうするか?

担当は、非常に苦労したと言いますが、一方で本作は、あまりに雑で何が何やら……。

リアリティがないだけでなく、全体的な印象として豪華さや重厚さを感じられません。

 

どうする説明セリフとナレーション、そしてテロップ

「不入権」というなかなか重要なことを割と早口でさっくり説明する家康。

ナレーションもふざけてないで、ここは落ち着いて説明すべきではないでしょうか?

『鎌倉殿の13人』の長澤まさみさんのように、しっとりと語られれば自然と聞き入ってしまうのに、本当にこのドラマはセリフとナレーションの使い方が下手くそです。

説明セリフを削るためにもナレーションを活用すべき。

大事な冒頭を、家臣らとのおふざけにしか使えていません。テロップもそうです。

このドラマは、歴史的な事象を咀嚼しきれずに進んでいて、それを「難易度を下げている」とアピールするかのようでいて、実際は単なる不親切になっています。

一揆へ向かう経緯も無茶苦茶でした。

いったい脚本家や演出家は、家康をどこまで本気で好きなのか?

戦国時代の何を描きたいのか?

そうした熱がないことが、画面の節々から漏れ出ていて、それを感じるたびに私は悲しくなります。

歴史ドラマにできないから、どこか既視感のある、わちゃわちゃした青春現代劇で誤魔化そうとしていると感じるのです。

 

どうする知略パラメータ

本作は、女の井戸端会議も好きですね。

なぜ重要情報をそんなところでやりとりして、家康が察知するのか?

彼は情報察知能力が著しく欠如しています。

ゲームパラメータにしたら知略が55~60ぐらい。

『麒麟がくる』の家康は95を超えている印象でしたが、本作の武将が総じてアホみたく見えるのは「アブダクション」=仮説形成ができていないからでしょう。

断片情報を組み合わせて一定の情報を導き出すことです。

『麒麟がくる』では、光秀が朝倉義景の城下町で世間話をして、戦の準備を民がしていないことから、不備を察知していました。

『鎌倉殿の13人』では三浦義村や大江広元が際立っていて、彼らは坂東武者の言動を読み取りながら、最善の策を練っていました。

それに引き換え、農民に扮して本證寺に潜り込む、本作家康の、あまりに稚拙で愚かなことよ。

あんな、わざとらしいバレバレの格好で乗り込み、空誓上人に戦を止める方法を聞くって、お花畑にもほどがありませんか?

本多忠勝や榊原康政が警備してたじゃないか!

と言い訳したいのかもしれませんが、アイツら、寺内でナンパしてましたからね。

しかも於大の方に声をかけてしまう、という地獄展開。

これを面白いから笑えとおっしゃります?

先週の忍者はどうしました?

彼らのうち誰か数名を送り込んでおけば済む話ではありませんか。

要は、この家康は、志村けんのバカ殿のごとく、ああいったお遊びが好きなだけか、あるいは、三河一向一揆を描く能力が脚本家に欠如しているかでしょう。

浮世離れした展開で、見ているのが恥ずかしいほどでした。

 

どうする遊び女と巫女

本證寺の中へ家康が潜り込んだときに、またもや「遊び女」という言葉が出てきました。

まだ全体の7話でもう2度も登場。

本当に「遊び女」が好きなドラマですね。

しかもわざわざ嬉しそうに語る時代錯誤感がどうしようもありません。

遊び女を描くことそのものが悪いわけではなく、ノーテンキなムフフ感覚が気色悪いのです。

将来、日本を統べる者であれば、

「彼女らを一人でも救いたい」

「我らが乱世を終わらせる」

といった正義感や悔しさの一つぐらい滲ませたってよいでしょう。

しかし家康一行は遊び女を見てもどこか他人事で、声をかけられても『うぜぇな……』ぐらいにしか感じてない様子。

あんな調子では、この先も人身売買で売られていく女児・女性は減らないでしょう。

また巫女についても、単に興味本位で登場させられた感があって。

推しやアイドルにはまるのは昔も一緒だよね! といった親近感アピールではないか?と邪推すらしてしまう。

『鎌倉殿の13人』で命を賭けて舞った静御前とは落差が甚だしい。

やはり不入権の説明をして欲しかったですね。

 

どうするムフフ現実逃避

家康よりもどう見てもはるかに年下であるセクシーお姉さんが、「坊やたち、はじめて?」と語りかける場面。

そうではないと言い訳しつつも、エロエロムフフの含意があって気持ち悪いものでした。しかもしつこい。こんなもん見せられ、何の修行でしょうか。

大河ドラマが実年齢から乖離した役者を使うことはあります。

『龍馬伝』の山内容堂はどう考えても坂本龍馬に対して年上すぎたものですが、あれは容堂と龍馬の格の違いを示す意図があったそうです。

ただのムフフサービスで年齢をいじることもあります。

これが問題だ!

『青天を衝け』の徳川慶喜夫妻、史実では、妻が年上で劣等感にもなっていました。

しかし、二人を演じる役者さんたちは、夫の方が年上で、しかも親子ほど年齢差があるように思えました。

若い女優を出して萌えたい気持ちはわかった……同時に、その志の低さに嫌気がさしたものです。

今回はおそらくこんな意図でしょう。家康に感情移入した視聴者たちが、若かりし頃、年上セクシーお姉さんに声をかけられたムフフな妄想を再現している。

だから、一体なんの修行なんだってばー。

大河でエロい場面を見てムフフしていた方のセラピーに、私はつきあわされているのでしょう?

『鎌倉殿の13人』の歩き巫女の翌年にこれですか。

 

どうする仏事指導

一向宗の場面に違和感があります。

仏事考証がすばらしい『大奥』と比べると、どうにも緩いようで、説教の内容や所作だけでなく袈裟にも違和感を覚えます。

もしかして有能な仏事考証担当を『大奥』に持っていかれた、なんてことはありませんよね?

『鎌倉殿の13人』の僧侶は無茶苦茶なようで、読経はしっかりできていました。『大奥』の有功も素晴らしい。

しかし『どうする家康』の一向宗は、戦国時代の宗教というよりも、現代のカルトに似せているようにすら感じます。

「いま宗教って話題だよね、怖いよね! 実は……昔もそうだったんだよ、ジャジャ~ン!」

というノリのネット記事で盛り上がる。

所作や細かいところのおかしさを、スローや派手な演出でごかましていませんか? このドラマは、BGMの使い方もおかしくて、いつもうるさく、いつこい。

スモーク炊いた池ってどういうセンスなのだろう。

 

どうするキャスティング

スタートから出鼻をくじかれるばかりか、小規模ながらも炎上を繰り返し、挽回どころか毎回ファンを減らしている。

そんな悪評を感じ取ってか。

ドラマのキャスティングに難航していませんか?

以前『花燃ゆ』と同じで話題性ばかりを重視していると指摘しましたが、今度はこんな記事。

◆「どうする家康」藤岡弘、長女・天翔愛&次女・天翔天音姉妹 大河&ドラマ初出演“父娘共演”巫女の一味役(→link

話題作りに必死ですね……というか、こういう話は心の底から好きな感じが伝わってきますね。

 

どうする宣伝戦略

私は芸能ニュースには全く興味がありません。

しかし大河の出来が悪すぎると、どうにも、そこを見ていかねばならないようでして。

『どうする家康』は、映画とのタイアップを盛り込んだ広告戦略を感じます。

「あの『レジェンド&バタフライ』の脚本家が大河でも見られる!」

ってやつで、ある意味、伝統的ではありますね。

先日放映されたドラマ『大河ドラマが生まれた日』でも描かれたように、映画とテレビ局が時に歩調を合わせるのは日本芸能界の伝統

実際に相乗効果があったのが1980年の大河ドラマ『獅子の時代』とされています。

あれは映画界の大スター・菅原文太さんが主演というのが売り。

「映画中心の俺が出るんだから、それなりの意義がなければ出ない」と文太兄さんも語ったとか。

確かにそれはその通りで、大河出演を契機に彼は幕末通になりました。半藤一利さんと対談したほどです。

そういう麗しい関係でなく、今年は計算ありきなんですよね。

『岸辺露伴は動かない』と、露骨に絡めていて、オープニングや衣装。そして青年時代の露伴役まで出してくる。

◆なにわ男子・長尾謙杜に「批判と超期待」の声が入り乱れるワケ!嵐・松本潤主演NHK『どうする家康』&「超ガチンコ映画」に抜擢の“実力”と「ホンモノ志向」 (→link

公共放送でこうまで露骨な仕掛けはよいのでしょうか?まぁ、今更ですけどね。

ただ、この戦略はどうにも誤算があるようで。

◆1週間で『鬼滅の刃』に首位を明け渡し…木村拓哉“信長映画”「苦戦の裏にジャニーズのお家事情」(→link

映画とのタイアップは、成功によって成立します。

『岸辺露伴は動かない』の原作とドラマ版は、たしかに傑作。NHKも相当慎重に作っています。

ただ、今回はどうなるか……。

これまでだって負ける気がしない戦略を組み立てて失敗してきていますよね。さて、どうなるのでしょうか。

 

鼎(かなえ)の軽重を問う

上記見出しにあるような

「鼎(かなえ)の軽重を問う」

にはどんな意味があるか?

春秋時代、楚荘王が九鼎の重さを問いかけた――これの意味するところは?

九鼎は夏王朝・殷王朝から周王朝に渡った王位の象徴である。その重さを問うということは、暗に九鼎を持ち帰る事を意味します。

つまり楚が周王朝に取って代わる事をにおわせました。

『春秋左氏伝』より

どうする大河ドラマ――誰かがそう問いかけているように思える今年。

他にもこんなニュースがあります。

まずはおなじみ日刊ゲンダイさんから。いつも本作に関して厳しい意見を披露している日刊ゲンダイさんが、どうにも甘くなりました。

◆松本潤ひと安心? NHK大河「どうする家康」復調ムードも課題山積…大コケ許されないワケ(→link

◆NHK大河「どうする家康」の評価に変化 新解釈プラスし“歴史ファンタジー”で視聴率好転(→link

なぜか?

理由はこの辺にあるのでは?

◆大河「どうする家康」松本まりか女大鼠は主役を食った!「くノ一」がドラマで大ウケ(→link

松本まりかさんの色気に便乗ですね。

◆NHK大河「どうする家康」妖艶くノ一登場! ダメダメ松潤の男気にSNS大盛り上がり…第6回見どころ(→link

ああいう手裏剣を投げたところで威力はたいしたことがありません。

『麒麟がくる』の菊丸は農民のフリをして、薬草が生えている場所を知っています。そのほうが実践的です。大麻を炊いて敵を無力化したり、毒を使う方がよい。

話を戻しましょう。

そんなゲンダイさんから、かつてこんな記事が出されていました。

◆濡れ場、脱ぎ場の調整係だ? なんとも疎ましい職種が登場(→link

過激なシーンを撮るときには、女優が萎縮してしまわないよう間にコーディネーターが入ってカウンセリングをし、できるだけ不安を取り除いて撮影する――。

そんな取組に対し

「いらんわ!」

と一蹴したものです。

これはなにも日本だけでなく、イギリス人名優も反対し、物議を醸したこともありました。

◆セックスシーンで女性俳優への保護は必要ない、『GoT』ショーン・ビーンの発言に波紋(→link

しかし、時代と価値観は変わります。

ついにNHKでも導入されたのです。

◆「大奥」にインティマシー・コーディネーター NHKで初導入(→link

 「大奥の舞台裏」として日々、制作の裏側やオフショットなどを公開している番組公式Twitter。13日には「大奥ではNHKで初めてインティマシー・コーディネーターを導入しました」と明かされ、「ヌードやキス、セックスなどインティマシー(親密な)シーンにおいて、制作側の意図を十分に理解した上でそれを的確に俳優に伝え、演じる俳優を身体的・精神的に守りサポートする役割の方です」「コーディネーターが介在する事で、不安や懸念のある俳優が、場合によって『NO』と言える環境を作り、萎縮することなくリラックスした状態で演技に最大限集中してもらうことを目指しました」と説明した。

◆「NHKがここまで」『大奥』で過激な性描写ができた理由に専門コーディネーターの尽力と“3つの約束”(→link

「最初はコーディネーターが参加することに100%賛成じゃなかった方から、入ってもらってよかったと言ってもらえることが増えました。また、以前に現場をご一緒したことがある方とのお仕事の際には、私が提案する前にすでにクローズドセットのつもりでいてくださっていたり、少しずつですが意識が変わってきているなと感じます」

この役割に反対する人というのは、何か勘違いしていませんか。

エッチな本を読んでいたら取り上げた学校の先生とか母親とか、そんなイメージでも抱いているのではないかと思えてきます。

むしろ逆ですよ。

しっかりとした親密な描写ができるのは、インティマシー・コーディネーターがあるからだと思えます。

『大奥』では徳川綱吉役の仲里依紗さんが、かなり大胆なシーンが披露され、その背景にインティマシー・コーディネーターがいたことが明かされました。

一方、『どうする家康』はどうか?

私は本レビューで、瀬名が“夜伽役”になる場面では、どうせインティマシー・コーディネーターもいないだろうと指摘していました。

それが『大奥』がNHK初だったということで、やはり大河にはいなかった。

今年のくノ一で盛り上がっている様子を見てから、『大奥』とその反響を思い出すと、苦笑せざるを得ません。

むしろ『どうする家康』は、小中学生が喜びそうなラッキースケベ狙いに思えます。

自分から動かないけれども、セクシーなお姉さんがいてムフフなサービスがある。今週の巫女はその象徴でしょうね。

どうしてお子様はラッキースケベが好きなのか?

そりゃ、アプローチの仕方がわからないからであって、大人になったら卒業しないとね。

さて、このドラマはそんな一生青春状態のおじさまを救うセラピーだとは思います。まるで近代家父長制ファンタジーの趣がある。

人類は全員ヘテロセクシャルだ。女の価値は子を産み育てることにある。女には拒否権も知能もない。

そういう価値観ですので、当事者の心理的な負担を軽減するインティマシー・コーディネーターが邪魔者に思えるのでしょうね。女は黙ってセクシーに脱いでろと。

そういう明治から昭和の価値観に合わせてきて、その古臭さだけに安堵する視聴者のノスタルジーを煽るのだけはうまい。

しかし、それでは時代遅れです。

大河が、そんな特定の層、しかも声が大きな層に忖度して、メディアを靡かせる――なんて作りをしていて大丈夫なのでしょうか?

本当に斬新で視聴者を考えさせ、きちんと歴史を扱ったドラマの方がふさわしいのでは?

それは何か?

NHKドラマ10の『大奥』です。

今年の実質的な大河は『大奥』だよな……と呆れていたところ、実際にそう感じたのは自分だけでなく、世間でも同意見が広がり始めていることを感じます。

◆NHK『大奥』に「こっちが大河」嵐・松本潤超え評価!綱吉・仲里依紗の圧巻演技と155万回超再生(→link

上記のような軽めのネットニュースから、朝日新聞の紙面にまで掲載されている。

◆(テレビ時評)「大奥」は時代劇か 太田省一(→link

大河ドラマは、映画に負けないような面白い時代劇を作るところから始まりました。

初期は架空主人公の時もありましたし、現在の我々が定義する大河とは異なります。

時代考証をつけ、時代の変遷を描く。そこを守れば通用したのです。

『大奥』はSF要素(ちなみに男女逆転はファンタジーではありません)があるため、大河に入らないと思われるかもしれませんが、今年は大河よりもはるかに綿密で勉強になります。

原点回帰したのならば『大奥』こそ大河でよいのではないか?

上記のテレビ評はそういう趣旨のことが記されています。

その通り。どこかおざなりで何かがおかしい大河より、『大奥』の方がはるかに歴史劇として良心的で高度です。

あのドラマは、大河に対して鼎(かなえ)の軽重を問う出来となっています。

なぜこんなことが起きているのかはわかりません。

大河を見ると、NHKは時代劇を作る力をなくしたように思えるけれども、『大奥』でそうではないとわかる――この奇妙な事態は一体何なのでしょう。

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文:武者震之助(note

【参考】
どうする家康/公式サイト

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武者震之助

2015年の大河ドラマ『花燃ゆ』以来、毎年レビューを担当。大河ドラマにとっての魏徴(ぎちょう)たらんと自認しているが、そう思うのは本人だけである。

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