三河平定をなしとげた、神の君――。
由緒正しき源氏の末裔なので、何の問題もなくて叙任できると思った? いやいや、そうじゃないんだよ!
といったノリですが、このドラマって嫌な世相と重なると申しましょうか。無能で血筋しか頼るべきところはないのに、「そんなのこだわらないもん」と言い出す姿勢がかえって痛々しい。
しかも、公家の金儲けについて口汚く罵ります。
自分たちは三河守という権威を利用しようという場面なのに、いざ金を払うとなるとケチることばかり考え、自ら新たにお金を稼ぐ算段は立てたりしない。
国を治めるのであれば、産業を育成したり、商業を促進して銭の流通を高め、税収を上げればよいではないですか。
そういった経済センスが自分になく、他者を責めてばかりなのが見ていて切ないのです。
そんな人物が天下人になどなれますか?
宴会が始まったかと思ったら、家康は食べ物を手にして歩いている。
本作は、立って座るという基本的な所作指導ができないせいなのか、謎の立食パーティみたいなことしますよね。
それと築山殿はどうしてここにいるのでしょう。別居はどうなりました? そんなに、ちょくちょく来られるものですか?
あらすじ:おじさん構文バージョン
こんにちは〜ん( ◠‿◠ )
先週みた?w これぞ、痛快時代劇ダヨね!♪( ´▽`)
種馬扱いの、家康チャンが、ムツゴロウさん扱いで、わろたしww 百合エンドまじ今ドキ、トリッキーだし(๑╹ω╹๑ )
世の女どもを痛烈に批判して、エロエログラドルを出してくる♪
もう、マジで、ゲラゲラ、大爆笑^_^
こんな、楽しい大河を、オイラは見たことないよ♪昔見た『うる星やつら』とか、思い出すンダ( ^∀^)
北条政子とかいうババアが、演説する昨年とか、ウザかったし、歴史的にありえねーしwww
女に人権なくて、ポリコレ最後の砦なのが大河でしょwww(^O^)
家康は、大奥を作ったんだし、エロくて、当たり前じゃん(^O^) NHKさんさいこう、面白い、オイラの受信料、使っていいよ(^O^)
三河国主となって、姓を、徳川と、改めた家康チャン( ´∀`)
やっと、わかりやすくなって、オイラも安心ダ^ ^ナンチャッテ^o^
こうなったら今川領を狙うダケダネ( ´∀`)
瀬名チャンじゃなくて築山殿チャンを苦しめた今川ざまぁwwwwww
ヨシ!♪(´ε` )
今週は駿河・遠江を狙う武田信玄と、話し合うんダッテ( ´∀`)
瀬名チャンのため、栗を、拾っていたら、なんと出会っちゃった!(๑╹ω╹๑ )ビックリダネ♪( ´▽`)
やっぱり、戦国時代は、大物だけで展開して欲しいナ( ´∀`)
町娘の、駒が、将軍のそばにいる、麒麟くるくる詐欺はもういらんからwwwww
デモ、その合間に、瀬名チャンの、友達の、お田鶴チャンと悲しい別れがアルンダ( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
女城主になった、田鶴チャンを慰めたい( ◠‿◠ )
同じ、女城主でも、色々可愛くねえ、ムカつく直虎トハ大違いダヨネ♪( ´θ`)ノ
直虎が、小野だっけ?wソイツを殺す、なんて、バカみたいで草不可避wwwそういうの、いらねえからwwww
はい、顔文字と句読点多用は終わり!
どうするオープニング
今週も、何も心に響かないテーマ曲から。
大河ドラマのオープニングって、それなりの見どころがあるということを思い出したんですよ。
何も褒めるところがなかった作品、2015年大河の『花燃ゆ』ですら、オープニングだけはここ10年でもトップクラスの要素がありました。
川井憲次さんによる作曲で、あの最高のテーマから、最低のドラマが始まっていた感覚が懐かしい。
それに引き換え今年は、オープニングからして生命力が低下します。
このドラマはなんだかBGMの使い方が妙だし、やたらとみんな怒鳴るので耳に悪い。
怒鳴ることで強引に感情や出来事を表現しようとするのは、脚本や演出としていかがなものでしょう。
どうする叙任
叙任の説明も、とにかくドタバタで押し切るような印象。
『鎌倉殿の13人』では、官位による格式が描写されていて、プロットにうまく練り込まれていました。
ああいう描き方をしたからこそ、官位が高い北条政子が実質的に将軍であったことが理解できる。
同じく叙任をないがしろにする描写にしても、本作は『麒麟がくる』の織田信長と大違い。
足利義輝が官位をあげると言い出したら、サッサと小走りに去って行きましたが、ああいう描写になったからこそ、型破りな信長の性格が上手に表現されていました。
しかし本作の場合、所作指導のせいでみんな動きがラフなため、全員だらしなく見えて終わっています。
「神は細部に宿る」という表現がありますが、ドラマも一つ一つディティールの積み重ねが、作品に重厚感やリアリティ、ひいては説得力を持たせるのではありませんか?
『どうする家康』について「軽い」とか「コント」とか指摘される声が聞かれるのも、そうした細かい作業が疎かにされているからという気がします。
どうする椿
田鶴と瀬名の、花問答はわざとらしすぎて、聞いているだけで頭を抱えたくなりました。
椿と田鶴の伝説は知っています。コアな戦国ファンには御馴染みでしょうか。
しかし、それにしたって、もう少しやりようがありますよね。
「冬に咲くのは椿だけ」って、何が言いたいんだ?
「厳寒三友」という言葉を知りませんか。
松竹梅のことで、冬でも枯れない、あるいは咲く植物を高潔な精神性に重ねているのです。
田鶴が椿が好きだと描くにせよ、なぜ余計な会話を入れてしまったのか。
このドラマはセリフが多い人物ほどボロがでて、切なくなってきます。
例えば
「椿は花びらを散らさず、ボトリと落ちるところが不吉」
といった会話ではいけませんか?
ハラハラと散る桜との対比させることもできます。
椿を武士が嫌ったという話は俗説ですが、ともかく梅を忘れたような会話には、色々と嫌になってきます。
やはり本作は、日本の歴史ドラマを描く上で必須となる東洋史教養が抜けているんですね。
どうする他の大河狙い
瀬名が好きなものを持ち帰ると言い出す家康。
本作は『鎌倉殿の13人』をうっすらなぞったような描写が多く感じるのですが、今回は義時の「おなごはきのこが好き」を踏襲していませんか?
『鎌倉殿の13人』だけでもないのでしょう。
田鶴のことを「女城主」と喧伝するあたりも、『おんな城主 直虎』を連想させたい気がしてなりません。
ならばなぜ、女戦国大名として知られる寿桂尼を出さないのか。
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脚本家のセンスが悪ければ、他の制作陣が修正を促してもよいと思うのですが、それが出来てないために上っ面だけなぞるような描写になってしまうのでしょう。
大河や過去作品オマージュが得意な三谷幸喜さんとは、雲泥の差です。
どうする東洋医学
本作は、瀬名が東洋医学に詳しいという設定ですが、ハーブやサプリが好きな女性でもイメージしていませんか?
東洋医学は政治と関わりが深い。
瀬名ではなく、家康本人が漢籍教養の一環として学んでいた方がよいですし、史実はそうでしょう。
なぜそうしませんか?
そうした要素をプロットに取り入れていたのが『麒麟がくる』でした。
東庵と駒は最先端の東洋医学を習得した重要人物です。
ちなみに『大奥』でも、寛政の改革をもとにして、政治と東洋医学の関係がうまく描かれています。片桐はいりさんが演じる小川笙船は実に素晴らしかった。
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おそらくや制作サイドに東洋医学の知識が欠けているのでしょう。
「戦国時代は、撃たれたら馬糞を水に溶かして飲んでたんだぞw マジかwww」
といった程度の、昭和の子ども向け書籍にあったネタで知識が止まっている気がしてなりません。
どうする発声
田鶴のキンキン声は演出上の狙いでしょうか。
田鶴だけでなく、家康以下、全員無茶苦茶ですので、何かと台無しです。
すぐに怒鳴るばかりか、極端に情感に訴えるネトっとした発声にする。
演じる役者さんが可哀相になってきます。
どうする安心安全な乱世
家康と信玄が直に会って話そうという話はあったとか。
それにしたって道端でひょっこり……って、なんなんですか?
「信玄はきちんと護衛を付けていた!」というのでしたら、家康サイドのセキュリティがあまりに脆弱だ。
『麒麟がくる』の斎藤道三だったら三話ぐらいで天下統一できる設定。
あの道三なら、家康も信玄も信長も氏真も毒殺三昧でしょう。
戦国大河ドラマで求められるものって、土岐頼純をノリノリで毒殺する斎藤道三みたいな人物ではありませんか?
謀略がない戦国大河など意味がない。真面目に作り直して、毒殺謀殺しまくるようにしてください。
いっそ『大奥』から、加納久通でも連れてきましょう。彼女の方がよほど謀殺三昧でしたよ。
と、そういう冗談はさておき、戦国時代って、山道を歩くだけでも命懸けなんですよ。
『麒麟がくる』では道を歩いているだけの光秀が、危険な目に遭う場面が相当ありました。
なのに今年は、遠足に来た小学五年生みたいなノリ。
ものを拾ったり採取して食べるにせよ、有毒か無毒か、その見極めは大事です。そういう危険性を何も考慮してませんよね。
ショッカー戦闘員みたいな織田家の連中がいくら出てこようと、こんなほのぼの戦国では安心感でいっぱいだという気持ちしか湧いてきません。
どうする茶道
信玄が「ズべべべべべ……」ってお茶を飲むシーンが辛すぎました。
阿部寛さんを使ってまで、なぜ、あんな汚らしい茶の飲み方をさせるのか。
『麒麟がくる』の茶道の場面では、出演者の皆さんが相当練習したようで、今井 宗久役の陣内孝則さんも苦労したことを語られていました。
あるいは光秀が背筋を伸ばして茶を飲んでいた美しさも印象的でした。
当時の茶は、経済的にも、禅宗的にも重要です。
せっかく『鎌倉殿の13人』では、茶の導入が丁寧に描かれていたのに、今回のような雑な扱いでは、今後の本作では全く期待できませんね。
そもそも、茶碗の持ち方からしておかしい。
中国では宋代まで、抹茶が主流でした。
その飲み方が鎌倉時代に伝わってくると、性欲が抑制され、眠気を覚ますところから、特に禅僧に好まれています。
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抹茶は、粉末を撹拌するため、大きめの茶碗となります。
一方、茶の本場である中国では、明代になって初代皇帝の朱元璋(しゅげんしょう)が抹茶禁止令を出したため煎茶が主流となり、茶碗はかなり小さくなります。
そのため明人は悩みました。
抹茶サイズの茶碗が余ってしまった。茶器にしてはでかいし、おかずを盛り付けるには小さい。
そうだ、日本人に売ろう!
かくして、そんな構図が出来上がったわけですが、ならば『どうする家康』の信玄が持っていたあの茶碗は、どこの国のもので、どの程度の価格なのか?
そんなことも気にありますが、それよりとにかく見ていて頭を抱えたのは、茶碗を片手で持っていることでした。
抹茶用の茶碗は大きいから、両手を添えて飲みます。
それなのにあの信玄はどうしたことか。やはりバーベキューでビールジョッキを持つおじさんのように描きたいと思ったのですかね?
本当にどこが時代劇なのでしょう。
どうする武田勢
駿河に攻め込み、怒涛の如く、侵略していったという武田軍。
しかし、あんな弱そうな武田勢は前代未聞でした。
どこが弱そうか?
・統制が取れていない
→サッカーを応援するフーリガンのように怒鳴り散らす軍勢ってチンピラ集団ですか?
・目立ちすぎる信玄
→「俺、信玄! ここにいます!」と堂々と立つということは、狙ってくれとアピールしているようなものです
・甲冑はいつ装着するか?
→甲冑は重い。ゆえに移動する間はつけておらず、戦う前につけます。あんな意味なく高いところに甲冑をつけて立って、何をしたいんですか?
ほんと『47 RONIN』の方がよっぽど本格的時代劇に思えてきましたよ。
どうする季節感
『47 RONIN』は、一年中桜が舞い散る日本でした。
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今年の大河は、あの怪作をどうこう言えないレベルになってきたと感じます。
雪が降っていて寒いはずなのに、開けっぱなしの部屋。
同じく寒いはずなのに、夏場と変わらないペールカラーの服ではしゃいでいる瀬名と田鶴。
雪が降っているのに、太陽光が強すぎて、まるで初夏のように見える駿府の街中。
最低限の季節感すら出さないって、一体どういうことですか?
『鎌倉殿の13人』が好きなら、『47 RONIN』を見た方がよろしいかと。菊地凛子さんと米本学仁さんが出ています。
どうする使者
田鶴たちは、降伏するように告げてきた者たちを本気で撃ちました。
こういうことをするのは危険です。
脚本家は、戦国時代だから何でもありと考えたのかもしれませんが、当時だって最低限のルールはあり、まっとうな大名家は使者殺しを禁じています。
軍事のことを真面目に考え、あえてそうしたのなら、それに至る背景や説明が必要ではありませんか。
結局、ノリだけでそう描かれてるとしか思えず、苦しくなってくるのです。
どうする衣装センスと色彩感
このドラマと並行して華流時代劇を見ていると、色彩感覚が目に染みるほど美しく思えます。
伝統を踏まえつつ、現代的にアレンジしているのです。
『鎌倉殿の13人』はよかったです。東西の色彩感覚まで異なることを、わかりやすく見せてきました。
例えば、東の感覚でオシャレしてきた大姫を、西の丹後局が嘲笑うというシーンで朝廷側の残酷さを見せてきた。
プロットに色彩感覚を織り込んだ素晴らしい描写でしたが、今年はあまりに落差がひどい。
女性の衣装がペールカラーだらけだし、武田の赤備えはうっすらと汚らしいし。
信玄のふさふさも、穴山梅雪の頭巾も、不潔に見えてしまいます。
信玄の衣装が特におかしい。
肉襦袢のようなものを衣装の下に入れているのが、なんとなくわかってしまうと言いますか。どうして衣装すらまともに作れませんか?
このドラマは画面写真を見ているだけで気分が落ち込みます。
なぜか?
日本の伝統色彩色パレットを無視しているように思えるからです。
思い出したのは『平清盛』のこと。あのドラマでは襲(かさね)の色彩といった伝統を無視していたんですよね。本当に失望しました。
どうするおじさんの好きな女の子描写
やたらと芝居ががかっていた田鶴が不憫でなりませんでした。
情感込めすぎの、ねっとりした発声で、もう常に不気味。
しかも回想シーンで、冬なのにペールカラーの着物で話している二人がいる。あれでは寒いとしか思えません。
この田鶴の回想に出てくる場面が、おじさんが考えた若い女設定でさらに辛い。
「若い女はスイーツ食うよね!」
だから、このセンス、もうどうにかしてっての……。
串団子で、はしゃぎながら外食するってどれだけ陳腐な表現方法なんですか。怪我の原因にもなるからやめましょうよ。
とにかくもう、田鶴がいきなり悲劇のヒロインにさせられたので、見ている方はついていけなかったと思います。
お団子食べてはしゃいでいる時間があったら、統治者なり為政者なりの思いでも入れるべきだったのでは?
本作に、とにかくありがちな描写――ぶつ切りにして、臭い感動を入れればいいと思っている。
伏線も何もない。ただただ、雑でしかありません。
決定的に駄目だと思ったのは、こちらのインタビューです。
◆「どうする家康」田鶴の行動原理は瀬名への「強すぎる愛」 “裏切り者”の声も「うれしかった」(→link)
記事でわざわざ解説しなければならないほど、本編の描写が足りていない。
今年はSNSや動画を使った解説が盛んに投下されています。
それ自体が悪いことではないにせよ、補わなければ理解に格段の差が出るとすれば、肝心の放送で描写が不足している証拠でしょう。
必要なことはろくにやらないくせに、思いつきのようなことばかり次から次へとシーンに盛り込まれる。
バランスが悪すぎます。
そもそも田鶴の話は、後世の創作とされます。
それをここまで引っ張るばかりか、しょうもないアレンジを効かせて、台無しにしてしまう。
料理初心者ほどわけのわからんアレンジをして、色々ぶち壊しにする状態を思い出しました。
「レモン味の牛乳っておいしそう♪」と思いついて、凝固させてしまう感覚だ。
三谷幸喜さんならばわざと固めてカッテージチーズ風にできるし、森下佳子さんならばラッシー風にできるし、池端俊策さんなら寒天を入れることで解決する。
それが今年は、固まりかけのまずい牛乳だけが残っているんです……飲みたくありません。
どうするまっとうな女性描写
瀬名と田鶴をクローズアップしたことで、本作の女性描写がどれだけ酷いか再認識できました。
こういう記事がありますが、どれこれも脳内妄想女だとしか思えません。
◆有村架純&松嶋菜々子&古川琴音ら「どうする家康」のカギを握る女性たち(→link)
もう2020年代ですからね。
こうした記事でも参考にしましょう。
◆あの女性キャラが魅力的なのはなぜ?人気映画5タイトルに共通する「3つのルール」(→link)
まずは「ベクデル・テスト」。
ベクデル・テストという言葉をご存知でしょうか。これは、映画に登場する女性がどのように描かれているのかを測る基準で、以下の3つのルールがあります。
女性キャラクターが2人以上出演している
その2人が互いに会話をする
話題は男性以外のものである
大河ドラマは長丁場なので、だいたいクリアできます。
近年は、これだけは不十分だという認識があり、「マコ・モリテスト」があるそうです。
これは、『パシフィック・リム』シリーズで菊地凛子が演じた「マコ・モリ」というキャラクターにちなんだテスト。以下のような条件が当てはまります。
映画またはドラマに、最低でも1人の女性キャラクターが出演している
独自のプロットアーク(話の曲線)を持っている
プロットは男性キャラクターのプロットアークをサポートするためだけに存在するわけではない
これはどうでしょう。
フェミニズム批評は北村紗衣さんの本がおすすめです。
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追っかけから始めて何が悪い?『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』
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でかした! ひらパー
『どうする家康』のおかげで、よいこともありました。
ひらパーことひらかたパーク名物の、超ひらパー兄さん・岡田准一さんのパロディ広告やね!
◆『どうする家康』を無許可パロディー? 岡田准一の攻めたネタが話題に(→link)
◆「ひらかたパーク」新CMで岡田准一さんが「園長(そのなが)」に どこかで見たようなビジュアルに「これOKなんですかwww」「参りました」 (→link)
こちら(→link)の公式サイトに、岡田園長(そのなが)が、そんまんま信長な格好でメリーゴーランドに乗っています。
ひとしきり笑ったあと、満足ではなく、苦いものも噛み締めてしまいました。
どう見ても作り物の馬に乗って、はしゃぐ信長もとい園長て……そんなんお前、むしろ皮肉っとるんやないか?
ま、それはさておき、関西弁ネイティブの岡田准一さん、時代劇もお得意です。
関西出身の役はまだでしょうか。
公卿でありながら剣豪の強い麿とか。そろばんも得意な上方の武士とか。
バリバリに関西弁を使う役が見たいんですよね。どうですかねえ。楽しみにしております。
どうするコメディーセンス
先週の話になりますが、こちらの記事に注目しますと……。
◆NHK大河「どうする家康」、かわいがられる松本家康に「ムツゴロウさん」爆笑の嵐!遂に信玄始動…第11回見どころ(→link)
「爆笑の嵐!」という見出しが絶望的にダサい。
「!」まで付けて、何なのでしょう。
大昔のコメディでは、サウンドエフェクトで笑い声をつけたものです。わーっと笑っている声を「爆笑の嵐」と言いました。
しかし、今時そんなものはない。つまり、こういう見出しを使う時点で、想定読者層の年齢は見えてきます。
次はこちら。
◆『どうする家康』側室選びにフォーカス コメディタッチの描写から見えてくるもの (→link)
どうしようもなくズレを感じるのが以下の部分です。
家康とお葉の床入の際、SNSでは「ムツゴロウさん」と言われていた、動物を調教するような仕草をお葉がして(瀬名仕込み)、家康よりも優位に立つことは、女性がいやいや男性に組み伏せられる悲劇を逆転させたといえる。
家康の弱点である耳をお葉が狙うという一連のアクションは、かの名作『うる星やつら』の第1話の名シーン、あたるとラムの鬼ごっこに似ていた。
ラムの角を掴むことができたら勝ちで、あたるが必死に追いかける姿が、お葉に耳を掴まれそうになり家康があたふた逃げ回ることと重なって見える。
例えに出してきた例があまりに古い。
『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』の放送は1980年から2001年。
『うる星やつら』アニメ版は1981年。
つまり、今年の大河を見て「うんうん、新しいよね、新解釈だね、SDGsだね」と語っている層は、1980年頃に青春を送っていた世代ということになります。
そこを踏まえて、もう一度問いかけます。
『どうする家康』は、若者を狙ったドラマなのでしょうか?
全く笑えないどころか、時代錯誤的だと嘆く声も紹介しましょう。
どうしたステラ
先週、7.2%という戦国大河初の一桁となった視聴率。
今週は巻き返せるかどうか。
◆【どうする家康】視聴率7.2%の「爆死」…危険水域は目前、WBCきっかけで10%割れが続く可能性も(→link)
絶望的な状況でも、毎週、提灯持ちをしてくれるポリアンナが湧いてくるのが大河ドラマです。
面白ければ褒める。
つまらなければ批判する。
レビューというのは当然そうあるべきだと思いますが、つまらない作品についてそう批評していると、私のような末端の者にまで「なぜ褒めないなんだ、馬鹿か!」といった言葉が飛んでくることがあります。
そんな中でも別格――いわば公式ポリアンナとしてNHKのステラがありますが、そこに『おやっ?』と思わせる、一風変わった記事が投下されていました。
◆家康(松本潤)の側室問題は続く!? 大河で描かれるセクシュアリティーってなんだ? 大河初心者の“見た蔵”とマニアの“同門センパイ”が第10回を大胆レビュー!(→link)
以下の部分です。
見た蔵:女性同士というのは、記録にないんでしょうか?
同 門:さて、どうだろうね。そういう女性はいただろうけど……。
ドラマでは、扱い方がセンシティブで難しいんだ。今回は、家康は同性愛について理解を示した、それくらい懐の深い人でした、というのがオチだよね。
でも、ドラマからはそれ以上のメッセージは伝わらないように感じたんだ。
第10回放送「側室をどうする!」の回について触れているのですが、公式ポリアンナすら引いているのは珍しいことですよ……。
いったい何が起きているのでしょうか?
四面楚歌
『どうする家康』を表す言葉として、四面楚歌をあげます。
先週の雑なLGBT描写により、ドツボに陥るどうしようもなさがあらわになりました。
「百合オチwww」と草を生やして喜んでいる人は、声が大きいノイジーマイノリティのようです。
むしろ反発した人も多く「こんな雑な描写は差別的だ!」と怒る人もいる。
かと思えば「LGBTなんて余計なものを入れて、意識高いフリすんじゃねえよ!」と怒る人もいる。
『ジョン・ウィック』のポスター並みに、360度敵に回しているんですね。
◆ 【どうする家康】「側室との一夜」シーンがコメディ要素満載で「大笑い」の声 一方で「雑なLGBT」に批判も(→link)
◆ 松本潤「どうする家康」はNHK大河にあらず? LGBTQ問題絡める意欲作も視聴率1ケタで“悪夢”再び(→link)
出さなくてもいい要素を雑にからめて、失敗してしまう――いったい何をやっているのでしょう。
本作は、視聴者のニーズと噛み合っていないから、徹底して叩かれる。
その一因として『平清盛』の影が見えてきます。
あのドラマはバッシングがひどかったものの、当時、流行り始めたSNSのハッシュタグをからめて「ドラマ通は理解できる作品」という位置付けを得たように思えます。
けれども、本当に必要だったのは、批判の中身を吟味して改善することだったのではないでしょうか。
本作が失敗している要素は『平清盛』と共通点が多いと思える。
つまり反省からの改善が無い。
だからなのか『平清盛』と『いだてん』のファンは、その話をしていない時でも一方的に、
「世間では酷評されたけど、私は好き!」
と語り始めることがよくあります。
作品を少し批判しただけでも露骨に機嫌が悪くなり、殺気が漂っていたほど恐ろしいこともあり、私は大河ドラマの話は他人となるべくしません。
するにせよ、事前に好きな作品を聞いて、無難な時だけ話を進めます。
大河の好み程度のことで、揉めたくない。無駄な労力は使いたくないのです。
『どうする家康』は、そんなギスギスしたファンダム形成まで踏襲しないことを祈るばかりです。
項羽作『垓下の歌』より
力抜山兮気蓋世
力は山を抜き、気は世を蓋(おお)う
私の大河愛はめっちゃ素晴らしくて、タイムラインを絶賛で埋め尽くすほどなのに
時不利兮騅不逝
時に利あらず、騅(すい)逝(ゆ)かず
ドラマ通が少ないのか、マスゴミやアンチのせいか、視聴率が低迷してる!
騅不逝兮可奈何
騅(すい)の逝(い)かざるを奈何(いか)にすべき
トレンド一位取ればヒットのはずなのに、それが通じないってどういうこと!?
虞兮虞兮奈若何
虞(ぐ)や虞(ぐ)や若(なんじ)を奈何(いかん)せん
えーん辛いよぉ、推しがヒットしないのどうすればいいのぉ〜!
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文:武者震之助(note)
【参考】
どうする家康/公式サイト













