甘露寺蜜璃(鬼滅の刃・恋柱)

『鬼滅の刃』14巻/amazonより引用

この歴史漫画が熱い!

甘露寺蜜璃のピンクと緑は今どきバッド・フェミニストの象徴|鬼滅の刃恋柱

2025/05/31

蛇でありながら純愛を捧げる――そんな伊黒小芭の思いを受け止めるのは、恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじみつり)。

6月1日は彼女の誕生日です。

むろん物語上の設定ですが、なんだか今時のヒロインのようでいて、実は大正時代らしさも併せ持ち、しかも古典的でもある。

どういうこっちゃ?

天然キャラじゃないの?

そんなツッコミを入れたくなる甘露寺を少し深堀りして考察してみましょう。

『鬼滅の刃』14巻(→amazon

 


桜餅カラーのグラデーションヘアー! 最先端だ!

同じ女性の柱である胡蝶しのぶは、髪を大正当時の流行である夜会巻きにしています。

一方で蜜璃は、特徴的なピンクと緑色。

桜餅の食べ過ぎが由来とされますが、お遊びのような苦しい理由で、別の何かがあるはず。

それは連載当時の流行です。

たとえ時代モノ作品だろうと、劇中の時系列ではなく、発表当時のファッションやメイクは取り入れられます。

1980年代の時代劇を見ると、国や時代に関わらず眉毛がかなりしっかりしていました。当時の流行です。

ジャンプ漫画である『るろうに剣心』の雪代巴も、幕末にあんな髪型の既婚武家女性はおりません。シャギーレイヤーが連載当時の流行を捉えているのです。

コミック『るろうに剣心』表紙/amazonより引用

この手のデザインにしますと、後で見返したときに古臭く映る――そんな難点があります。

が、そこは承知して、あえて時代の空気を取り入れたいからこその桜餅スタイルではないでしょうか。

蜜璃のようなグラデーションカラーは、2010年代半ばから人気があります。

中でも有名であるのは『スーサイド・スクワッド』(2016年)以降のハーレイ・クインでしょう。

登場時の1990年代には道化師衣装であった彼女ですが、現在はグラデーションカラーを分けて結ったスタイル定番です。

 


グラマラスボディは誰のもの? 誰のため?

隊服も、縫製係のゲスメガネこと前田まさおが特徴的なデザインにし、それを本人も認めているようです。

前田のセクハラはよろしくありませんが、しのぶや不死川実弥による制裁も受けていて、かつ蜜璃本人が満足しているということでギリギリセーフでしょう。

そもそも人類は巨乳をいつからありがたがっているのか?

蜜璃は“乳柱”というスラングで呼ばれてもいます。

ただ、これも考えていただきたいのですが、大正当時の人が彼女の胸を見て性的興奮をしていたかどうかは別だということです。

江戸時代までの美人画にせよ、春画にせよ。

うなじや下半身局部に気合いを入れて描いても、実は胸はそうでもない。

幕末に来日した外国人は「日本人女性、胸露出しすぎやろ!」と大興奮しており、一方で男性も褌一丁で闊歩していました。

『飛脚、日本と絵入り日本人』エメ・アンベール/wikipediaより引用

当時の写真でもぜひご覧になってください。

明治政府は、慌てて「裸体は禁止!」とお触れを出しました。

とはいえ、日本人の意識まではなかなか変わりません。

大正時代の炭鉱労働者は、女性だろうと上半身は裸。授乳もおおっぴらにしておりました。

授乳ケープ?

そんなものは不要です。

むろん女性の胸に性的魅力を感じた人もいたでしょうが、そもそも社会認識として女性の胸にそれほどの認識はなかったのです。

ただ、そこは文明開花の時代です。

西洋料理やお菓子も大好きな蜜璃。あのデコルテは、しのぶの夜会巻きのように、西洋由来の発想だったりして?

幕末に西洋見聞した日本人は、

「女房双肌脱ぎ、亭主襷がけ!」

と表現しました。

デコルテを開けた女性のドレスと、男性の礼服をそう喩えたのです。

なぜ女があんなに肩出してんの? 寒くないの? 意味がわかんねえな……そう戸惑ったわけです。

首筋から胸元の真っ白な肌は、西洋女性が見せつけたいゾーンでした。

では、バストに関してはどんなスタイルが理想だったか?

 

マリー・アントワネットを経てマリリン・モンローへ

バストの理想は?

サイズではなく、形です。美しさです。

ルイ16世の妻であるマリー・アントワネットのバストが109センチで、その形をかたどった陶器があります。お土産品としてレプリカも買えるとか。

マリー・アントワネット/wikipediaより引用

その陶器を元にしたものがクープグラスという説もあります。これは形と大きさが一致した稀有な例です。

彼女のように大きさと形が一致するケースはレアとしまして、要は

・形がよければよい

・形重視

・大きさは二の次である

というのが伝統でした。

マリー・アントワネットから時代がくだりまして、ナポレオンの妹でスタイル抜群とされたポーリーヌを見てみましょう。

ポーリーヌ・ボナパルト/wikipediaより引用

彼女の時代、胸に自信がある女性は、シースルードレスを身につけ、乳首に紅を刺して見せておりました。

そんなポーリーヌのような美意識からすれば、蜜璃は一刀両断でしょう。

「確かにデカイけどぉ、それじゃまるで牛みたいっていうかぁ……どうせなら全体の形まで見せてこそでしょ」

話が長くなりましたが、西洋だろうとバストはともかくデカイほうがいいという認識は、ハリウッドスターであるマリリン・モンローあたりの台頭から定番となった……と見なすのが有力とされます。

 

そう考えると、蜜璃の立派な体型は、時代の最先端をいきすぎていることになりますね。

上半身のみならず、下半身もご注目ください。

短いスカートにハイソックス。

脚のラインが見える制服。

前述の通り、日本人のエロスは下半身一点集中主義ですので、大正時代当時の人々が脚を見てどこまでドギマギしていたのか、そこは保留とします。

『鬼滅の刃』の下半身装備事情は、別項目でも立てたいくらいややこしいものはあります。

和装で袴なしで豪快に蹴りを入れる女性が多いものですから……日本のマナーではよろしくありません。まぁ、鬼ですからそこは仕方ありませんが。

西洋でも、脚線美が注目されるのはそこまで古い話でもない。

脚線美が求められるのは、スカートではなくパンツスタイルの男性である時代が長いことありました。

ナポレオンの配下でスウェーデン王となったベルナドットのあだ名は“美脚軍曹”。

文豪の父であるデュマ将軍も「脚がシュッとしている」と評判だったのです。

ベルナドット/wikipediaより引用

蜜璃は露出が多いため、お色気セクシー要員のようですが、基本的には健康美を象徴する存在です。

そもそも蜜璃は、大正時代の基準では美女ではありません。

牛のような乳、異常な髪の色、大食い、怪力、大女。

見合い相手の熊か猪か牛くらいとしか結婚できないという評価は的確なのです。

それでもよいではありませんか。現代からすれば蜜璃はかわいらしい!

けれど、そこだけではありません。

彼女の本当に美しいものとは、実は心。そのことは後述します。

 


だって彼女は“バッド・フェミニスト”だから

『鬼滅の刃』に関する記事で、蜜璃や善逸のことを記すと、こんな煽りを浴びせられるかもしれません。

「フェミのみなさ〜んw セクハラする善逸が人気で、乳柱・甘露寺蜜璃がいる『鬼滅の刃』が流行してますよ〜www 涙目ww 息してるぅ?www」

彼女はフェミニズム論争で真っ先に槍玉にあがりそうな人物とでも言いましょうか。

善逸や一夫多妻の宇随天元については以下の記事にて考察済みですので、ここは甘露寺蜜璃に絞って進めたいと思います。

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『鬼滅の刃』には、大正時代らしい当時の最先端を歩んでいたフェミニストが存在しています。

津田梅子型の胡蝶しのぶです。

女医である珠世もその枠に入れてもよいでしょう。

甘露寺蜜璃の場合、そのファッション同様、2010年代以降のフェミニストと解釈できる言動があります。

「フェミニストって、ピンクとか、恋愛とか、イケメンとか、化粧とか、スカートとか、結婚願望とか、子どもが欲しい気持ちとか、そういう欲求を捨てなくちゃいけないものなの?」

こういう理屈でいくと『鬼滅の刃』もダメな作品になってしまうのか……?

フェミニズムが広まるにつれ、あるべき像が狭まり、その窮屈さに耐えられない――そんな困惑の声も出てきます。

確かに胡蝶しのぶや珠世のような女性だけが正しいとされたら、たまらない人は絶対に出てくるはず。

セクハラをした前田まさおの制服を焼き捨て、勉強に勉強をして賢くいなければならなくて……それはそれで、ものすごく厳しい世界ではありませんか!

でも、私はワルいフェミニスト。甘いものとふわふわしたもの、恋愛が大好き。でも女性が尊重される世の中が理想だし、そういう落ちこぼれとして生きていきます。

それでいいんじゃない?

そういう問題提起だってできる、それが2010年代以降の世界です。

2014年にロクサーヌ・ゲイが『バッド・フェミニスト』を発表すると、フェミニズムはより意義深いものとなりました。

そっか、フェミニストでもセクシーな服を着てもいいし、オシャレしてもいいし、恋焦がれてもいいんだ!

別に修行僧の戒律じゃないんだからさ。

それに見た目より中身を見てこそフェミニストなんじゃない?

あっけらかんとそう言える、そんな時代が到来したのです。

ですから、蜜璃は「フェミニズムとしてどうなの?」と問いかけられたらこんな答えで良いでしょう。

「バッド・フェミニスト路線です。2010年代以降の流れですね」

もうひとつ【ギルティ・プレジャー(罪悪感のある喜び)】という概念もあります。

体に悪いとわかっていても、お菓子を食べてしまう気持ちのこと。作品に問題があると理解したうえで、それでも好きだと苦笑しつつ楽しむ状態です。

ゼロか100か、白か黒か、厳密に意見表明をしなければならない暗黙の了解はいりません。

ファンなら何があろうと肯定しろ、批判は許さない!そういう空気を読めない奴は叩け!

そういう不健全な流れですね。

それもそろそろ終わりにしましょう。

ここはちょっとまずいけど、楽しいと思う気持ちは自由です。

フェミニストだからこれはダメと言い続けろ!そんな規定は実の所おかしなものです。

蜜璃関連はむしろ考え抜かれております。

それに、蜜璃の細かいところを見ていくと、ジェンダー描写での地雷を避けている巧みさがあります。

・鬼殺隊女性のセクハラ服は、しのぶのように断固拒否することができると示されている

・蜜璃はモジモジしているようで、あっけらかんとセクシーな時には拒絶や羞恥、嫌悪感を見せていない

・蜜璃の現代人から見ればセクシーなポイントは、大正当時からすればむしろマイナスであると示されている。男の目や社会の目を意識して露出しているわけでもない

・しのぶと実弥が、セクハラ隊士・前田を制裁している。善逸も叱られている。セクハラは不愉快で悪だという価値観がある

・殿方探しが目的のようで、蜜璃は社会に役立つ正義に目覚めている

・典型的フェミニストであるしのぶと対立していない、むしろ仲は良好

・怪力かつ意思強固である。腕力で屈服させられ、搾取される危険性がない。これは美少年である伊之助も同様

考えに考え抜かれて、ジェンダーでも転ばないようにしている。

最先端をむしろ追いかけている。

それが蜜璃なのです。

 

戦う姫君

むしろ蜜璃には、ジェンダー最先端の要素も見られます。

彼女は鬼殺隊でも、際立った上流階級出身と思われる部分もある。

◆胸を出し、羞恥心が薄い

なんでお姫様が胸をむき出しにするんだよ、おかしいじゃないか!

そういうツッコミはわかります。

ただ、お姫様ゆえにかえって羞恥心が薄いということもあります。

貴人というのは、ある意味不自由なもの。

健康管理のために排泄物を確認されるとか。トイレや入浴にまで使用人がついてくるとか。そういうことはありました。

では、どうすればいいのか?

羞恥心をなくし、見られてもどうでもいい、おっとりとすればいい。そういう対処法があります。

蜜璃のセクシーな場面はサービスのようで、むしろあっけらかんとした育ちの良さがある。そんな要素ですね。

◆恋を求める

添い遂げる殿方を求めるロマンチックな気質。

恋愛感情を歌に詠み、憧れてきたお姫様気質だと考えれば納得できるものではあります。

◆甘露寺という家

甘露寺家(かんろじけ)は実在します。

しかも藤原北家高藤流(勧修寺流)の堂上家であり、大正時代は華族でした。

薩長土肥出身の華族ではなく、堂々たる公家の家系です。

公家といえば武勇と無縁のように思えますが、明治維新以降は変化します。

西洋からノブレス・オブリージュが伝わり、皇族や公家も西洋の君主のように戦場に立ち、社会をよくすべきであるという考えが生まれたのです。

公家の出身なのに、鬼殺隊に入るってどういうこと?

そう思うかもしれませんが、当時の華族ならばありえた意識です。蜜璃の場合、女性という点が特殊ではありますが。

蜜璃は、維新の際に西軍が歌っていた「トコトンヤレ節」を口ずさんでもいます。

戦闘的な人物も多い公家の流れを汲む出身ならば、自然です。

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蜜璃に似ている境遇の人物として『ゲーム・オブ・スローンズ』に出てくるタースのブライエニーをあげましょう。

彼女は貴族の生まれながら、あまりに大柄で不器量。誰もあんな女は妻にしないと言われ続け、女でありながら騎士をめざします。

その性格は素直で善良、ロマンチックな恋に憧れているのです。

彼女は武勇のみならず、その美しく素直な心根で戦い続けます。

【フェミニズム批評】観点からも高評価のキャラクターでした。

実は『鬼滅の刃』は、連絡にカラスを使うところなどからして『ゲーム・オブ・スローンズ』に通じる要素もあります。

インプットを欠かさないワニ先生が、2010年代を代表する作品を意識していたとして、まったく不思議はないでしょう。

 

気は優しくて力持ち

そんな蜜璃ですが、ジェンダー観点からいうと男性的な要素も強いキャラクターです。

えっ、あんな乙女チックな恋柱に男らしさが?

ええ、ありますとも。彼女は日本男児の理想であり、純粋な心で相手を射止める要素があります。

「気は優しくて力持ち」

かつて、こんな概念がありました。

炭治郎たちが生きた明治から大正にかけて、国は桃太郎伝説を推奨します。

鬼退治をする桃太郎の姿は、軍国主義と結びつくものであり確かに危険ではありますが、それはさておき仲間と協力する桃太郎の姿には、日本男児の理想像が込められてもいました。

1900年(明治33年)に作られた桃太郎の童謡歌詞にも、この「気は優しくて力持ち」というフレーズが出てきます。

シャープな頭脳よりも、コミュ力よりも、まずは気持ちの優しさ。そして力持ちであること。それが理想像でした。

理想の人物像は、時代とともに変化します。

壁ドン、顎クイ、肩ズン……そういう少女漫画や乙女ゲーにありそうなシチュエーションに、大正時代のしのぶや蜜璃がキュンキュンしたかというと、【無礼】だとしてむしろ喜ばれないと思います。

無口だとか。素朴だとか。そっと見守っているとか。礼儀正しいとか。律儀であるとか。誠実で一生懸命であるとか。

『鬼滅の刃』の男性には、かつての理想像を持つ人物像が多い。

そんな中で、蜜璃は「気は優しくて力持ち」という美徳を持っています。

蜜璃は優しくて、仲間の美点を探します。

おそろしく空気が読めない冨岡義勇にだって、こうなる。

「冨岡さん♡ 離れた所にひとりぼっち! 可愛い♡」

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恋柱だし、なんでもときめいちゃう子なのかな?

……そう思えれば楽ですし、パッと見は恋愛主義のゆるふわ設定である。それが実は怪力で、意思強固であることが見えてくる。

彼女の日輪刀と戦闘術のように、剛と柔、両方の美点があるのだとわかってきます。

この美徳を持つ人物といえば、岩柱・悲鳴嶼行冥もそうでしょう。彼についてはまた後日考えましょう。

 

蜜璃に添い遂げる殿方は

そんな蜜璃は、柱の中でも第一印象が悪く得体が知れない――そんな伊黒小芭内に対してもこう出ます。

「伊黒さん♡ 相変わらずネチネチして蛇みたい! しつこくて素敵♡」

小芭内の純粋さを知った後ですと、否定したくなるでしょうが、彼の外見や印象はとても悪い。

・口元を隠している。表情が見えにくく、不気味さを感じさせる

・オッドアイ。これも必ずしもプラスとは言えない……ましてや大正時代では

・蛇を巻いてるぞ! ひー!

それでも純粋な蜜璃は、彼に対して偏見無く接します。

初対面から、家族や猫のことを話しかけてきました。

そして小芭内は彼女の素直さ、純粋さに好意を抱きます。

そもそも小芭内は家庭環境が原因で女性が苦手。しのぶのように、壮絶な覚悟を秘めて鬼殺隊に入る女性も近寄り難いものがありました。

彼は鬼から利益を受けて生きてきた一族の出身ですから負い目もあったのでしょう。

それが蜜璃は違う。

眩しくて、純粋な心根が、女性嫌いで恋愛すらできそうにない相手を変えました。

小芭内のみならず、蜜璃にとってもこれぞ運命だったのでしょう。

彼女の血筋、実家の財産、豊かなバスト、ガードが緩いところ……そういったスペックだけを見て選んでくるような相手では、添い遂げることはできません。

スペック重視で選ぶタイプは、もっと上位の存在を見つけたら乗り換える可能性も否めない。

※【トロフィーワイフ】という概念があります

その点、小芭内は蜜璃にしかない純粋さと明るさを見出したのだから、彼女が添い遂げる相手は彼に決まっているのです。

詳細は小芭内の考察にありますが、

伊黒小芭内(鬼滅の刃・蛇柱)
伊黒小芭内による「蛇の純愛」が物語に深みを与えていた|鬼滅の刃蛇柱

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蜜璃と小芭内の純愛は、蛇伝説の性別逆転版めいた趣があります。

邪悪だとみなされかねない蛇が、純愛によって救われる。そんな古典的な題材を、新しくに作り上げたような、そんな二人なのです。

ゆるふわ萌えヒロインのようで、実に奥深く斬新。

これからを生きる人々の目標やロールモデルとしてふさわしい、そんなキャラクターが甘露寺蜜璃です。

大正時代の規範をまとい、賢く、いかにも意思が強く、ハキハキとした胡蝶しのぶは、わかりやすいフェミニスト像に直結します。

では、しのぶじゃないとダメなの?

そう挫けそうになったら、蜜璃を示せばよいのです。

好きだから敢えて髪を染めたり、短いスカートや露出の高い格好をしていて「なにそれ、男誘ってんの?」と言われたら?

自分の意思で、好きだからそうしている、蜜璃と同じだと答えればいい。

胸やかわいい見た目ばかりを見て、褒めて、おだてて、何か近づいてくる誰かには、心を見て欲しいと思えばいいのです。

蜜璃みたいな女の子が理想の交際相手だと思ったら?

どうしてそうなのか、大きな胸のせいなのか、かわいい顔のせいなのか、それともその心根なのか?

そう問いかけてこそ、小芭内への道も近づくのでしょう。

蜜璃は押し付けがましくもない。むしろゆるく思える。

けれども噛みしめるほど、魅力とその意義がわかるキャラクターです。

蜜璃のような人が増えれば、世の中はもっと明るくなるのでしょう。


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【参考】
『鬼滅の刃』14巻(→amazon
『鬼滅の刃』アニメ(→amazonプライム・ビデオ

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小檜山青

東洋史専攻。歴史系のドラマ、映画は昔から好きで鑑賞本数が多い方と自認。最近は華流ドラマが気になっており、武侠ものが特に好き。 コーエーテクモゲース『信長の野望 大志』カレンダー、『三国志14』アートブック、2024年度版『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『覆流年』紹介記事執筆等。

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