こんばんは。
連休をエンジョイされておりますか?
まだ序盤の楽しいときに申し訳ありませんが、西郷どんレビューは今週も酷評になりました。
それにしても本作って不思議だなぁと思うことがあります。
重要人物が顔を見せないことがある点です。
前々回は、島津斉彬の建白書が重要な役割を果たすのですが、顔すら映らない。
前回は、一橋派の敗北確定の回です。
一橋派に担がれていて、しかも将軍になる決意を固めた慶喜が動揺する場面があってよさそうなものなのに、ありませんでした。
少しでも連続性を持って人物を出していればよさそうなものを、入れ替わり立ち替わりいろんな人が出てくるので、思い入れが湧きづらい。
主役の西郷ですら、斉彬や篤姫を必要以上に目立たせているせいもあってか、イマイチ思い入れが育ちません。
これが、マイナスなんですよね……。
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大雨に打たれながらショックで動けない
京都にいる西郷隆盛。
島津斉彬が上京するということで宴席は大いに盛り上がっております。
その最中、国元から手紙が届きます。
月照が届けて来ました。
この場面、なんだか既視感があるなぁと思ったら、篤姫が父親の死を手紙で知った場面に似ていませんか?
と、それより気になった演出が、
【わっぜ劇的な場面用BGM】
を背景に、大雨の中でショックを受ける吉之助です。
ショックを表すのに大雨を使うって、さすがに時代がかった演出のような気が……。
うるさいほどに音楽が鳴り続ける中、今こそ兵をあげるべきだと言い出す西郷どん。
次期藩主の意見も聞かずにそんなことをするのは、一種のクーデターだと思いますが。
どうやら斉彬は、閲兵でハッスルし過ぎて命を縮めたようです。
やる気をアピールしたいのかもしれません。
しかし、そこまで無謀なまでに働きすぎて、結果、亡くなるって、大藩の藩主としては無責任すぎる気もします。
西郷の郷中仲間の一人がそういう若気の至りを起こすならまだわかりますけど。
橋本左内は、毒殺を疑っています。
医者だけに、というところでしょうか。
やたらと毒殺を疑うと話がややこしくなる、と斉彬が西郷どんをたしなめたこともあったんですけどね。
まぁ、暗殺説が囁かれたりもしますので、それをフォローしたのかもしれません。
問題は孝明天皇から水戸藩に出された「戊午の密勅」について……。
「戊午の密勅」は吉之助と月照の工作で?
本作は、西郷どんと月照の工作で「戊午の密勅」が出たことにする模様です。
あーあー。
なんでそういう雑なことにしますかね。
水戸・徳川斉昭の暴走気味の工作ということにしておけばいいのに。
「戊午の密勅」は、水戸藩にとっては呪いのようなものでして。
藩を真っ二つにして、血の海に沈めたような、極めて危険なシロモノです。
そういうものを西郷どんに出させたことにしてしまうって、それでよいのでしょうか?
せっかくここまで好青年アピールしてきたのに激しく恨まれまっせ。
大方の予想で、この先、西郷どんと「薩摩御用盗」の関係は、本作では触れないと思われています。
薩摩御用盗とは、江戸でのテロです。
幕府と戦争したい西郷は、強盗、放火、殺人などの犯罪行為を江戸の町で働かせました。煽ったんですね。
いわば暴力団の抗争事件で鉄砲玉を繰り出すかのような手口ですから、「心優しい」西郷どんのイメージとは真逆。
それだけにスルーすると思われておりました。
しかし、これまでのドラマを見ている限り、本作は物事を深く考えず【西郷どんのナイスアイデア】として薩摩御用盗を出してしまうかもしれません。
もし、そうなったら本当に凄い。
孝明天皇は、そこまで将軍継嗣問題には関心がないんですよ。
「戊午の密勅」を無視して「安政の大獄」を描くのは良いことではありませんが、本作のようにハンパに出すのもよろしくない。
多くの誤解が生まれてしまいそうです。
井伊相手にオラつくばかりの慶喜
と、思ったら、あぁ、また【井】の字がorz
なんでしょう。
見ているコチラが恥ずかしくなるような演出。昨年のイメージまで壊しちゃってる気がします。
ここでメンチきる慶喜。
「勅許なしで条約とかなめてんのかテメー」
えぇ〜、今更かーい!
そうやってオラつくために乗り込んできたの?
「チェスト竹書房ォーイ!」と叫ぶ『ポプピピテック』じゃないんだからさ。
まるでヤンキー漫画みたいな慶喜。
私が井伊なら、
『このイキリバカボンを将軍にしなかった俺って人を見る目あるなぁ』
と自信満々になりますね。
「俺が睨み効かせてるの忘れんなゴラァ!」
と、完全にチンピラまがいの脅し文句を吐き捨て、立ち去る慶喜。
結局、何がしたいのでしょう。
本当に不明です。
実際、井伊のフザけた対応に何も突っ込めずで、これでは喧嘩に負けたチンピラが、
「今日はこのへんにしといたるわ」
と捨て台詞を吐いて立ち去るみたいです。
「弁当くらい持ってきてないのぉ?」
ここで、密勅について連絡するため、京都から江戸に向かう西郷どんの移動場面が入ります。
今回は、雨の中を走るよ〜。
って、飛脚か早馬でも使った方が良くないですか?
ローディングが遅くて、移動ムービーをいちいち挟む――調整不足のまま発売しちゃったRPGみたい。
そのころ徳川斉昭と松平春嶽は、一足先の押しかけ登城が描かれます。
「安政の大獄」前です。
さぞかし緊迫感を伴うヤリトリが行われるのでしょう。
一体、何を言い合うのか。
心して待ち構えていたら、素っ頓狂なアホ会話で腰が抜けそうになりました。
「朝早くからきているのに、ご飯すら出ないとかどーゆーこと?」
「弁当くらい持ってきてないのぉ?」
ズコーッ! 怒っているのがそこなんかい!
ほんと助けてくださいorz
本作の緊張感さんが行方不明です!
お芳とイチャついてる場合じゃないだろ
一方、慶喜はまた品川の磯田屋にいます。
女をはべらせてやる気のない慶喜にまた西郷どんが懇願するんですけど、前々回でこういうの終わりにしませんでしたっけ?
ドラマ全体の話が中々進まないのに、無駄に時間使ってどうするのか。
お芳が待ってるとか、慶喜が迎えに来るとか、正直、どうでもいいわけで……。
慶喜も、よく目をつけられている中、こんなアホなことをヘラヘラしているもんだと思います。ここから先三年間は謹慎ということで、ホッとしました。
そんな中でも、あまりに恥ずかしすぎて耐えられなかったのがこのセリフ。
「俺についてきたらお前は地獄行きだぜ」
何気に凄いセリフですよね。
とにかくもうダサさの極みだと思います……。
よくまぁ、こんな薄っぺらいセリフを書いて、完成原稿として誰かに提出して、これを読んだ人もOKを出せたなぁ。
商業誌ベースの作品だったら、赤字の入る陳腐な表現方法かと思います。
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