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戦国昔話『三成のかき』死の直前に差し出され【戦国浮世絵ANARCHY 8】

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「柿は痰の毒であるから要らぬ」

せっかく豊臣のことを思って頑張ったのに、可哀相な三成さん。

でも、本人は凹んではおりません。

バーカ、バーカ、三成、バーカと言われながら街中を引き回しにされても、喉は乾きます。

「水を一杯くれないか」

三成が一杯の水を所望すると、護衛の兵士は干し柿を差し出しました。

「これでも食え」

そんなパッサパサな食べ物を出されても余計に喉が渇くわ!

いや、唾液が出るから、喉は潤うだろう!

そんな会話はたぶん無かったとは思います。なぜなら三成さんは、さらに斜め上の答えを返してきたからです。

「柿は痰の毒であるから要らぬ」

思わず護衛の兵士は笑いました。

「ははっ。これから死ぬのに状況わかってんの? てか、痰の毒って何?」

これから処刑されるのに「毒」という言葉を出して、体の健康を心配している姿がおかしく見えたのでしょう。

三成さんは続けます。

「豊臣再興という大義を抱く私は、最後まで自分の命を大切にせねばならない。お前ら小者にはわからないだろうがな」

思わず殴りたくなってしまうような言い草です。

でも同時に、三成さんがどれだけ豊臣家を思っていたかもわかります。

仲間から嫌われてしまったのも、ちょっとわかってしまうかも……。

この後、三成さんは処刑されました。

おしまい。

 

大志を持つ者は最後まで諦めない

ということで石田三成さんの最後を描いた昔話風『三成のかき』(作:五十嵐利休)。

本題は、鞘ェもん氏に描いていただいた、こちらのイラストです!

市中引き回しの上に斬首されたという石田三成。

現代に置き換えれば、電気椅子で処刑されるようなものでしょう。

窓の外で徳川方の旗が

『厭離穢土 欣求浄土』
※おんりえど ごんぐじょうど

『厭離穢土 欣求浄土』
『厭離穢土 欣求浄土』

と、やたらとうるさいのが気になりますが、家康としても勝てたことがよほど嬉しかったのでしょう。

関ヶ原の戦いは一瞬で勝負がついてしまったために、東軍の楽勝だったと思われがちですが、実際は戦力が均衡しているからこそ合戦になるわけで、もしも関ヶ原以前から徳川が圧倒的存在だったら調略だけでも政権は取れていたはず。

そう考えると、三成の「まだわからない。大志を持つ者は最後まで諦めない」というスタンスは、あながち的外れでもないような気はします。

柿の話は後世の作り話である可能性は高いですが、そもそもなぜ三成は「痰の毒」として嫌ったのか?

柿自体に毒性はないですよね。

と、この解釈を考えると少し長くなりますので、以下の記事を御覧ください。

歴女医・馬渕まり先生が考察してくれています。

三成は「腹痛=三成腹(過敏性腸症候群)」だから関ヶ原の戦いで負けた?

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絵・鞘ェもん(ツイッターサイト
文・五十嵐利休

【参考】
国史大辞典

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