どうする家康感想あらすじレビュー

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第34回「豊臣の花嫁」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第34回「豊臣の花嫁」
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どうする武衛!

武衛=『鎌倉殿の13人』のファンのみなさん、お元気ですか?

朝ドラ『らんまん』は、武衛好みの俳優を揃えています。

例えば実衣役の宮澤エマさんが活躍中ですし、ラスト一ヶ月では畠山重忠を演じた中川大志さん、江間次郎を演じた芹沢興人さんが出演します。

鎌倉もとい、いざ、らんまん! 是非ともご覧ください。

◆「らんまん」中川大志 4年ぶり朝ドラ出演!神木隆之介と共演「断る理由ありません」図鑑発行のキーマン(→link

 


「ネット」+「なんとか」は終わった

視聴率ではワースト2位の惨敗に終わることが有力で、もはや敗戦処理感のある本作。

となると定番の「ゴマカシ」が跳梁跋扈します。

「ネットでは」という言葉であり、いかにも「わかる人にはわかるんだ」とでも言いたげな主張ですね。

例えば以下の記事がそうでしょう。

◆ 大河ドラマ『どうする家康』が若者世代を繋ぎ止める?ドラマ評論家・木俣冬が教えるNHKの仕掛け「二次創作化の世界に入ってきている」(→link

◆佐藤浩市「どうする家康」に圧巻の初登場 真田昌幸の“ニンマリ”クセモノ感にネット沸く(→link

しかし、です。こうしたX(旧Twitter)を頼りに、ネットの声と観測するやり方もいつかは終わりが来るでしょう……というか、すでに終わりつつあるという指摘の記事も見られます。

◆「Twitterは距離感バグったおじさんだらけ」Z世代はインスタで社会問題を発信(→link

若者世代の声を「Xなんかで拾うなよw」ということですね。

記事の骨格やタイトルにする土台がすでに崩れている。

ハッシュタグを底視聴率の逃げ道にしていた『平清盛』や『いだてん』の時代とはもう違います。

距離感のバグもわかる気はします。

大河ドラマについてハッシュタグをつけて盛り上がるというよりも、中高年以上が別の用途で使っている人もいると思いますね。

別の用途とは何かというと……ちょっと分析してみましょう。

 


どうするミソジニー

こちらの記事を読んでいて、色々と腑に落ちました。

◆ジャニーズ擁護を頑張る人々:ロマン優光連載255(→link

タレントに何かあったときに陰謀論を持ち込んでくるようなファン以外の人というのは、ビジネスに誘導するためとか、自分という人間の正しさを世間に証明する機会をうかがっているとか、世界の本当の形を知りたいとか、自分のためにやっているだけなので、対象になっているタレントのことなど本当はどうでもいいわけだ。擁護してくれる、事態を否定するような答えをくれるかのように感じて、その発言を支持したところで、それが陰謀論にすぎないものであれば世間が受け入れることもないし、かえってタレントのイメージが損なわれる事態になりかねない。そうなっても、陰謀論を持ち込んできた人間が責任をとってくれるわけではない。推しのためによかれと思ってやった活動で、自分の推しのイメージを損ない、足を引っ張っても意味がない。

『どうする家康』はジャニーズ主演ドラマです。

応援しているアカウントは紫色のハートマークを使うことも多い。主演のファンを示すものだと言います。

そしてファンであるからには、作品を褒めるのは自然なことかもしれません。

私はむしろ「こんないい役者にダメな台本を渡すな!」とイライラするタイプですが、そうでない人の方が多いでしょう。「動く推しが見られればいいんだよ」という心理ですね。

問題は、そういうファン層に迎合しつつ、歴史知識を披露して、主演をやたらと褒めそやし、批判者を叩いてスッキリしている層かもしれません。

上記のロマン優光氏の記事にも出てくるように、特定の嫌いな層を殴るために、コンテンツを棍棒にする姿勢が『どうする家康』ファンダムにも漂っている。批判者に対し、「でも歴史の新説は入ってるしwこんな知識もないのかw」と嘲笑うことに利用する動きが見えるのです。

主演のファンは「そうか、歴史的にも正しい!」とはしゃぐ。

歴史知識自慢したい層は「ナウなヤングたちにもこのドラマはバカウケしている! 理解できないのは頭の固い連中だ!」となる。

もう大河ドラマも、ジャニーズも、どうでもいい。気に食わない奴を殴るために武装する棍棒としてドラマを使う、と。

そういうギスギスした空気のせいで、視聴率がさらに低減しようとお構いなしなのでしょう。

たとえば今回の感想で、私は給湯室のOLじみた描写は差別的だから不愉快だということを書きました。

それを読んで一定数、こう思う人がいることも予想できます。

「フェミニストみたいなこと言いやがってw」

それはそうです。私は北村紗衣氏の著書でフェミニズム批評を学んでいるところでもありますので、全くもってその通りとしか言いようがない。

ただ、それが気に入らぬ人は一定数いて、そういう方たちがどんな行動に出るか?というと、たとえば私が評価している『麒麟がくる』を貶めようとします。

「こいつは寧々だの愛をケチつけているけど、駒ちゃんが義昭と喋っていたのは無視かよw タブスタかよw」という具合ですね。

こういうことを書き込んでしまう方は、ある傾向があります。女性差別、ミソジニーです。

駒は、明国由来の医学知識を身につけた将軍の侍医です。義昭と二人きりの場面はあくまで私的な場であり、他の男性が混ざっている公式の場ではありません。

それに侍医ということが重要。東洋の「上医」は天下を診るとされた。

病人の絶対数を減らすには、社会基盤を頑丈にすることが効果的です。

医者ならばインフラ整備や貧困層の実態を実地で学んでいる。その観点からアドバイスができると考えられていたのです。

将軍が侍医に、世の中をより良くするにはどうすればよいのか尋ねても、全く問題はありません。

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それなのに駒を「ちゃん」付けで呼び、侍医という職業を無視するとはどういうことか?

人間を中身ではなく性別でみる、そんな偏見に凝り固まっていると自白したに等しいのです。

しかも成熟した女性である駒に「ちゃん」付けですか。

斎藤道三の娘で、織田信長の妻である帰蝶には「様」付けですかね。女は劣る存在でも、持ち主である男には迎合して丁寧に扱う。要するに社長の娘や妻にはヘコヘコすると。

これも昭和平成レトロおじさんあるあるなんです。

ベテラン女性社員で、自分なんかよりずっと経験があって賢い女性であっても、「女の子」だの「ちゃん」付けで呼んで下に見ようとする。すれ違いざまにお尻を撫でる。

そのくせ、社長の親族女性相手には絶対にそんなことはしない。

そういうレトロなミソジニーに骨の髄まで浸かった人というのは、自己の主張を正当化するものに飢えています。

ミソジニーに合致するものを見ると、たとえくだらないものでもむしゃぶりつきます。

『どうする家康』って、そういうミソジニーには迎合するんですよね。そういう層に媚びてもこの先道はないでしょうに。

 

どうする歴史の解釈

『どうする家康』は、ダメな歴史学あるある現象も起こしているので気をつけた方が良いと思います。

たとえば「森蘭丸」を「森乱」と表記した。

その一点突破でもって新説採用だとはしゃぎ、ドラマがおかしいと批判する層に対してマウント取ったりする。

しかし、森蘭丸についてはもっと深く考える必要性があるのでは?

「ラン」という音になぜ「蘭」があてられるのか?

花のような美少年であって欲しいという願望ゆえじゃないか。そういう歴史と伝承、文学を読み解くのも大事な要素のはずです。

森蘭丸(森乱)は美少年で信長の色小姓とされがち 実際は5万石の大名だった

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一次史料ばかり収集して、読みこなしても、それだけでは足りない。

関連する研究文献をきちんと読み込んでいなければ、研究者ですら思い違いを免れない。

小野寺拓也氏・田野大輔氏『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』にもそう書かれていて、『どうする家康』のことを思い出したものです。

歴史を学ぶというのは、まさにそういうことだと思います。新説はアリバイやマウントの道具ではありません。

 


李下に冠を正さず

瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず。陸機『君子行』

瓜畑では靴が脱げても履き直さない、季の木下では冠を直さない。世間の人から怪しまれるようなことをするなってコト。誰が見ているかわからないんだから、誰かのスカートの下あたりで敢えてスマホを構えたり、しょうもないことに「いいね!」をしたりするもんじゃないぞ。

「ちがうっすよ、たまたま靴が瓜の畑で脱げちゃってえ〜」

「スモモの木の下で、たまたま冠がズレただけです!」

そんな言い分通るかよ、という知恵ですね。

猜疑心旺盛な目で大河ドラマとその周りを見たくなかったけれども、こんな異常な事件があると、どうしたって疑いの目で見てしまいます。

◆海外記者が見た「日本のジャニーズ報道の異常さ」(→link

日本のテレビ局の幹部らは、今すぐ自分の名刺にこう刷るべきだろう。「弱きを挫き、強きを助ける」。

これは、いたずらに持ち上げるドラマ評についても同じことが言えるでしょう。

◆松潤主演NHK『どうする家康』は「シン・大河」になる? 大ヒット大河ドラマ“勝利の方程式”とは | 2023年の論点(→link

『どうする家康』のヒットは間違いなし――これが2023年1月の空気でした。

『どうする家康』が期待できる理由

『どうする家康』は「ユーモア」のある脚本を書ける古沢良太による「戦国」ものに「スター」(ジャニーズの松本潤)を配し、人気要素をもれなく押さえてある。

私は不思議でなりませんでした。

なぜ、ジャニーズがこうも勝利の要素として大々的に、特別視されるのか? ジャニーズに忖度して褒めたらよいのだろうか? なぜ?

本作については放送前から失敗すると思い、以下のような予想記事を記しましたが、

2023年大河ドラマ直前予想『どうする家康』はどうなる?消せない懸念

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当時は同意する人は少なかったと思います。

その答えがこんな形でめぐるとは。

◆「民放より罪が重い」ジャニーズ問題にNHK声明発表もやまぬ追及 “蜜月”指摘のなか注目は『紅白』の行方(→link

◆セブン‐イレブン「クリスマス商戦の顔」キンプリ→SEVENTEENに 代理店が明かす「K-POPの“ジャニーズ食い”が始まった!」(→link

◆なにわ男子『24時間テレビ』視聴率ワーストで「来年はジャニーズと決別」にリアル感!Aぇ! group&美少年担当地区も“大惨敗”!!(→link

ジャニーズだから大成功する!

もしもそんな風に言っていたら、スモモの木の下でニヤニヤしながら冠を直すようなことになってましたね。

勝利どころかジャニーズはもはや呪いとなった。

将来的にお蔵入りしそうなドラマならば、作る側の気が削がれても仕方ないことかもしれません。

 

雨垂れ石を穿つ

スモモの木の下で冠を直すどころじゃない。もぎとった実を食べて口から汁を垂らしながら、

「いやあ、ものを盗むのはよくないですよね」

こう語っているのが今のNHKです。

◆ジャニーズ性加害問題でテレビ各局コメント 特別チームの提言受けて(→link

◆NHK

ジャニーズ事務所の「外部専門家による再発防止特別チーム」が調査報告書で、ジャニー喜多川氏による性加害について「マスメディアが正面から取りあげてこなかった」などと指摘していることを重く受け止めています。

NHKは、職員の行動指針として「人権、人格を尊重する放送を行うこと」を定めており、性暴力について、「決して許されるものではない」という毅然(きぜん)とした態度でこれまで臨んできたところであり、今後もその姿勢にいささかの変更もありません。

ジャニーズ事務所に対しては、被害者救済と再発防止に取り組むよう要望するとともに、その実施状況を確認しながら、人権尊重の観点から、適切に対応していきたいと考えています。

おまえら、いけしゃあしゃあといいかげんにしろ!

そうお怒りであれば、意見は「◆NHK みなさまの声(→link)」に送りましょう。

『漢書枚乗伝』にあるように、雨垂れ石を穿つ、と申します。

◆NHK みなさまの声(→link

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文:武者震之助note

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【参考】
どうする家康/公式サイト

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