SAMURAI ART

忠勝の蜻蛉切り 本当に真っ二つにしてみたら 戦国浮世絵ANARCHY22

徳川四天王の一人であり、東の戦国無双として恐れられる戦国武将・本多忠勝。

その愛槍の名をご存知でしょうか?

蜻蛉切り――槍の穂先にトンボが止まったところ、あまりに鋭い切れ味のため、真っ二つに斬られてしまった――と、そんな逸話を持つ槍なんですが。

「はいはい、戦国武勇伝はすごいすごいw」と小馬鹿にされるでしょうか。

確かに“赤とんぼ”であれば、とても槍の穂先で切られるほどのサイズ感ではないでしょう。

では、一定の大きさのトンボなら?

と、そこまで考え頭に浮かんでくる昆虫がいます。

オニヤンマです。

 

討ち取った首には笹の葉を

オニヤンマとは、日本最大級のトンボで、サイズは9~11cm。

単にサイズが大きいだけでなく、あの極悪スズメバチを空中で捕獲すると、その後、バリバリと食べてしまうというボリュームのある昆虫です。

よろしければYouTube動画でご確認ください。

 

オニヤンマは他にもアブやハエ、蛾などを捕獲。

別種類のトンボの中には稲作の害虫をバリバリと食してしまうタイプもいて、日本人にとっては古くから益虫として愛されてきました。

なんつったって、蚊(か)までやっつけてくれるんですから最高ですよね。

 


真っ二つに綺麗に切れて

そこで再び「蜻蛉切り」に注目。

スズメバチすらバリバリ喰ってしまうオニヤンマでしたら、槍の穂先に当たって切れてしまう――そんな馬鹿なことが起きてちゃっちゃもOKだと思いません?

そんな場面、見てみたくない?

つーことで、現代SAMURAIアートの絵師・鞘ェもんに描いていただきました。

蜻蛉切りと本多忠勝が共に登場! ジャジャジャジャ~ン!

お見事、真っ二つに綺麗に切れてますね。

これで「蜻蛉切り」という名前の現実度にモヤモヤしていた方の気分は晴れたのではないでしょうか?

イラストから受け取れる情報からすると、忠勝は戦場付近の民家で一休みってところかな。

数珠代わりの弾薬がなんともカッコよくて……。

夕暮れ時に、ちょっとセンチになっている忠勝の可能性も感じますね。

『またつまらぬものを切ってしまった』とかなんとか思っていたりして。

あわせて読みたい関連記事

本多忠勝
本多忠勝の生涯|家康を天下人にした“戦国最強武将”注目エピソード5選とは?

続きを見る

トンボの歴史
スズメバチをも喰らう秋津虫の強さ~トンボが日本人にとって特別な理由とは

続きを見る

絵・鞘ェもん(ツイッターサイト
文・五十嵐利休


戦国浮世絵バックナンバー

TOPページへ


 

リンクフリー 本サイトはリンク報告不要で大歓迎です。
記事やイラストの無断転載は固くお断りいたします。
引用・転載をご希望の際は お問い合わせ よりご一報ください。
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

BUSHOO!JAPAN(五十嵐利休)

武将ジャパン編集長・管理人。 1998年に大学卒業後、都内出版社に入社し、書籍・雑誌編集者として20年以上活動。歴史関連書籍からビジネス書まで幅広いジャンルの編集経験を持つ。 2013年、新聞記者の友人とともに歴史系ウェブメディア「武将ジャパン」を立ち上げ、以来、累計4,000本以上の全記事の編集・監修を担当。月間最高960万PVを記録するなど、日本史メディアとして長期的な実績を築いてきた。 戦国・中世・古代・幕末をはじめ、幅広い歴史分野をカバーしつつ、Google Discover 最適化、クラスタ構造にもとづく内部リンク戦略、画像最適化、SEO設計に精通。現在は企業のオウンドメディア運用およびコンテンツ制作コンサルティングも手がけ、歴史 × Web編集 × SEO の三領域を横断する専門家として活動している。 ◆2019年10月15日放送のTBS『クイズ!オンリー1 戦国武将』に出演(※優勝はれきしクン) ◆国立国会図書館データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001159873

-SAMURAI ART

目次