今回は関ヶ原の戦い。
戦国時代のクライマックスであり、だからこそ非常に難しい。
家康以外にも、あまりに多くの人物やイベントが関わっていて、全てを描ききることなど不可能だからです。
逆に言うと、だからこそセンスが問われる。
何を選んで何を捨てるか。制作陣の全てがここに集結する!――と、思ったら冒頭の回想からして哀しくなるほど的外れ。
「王道と覇道」が出てきました。テーマのように持ち出しておいて結局何なのか回収していませんね。一体なんなのか?
本作の人物はマザーセナ教の信者であり、その教えのほうが重要なのでは?
そして慶長5年(1600年)9月14日へ。
「関ヶ原の戦いは取捨選択が大事」とは申し上げましたが、本作はあまりにもすっ飛ばしすぎたため、何の感慨もないままオープニングに入ります。
オープニングテーマも、アニメも、何も心に響かない。年が明けたら、視聴者の皆さんは本作のことなど綺麗さっぱり忘れてしまうでしょう。
視聴率ワースト2位の黒歴史ですから、作品の関係者たちが触れることもないですしね。
今となっては白兎アニメもわけがわかりません。王道と覇道もろくに説明しないまま、白兎だの狸だの、幼稚な戯言を垂れ流してきた。
受信料で垂れ流す児戯――それが今年の大河ドラマでした。
どうする「女の戦い」
かつて関ヶ原は「女の戦い」とされてきました。
実子の秀頼を擁する茶々に、寧々が嫉妬し、東軍につくよう秀吉子飼いの武将を誘導したとされてきたのです。
今はこういう女性同士の嫉妬による対立説は、否定的に扱われています。
関ヶ原の前哨戦において、秀吉の妻の一人である京極竜子の兄・高次の大津城が西軍により攻撃を受けています。このときの処理に茶々と寧々は関与していたとされます。
そういう意味では女性が政治力を発揮することがある。とはいえ、それを女のバチバチバトルにしてどうする!という見解ですね。
このドラマは、古臭い説を悪化させて扱うからたちが悪い。
茶々が実質的な西軍総大将という描き方ですよね。
彼女が下劣な調子で怒り狂いつつ、毛利輝元に「出陣しないのか!」と問い詰めていますが、こんな描き方では「福袋の中身が気に入らないと店員にケチつけるモンスタークレーマー程度」でしょう。怖くもなんともありません。
このあと寧々と阿茶は茶を飲んでいます。
このドラマの不可解なところは、まるでこの二人が大坂城近辺にいるようなところですね。
寧々と阿茶は大坂を離れているのでは?
彼女らはテレポート能力でも習得しているんですか?
説明セリフでがーっと進んでゆきますが、別に阿茶は寧々のおかげで助かってはいませんし、大坂から脱出しています。
先週「三成は女を人質にとって汚いぞ!」と家康が語っていますが、今回はこうツッコミたくなります。
「こんな堂々とうろつく阿茶を見逃すなんて、西軍は優しいなっ!」
どうするメリーゴーランド乗馬
本作の乗馬シーンはまるでオモチャの馬に乗っているかのよう。バストアップが揺れるだけでの処理をしているから、とにかく不自然です。
『パリピ孔明』では、孔明がおもちゃの馬に跨って揺られていますが、それを彷彿とさせます。
序盤から突っ込まれていたメリーゴーランド乗馬は、結局、最後まで改善されませんでした。
平服の信長と家康が、富士山の麓でチラッと本物の馬に乗馬する場面がありましたが、今にして思えばなんというアリバイでしょうか。
初回から小栗旬さんが障害飛越をこなした『鎌倉殿の13人』の翌年がこの体たらくでは、酷いと言われても仕方ないでしょう。
以下の記事にありますように、ドラマが始まった序盤から指摘されていました。
◆ 【どうする家康】CG多用&高速展開の“新しい大河”に賛否「試みは良かった」「乗馬シーンに違和感」(→link)
◆「本当にどうするの」松本潤主演の大河ドラマ『どうする家康』が低視聴率のスタート…韓国での反応は?(→link)
真っ当な方なら、何らかの具体的対策を考えるでしょう。
しかし本作の制作陣は恐ろしい神経をしている。
◆ 「どうする家康」異色の合戦ロケなし&全編VFX関ヶ原「働き方、作り方、戦国の景色を変える」狙いと裏側(→link)
記事の中ではご大層な狙いを語っていますが、2013年『八重の桜』では攻撃にさらされる鶴ヶ城の瓦一枚までVFXで描かれ、兵士もモーションキャプチャを使って描写されていました。
その10年前より確実に劣化しているではありませんか。
グダグダと理想を語るだけ語って、実際の仕上がりがどれだけ酷くても、誰にも文句は言われないから、結局、クオリティが低いままなのでしょう。
もう、心の底から、どうしようもない井伊直政
あんな風に不自然な髭があってたまるか!
あんなヒョロヒョロした体で甲冑を着られるか!
失望感を通り越し、絶望感ばかりが募る井伊直政。
腕も白く細いヒョロ政に、本物の島津が突撃したら瞬時に擦りおろしてしまうでしょう。赤鬼どころか、とにかく弱々しい。
たった一言のセリフですら腹から声が出ておらず、どうしてここまで酷いのか……と、唖然とするしかありません。
そんな脆弱な直政に、どうしてこんな言葉を言わせるのか?
「いざ出陣!」
って、むしろ士気が下がりますって……。
邪推ですが、演じる方の性根が素直なのでしょうね。
他の役者なら眉間に皺を寄せて「それはちょっと……」と抵抗しそうな間抜けなヘアメイクや演出でも、素直に従うとか。
このインタビューを読んでもウンザリします。
◆板垣李光人:いかにして“赤鬼”井伊直政となったのか 「どうする家康」美少年設定は「もうしょうがない」(→link)
これのどこが赤鬼ですか? 氷ですか?
どうしようもない二番煎じ
井伊直政役の彼については「『青天を衝け』の徳川昭武は名演だった」という擁護が入ります。
確かに和室に飾っておきたい、かわいい人形のようでした。
しかし、それだけでは?
幕末もので徳川昭武を重視している時点で、あのドラマはイケメンを並べる乙女ゲーじみたドラマだっただけではないかと思います。
幕末から明治が舞台なら、イケメンよりもっと他に描く大事なことはある。
それでもあのドラマはイケメンとラブコメと歴史修正でゴリ押しできました。
よし、あの調子で行こう! と、手抜きした結果が今年の惨敗に繋がっている気がしないでもありません。
同じパターンは『篤姫』と『江 姫たちの戦国』でもありました。
日本人は幕末史よりも戦国史の方が目が肥えているので、そこを考慮しなければ失敗します。もう二度と同じことを繰り返さないでください。
それでも『大奥』がある!
井伊の赤鬼については挽回できるチャンスが与えられました。
『大奥』シーズン2の井伊直弼が、予告の時点で素晴らしいのです。津田健次郎さんの演技に期待しかない。
ちなみに『大奥』シーズン2では、幼いころの阿部正勝が主人の竹千代と共に同じ駕籠に乗った回想シーンがありました。
幼少期から始まり、大人になってからも続く君臣の関係。
それを自然に描くには素直に子役を使ったほうがいいのに、なぜ今年の大河ではそうしなかったのか。
とてもじゃないけど子どもには見えない、いい歳こいた役者が、人形遊びをするシーンから始まる――って、バカみたいに幼稚だ。なぜ周囲の誰もつっこまなかったのか。
あれが本当に面白いと思った?
視聴者が喜ぶと思った?
考えてみれば、初手から大失敗を繰り返す、無惨な負け戦でした。
どうする……家康! じゃないんだな
三成がタイトルを呼ぶだけで「フラグ回収!」とか盛り上がるのもいい加減にしてください。
内府だの、家康だの、呼び方一つとってもバラバラ。
思えば、諱に呼びかけるタイトルをつけた時点で、このドラマは詰んでいたんですね。
◆ 【来週11月12日のどうする家康】第43話 ついに関ヶ原!三成も“タイトル回収”3人目にネット沸く(→link)
こんな提灯記事を読んでいるだけで脳みそが削られていくようだ。
どうする天候
本作は序盤からずっと戦になると曇天ばかり。
なぜか?
「大垣城の兵糧入れを思い出す」とかなんとか家康が言いますけど、VFXの都合ですかね。青空より合成がしやすい。
結果、常に異世界じみている。
それもプレステ2ぐらいの表現力なので、チープなことこの上ない。
お得意のVFXとやらは季節感のある空すら描けないのですかね。
どうしようもない兵法
本作の脚本家は、現代劇のコンゲームもの、つまりは詐欺師が騙しあうような話の技法で、よりにもよって16世紀最後を飾る大会戦を描くという無茶苦茶なことをしています。
インスタント味噌汁を作ったことしかないのに、いきなり懐石料理を作り始めたような無惨さがありますね。
兵法に必須である兵站とか、兵器性能とか、射程距離などを把握できていないのでしょう。
関ヶ原の戦いって、実は世界史的にも重要な点があります。
大砲です。
当時、ヨーロッパではすでに大砲を用いた戦闘が定着していて、東洋では16世紀後期からようやく始まった。
そんな新兵器を実戦に用いた大会戦ということで、注目を集めます。
それなのに本作の脚本家は、何もわかっていないままテキトーに書いているのでしょう。大砲を効果的に使うようなシーンは一切なく、そんなんでドラマが面白くなるわけがない。
最高の食材をシュレッダーにかけて、そのままコンポストへ直行させる様を見せられているようです。
このドラマの作り手って、いまだに「あのスゴイ戦略家のメッケルが、関ヶ原の布陣図を見て西軍が勝つと言い切ったんだって!」と仕入れたばかりの知識ではしゃいでいそうなんですよね。
それは西軍贔屓、家康アンチな司馬遼太郎の創作ですよ。
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もう見ているだけで辛い関ヶ原
うっすらと霧がかかった中で、
「殿大好き!」
「殿ぱねぇ!」
と褒め合う、ちょび髭コスプレイヤーがいるだけ。主演を褒めて気持ちよくなって欲しいだけのセラピーにしか見えません。
勝つか負けるか全くわからない戦場で、ニタニタうっとりと「俺すげええええ!」としている総大将ってもう見ているだけで辛い。
老けメイクもおざなりだし、発声は青年期から変えていないし、いつ見ても目は淀んでいる。二日酔いですか?
井伊直政が「おいら」という痛々しい主語を使い、しかも死ぬことをわかっているようなことを言いだす。
そしてあの間抜けなテーマが流れる。
そりゃあ、こんなチョビ髭コスプレイヤーのヒョロ政じゃ、島津に鎧袖一触されますわな。
「かかれー!」
と、メリーゴーランド馬に跨った井伊直政はもう、史上最悪のカッコ悪政と言えるでしょう。
見てしまった記憶はその場ですぐに流れ落としたい。
しかも兜に照明が映り込みすぎです!
ペンキを塗ったばかりのような赤い兜に、天井の白い照明が点々と反映していて、スタジオ撮影だなって丸わかり。
後で修正かければいいはずなのに、それを忘れているのか、時間がないのか。
いずれにせよ、とてもプロの仕事とは言えないでしょう。
最低最悪の殺陣
本作は甲冑の重さや、制限される関節の動きを度外視しています。
甲冑をつけていては絶対にできないような動きをしてしまう。
甲冑の防御性能すらわかっていないのか、着ているところに刀身をぶつけにいく間抜けさも健在。そんなことしたら刀が折れるだけですよ!
日本刀って、実はこういう戦場ではそこまで役に立たない。
確実に切れるような、たとえば斬首といった状況では有用です。あるいは幕末も、甲冑なしの屋内戦闘が多く、それこそ猛威を振いました。
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もしかして本作は『青天を衝け』の感覚で作っているんですかね?
あの作品も殺陣が酷かった。
当たったら即死しかねない木刀を防具をつけずに振り回したり。
土方歳三が池田屋にテレポートしたような登場をしたり。
水戸藩士が薩摩ジゲン流特有の猿叫をしたり。
左右から袈裟懸けで斬られた標的が血もろくに流さぬままダラダラ喋りながら歩いたり。
それをそのまま戦国でやったら、ますます無惨さが際立ちますよ。
こうなると改めて問いたくなる。
日本刀を用いたアクションが苦手で興味もなく、勉強する気もなければ、なぜ大河でアクションを担当しているのか。
本当に弁当を食わせるセンス
「宰相殿の空弁当」だからといって、本気で弁当を食べる吉川広家を映すセンスがわかりません。
あまりにもくだらな過ぎません?
本気で弁当をモリモリ食べさせるのではなく、目を光らせつつ、出撃要請を巧みに断るように描くこともできたのでは?
この幼稚さには閉口するしかない。
見るだけで精神状態がドロドロに溶けていくドラマだ。
そしてこういう提灯記事が出る。
◆大河「家康」三成悲惨 本当の黒幕が西軍壊滅 弁当モグモグで毛利2万出撃不能→家康余裕の進軍「やりよったw」「弁当キター」(→link)
「キターーー」って何年前の流行ですか。
「茶々のスマホ」でもやれば?
あんなふうに茶々がリアルタイムで「不利だなんて!」とオタオタするわけないでしょ。
スマホでも持っているのか?というぐらいに情報があっという間に伝わる本作。
関ヶ原のポイントは、情報伝達のタイムラグではないのですか?
何もかも勘違いした阿茶
自ら「男勝り」と語ってしまう阿茶の残念さが、今週も炸裂です。
関ヶ原という見せ場で、阿茶がわざとらしく男装して、茶々にケチをつける――なぜ、こんなしょーもない場面が入りますか?
これみよがしに「ワタシって男勝りだから」と言わんばかりに中途半端な男装をしているのも痛々しい。
そのコスチュームをわざわざ仕立てたの? 非常時に? 随分と余裕あるなっ!
茶々に全く知性が無く、かつ剛毛とド派手メイクなので、阿茶がまだマシに見えるのが怖い。
いずれにせよ最低のヒロイン決定戦です。
あのマザーセナやレーシックお愛がまだマシに思えてくるほど。千代ですら、まだよかったかも……。
こういう女性像って、要は制作サイドの趣味ですよね。
受信料でフェチを作って垂れ流さないで欲しい。服部半蔵が相関図死で、千代はあんなにダラダラと時間を使って死ぬ。どこまで趣味全開なんですか。
どうしようもない劇伴
このドラマの間抜けさは、噛み合わない劇伴も相まってバカらしさがますます高まってゆきます。
こんなくだらない展開なのに、無駄に勇壮で、かつ西洋ファンタジーじみた音楽がかかる。
東洋の時代劇は、現在はその国ごとの伝統楽器を混ぜていくのが主流です。
実は『パリピ孔明』もそうです。
あれは渋谷のクラブが舞台なのに、諸葛孔明らしさが随所にある。劇伴の役割がかなり大きくて、情感と緊張感が噛み合った中国伝統楽器の調べが気分を盛り立てているのです。
今年の大河は、なぜできない? 本当にできないことだらけな大河だな。
何がなにやらわからない関ヶ原
わかりにくい布陣図。
時間の経過も描かれない。
武将はバストアップと絶叫ばかり。
合間に茶々と阿茶が挟まれる。
駆け回るメリーゴーランド馬。
マヌケな殺陣。
ニタニタした家康。
一人だけ真面目な三成。
間の抜けた劇伴。
主語が「おいら」のちょび髭コスプレイヤー。
火縄銃も大砲も使わない兵士たち。
一体これのどこが関ヶ原なのか?
答え:BBCが10年以上前に制作した『ウォリアーズ』を見てみましょう。
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『真田丸』の瞬間終了関ヶ原の方が、今年の大河よりはるかにマシでしょう。
あれは真田目線で描いていたから、ペース配分としてありでした。決戦に至る事情の描き方は比べるまでもない。
直江兼続が采配をかざしたら即座に終了していた、最上義光も前田慶次も上泉泰綱もいない、そんな『天地人』の北の関ヶ原の方がマシです。
本作は、本能寺に続き、関ヶ原でも史上最悪な表現を記録したと思います。
次は大坂の陣で最低記録を更新ですかね。
結局、小早川秀秋はなんだったのか?
裏切りを促すため小早川の陣へ鉄砲を撃ち込む――そんな関ヶ原の定番描写「問鉄砲」が今回ありませんでした。
過去の放送では【味方につくかつかぬか、鉄砲で問いかける】というシーンがあり、姉川の戦いで描かれています。
「それを伏線にして関ヶ原でも描くんでしょ?」
と多くの視聴者も思っていたことでしょう。
実際、公式ガイドブックのあらすじには関ヶ原における「問鉄砲」の記述があり、担当編集者によると次のように展開しているとのこと。
というように当初の脚本家は、姉川を伏線として、今度は大砲を用いて、問鉄砲を描いていたんですね。
しかし、実際の放送では完全に削られている。
これは一体どういうことか?
週刊文春では「主役のダメ出しにより台本が書き換えられる」旨のことが記されていましたが、その可能性を感じさせるもの。
あくまで妄想ながら、こんなやりとりがあったり?
「家康が小早川に撃ち込むって、無茶苦茶感じ悪くね? 信長のパクリじゃん」
「……いや……あれは、時には果断も必要ということを信長から学んだという意味でして」
「はぁ? ともかく家康がこんなことしたら好感度落ちるじゃん。カットで。俺、そーゆー気分じゃねえし」
「は、はい……」
結果、小早川秀秋は自ら裏切りのタイミングを決断することになり、ネット上ではかえって新鮮だったという意見もあり、何がなんだかわかりません。
『どうする家康』ではなく『どうもしない家康』ですよね。
いずれにせよ本作は、脚本家が緻密に作り上げた世界とは無縁、その場その場で雑に進んでいることが浮かんできます。
西軍ざまぁwwwと言いたいだけの処理
関ヶ原の無惨な描き方の後、ピアノをかけながら「西軍ざまぁwww」と言わんばかりの描写が辛い。
キンキン声のナレーションでざざっと説明され、しみじみと最悪でした。
しかし、もうこれ以上マヌケなドラマに関わらなくてよくなった出演者には朗報ですね。
真田昌幸は好きな武将です。佐藤浩市さんも素晴らしい。
けれども、彼の演じた本作の真田昌幸は痛々しい。これ以上、見なくて済むことにホッとしています。
直政重傷、そらそうよ
直政があの間抜けなヒゲのまま寝転がっているところは、こう思った方も少なくないのでは?
「そらそうよ!」
よく島津を相手に生きて戻れたなぁ……。チェストされてしまっても私は惜しみませんが。
じゃっどん、こげんちょび髭コスプレイヤーを逃したなんて、島津に対すっ侮辱じゃなかじゃろうか?
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実際の薩摩隼人はフィクション以上にパワフルだった?漫画やアニメで検証だ
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まぁ、素敵な薩摩隼人は『大奥』シーズン2に期待するとしまして、今回はそれ以前の問題を感じます。
この直政、重傷を負った割にはハキハキとした声音かつ笑顔で「天下取ったね!」とか言っている。
重傷を負った人間とはとても思えません。アイテムを使えば回復するゲームのような描写で、まったくもってリアリティがない。
『青天を衝け』で両側から袈裟懸けにされた犠牲者が出血しないまま、歩いて何か臭いセリフを長々と読んでいたことを思い出しました。
人間は重傷を負ったらハキハキ話せません。そんなこと誰かに指摘されないと、わからないものですかね。
どうする「天下を取る」
直政が大きな声で「天下を取った!」と喜ぶセリフにも違和感があります。
本作は、無双系アクションゲームか何かと勘違いしていませんか。
関ヶ原の戦いは、あくまで豊臣の忠臣はどちらか?を決める戦いでしょう。
「君側の奸を討つ」とか、「君難を靖んじる」とか、「勝てば官軍」とか。
要するに内乱やクーデターであっても、名目的には主君のためだと言い張ることが往々にしてあるものです。
家康としては「秀頼公の天下をたぶらかす奸臣どもを討ち果たした」という名目がある。
それなのにこの時点で「やったー! 天下だー!」とかはしゃいだら「お前が奸臣か!」と突っ込まれるでしょ。
おそらく本作の視聴者にアンケートを取ったら、こんな結果が出ますよ。
【関ヶ原の戦いで家康は晴れて天下を取った?】
はい……94%
いいえ……6%
Xの公式アカウントでアンケートを実施したら手っ取り早いんですけどね。
この件については、見る側に読解力が無いとか、書物をろくに読んでいないから誤解してるとか、場外で何やら話題にもなっていたようですが。
井伊直政が「ステージクリアだね!」みたいなことを言ったらもう、「君側の奸を討つ」名目すらわかっていないと証明したものでしょう。
だから脚本家先生には何度でも問いたい。
なぜ歴史が好きでもなく、勉強するそぶりすら見せないのに、大河ドラマなどという日本人にとって大事な作品に関わろうと思ったのですか?
今年の大河は、終盤になっても弛緩しきっている。
前回は地図上の本多正信表記が「本田正信」になっていて、後に修正が入っていました。
どうする行き違い
家康と三成が向き合って、行き違いだのなんだのいう場面は必要ですか?
三成にクローズアップしたというのはわかります。
しかし、三成が戦乱の世を求めるのに対し、平和を求める家康ってのは、あまりに主人公補正が強すぎませんか。
家康だけカッコつけて描こうとしているようで、恥ずかしくなってくる。
「修羅の道」を行く宣言はなんだったのか。修羅修羅詐欺ですか。これから大坂の陣で茶々と秀頼を攻め殺すのになあ。
『大坂夏の陣図屏風』の描く戦場の無惨な姿なんて知らないんですかね。
そもそも今まで三成が「戦乱の世でなければ私は生きていけない!」という風に描いてきたでしょうか?
むしろ三成であれば、世の中を平和にしていく過程でこそ能力を発揮できそうですよね。
しかし本当の注目はそこではありません。
今週は「三成が亡くなる前に干し柿の逸話が出るかどうか?」でした。
結局なかったぞ、干し柿が!
死を前にしても三成の毅然とした態度を表すエピソード――干し柿の話は、後世の創作とかなんとか、そういう問題ではありません。
10月の週刊文春に掲載されていた文春砲の中身が正しいかどうか。
この干し柿が一つの審査基準となっていたのです。
と、突然言われてもわからない方もいらっしゃると思いますので、少し詳しく説明させていただきます。
文春砲によると、そもそも本作は「干し柿エピソードを出すつもり」とのことでした。
三成と大谷吉継が話す場面でも、これみよがしに干し柿が映されていて、伏線もあった。出す気は満々だったと見るのが自然でしょう。
しかし実際は放送されていません。
放送時間が足りなかったわけでもないでしょう。
家康と三成が対峙する場面で、家康がウダウダとマウントを取り、自画自賛するような場面がなければ、十分に確保できたはずです。
でも、干し柿は出なかった。なぜか?
文春砲曰く「松本潤さんがやりたがらなかった」とのことで、それを親友の七之助さんは承諾した、というものです。
干し柿エピソードは三成の意志の強さが表される見せ場の一つであり、役者としては演じたい場面でしょう。
ゆえに私は注目していました。
もしも干し柿のエピソードが出たら、文春砲はデマということになりかねない。
結果、干し柿は……出ていません。
文春砲が気になる方は以下の記事を併せてご覧ください。
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文春砲で告発された『どうする家康』松本潤さんの横暴は本当か?徹底検証
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文春砲の威力とは?
文春砲について、少し考えてみたいことがあります。
『どうする家康』については、以下の記事のように2回に分け、内部告発のようなカタチで記されています。
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文春砲第二弾が出た『どうする家康』今度は何が告発されたか徹底検証
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文春砲ならば世間のみんなが注目してくれる――ということで、ネタを持ち込む内部告発が多いのも同誌の特徴でしょう。
その威力が発揮された一例として、宝塚いじめ問題があります。
あの記事が発表されたとき、酷い反応は良く見かけました。
「文春のPVに貢献しないで、クリックしないで!」
「途中から有料にするなんて卑劣! 金稼ぎに使うなんて!」(雑誌はそういうものでは?)
ジャニーズも宝塚も熱心なファンが多いことで知られ、時に盲目になるようですが、転機はすぐに訪れました。
宝塚公式もトーンダウンし、他の週刊誌も追い始めると、ついに大手新聞や地上波テレビ局まで報道を始めたのです。
要するに文春が先行していたと証明されたんですね。
ジャニーズ性加害の件にしても、他のメディアが沈黙していた頃から追い続けていたのが文春です。
そして何より、NHKが『あさイチ』で文春砲を匂わせたことにより、結果的に「正しいのでは……」とアピールしたようにも思えます。
さらには最終回のサプライズキャスティング報道により、文春砲が信頼性を増すことに。下手に反応したせいでますます深みにハマっています。
◆松本潤『どうする家康』視聴率“大河ワースト2位”ほほ確実、盟友・小栗旬に最終回「直々オファー」情報も「プロデューサー気取り」文春パワハラ報道が再加熱(→link)
事は密なるを以って成り、語は泄るるを以って敗る
事は密なるを以って成り、語は泄るるを以って敗る。『韓非子』
プロジェクトを成功させるためには、情報管理は徹底すること。
台本が週刊誌に漏洩しちゃうとか。SNSやインタビュー、関連番組で関係者がペラペラとお漏らしするとか。そういうことしていてうまくいくと思ってんの?
こんな記事がありました。
◆ 嵐・松本潤、『あさイチ』で週刊文春『どうする家康』現場パワハラに“生反論”!?「嫌い」報道芸人もブッコミの「攻める殿」!(→link)
NHK朝の番組『あさイチ』に松本潤さんが出演し、文春砲の中身を暗に否定するかのような匂わせをしていたというものですね。
通常『あさイチ』にドラマ出演者が出る場合、役作りや“今後”の見どころを語ることが多いと思います。
それが松本さんが出演したときには「過去、甲冑着たもんアピール」やら「あいつをいじめてハブってなんかないもん! 本当は可愛がっているもん」アピールが多かったとのこと。
『パリピ孔明』ではないけれど、誰か兵法を考えられなかったのでしょうか。
これでは文春砲を受け止めつつ、アリバイとして、できる範囲を否定したように思える。
確かに、ゼロイチ思考の人間は、全否定か、全肯定しかできない。一部を否定するだけで「論破www」と浮かれますから、そういう層に対しては有効な戦術かもしれません。
実際、記事の中では以下のようなSNSの反応があったことを記しています。
《松潤家康、これだけのことを共演者がはなしてくれるなんて、現場では本当にすごかったんだろうな。文春、まぁよくあんな風に書けるもんだわ》
《森崎ウィンくんスゴくいいお話ししてくれた〜切な言葉なので3回言います!本潤さんは相手のために芝居する人 相手のために芝居する人相手のために芝居する人 相手をよく見せるために考えて芝居をする人。だってよ〜文春さん》
《周りから漏れ聞こえてくる話と文春の記事があまりにも違い過ぎるので違和感しかなかった。やっぱりという感じ》
滑稽というか、物悲しいというか……。
松本潤さんに忖度することで利益を得る立場の発言は、差し引いて考えねばならない。そういう基本的なことができていません。
「でも、でも、松潤はいい人だもん!」という幼稚な信頼感ありきで、材料としては極めて信憑性が薄い。
ファンでもなんでもないイチ読者から見たら、児戯に等しい発言に見えるでしょう。
人間、利益を供与されれば何でもできる。猜疑心を働かせることも時には大事です。
こんな露骨なメディア記者がどれほどの記事を量産し、読者を動かしてきたことか。
◆「キャバクラを自分で払ったことがない」…明らかになった「ジャニ担記者」への接待に違和感(→link)
文春砲は、そんな感情に依らない根拠があります。
ニコライ・バーグマンそっくりの押し花。
そして今回の干し柿です。
人は嘘をつくことができる。ましてや利害関係があればそうする。
しかし、押し花や干し柿は嘘をつけません。
文春砲はそうして二重にも三重にも兵法を駆使しているのに、『あさイチ』で不必要なことを話して、墓穴を掘っていませんかね?
組織的性犯罪に関して、こう答えたところにも失望しました。
◆ 松本潤「あさイチ」生出演で旧ジャニーズ性加害問題に初言及 大河「オンエアできないんじゃないかと…」(→link)
大河がオンエアされるかされないか。それは結局我が身のことでしょう。
その点、大河ドラマで徳川家康を演じた同じ事務所の俳優でも、風間俊介さんはこうです。
◆ 風間俊介さん ジャニーズ【性加害問題】に『被害者の方をまず第一に考えるべき』(→link)
被害者を第一に考える。実に立派なものだと思います。
今年の大河は失敗作だ
今年の大河は大丈夫でしょうか?
失礼しました、もう手遅れでしたね。
◆ 『どうする家康』視聴率「歴代ワースト2位」か…焦る松本潤が「最終回にサプライズ出演」を頼んだ「俳優」の名前(→link)
しかし、以下の部分
「大河での低視聴率はその後の芸能活動に大きく影響する。実際、『平清盛』の松山ケンイチや『花燃ゆ』の井上真央もオファーは減りましたからね」(キー局ドラマスタッフ)
井上真央さんの名前をここで出すのはいかがなものか。
というのも、彼女は折に触れ、低視聴率は自分にも責任があると、謙虚な振る舞いを見せていました。
ソロ写真集を出し、展覧会を開催する今年の主演とは大違いでは? なんでも大河ドラマ館にも主演のパネルがあるそうで、紫尽くしとも聞きます。
ここまで来ると特定の芸能事務所利益に受信料で貢献しているという図式にすら見えてきます。
◆ ついに「関ヶ原」でクライマックスを迎える『どうする家康』が、最後に危惧される「痛恨の懸念材料」(→link)
どうするNHK?
後生畏る可し
後生(こうせい)畏(おそ)る可(べ)し。『論語』
若者の声はちゃんと聞け、尊重しろ。なんでも「シン・」をつけてる場合じゃねえぞ。SNSで「なぁぜなぁぜ」と書き込めば若者になれるとでも思ってんのか?
先日、書店の歴史雑誌コーナーを見ました。
大河の存在感が薄い……。
番宣はNHKが謎の忖度をするせいか、11月になってもしつこいですが、雑誌はそんな忖度無用ですからね。
関ヶ原という日本史上屈指のビッグイベントはさすがに取り上げられている。それに対し、ドラマには目配せする程度。
むしろドラマ関連で目立っていたのが『パリピ孔明』のインタビューです。主演の向井理さんと、役も本人も重度の三国志マニアである森山未來さんのインタビューを読みました。
森山さんはマニアすぎて、アドリブでどんどん三国志うんちく語りが長くなるそうです。
そうして長く語っておいて、これでいいのかと確認を入れるそうなんですね。そこが素晴らしい!
三国志ネタをべらべらしゃべり倒せる時点で素晴らしいうえに、それが正しいのか気遣うところが素晴らしい。
『論語』にあります。
これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に(し)かず。
森山さんにせよ、スタッフにせよ、知っているだけでなく、好きで楽しんでいるからこそあのドラマは素晴らしくなる! けれども楽しむだけで終わったらプロじゃない。
見た視聴者が誤った三国志知識を身につけてはいけないからこそ、ミスがないか気遣う。歴史を扱うドラマとはこうあるべきだと感服しました。
盤石な歴史知識は、年齢や属性を問わないばかりか、めんどくさい歴史好きをも刺激し、大いに楽しませます。
『パリピ孔明』がそれを証明しました。
これを踏まえまして、この記事でも。
◆『どうする家康』でも顕著、中高年を軽視、若者ウケ狙うNHKに明日はあるか(→link)
本物の若者は『どうする家康』に飛びついたかどうか?
甚だ疑問……いや、飛びつきませんて。
要するに、自分は若者に近い感覚だと誤解した層が、本物の若者には全く受けないことをしてズッコケた。単にそれだけのことでしょう。
昨今の若者はライトノベルを読んでいないとか。そういった問題にも通じるものがある気がします。
本作のファンダムは
「頭の固い年寄りにはわかんないでしょwww」
「嫌なら見なけりゃいいwww」
などと自らに賛同しない者を嘲笑いながら、「シン・大河」だのなんだの言う。
しかしその結果、視聴率はワースト2位なわけです。若者が見ていないどころの問題ではありません。大多数が、否定しています。
ファンダムを煽るように、ドラマが始まる前から以下のような提灯記事も跋扈していましたが、
◆松潤主演NHK『どうする家康』は「シン・大河」になる? 大ヒット大河ドラマ“勝利の方程式”とは(→link)
ここまで揺るがぬ証拠が出ても、話は噛み合わないことでしょう。
『孟子』には「恒産なければ恒心なし」とあります。
これだけ提灯記事をじゃんじゃん書かせてSNSで盛り上げようとしても、視聴率という恒産がなければ、恒心も失いますよね。
ドラマの出来と自分自身の人生を過剰に重ね合わせない方がよいのでしょう。
私からの提言でも。
大河は中高年向きでいい。固定層もいるし、これでいいのです。敢えて見る若年層も、そういうものを求めています。
若者向けの本格時代劇枠を別に設ければよいだけでは?
例えばドラマ10『大奥』がそうでしょう。
漫画原作であるとか、SF要素があるとか、架空戦記とか。大河にするには砕けた要素がある作品をほかで作ればよいだけです。事実、韓流や華流ではそうなっています。
今年は大河に失望し、『大奥』や『パリピ孔明』は喜ぶ反応が見られました。
大河は大河として存続し、若者向けを別枠にする。
それが今後の道ではありませんか。
私としては、次のドラマ10枠として『ゴールデンカムイ』を希望しますけどね。
北海道開拓史はドラマにすべきです。大河ドラマで北海道ご当地がないことは汚点だとずっと思っていますが、なんなら別枠先行でもよいはず。
いかがでしょう?
若者の声を、中高年以上が勝手に妄想して振る舞うこと。これは破滅への第一歩です。
皆様も思うところあれば、NHKへ直接お伝えください。
◆NHK みなさまの声(→link)
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文:武者震之助(note)
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どうする家康/公式サイト













