どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第42回「天下分け目」

2023/11/06

関ヶ原の戦いを控えた『どうする家康』第42回放送は、先週のまとめから。

それにしても、鳥居元忠を前にして、なぜ家康はこうも爽やかに偉そうなんですかね。

伏見城を死守せよ――つまりは死を覚悟せよ、と自分から言っといて情を感じさせない。

表面は平静を取り繕いつつも、内心は凄まじい葛藤という表現はなく、鳥居元忠の演技に頼り切っている印象もあります。

これでは日本シリーズへ視聴者を持っていかれてしまうのでは?

 


どうしてスタンディングパーティ

先週に引き続き、江戸と会津の距離が妙に近い地図が映り、またもや立ったままウロウロしながら家臣団が話し始めます。

いつもいつものスタンディングパーティ状態。

本多正信の鬱陶しさは今週も健在です。

“男勝り”と自己申告してしまう阿茶からの報告が届きます。伊賀者はどこへ消えたのか。こういう場面でさりげなく使うと良さそうなものですが。

そもそも大坂城には複数の大名がいますし、阿茶がここまで出しゃばるものでしょうか。

蜂須賀家政あたりの出番を奪う、男勝りが強すぎます。

と思ったら、阿茶はねねにもてなされています。

ねねは消えてなかったんですね。説明不足すぎて意味がわかりませんが、どうやら阿茶を助けてくれたらしい。バグだらけ8bitゲームNPCみたいだな。

 


どうしたザルとしか言いようのない戦略

小山まできて背後を衝かれた家康。

危険な状態なのに、今さら「みんなついてくれるかなあ?」と言い出す姿がどうにも迫力がありません。

「家康ってすげーよな!」と周囲の人物に言わせる主人公補正しかしてこなかったので、有能さが表現できていないと思います。

こういう手遅れの対応を「泥縄式」と言います。

無能な人間が天下を取れるほど日本ってチョロいのか……と脱力するばかり。

 

もはやどうしようもない真田一族

コスプレ高校生が来たと思ったら、真田信幸でした。

時代劇に合わせた発声や所作の指導は十分にされたのでしょうか。

本多忠勝が娘の稲を持ち出して脅すあたり、本当にダメなドラマだと思います。

わしの娘ならどうにかできる。そういう方針で育てているんでしょうよ。

もはやこの忠勝は本人の武功ではなく、娘に関わることでしか目立たなくなっていて、哀しいにも程がある。

徳川一の武将がこの体たらくとは……。忠勝すら、周囲からの「アイツ、スゲーからな」という補正で補っているため、全く迫力がない。

チョビ髭の井伊直政が相手の肩を叩く所作にしたって、幼稚にもほどがあるでしょう。

いったい井伊の赤鬼とは?

あの、お子様コスプレで、リアルな戦場に現れたら敵はどう思うでしょう?

嘲笑されるだけで、徳川軍の士気が下がってしまうのでは?

 


どういう呼び方なのか

このドラマは「内府」と唐突に出すわりに、「信幸です」「昌幸です」「信繁です」と名乗るから中途半端で意味不明。

統一感がまるで感じられず、場当たり的に物語が進んでいることが痛いほど伝わってきます。

 

邪魔なだけの稲

稲の逸話も急にどうしたのでしょう。

確かにエピソードとしては秀逸であり、真田を描くのには必要不可欠。

『真田丸』では吉田羊さんと草刈正雄さんの名演で、見入ってしまった方も少なくないと思います。

しかし、本作で描く必要があったのかどうか。

【直江状】の中身を削ってまで、犬伏の別れをカットしでまで描くというのが解せません。制作陣のフェチに付き合わされているのか……と思うと疲弊させられます。

真田昌幸にしても、去年の上総広常ほどの迫力が感じられない。

役に入り込んでいない発声に見えます。インタビューで話す時と同じような声と申しましょうか。

結局、稲を出したのも、製作陣の萌え要素なんでしょうね。美少女戦士妄想みたいなシーンは、それこそ田鶴あたりから延々と繰り返してきました。

ピロピロした劇伴も残念感満載。

「じいじさまーじいじさまー」

と、ただ単に子どもが喚くだけなのも意味がわかりません。

ドラマ作品における演技指導の出来不出来は、子役に現れます。『大奥』は人痘接種を受ける子役たちが緊張感のある姿を見せていて盤石でした。

 

どうする立ったままの家康

オープニングが終わって小山評定へ。

制作陣はどういう思いで、主役・家康の見どころに取り組んだのか。

還暦間近の総大将が、堂々と突っ立ったまま演説ぶっている。仕草がほとんどない。ずーっと立ったまま、やっとのことで暗記したかのように、くさいセリフを精一杯読み上げるだけ。

三成の人質政策も批判していましたが、それは秀吉時代からの話でしょう。

そしてその大名の妻子を人質にとる政策は、江戸幕府も踏襲するわけです。

他に言いようがあるはずなのに、なぜ家康にそんなことを言わせるのか。

堂々とセリフにしてしまうということは、後に家康が築き上げる江戸時代を全く意識していないか、あるいは、そんなこと知ったこっちゃねーわ、ということなのか。

仕事のできるスタッフは全員『大奥』に移動してしまったかのようです。

そして思い出したようにマザーセナ直伝【泰平の教え!】を語り出す。『大奥』とは、史実の読み込みの深さがまるで違って唖然としてしまいます。

『大奥』では、春日局の非道の背景に、泰平の世をめざす思いがあったと描かれました。

国土荒廃の時代が何年も続いていたのに、そんな簡単に平和は成し遂げられない。

時に誰かに無理強いしてでも、とにかく乱世には戻したくない――そんな悲痛な思いが滲んでいたわけですが、本作では「はい、江戸時代は平和、来ますよー!」で終了。

要は、未来人思考で作られた家康の演説なんですね。

やたらと喧嘩っ早い、当時の日本人の精神性を変えるわけですから、「はい、平和な時代にしましょう!」「オッケー、りょw ピースピースw 泰平ww!」とはなりません。

そもそも関ヶ原の戦いが1日で終わったことすら想定外の事態だったはず。

関ヶ原は当時の世界史的にみても、屈指の規模となった大会戦です。

それがあんなにあっさりと決着がつき、結果的に徳川幕府の治世が来たというのは、開戦前の人々に想定できるわけないでしょ。

 

どうする猪苗代湖

江戸と会津がやたらと近い地図。

この地図には猪苗代湖がありません。日本で4番目に広い湖ですが、必ずしも必要ではないかもしれませんね。

しかし、先週の会津の風景を思い出すとなんとも合わせ技でマヌケでして。

それというのも、猪苗代湖からみた磐梯山を映していました。

磐梯山は噴火して山体が変わっているから、出す場合は要注意です。しかし磐梯山どころじゃなかったんですね。

猪苗代湖の水の色がおかしいし、波が強い。

確かに冬ならば「磐梯おろし」で猪苗代湖は荒れます。しかし、あの猪苗代湖は雪が降っておらず、嵐でもきていたのでしょうか。空は青々としていましたが。

猪苗代湖を見下ろす位置にある国指定重要文化財は「天鏡閣」と言います。

猪苗代湖がまるで鏡のようだからという意味。そういう鏡のような猪苗代湖ならばまだしも、どうしてあれほど無理を感じる水の色と荒れ方にしたのか。

ただ単に何も考えていないんですかね。『八重の桜』から10年でどうしてこうなってしまったのでしょう。

 

また、どうしようもない茶々

茶々の意向によって三成が挙兵しているような描き方です。

秀頼を戦に出すとまで言っています。

これも無茶苦茶では?

秀頼の年齢もありますし、それを茶々一人の思いつきでできるとも思えない。大坂の陣のことを踏まえれば、どうせ嘘だとわかります。

それにしても、この茶々が怖いでしょうか。企んだ瞬間に失敗するとわかっているドジっ子の何が怖いのでしょう?

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『大奥』の仲間由紀恵さんを見たら、本作の茶々など恥ずかしくて語れなくなりますよ。

ただまぁ、別の意味で怖いは言えるかもしれません。

「関ヶ原=茶々が黒幕説!?」とかなんとか語っているものを見かけました。視聴者の歴史知識を歪めそうで、そこは確かに恐ろしいです。

 

どうする火器描写

伏見城に向けて、いきなり火縄銃を撃つってどうなのでしょう。

射程も何もあったものではなく、本作はとにかく火器の使い方がおかしい。

またもや火縄銃を連射しているように見えました。装填動作もなく、連射。

制作陣が『八重の桜』を超えてやる!とでも妄想しているなら、本当にいたたまれない。

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小早川秀秋、参上いたしました

ニコニコ笑いながら「参上いたしました」と語る秀秋の軽薄さよ。

主演が所作指導をされていないならば、他の役者にするわけにはいかないのかもしれませんね。

それにしたって、作り手はこんなものを撮影していて、恥ずかしさは感じないものでしょうか。

とにかく放送日に間に合えばいい! さっさと終えて次の仕事だ! とか思っていたら、なんとも哀しいものです。

 

何もかもがろくでもない千代

だから千代は何歳ですか?

初登場時は家康を坊や扱いしていたでしょう。もう70近くともおかしくないってば!

本当に、このドラマは美少女戦士もどきが戦う&死ぬ様を描きたくて仕方ないんですね。

今週は稲だけでなく千代。可愛い女の子が武装してムフフ♪ そういうことは戦国武将を美少女にしたR18ゲームでよいのではありませんか?

それにしても、千代はしみじみとしょーもなかった……。

「私もようやく死場所を得た」

って、そんなイキイキハキハキ語って口角上げて笑って、なんなのでしょう。デパートの店員じゃないんだから。

死を覚悟した場面なのに、どの角度で口角をあげるかしか考えていないように見えます。

元忠がちゃんと演じているだけに、無惨さが目立ちます。

結局、千代は、本作のくだらなさを煮詰めたかのような人物像でした。

武田が滅んで、穴山梅雪も討たれたのにノコノコ生き延びて、敵に拾われて、やっとここで恋愛脳ごと散る。大河に出てくる架空女性人物でワースト候補だと思います。

忍者役のはずなのに、殺陣がどうしようもない。甲冑を着た相手に、小刀で切り付けて何がしたいのか。

撃たれて倒れる演技も、どんな指導をされたのでしょう。撃たれてからも眼力が強いまま、ダーリンの足を引っ張るようにしがみついている。

どう映れば可愛く見えるか? いちいちインスタ映えを狙っているような雰囲気でした。

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結局どうしようもなかった筆の持ち方

このドラマは筆をもつ手元を映すべきではないでしょう。

三成はまともでしたが、多くはペンみたいな持ち方しかできていない。

「家康ちゃんが頑張って書状を書いてるんだい!」と、言われたところで、祐筆はいないのか疑問ですし、あのお粗末な筆の持ち方では何もかも台無しです。

『大奥』の前田公輝さんや玉置玲央さんと比較すると、その落差は歴然でしょう。

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大河主演でありながら筆の持ち方すら指導されていないのは、さすがに驚きます。

書状を左から右へ読んでいるように目線を動かしている場面もありました。

現代劇でのカッコつけ方しか学んでいないのでしょうか……と、いったことを書くと「所作指導はクレジットされています」という反論もあります。

でも、実際そう見えなければ意味がないじゃないですか。

今年はありえないほど酷い所作が本当に多い。

本作の出演者は、共演者の背中を追いかけている場合ではありません。

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まずは松本さんですけど、ご一緒してみてすごいなと思ったのが、役の解釈やキャラクターのつけ方だけではなく、ちゃんと見え方までこだわった上で芝居をされるんですね。

セットの中で、どう動いたらどう見えるか、ちゃんと計算している。ステージングを考えながら芝居をされるんです。

それはやっぱりこれまでたくさんのステージを経験されて、演出もされてきた松本さんだからできること。コンサートの経験と芝居の経験、両方があるからあんなにも俯瞰した視点で芝居をつくることができるんだろうなというのは、いつもリハーサルでシーンをつくっていくのを見るたびに感じます。

これを語っている側は褒め言葉のつもりかもしれませんが、文春砲の疑惑が払拭されない限り、「演出に余計な口出しする主演俳優」疑惑は晴れません。

それどころか、この内容では文春砲を補強してしまっている。アイドルコンサートの延長で大河ドラマを演出できるはずがないのに。

今年は、共演者が主演を褒める、ぬるま湯の持ち上げ記事がやたらと多い。

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しかしその一方で、文春砲へ台本を提供した身内の人間もいるわけです。

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文春からの取材に対し、いくら関係者が「事実ではない」と否定しても、赤字を入れた台本画像までは否定できません。

おそらくシラを切るつもりのようですが、今後、最終話に向けてどうなるか。

 

死ぬとわかって残しておいて、死ぬと騒ぐ

鳥居元忠に伏見城の守備を命じ、何かあったら死守せよ、と言っておいて、いざ死んだらギャーギャー大騒ぎ。

ドラマでの「御涙頂戴」要素として元忠を殺したようにしか思えません。

伏見城を防衛する戦略的な説明なんて一切ない。

地理関係の解説も出てこない。

家康は涙ひとつこぼさず、カッコつけたセリフをいうだけ。

なんだか喜怒哀楽の感覚が歪んでいませんか?

マザーセナの死以来、「哀」すら消えています。

かえって偽善っぷりが浮き彫りにされて、人間のいやらしさだけを煮詰めたように感じます。

そんなしょうもないドラマを補うためか、悪目立ちするピアノがどうにも不快です。あの旋律はいったい何なんですかね。

 

どうした小早川秀秋

小早川秀秋は優柔不断ということでもなく、布陣からして東軍につく意図は最初からあったとも指摘されますよね。

この辺の描写はBBC『ウォリアーズ』が秀逸でした。

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あの作品での「秀秋の裏切り」は伏見を攻めたこと。ずっと東軍についていたはずが、偽装のためにか、伏見を攻めたことがスリリングな要素としてありました。

千代の臭い芝居を描いている場合じゃないんです。

 

だから黒田は何なんだよ

「福島と黒田が一緒に戦うよ!」

って、だから、彼らは何者なの?

NHKの日曜20時に流すドラマとして、その説明はカットしても皆がわかっているのが当然なんでしょうか。

本当に視聴者の知識に頼りすぎな作品です。

繰り返しますが、以下の記事、ドラマの紹介文なんかでは

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未だに「黒田官兵衛」の文字があるんですよ。

今作が初大河となる松本は、誰もが知る偉人・徳川家康を演じる。国を失い、父を亡くし、母と離れ、心に傷を抱えた孤独な少年・竹千代は、今川家の人質として、ひっそりと生涯を終えると思っていた。しかし、三河(みかわ)武士の熱意に動かされ、弱小国の主(あるじ)として生きる運命を受け入れ、織田信長、武田信玄という化け物が割拠する乱世に飛び込む。そして豊臣秀吉、黒田官兵衛、真田昌幸、石田三成と次々と現れる強者(つわもの)たちと対峙し、死ぬか生きるか大ピンチをいくつも乗り越えていく。

この手の記事は、NHKから画像とテキストのソースが渡されて、作成されるのが普通です。

修正された方が……と、思ったのですが、配信元のニュースは、他のメディアへも流されていますので(その検索結果はこちら→link)、今さら対応できないのかもしれません。

 

真田を描く意義とは?

BBCでは真田の名前すら出てきません。

取捨選択の結果であって、それが特に問題とも思えません。

本作では、佐藤浩市さんを映したいあまりにそうしたのでしょう。

話題性狙いがみえみえで痛々しい。

そんな広告代理店じみた考え方だからこのドラマはダメなんだ。

 

どうしようもない本多正信

本多正信に常識を求めるのは酷なのでしょうか。

主君の嫡男に対してあの舐め腐った態度。

万人に対して常にマウントを取っていて、あんな調子では嫌われるどころか、闇討ちに遭いそうで心配なほどです。

放送されるたびに不快感指数は上がり続け、「もう映さないでくれ!」と頭を抱えたくなる。

なぜ本多正信をあのように描いてしまうのでしょうか。

徳川秀忠が窮地に陥っても嬉しそうにしているって、どういう性格なのでしょう。

勝利がわかっているから、わざと余裕ぶって悪態をつかせている――のであれば、本当に未来人思考だらけの作品で時代ものとは言えません。

 

どうする謎のインテリアセンス

真田の城は、なぜハエトリ紙じみた布が垂れさがっているのか?

「乱世を泳ぐは愉快なものよ」と語る昌幸にしても、本気でそう思っているとは微塵も思えず、逆に「何も楽しんでないな」と笑いそうになりました。

あの変な布を見て、俳優さんたちは『戦国っぽいなぁ……』と演技に身が入りますかね?

文春砲によると、ニコライ・バーグマンじみた押し花をプッシュしたという本作の主演俳優。

記事が本当ならば、ドラマ内での見た目に相当なこだわりがあるようですが、その結果が大量の蝋燭やら、ハエトリ紙だと思うと脱力感が湧いてきます。

昨年の『鎌倉殿の13人』はNHK『100カメ』で取り上げられ、今年は『大奥』シーズン2が扱われます。

◆「100カメ」の11月は、進撃の巨人・大奥Season2・Dリーグに密着!(→link

美術部のレベルが大河と大違いですもんね。

今年の実質的な大河ドラマはやはり『大奥』と言って差し支えないでしょう。

歴史イベントでもきちんと結果を出されています。

◆女性初の信玄公役は冨永愛さん 観客数は過去最高の23万人越え 50回目の節目となる信玄公祭り(→link

武田信玄役に初の女性となる冨永愛さんを起用した、山梨県の関係者の英断が素晴らしいですね。

 

どうする「腹を切る」

大久保忠益が「腹を切ってお詫びを!」と叫びます。

それでいいんです。

問題は複数回も「腹を召す」と自分に敬語を使って叫んでいた家康。

ああいうミスは修正するものでは?

 

小道具班、もはやこれまでか

地図が映ると、面倒くさそうに作ったことが伝わってきます。

ここまでモチベーションが落ちているドラマって、なかなかないでしょう。

文春砲第二弾が出た『どうする家康』今度は何が告発されたか徹底検証

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ただし、小道具スタッフは、もしかしたら犠牲者かもしれず、気の毒としか言いようがないのですが……。

 

どうする士気低下

すでにクランクアップした本作。

主役の横暴な振る舞いで脚本がおかしくなった――とする文春砲に対し、

「大河主演が口出しするって、そんなもんでしょw」

という指摘もあります。

去年の小栗旬さんはむしろ真逆です。

◆ 小栗旬主演の次期大河 徹底したハラスメント対策で良好な撮影現場に(→link

今年の大河はもうダメ。

あと一ヶ月とちょっと、NHKという公共放送でエゴを見せつけられるかと思うとげんなりしますが、VODでは朗報もありました。

ディズニー+の『SHOGUN』です。

◆真田広之、ハリウッド制作陣が戦国時代を描く「SHOGUN」に主演! 豪華日本人キャスト共演(→link

三浦按針をモデルとした、往年の名作ドラマでで、アメリカ作のRPG『ウィザードリィ』にサムライやニンジャがいるのは、このドラマの影響だとか。

それを他のRPGも引き継ぎ、伝説となったドラマですね。

オリジナルから40年以上経過していますから、おそらく格段に進歩していることでしょう。

『どうする家康』の悪夢は、11月23日に公開される北野武作品『首』と、『SHOGUN』に塗り潰してもらいましょう。

ただ、喜んでばかりいられません。

今年の悪影響で、今後ますます大河ドラマの存在意義は低下してしまうでしょう。

今はまだ海外発の時代劇も戦国に限られているものの、今後はどう発展していくかわかりません。

特に近代史ともなれば、日中韓の合作になってもおかしくない。

こうなるともう時間切れでしょう。

大河ドラマにおける幕末以降の近代史は、2015年以降まともな歴史観を示すことができなくなりました。

歴史修正主義としか言いようのない酷い出来。そんな風に前進どころか後退をしていては、VOD時代に置いていかれるばかりです。

たとえばの話、伊藤博文は大河ドラマ主役になっていません。そこまで大きく取り上げられるわけでもない。

そんな伊藤博文を、海外が複数の国の合作で、日本より先に作ったらどうなるのか。

もうこれについては時間切れでしょう。

歴史総合を学ぶ世代は、むしろそんなドラマを受け止められる。問題はその上の世代であり、ヘイト本やSNSの盛り上がりに乗じて叩くことも予想されます。

 

過ちて改めざる是を過ちと謂う

過ちて改めざる是を過ちと謂う。『論語』

「それはおかしいぞ」と指摘されても開き直って「でもでもだって!」と態度を改めないことこそ、まさしく過ちなんだよな。

2023年は、大河ドラマの歴史にとって、決して消せない大きな汚点となるでしょう。

ただ単に出来が悪いとか、視聴率が低いとか、そういうことじゃない。

NHKは大河ドラマや朝ドラをあまりに安売りしていて、例えばこの記事にも注目しますと……。

◆ 趣里や蒼井優の名演技に頼り過ぎ…朝ドラ「ブギウギ」に足りないものは何か(→link

笠置シヅ子さんをモデルとした朝ドラ『ブギウギ』について指摘されていて、概ね同意します。

この朝ドラは脚本の問題だけでもなく、小道具、衣装、セットの作り、方言指導がお粗末で、やる気が全く感じられません。

なぜ朝ドラは、しつこく、しつこく、本当にしつこく、日本の芸能史をロンダリングするような気持ち悪いことを繰り返すのか?

この10年に限っても、

『あまちゃん』
『わろてんか』
『エール』
『おちょやん』
『ブギウギ』

……って、さすがに異常ではありませんか。

確かに『あまちゃん』や『おちょやん』のような傑作もありますが、いい加減やりすぎなだけでなく、歴史修正も蔓延っています。

現在、イスラエルの歌手が兵士に向かってガザ攻撃を楽しむ動画がネットで出回っています。

戦争を煽り面白がるなんて最低だと思いますよね。

しかし、日本にもそういう歌謡関係者はいました。そういう人物を朝ドラはロンダリングして扱っています。

古関裕而
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『わろてんか』という吉本興業を徹底美化した朝ドラもありました。

どうしてそこまでプッシュするのか?

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『どうする家康』も林羅山役が吉本所属ですね。

◆「ある種の粉飾じゃないですか?」蓮舫が356億円赤字のクールジャパン機構を痛烈批判 “究極の中抜き装置”との声も(→link

もうこの手のごまかしも、そろそろ限界でしょう。

『ブギウギ』についていえば、もうこういう報道が出てきています。

◆【ブギウギ】草なぎ剛が来週登場 服部良一さんモデル役にジャニーズ問題で「皮肉」の声も(→link

少女歌劇団も、宝塚いじめ問題が報道されている最中に、よりにもよって今これをやるのかと愕然としてしまう。

たまたまではありません。

芸能界がそういう時限爆弾を放置しているのに、それを忘れて呑気にドラマにするから爆発するのです。

さすがにここまで来ると因果応報であり、NHKも報いを受ける局面に来ているのでは?

と、こういう指摘をすると、必ずのように

「でも! 私は毎朝楽しんでいます!」

「私はウキウキしながら見ているのに、それが悪いというのですか?」

という反論が出たりします。

無知で無邪気ではしゃいでいいのは子供の間だけ。社会的影響や倫理を考えず、毎朝楽しでいるからって理屈はあまりにも幼稚です。

 

誰がこのドラマを楽しんでいるのか?

大河についても同様のことが言えます。

私の記事だけでなく、他メディアで『どうする家康』への問題が指摘されていても、

「でも! 私は毎週楽しんでいます!」

とか

「つまらなければ見なければいい!」

といった幼稚な意見があがってくる。

では一体、どんな層がそうした意見をSNSや記事コメントに記すのか。私なりに考えてみました。

◆ 「どうする家康」官兵衛息子・黒田長政“一の谷形兜”ネット話題!薄型テレビ?ソーラーパネル?「首が…」(→link

兜の正面につける飾りを前立(まえたて・まえだて)と言い、それぞれ意味があります。

死と隣り合わせである戦国武将の覚悟が表現されているわけですが、それをなぜ「薄型テレビ」などと笑われなければならないのか。

あまりにも程度の低いコメントで記事まで作られてしまう幼稚さに情けなくなってきます。

とはいえ「どんな層の人物が楽しんでいるのか」という答えは浮かんできそうです。

◆どうする家康:「あれ? TAKAHIRO先生」 直江兼続役に視聴者驚き めっちゃ長い“直江状”発動に「キターー」(→link

直江状を読み上げることすらなくとも、「キターーー」と20年以上前のトレンドを振り翳しながら、演者に反応する。

全部がそうとは言えませんが、そういう層が盛り上がりの中心にいるんでしょう。

要するに歴史なんてどうでもよく、陰キャやヲタクの趣味でしょwとでも思っていそうな方たちです。

決まり文句もわかる気がします。

「史実と違うっていうけど、ビデオもタイムマシンもないのに、どうすればわかるのwww」

ビデオ以外にも記録の手段はあります。

来年の大河ドラマ『光る君へ』には、日記をせっせと書いていた貴族が大勢登場することでしょう。

平安時代についてのことは、衣食住から行事、人間関係までよくわかります。

では同時代の坂東はどうか?

というと、これがわかりにくい。識字率の差が際立っているためです。

遺跡を発掘して、たくさん貝は出てくる。大きな家の跡もある。それがいつしか消え、ここにいたであろう某氏はどこへ行ったのか?

というと大仰な謎でもなく、単に記録する習慣がなかったために、わからなくなったのです。資料の意義はこういうところにあらわれると。

そんな基本的な歴史知識の無い人が、そういうことを気にしない人に向けてコスプレドラマ『どうする家康』を作った。

歴史に興味がないことを脚本家が明言している時点で、どうかしてます。

自分で資金調達して、映画を作るならばいい。

それが公共放送で、なおかつ日本の歴史エンタメを支えてきた大河ドラマを作る。歴史に興味もないのに徳川家康と“大河ドラマ”という名声だけは欲しがった。

そしてそれを無邪気に全面的に受け入れて楽しんでいる。

そんな層にはつきあいきれません。

互いの趣味が違うなら棲み分けていればいい。

それだけなのに、なぜかこちらを馬鹿にしてマウントをとってくるから厄介です。

 

善く戦う者は、これを勢に求めて、人に責めず

善く戦う者は、これを勢に求めて、人に責(もと)めず。『孫子』「勢篇」

最近、自分の目で見て判断することの重要性を感じる出来事がありました。

『大奥』の仲間由紀恵さんについて、こんなことはよく言われていました。

「『ちむどんどん』で無駄遣いだった仲間由紀恵が『大奥』では素晴らしい!」

それがそうではなかった。

むしろ『ちむどんどん』あっての『大奥』だと、スタッフのインタビューで明かされました。

◆「大奥」“サイコパス”治済に仲間由紀恵を起用した理由 底知れぬ闇を段階を経て表現(→link

佐津川愛美さんと前田公輝さんも『ちむどんどん』から『大奥』です。

仲間さんは言うまでもなく、この二人もまるで絵そのもののように見える瞬間がありました。和装がよく似合うのです。

そして改めて思いました。

『ちむどんどん』は言われているほど悪かったか?

私はむしろ、琉球文化の知識欠如ゆえに、和人が理解せず、好き勝手言っているという印象を抱きました。

放送当時、沖縄ヘイトで盛り上がっていたこととも関連性があるかもしれません。

それが火付け役となるライターやアカウントが拡散炎上させて、駄作という評価が確たるものとなったのではないかと睨んでいます。

そうして作られた“勢”に、無意識のうちに乗せられてしまう人は案外多い。ネットユーザーは特にその傾向が強まります。

◆ ちむどんどんは本当に駄作だったのか 識者が考える「炎上の理由」と「作品の意義」(→link

思うに『どうする家康』も、勢に勝ちを求めたんでしょうね。

文春も節操ないと言えばそれまでですが、無条件で大河を褒める著者にこのような記事を書かせています。この方は勢を作る力があるのでしょう。

◆松潤主演NHK『どうする家康』は「シン・大河」になる? 大ヒット大河ドラマ“勝利の方程式”とは(→link

『どうする家康』が期待できる理由

『どうする家康』は「ユーモア」のある脚本を書ける古沢良太による「戦国」ものに「スター」(ジャニーズの松本潤)を配し、人気要素をもれなく押さえてある。

これも一年遅かったのか、早かったのか。

『どうする家康』と同じ脚本家の時代劇『レジェンド&バタフライ』は記録的な大失敗。

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そしてジャニーズ事務所の威光も消失しました。

勢が消えるというのは無惨なものです。

私はコケると予測していましたが、

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ここまで作品として体をなしてない惨状になるとは思いませんでした。

 

調虎離山

兵法の時間です。

今日は「調虎離山」。 兵法三十六計の第十五計にあたります。

敵を本拠地から誘い出し、味方に有利な地形で戦うこと。『パリピ孔明』でも出てきました。

歴史好きな方は、芸能情報でゴリ押しする相手に疲弊していませんか?

「実際に、当時はそうだったって、なんでわかんの?w 動画もないじゃんw」

「城巡りとか、非リアの趣味っすねーw」

なんて煽られた時は調虎離山でいきましょう。

芸能情報でマウントを取る相手に対し、あえて大河の歴史を示してマウントを取るのです。

「『花燃ゆ』をご存知ですか?あれは完走しただけでも褒められると言われたほどの愚作……それと並ぶのが今回の『どうする家康』です」

◆「どうする家康」は松本潤の“黒歴史”に?大河視聴率で元カノ主演作以下、二宮和也との差拡大(→link

そしてこの流れを見ていくと、まるで松本潤さんが、慣れない時代劇に引き摺り出されてゆく調虎離山にかかっているようにも見えてしまいます。

◆松本潤「昔から一緒にやってきた小栗旬という俳優の次に大河ドラマの主演をやるのも面白い」主演決意に込めた思いとは(→link

◆松本潤:「1回断った」徳川家康役 小栗旬から後押し「俺の次やれよ」(→link

「一度断った」とありますが、仮にもプロが、自分の得意分野を把握することなく乗っかったのは軽率でしょう。

主演俳優一人だけが悪ノリをするのならばまだいい。

しかし「成功した」という架空のシナリオに乗っかっているのは問題。

◆ 嵐・松本潤の〝特権〟はく奪か 「どうする家康」低迷、後ろ盾ジュリー氏の退場で(→link

文春砲を補完するような記事は止むどころか続いています。

◆二宮「月9」松潤「大河」ダブル「大爆死」で迫るジャニーズ主演ドラマ“終焉”への道 検証番組で語られた忖度の数々(→link

そうかと思えば、大河を掲げて展覧会ですって。

◆松本潤初の展覧会で岡田准一コラボ「今回の展示のためにカメラマンとして」大河ドラマ共演(→link

特定の芸能事務所による大河ジャックは公共放送としていかがなものなのか。

皆様も思うところあれば、NHKへ直接お伝えください。

◆NHK みなさまの声(→link

商人からキリシタン大名へ転身した小西行長の生涯をまとめた記事。豊臣秀吉に抜擢されて水軍を統率し、文禄・慶長の役で三成と共に活躍するも、加藤清正や福島正則と対立。関ヶ原の戦いで非業の最期を遂げた人物像を紹介。
小西行長が秀吉に重用された意外な理由|商人からキリシタン大名へ大出世

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文:武者震之助(note

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【参考】
どうする家康/公式サイト

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武者震之助

2015年の大河ドラマ『花燃ゆ』以来、毎年レビューを担当。大河ドラマにとっての魏徴(ぎちょう)たらんと自認しているが、そう思うのは本人だけである。

-どうする家康感想あらすじ

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