前回は関ヶ原の戦い。
冒頭でそのシーンが回想されること自体はドラマとして不自然ではないかもしれません。
しかし、肝心の合戦映像がいつも同じ曇天で背景が白くなることには、どうしたことでしょうか。
同時に、しみじみと思います。
本物の馬がロケで駆け抜けない関ヶ原の戦いに意義はあるのか?
大河ドラマで乗馬ができないなんて単なるサボりです。
ドラマ10『大奥』の乗馬シーンと落差があまりに大きく、今回の大河制作陣がどういう方針で制作されているのか理解に苦しみます。
◆ドラマ10『大奥』家定役・愛希れいかが乗馬シーンで体感した“奇跡”(→link)
結局、干し柿がなかった三成の最期も回想され、やっぱり文春砲は正しかったのかな……と今週も思い起こさせられながら場面は変わり、関ヶ原の締めくくりとして、家康が大坂城へ。
茶々に挨拶すると、棒読み人形の秀頼が何だか語っています。この辺りで字幕をオンにした視聴者もいるかもしれません。
あいかわらず毛量が多く、化粧がキッツい茶々。
青年期と同じ発声の家康。
うるさい劇伴。
今週もまた何のドキドキもないコントのような劇が始まるのだと確信させられます。
どうする背丈を刻むことで成長を表現
毎年正月になったら、秀頼の背丈を柱に削るってよ。
昭和の日本でもあったような既視感のある描写でしか成長を描けないなんて、トンチンカンな大河ドラマです。
例えば、
「まだ幼いのにこの手習を見てくだされ。立派な字でしょう」
とでも、できないものでしょうか? 日本史だと、割と定番の描写だと思います。
ちなみに伊達政宗が幼少期の手習いの書は、正室である愛姫が保管していたことで有名です。ほっこりしますね。
他にも、
「この歳でもう、四書五経を読みこなしました」
という表現も考えられるでしょう。『麒麟がくる』では、明智光秀の優秀さを示すセリフとしてありました。
そうと知っててわざと昭和手法にしたのか。それとも時代劇に興味がないゆえ柱削りに走ったか。
いずれにせよ秀頼の成長や賢さを表現するのであれば、もっと他に方法があったはずです。
どうしようもない所作
本作の所作指導は本当にどうなっているのでしょう。
家康の歩き方が、後半になるにつれ、ますますひどくなっていませんか。老齢ながらに頂点へ立っていく人物の迫力が感じられません。
先週、井伊直政が堂々と「天下とったね!」と家康に向かって喜んでいました。
果たして家康は何がどう天下人なのか。
服装や所作を見ると浮かんでくることもある。もしも家康が秀頼を主君とみなしているのであれば、こんなラフな格好でやってこないでしょう。
堂々と尻を向けて出ていくはずもない。家康については【四之宮逆さ船】という伝説があります。
家康が中原街道を旅していたとき、渡し船に乗りました。
すると船の動きがおかしい。逆さまにしている。
家康がなぜなのか尋ねると、漕ぎ手はこう答えました。
「いつも通りに漕ぎますと、尻を向けることになりますので畏れ多く……」
家康は謙虚な漕ぎ手に感心したのでした――。
実際にあったことかどうか、ではなく、当時の人々が如何に礼儀にこだわっていたか、この逸話からもわかるでしょう。
なんせ本作の家康は、秀頼と千姫の婚礼すら、立ったまま決めますからね。
一言でいえば雑。一体この家康は、どの時代を生きているのか。
しかも茶々が笑顔を豹変させ、あのメイクの濃い顔を歪めながら秀頼にこう言う。
「あの狸、決して信じるでないぞ」
見れば見るほど嫌になる……。
秀忠もどうしようもない
歩きながらヘラヘラと喋る秀忠は、それだけで十分に愚か。
上田攻めのことを取り上げなくても最初から「このバカではだめだ」となるでしょう。
家康がカッコつけた口調で「結婚は人質ってことだろうぜ!」とシリアスな口調になって、凄い思いつきでもしたかのような扱いが苦しいです。
当時はそういうものでしょ? ここは政略結婚がない世界ですか?
正信も、つくづく、どうしようもない
本作の出来が悪いのは、何も家康一人の問題でもありません。
いつもの腹立たしい口調で「将軍になればぁ〜?」とか言いだす正信もひどい。
唐突で、根拠がないのです。
「関ヶ原の戦い」
の後は
「征夷大将軍」
だよね!
という日本人なら誰でも知っている教科書の内容に沿っているだけで、その根拠は示されない。
結局、この大河は『鎌倉殿の13人』が投げたボールを受け止めきれていないんですね。
将軍になる根拠として、なぜ『吾妻鏡』でも出さないのか? セットで進言すれば、この正信からだって多少は知性が見えたでしょう。
せっかく三谷幸喜さんが投げてくれたボールを受け止められないとは、悲しさしかありません。
「最終回にサプライズキャスティングするのが大河!」
って、そういうことじゃないでしょ。
今年の最終回に小栗旬さんを出すなんて、単なる恥の上塗りではありませんか。
◆ 『どうする家康』に小栗旬が出演するとしたら誰を演じる? 有力視される“3つの可能性”(→link)
もしも小栗さんが登場するとしたら一体何の役を演じるのか?
記事ではこう示されています。
・伊達政宗
・天海
・徳川家光
個人的には徳川慶喜ですかね。さっぱりした顔で大政奉還して、幕臣や松平容保が困惑したらこう言わせる。
「だってさぁ、徳川家康だって、どうせクズだったんでしょ? だったらこんな幕府いらねーし」
しかし、このわけのわからない噂のせいで、文春砲の信憑性が増しているあたり、まったくもって逆効果とも思える。
◆松本潤『どうする家康』視聴率“大河ワースト2位”ほほ確実、盟友・小栗旬に最終回「直々オファー」情報も「プロデューサー気取り」文春パワハラ報道が再加熱(→link)
七之助さんに続き、もしも小栗さんのキャスティングが行使されたら?
松本潤さんの意見が現場で強行され、すっかりプロデューサー気取り、と指摘していた文春砲がやっぱり正しかったのでは……となる。
それでも、話題性のためだけに小栗さんを起用するんだとしたら、どうにかして少しでも視聴率を上げたい、ってことでしょうかね。
焼け石に水とはこのことだと思うのですが。
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どうする家康全48回の視聴率速報&推移! 過去7年分の大河と比較あり
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結局最後までどうしようもなかったオープニング
オープニング変更は今回で何度目なのでしょう。
その度に御大層な記事が出たりしますが、元の曲からしてしっくり来ないため、いくらアレンジしたって視聴者の興味を惹くにはいたらない。
ますますレトロなゲームじみてきて、一体何を聞かされているのかとげんなりしてしまいます。
坂本龍一さんが手掛けた『八重の桜』から10年で、よくここまで劣化したもので……。
これみよがしにオシャレなカフェに似合いそうなピアノを鳴らしますが、大河はじめ東洋の時代劇は、伝統楽器を入れることがむしろ王道でしょう。
それをなぜピアノにこだわるのか。
大河のオープニングを聞いていて、怒りすら込み上げてきそうです。
どうするテロップ
テロップを無駄に遊んでSE入れながら年号を出すセンスは作り手の自己満足としか思えません。
背が伸びる柱と重ねるところも含めても、単に秀頼が大きくなっただけで、それ以上のことは見えてこない。
家康に警戒心を抱かせるような賢さを、秀頼に求めてはいけないんですかね?
『この秀頼なら何かやってくれそうだ!』
視聴者に本気でそう思わせてこそ、大坂の陣だって盛り上がるでしょうよ。
思えば於大からしてダメでした
過去の大河作品で主演を務めてきた俳優を集めた本作。
その一人である於大ですが、結局、この方も最初から最後までどうしようもなかった。
家康にせよ、その母にせよ、まるで加齢が感じられません。
現代の高校生とその母親みたいな雰囲気ですよね。
そしてこの対面の場面で、背後にある天守閣は何があったんでしょうか?
圧倒的なハリボテ感で気が遠くなりそう。コンクリートで作られた模擬天守のような印象すらありました。もしかしてAIにでも描かせましたかね。
おかんを論破したったww
家康と二人きりになった於大は、若い口調で息子への反省の弁を語っていました。
他にもっと言うことがないのでしょうか?
「おかん論破してやったw コレスケベな本じゃねえしwww 保健体育の教科書だしwww」
そう浮かれている中高生みたいなメンタリティなんですよね。
死ぬ間際の母親に対してこんな塩対応するなんて、家康から人の心が感じられない。
母親相手にマウンティングしている場合でしょうか。
どうしようもないウィリアム・アダムス
なぜ、ウィリアム・アダムスは洋服のままで出てくるのでしょう?
織田信長と弥助。
徳川家康とウィリアム・アダムス。
この両者を比較すると、家康の方がより画期的な態度といえます。
三浦按針という和名を名乗らせ、日本人の妻をもたせ、所領や屋敷を与えた。衣食住を同じものとすることで、受け入れることを示したのです。
そういう気遣いを台無しにする洋服姿。
要するに、ここはドラマ10『大奥』でも話題になった村雨辰剛さんを出したかっただけなのでしょう。
「八重洲」の由来となったヤン・ヨーステンは出てきません。
外国人枠にするならば、彼でも良かったのでは? なんてことを本作で考えてはいけません。
そもそも深く考えていないのが本作の特徴。なにせ、歴史に興味がなかった脚本家が最低限のことしか学ばないと公言していますから。
どうするイカサマ師とお粗末語彙力
本多正純が出てきました。
「イカサマ師の息子」呼ばわりを公式がしていますが、ただの侮辱にしか思えません。
家康の側近であれだけ知恵を出している設定なのに、未だに「イカサマ師」と正面きって息子に言いますかね。
冗談にせよ言われた方はどう思う?
◆どうする家康:“ウルトラマンタイガ”井上祐貴が“イカサマ師”の息子に 徳川新時代を支える若きエリート・本多正純(→link)
「軍師」のほうが良かったのでは?『軍師官兵衛』というタイトルにも入っていますしね。
ウケ狙いの言葉でスベるのも駄作の特徴と言えるでしょう。
井伊直政の「おいら」だって全く似合っていなかった。
そもそも戦国時代の一人称ではなく、江戸期以降に「俺」が訛って使われた東国の主語です。
考証を踏まえれば無茶苦茶ですが、それ以前の問題でもある。
「おいら」だの、「いかさま師」だの、そんな語彙がイケてる!と思っている時点で、センスがない。
語彙力が低い=脳筋なら、このドラマそのものがそうなりますね。
過去に自分で「腹を召す」と使っていただけでなく、今週も「申されませ」と家臣が主人に使っていました。
誤った敬語の使い方は、現代社会でならまだ許容されるのかもしれませんが、大河ドラマで何度も起きて欲しくはなかったなぁ。
◆どうする家康:“脳筋キャラ”の限界露呈? 福島正則の「語彙力」に視聴者注目 最終的に「内府殿と共に!」繰り返す(→link)
どうするポリアンナ
ポリアンナ症候群とは――。
ポリアンナ症候群(ポリアンナしょうこうぐん、英: Pollyanna syndrome)は、直面した問題に含まれる微細な良い面だけを見て負の側面から目を逸らすことにより、現実逃避的な自己満足に陥る心的症状のことである。
別の言い方で表すと、楽天主義の負の側面を表す、現実逃避の一種だと言い換えることもできる。Wikipediaより
もうポリアンナちゃんとでも対話しないとやってられません。
今週の“よかった探し”その一は……井伊直政の新規場面がなかったこと!
その二は……『大奥』により、井伊の名誉は保たれたこと!
◆ 男女逆転『大奥』津田健次郎、井伊直弼役で登場 怪演に賞賛続々「井伊直弼史上最も美声」(→link)
この津田健次郎さんの井伊直弼は、現状考えうる配役としてこれ以上はないというくらい適切だと思います。
なぜか?
美声というだけではありません。
井伊直弼は評価が難しい人物です。安政の大獄の苛烈さは確かによくなかったかもしれない。
しかし、横暴すぎた一橋派を止めねばならない危機にも直面していた。徳川斉昭の破壊力を踏まえるとやむを得ないところもあった。
たしかに穏健な阿部正弘と比べると邪悪には見えるけれど、徳川斉昭と並べたら頼りになる正義の体現者に見える。
地元では善政を行った名君。
何より彼はテロリズムの犠牲者である。
そういう難しい面がいくつもある人物だからこその津田さんだったのでしょう。
彼は声だけでも、美しくもおぞましい。善と悪と、光と影が常に入り混じっているようなニュアンスが出ている。
歴史的評価を踏まえると、どちらにも振り切らない。憎めないけれども愛せない。そういう複雑な光彩をもつ人物として、完璧な配役です。
NHKは井伊家の名誉を守ったのだ!
えっと……大河のことを思い出さねばならないんでしたっけ……現実逃避してしまいました、ハァ……。
なんの感慨もない退場はどうしようもない
よかった探しを続けましょう。
今回が退場となる家臣団は、頑張っていたと思いました。
ただし、残念だったのが加齢演技。せっかくの人気武将のお別れなのに、説明セリフを語らされては感慨も薄まるばかり。
もしかしたら主演の演技力に忖度しなければならない諸事情でもあったのでしょうか。
そんな諸事情を頭の片隅に入れて見るドラマなんて、ハッキリ申せば楽しくありません。
ドラマの流れは、劇中だけで完結すべきであって、補足説明や最新研究などを考慮しながら見ていられない。
視聴者の多くは関連書籍を購入してまで背景を読み取るなんてしないでしょう。
「シン・大河」のセンスなんて知りませんて。
忖度をしなければ楽しめない。ポリアンナを探し続けなければ楽しめない……早く2024年が来て欲しい。
どうしようもなかった家族観
千姫がわざとらしく走ってきて、江が追いかけてくる。
いったい乳母はどうしたんですか。こんな大事な存在を放置して、一体なんなんでしょうか。
家族関係の描き方がせいぜい昭和なんですよね。
乳幼児死亡率や危険性もふまえていない。本作の作り手は根本的に育児への関心がないのでしょう。
高齢者への敬意もないし、精神状態が中高生程度で止まった妄想ばかりにも思えてきます。
しかも、この江と千姫もおかしい。
千姫があそこまで怯えているのは、嫁ぎ先が嫌だからのようです。しかも、江が子どもの前でペラペラと語っていたようなんですね。
秀頼の母である茶々は、江の姉です。まだ幼い江を庇ったことだってあった、そんな大事な姉です。
その姉の悪口を我が子に吹き込むって、性格が歪んでいませんか?
思えばこのドラマはそんな家族ばかりでした。市も娘の前で「本当は家康さんが好きだったの」とかペラペラ喋っていた設定でしたもんね。
歴史人物への敬意が全く感じられないのです。
思えばあのマザーセナからして両親が死んだ後もケロッとしていましたし、そのマザーセナのことすら家康は忘却の彼方。
あれだけベタベタといちゃついておきながら、仏壇の前で手を合わせる場面すらありません。
打掛で走ってくる江の所作にしても、『大奥』と比較するとあまりに厳しい。
茶々の打掛の翻し方も、全く美しくないんですよね。輝元をひっぱたくし、メイクはギトギトだし、これのどこが貴婦人なのでしょう。
秀頼と千姫の婚礼描写も、『大奥』の家定・胤篤と比べたら、ただの手抜きにしか見えません。
時代劇ファンの皆様は『100カメ 大奥』もご覧になられたかもしれませんが、「神は細部に宿る」とはまさにこのことで、本作と比較して驚くばかりだったでしょう。
『大奥』にできて『どうする家康』にできない、そんな言い訳は通用しないはずです。
どうする演技の幅
家康って、他者への親切な接し方が女性相手だといつも同じ。
キザでスカしたイケメンプリンスしかありません。
年上の母親相手だと「ババアかw」となるし、茶々は悪役なので「このバカ女がw」と感じさせます。
年下かつ好感度を見せなければいけないとなると、「俺に惚れんなよ」スイッチが入る。
しかし、千姫相手にそのスイッチを入れてしまうと、とてつもなく恐ろしいことになります。
この二人の場面は、祖父と孫娘には見えない。不気味な下心のあるおじさんと少女に見えてしまいました。
怖すぎます。
BBC、またも圧勝す
関ヶ原本戦の描写は、どう逆立ちしたって本線がBBC『ウォリアーズ』の圧勝であることは予想通りでした。
まぁ覆せるわけもないし、そこは最初から諦めていました。
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英国人から見た家康と関ヶ原の戦い!BBC版『ウォリアーズ』は一見の価値あり
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しかし、親子の情愛の描き方まで完全敗北とはどうしたことでしょうか。
『ウォリアーズ』では、秀忠遅参のあと、家康は我が子・信康の死を思い出し、秀忠を助命する決意を固めます。そこには揺るぎない親子愛がありました。
一方でこちらはどうか。
秀忠をネチネチネチネチ責める家康は、圧倒的なパワハラ感があって胸が苦しくなりました。
老母にも冷たい。息子には横暴。孫には気持ち悪い。
一体この家康は何を表現したいのか。彼が日本の近世を構築するなんて、冗談でも止めて欲しい。
本当に衣装のセンスがどうしようもなかった
家康メインの水色羽織はなんなんですかね。
年齢を踏まえて欲しい。
しかも配色センスが濁っていて、東洋の伝統色とは異なり、とにかくセンスが感じられない。
その謎は解けました。
前述の『100カメ』で『大奥』美術部の回が放送されました。
美を作り上げるためにここまで気を使うのか。
見ているだけでうっとりしてしまうような凝り方で、カメラで映るとどうなるか、きっちり妥協のない現場の様子が映し出されていました。
ただただ圧倒される。
『大奥』を見ていると、幕末の錦絵が動き出したのではないかと思えます。
原作はモノクロが基本ですので、色彩感覚はドラマで作り上げていくしかない。そうする過程で、当時の色彩感覚や美意識を再現しようとしていることが伝わってきました。
その美術部トップは『麒麟がくる』と同じ大原拓さんとのこと。
◆「麒麟がくる」チーフ監督が語る“カラフル大河”の裏側 衣装はサッカー代表も参考に 光秀はフランス?(→link)
納得です。あの作品は衣装に五行説を取り入れていて、とにかく画面そのものが美しかった。
「衣装が色鮮やかすぎる」とクレームが入りましたが、再現性へのこだわりが理解されないか、ピーキー過ぎたのでしょう。
センスが尖り過ぎていただけで、序盤に修正するとすぐに批判は止んでいます。
そして美しさはますます磨きがかかってゆきました。
役者の美貌だけではなく、それをさらに輝かせる工夫が随所にあり、あの美は、大原さんがいてこそなのかと納得。
眼福とは、まさに彼の作り上げた映像を見ているときのためにある言葉でしょう。
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『麒麟がくる』のド派手衣装! 込められた意図は「五行相剋」で見えてくる?
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『どうする家康』の衣装や美術とは、比べることすら失礼かもしれません。本作の合戦シーンでは「兜に照明が入り込んでそのまま流す」なんてことがまかり通っていて、美醜以前の問題と思えます。
衣装のことについて私が意見を申し上げていると、こんな反論も見られました。
「武者は『どうする家康』の衣装を貶すが、『麒麟がくる』だって批判されていたのに、そうしなかった! ダブルスタンダードだ!」
ダブルスタンダードも何も、その発想すら思い浮かびませんでした。
『麒麟がくる』は癖が強いだけで、ずっと美しいと私は感動していました。それが伝わらなかったようで残念です。
全然金があるように思えない大坂
美術へのこだわりが全く感じられない本作。
大坂城でパリピしている場面が入りました。
成長期の秀頼すら同じ、茶々も同じ着物です。『大奥』の貧乏公家より粗末な暮らしでは?
宴だと言いますが、酒を飲むだけで食卓も映りません。作る手間すら惜しんだのか、あるいはスケジュールが厳しくてスタッフが対応しきれなかったか。
事情は不明ながら、いずれにせよ映像作品は目に見えるものが全てです。
『鎌倉殿の13人』の序盤で、狩りから帰ってきた坂東武者の宴の方が、まだ良い食環境に思えます。
九度山で訓練する信繁ってどうしようもない
「打倒家康!」
そんな『戦国BASARA』シリーズじみた掛け声をあげながら、九度山で特訓する真田信繁(真田幸村)って何を考えているのでしょうか。
あれほどまでに家康へ敵意を燃やして叫んでしまったら、周囲にバレバレ。
さっさと真田信之に対して「弟は何を考えてるの? 軍事訓練しているって報告が上がってきているけど」と問い合わせればよいだけの話ですよね。
真田信之と本多忠勝の必死の助命嘆願を平気で足蹴にしてしまう信繁。
本作の作り手は『真田丸』すら無視するようで、見ているだけで脳みそが溶けそうです。
加齢を知らぬ大河
この大河ドラマは、そもそも人間とは何か?ということすら全く考えてないようです。
前回、重傷を負ったはずの井伊直政が目をキラキラさせて、ガバッと起き上がるなり、戦況を完璧に知ったように「天下取りだね!」宣言をしました。
で、今回は、年老いたはずの家臣二名が、情けないオープニングテーマを背景に、槍をブンブン振り回している。
年を取ったら体力は低下する――なんて書いていて、あまりにバカバカしいことすらわかってないかのような振る舞いが画面の中で横行しています。
とにかくこのドラマは色々と妙なのです。
特定の脇役ばかりがクローズアップされているように思えますし、それが実績と必ずしもハッチしないんですよね。
まるで主演が選んだ人でプロモを作っているみたい。
だから加齢もさせないのでしょうか。
どうする「日本の原風景」
本多忠勝と榊原康政が槍を振るい合う場面。
視聴者の涙を誘いたいのか。やけに冗長で、二人が叫び声をあげるたびに寿命間近な人物には見えない……と思いましたが、背景もまた当時の状況には見えませんでした。
戦国時代は戦乱で建造物も焼ける。攻城戦のための兵器もいる。
そのため森林伐採が激しく、日本中は禿山だらけになりました。田の改良もまだ時間がかかるものです。
にも関わらず、やけに青々としている。
あの風景は、江戸幕府が森林回復政策をした結果のものではありませんか?
ジャレッド・ダイヤモンドが自著『文明崩壊』(→amazon)で賞賛した、江戸幕府の森林回復政策すら無視している。
とても徳川家康を讃えるドラマとは思えません。
日本の原風景を作り出した偉人として、それこそ伊奈忠次や大久保長安も出せたでしょう。伊奈忠次は顔見せだけでしたね。
本多正純を出しながら大久保長安を出さないあたり、つくづくセンスがないドラマです。
どうしようもないパリピ秀頼
成長後の秀頼が出てきます。
衣装は貧乏臭いわ。茶々も着回しだわ。どんだけ貧乏なのか。
しかも、この秀頼、宴のことしか口にしない。
本作は、宴の規模でしか権力が表現できないかのようです。貝塚の規模で集落の状況を確認していた時代じゃないんですよ。
それなのに「時は満ちた」とか、陳腐な決めゼリフを吐く家康。
タップすればイベントが展開するスマホゲーの世界です。
小道具班、力尽きたまま
今回は肖像画が入りましたが、やはり力尽きていると思いました。
まぁ、そうなりますよね。『大奥』チームがあんなに生き生きして、薩摩切子や懐紙入れを用意しているのに、こちらはニコライ・バーグマンをパクれと言われたらそうなりますよね。
やはり小道具チームは被害者なのかどうか……。家康の肖像画に主演の顔をはめただけの雑コラを作らされたチームも、お気の毒に。
どうするステルス出演「伊達政宗、家康の迂闊さを語る」
なぜ伊達政宗はセリフ処理だけなのか?
個人的にはディーン・フジオカさんが演じるところを見たい人物です。
伊達とゆかりの深い福島県出身であり、かつとてもお洒落。
政宗といえば漢詩も詠みました。独眼竜として唐の名将・李克用を意識しておりましたし、彼にピッタリではないでしょうか。
とはいえ、誰もが台無しになるでもこの大河では、政宗も、ディーンさんも、見なくて結構です。
『らんまん』と『パリピ孔明』の劉備を楽しませていただいております。
ともかく伊達政宗が出ない理由は不明ながら、今回の放送からして出せそうにもないな、とは思います。
政宗メソッドを用いると、家康がマヌケに見えてしまう可能性がある。
政宗メソッドとは今私が思いついた呼び方ですが、要するに政宗は大坂の陣回避案を的確に示していました。
それを踏まえ、ちょっと脳内政宗を召喚してみますと……。
「『大河』とは!歴史の荒野に!進むべき道を切り開くドラマこのとだッ! そんなわけで、俺は今年の大河に出演依頼があっても、だが断る……」
ゴゴゴゴゴゴゴ……
「そんなわけで伊達政宗だ。どうしようもない大河はいっそ出ない方がいいッ! そう『天地人』で伯父の最上義光は悟ったそうだぜ。んで、じゃあなんでここいるかって話だけどよォ〜〜〜!
史実で俺はッ!対策レクチャーしてんのよォォ!
あのおふくろ殿(茶々)を人質にして、秀頼は最低限大坂城から出せってなッ!なんなら家康公の元で育てりゃいい……そう助言してんのよ。
それが滅茶苦茶正しいって今週を見ていればわかるよなッ!
秀頼をそのままにしたらマズイ……戦乱は確実! そうコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実じゃッ!」
ドギャアアアアアン!
「人間は誰でも不安や恐怖を克服して、安心を得るために生きるというぜ……ならばッ!東国大名の配置、豊臣恩顧連中の力を削ぐ場面を入れたらいいと思うぜェ〜。ま、今年の大河、歴史を求めてないか……無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァ!!
そんなわけで伊達政宗はクールに去るぜ。VODの方が期待できるもんな」
ドドドド……
「と言いつつ戻ってきて、俺が注目される意義を説明するぜ。まず、キリスト教な。なんのかんので支倉常長派遣しているじゃん。そこが注目される。
あとグレートな母上。このドラマの家康は、信じられんほど母に冷たいよな。
俺の母は戦国時時代の女性として、政治力を発揮した。そこが注目を集めている。このドラマの瀬名は捏造だが、俺の母は史実だからなッ! ここで伯父のコメントも入れようか」
「最上義光です。政宗がジョジョのノリを仙台方言のように使って申し訳ありません。ちょっとよろしいでしょうか?
あの秀吉は極悪非道だと言いたい、あるいは三成の非情さも描くなら、秀次事件をセリフ処理はまずいんじゃないですかね。
三成があの惨劇を冷徹な顔で見守る場面があれば、説得力があったと思いますよ。ま、干し柿すらない今年の大河には期待していませんけどね。
『天地人』ですら秀次事件があったのに、今年はない。なんだったんですかねえ。
ま、私だって大河以外に活路を見出したい。何も期待していませんので」
長々と失礼しました。
どうするミソジニー
この大河は誰かから怒られるのでは?
そう思う理由のひとつに、作り手の性癖暴露があります。
◆「どうする家康」北川景子と松本若菜が一触即発…《笑顔のバトルが恐ろしすぎる》と話題(→link)
海外からすると、日本のコンテンツの痛いお約束があります。
女同士のバチバチ描写です。
そりゃあ、妃と寵姫が競うような作品ならば海外でもその手の描写はあります。
しかし、日本のコンテンツはどんな状況でもぶち込んできて、それをニヤニヤしながら見ているのが「ミソジニー」とみなされてしまいます。
今、トレンドは「シスターフッド」です。
女性同士が協力する姿であり『大奥』の徳川家定と阿部正弘がその典型例。
それが支持される時代に、いまだに「女のバトルw」と盛り上がっている時点で、うっすらと恥ずかしいことは認識すべきではないでしょうか。
『麒麟がくる』の駒のことも思い出します。
「女のくせに将軍のそばにいるなんてありえない、おかしい!」と言われていました。それを言うなら、とっくに大坂を脱出した阿茶がうろつく方があり得ないでしょう。
◆松本潤「どうする家康」に再評価の声…歴代大河ワースト2位でもNHK思惑通りでホッ?(→link)
日刊ゲンダイは、これまで本作を散々貶してきたのに、この手のミソジニー描写があると一気に甘くなる。
メディアの支持者が圧倒的に中高年男性だからですかね。
ワースト2位で“思惑通り”とは、そんなワケないでしょ。
毛利家のご子孫が激怒?
茶々のように、間違った強い女路線は、女性を小馬鹿にするだけでなく、別の激しい怒りも呼び覚まします。
大坂城で平手打ちを喰らった毛利輝元。
その子孫の方が激怒して以下の動画をあげられました。
たしかにあの毛利輝元は酷い。と、同時にふと気になりました。
ここのところNHKは長州に冷たいのではないか?
長州メインの大河ドラマ『花燃ゆ』という時点で何もかもが終わっていた――それから10年も経たないうちに、この仕打ちではさすがに怒りたくもなる。
じゃっどん、島津も酷い扱いをされとりもす。『西郷どん』も島津家当主が苦言を呈していました。
ただし『らんまん』や『大奥』では、良い薩摩隼人が登場しているのでまだ救いはある。
『大奥』の島津胤篤は素晴らしい。美形だけが魅力ではなく、郷中教育が育んだ柔軟性と聡明さが表現され『薩摩はやはりよいな』と感じたものです。
土佐についても『らんまん』でその魅力が描かれていました。
『八重の桜』でも、綾瀬はるかさんの魅力が花開いて、会津もよし。
まぁ『花燃ゆ』は、長州をよく描こうと思って失敗しただけの話でしょうけど、今回の毛利輝元はあまりに侮辱的ですよね。
◆「印象に残っている大河の主演」ランキング!5位「岡田准一」「福山雅治」、3位「堺雅人」、2位「綾瀬はるか」を抑えた「意外な1位」の名前(→link)
どうするトークショー
このドラマの往生際の悪さは、事ここに至ってまで『チコちゃんに叱られる』とコラボをするあたりでしょう。
なりふり構わぬ番宣にはうんざり。
トークショーまで開催されるようです。
◆松本潤さんが大河「家康」最終日に静岡市でトークショー&PV 12月17日開催の来場者募集(→link)
静岡市の市民文化会館に松本潤さんを呼び、最終回のPV(パブリック・ビューイング)が実施され、1,800人の観客が無料で招待されるようです。
それを上回る場合は抽選とのことで、「やっぱり人気があるんだ!」と誤解しそうになりますが、あの伝説的な大駄作『花燃ゆ』でも、最終回でPVが開催されています。
入場希望者は2,500名を超えたとか。
『どうする家康』1,800
vs
『花燃ゆ』2,500
会場の座席数に限界があるにせよ、1,800vs2,500ならいい勝負ですかね。
家康
vs
吉田松陰の妹
そう考えると、一体どうしたことよ……とは思ってしまいますが、結局、袁術は玉璽を手にしても袁術なのですよ。って、『パリピ孔明』じみた話をして申し訳ありません。
袁術という名門出であることを鼻にかけたしょうもない男がいて、たまたま皇帝の証となる玉璽を手にしました。
そして皇帝を僭称してウダウダするものの、最後は滅亡するという話です。
大河主演という玉璽も、場合によっては重石になる。井上真央さんはもう克服しましたが、果たして今回はどうなるのか。
怪力乱神を語らず
子、怪力乱神を語らず。『論語』「述而」
オカルトトークをすると、信頼性が落ちるぞ。まっとうな大人ならやめようか。
何度も申していますが、このドラマは何かとおかしい要素に溢れている。
出演者同士の友情協調や、主演を褒める言葉がスピリチュアルなんです。
◆中村七之助 友人・松本潤との初共演は「神様が用意してくれた巡り合わせ」(→link)
◆『どうする家康』松本潤×中村七之助、“無二の友”だからこその関ヶ原 戦なき世の夢は続く(→link)
◆板垣李光人:初の戦国大河「どうする家康」で得た“気持ちの共鳴” 松本潤“家康”とは「ずっと」(→link)
「神様」とか「無二の友」とか「気持ちの共鳴」とか、ゆるふわキラキラワードが満載です。
ぶっ飛んだキーワードを用いておけば、本音を出さずに済む。こう言われてしまえば、インタビュアーも突っ込みようがありませんよね。
では、なぜ、こんな語り口にしなければならない?
文春砲で「暴君」であると指摘された主演に忖度してのことなのか。
だとしても言葉選びが過剰で、不気味にすら思えてきます。まるでドラマの舞台から降りても、マザーセナ信徒になってしまったかのようだ。
いくらキラキラワードで飾ったところで、文春砲が出れば、夢は醒めます。
誰かが台本をリークしたことは間違いない。
泥酔し大河の愚痴をこぼしていた松本潤さんの言葉を漏らした人がいることも、否定できない。
今や、芸能界特有の仲間内感覚を無自覚に垂れ流すのは危険なご時世であり、内情が明るみに出つつある時代です。
映画『首』で歴史ファン注目の北野武監督からも、バッサリとした言葉が出ていました。
◆ジャニーズ幹部に元NHK役員や元フジテレビ名物プロデューサーも!テレビ・レコード出身者の移籍の実態(→link)
◆北野武監督 ジャニーズ、宝塚問題にメス「メディアと大手プロの癒着はひどい」「日本のダークな部分」(→link)
旧ジャニーズについては倉本聰氏も介入の実態を明かしていますが、こうした状況から文春砲も説得力を増すばかり。
◆松本潤『どうする家康』共演・山田裕貴に「おまえの大河には出る」上から目線で「視聴率悪いのに偉そう」物議、Snow Man宮舘涼太の“起用拒否”騒動も再加熱(→link)
◆町長が「死ね、みんな殺すぞ、とお笑いのツッコミのように考えて…」職員に“パワハラ”問題で釈明 愛知・東郷町(→link)
もはやノリだけで誤魔化せる時代ではなくなりつつあります。
文春砲が正しいのであれば、本作の主演ならびにドラマの制作体制もその姿勢を問われることになるのでは?
私は今年の大河を面白いと思えないことが、幸いなだと感じています。
人気事務所の主演を絶賛すれば、全国に数多いるファンから果実が得られるかもしれません。
しかし、渇すれども盗泉の水を飲まず――今回ばかりは誰かを傷つけることに加担することへ繋がりますので、そこに加担するのだけは勘弁。
◆ジャニーズ報道は情報提供者の割腹自殺から…大手メディアが無視した『週刊文春』元編集長の"長文メモ"全文(→link)
◆ 被害訴えていたジャニーズ元所属タレントの男性 先月自殺か(→link)
◆ 性被害を知った母は自ら命を絶った…遺書につづられた、ジャニーズ事務所に写真と履歴書を送ったことへの後悔(→link)
こうして自殺者まで出ている、という報道があっても、未だに心無いSNSなどを見かけると絶望的な気持ちになってきます。
そしてNHKの対応を見ていると、契約というものの輪郭が見えてきます。
◆ NHK 松本潤の「あさイチ」出演は“新規契約”に当たらず 一方で紅白は新規「大河既に終わってる」(→link)
このNHKの態度からは、大河放映中は松本潤さんの無理な要求でも呑まされる可能性があった、苦渋の思いが感じられます。
しかし紅白の時点では契約に区切りがついているとのこと。
審査員でも「出演はない」という発言であり、NHKの姿勢は打ち出されています。
こうした状況を受けて、今後、その果実の旨みに群がってきた勢力はどうするのか。
◆ 松潤主演NHK『どうする家康』は「シン・大河」になる? 大ヒット大河ドラマ“勝利の方程式”とは(→link)
◆ 松本潤主演、NHK大河ドラマ「どうする家康」のノベライズがついに完結! 『どうする家康 四』が11月17日発売(→link)
個人的には成り行きに注目しています。
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文春砲第二弾が出た『どうする家康』今度は何が告発されたか徹底検証
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遠慮無ければ近憂あり
遠慮無ければ近憂あり。『論語』「衛霊公」
遠い未来まで見通せず、「ネット大受けw」みたいなことばかり気にしているととんでもないことになるぞ。
まさにこの言葉通りの事態になった。
それが干し柿カットです。
端的に説明しますと、石田三成の見せ所となる「干し柿のシーン」が松本潤さんの意向で取り止めになったというもので、文春砲で指摘されていました。
ドラマの中では伏線まであったので、それが放送されないとなると妙だ――という状況から、各種メディアでも取り上げられたのです。
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干し柿についていえば、近年の大河で秀逸な使われ方をしています。
三谷幸喜さんの歴史への愛と理解は、本作とは比較になりません。
◆鎌倉殿の13人:矢柴俊博、平知康は「ひと癖ふた癖ある曲者」 「真田丸」“三成の干し柿”の思い出も(→link)
同じ三谷さんの脚本で、2016年に放送された「真田丸」で細川忠興を演じて以来の大河ドラマ。「石田三成と一対一で対峙(たいじ)する、役者冥利に尽きるシーンがあり、シビれました。
干し柿にまつわるシーンです。
三成と言えば、干し柿。関ケ原敗戦後のエピソードが有名ですが、三谷さんの脚本では、『関ケ原以前、三成が忠興に贈り物しようとして逆ギレされたのが干し柿だった』という描かれ方をされています。あの処刑間際の干し柿エピソードに対する、抜群の前フリといいますか、誰も描いたことのない干し柿と三成の関係がそこにあり、すごいなぁと感嘆したものです」と思い出話を披露した。
石田三成がらみではないものの、『麒麟がくる』でも干し柿が秀逸な伏線として生かされています。
◆麒麟がくる:“あの干し柿”から30年、風間俊介「ここにつながっているとは…」 光秀に明かした家康の覚悟(→link)
このシーンについて家康を演じる風間は、「光秀から干し柿をいただいたのは竹千代(岩田琉聖)でしたが、岩田くんが演じてくれた竹千代からバトンを受け継ぎ、このシーンにつながっていることを強く感じながら演じました。光秀は、ずっと再会したかった人。幼い頃から一癖も二癖もある大人たちを見てきて、その中でも光秀は信頼できると感じた稀有(けう)な存在だったはずです。ですから今回、信長様のもとにはせ参じる時には、あの光秀にまた会える!とうれしかったと思います」と、想像を巡らせていた。
このシーンで、家康は「我々、武士は何のために戦うのでしょうか。私は、争いごとのない、戦のない世を作る。そのために戦うのだ。しかし、そのような世の中が我らが生きている間に訪れるのか、その時がくるまでどのくらい戦を続けねばならぬか」と、本音を吐露。それを聞いて共感を覚えていた光秀が、その後、金ケ崎での引き戦の最中で、「戦のない世を作るために、いまは戦をせねばならぬ時。いまは戦を重ねるしかない」と悟るシーンへとつながっていった。
上記のインタビューで風間俊介さんが「戦のない国にしたい家康」について語っています。そのテーマは『麒麟がくる』で既に描かれていた。
それが『どうする家康』では、あまりに現実味のない、妄想のようなマザーセナの慈愛の国構想で強引に展開。描き方が雑すぎたから視聴者から疑念が噴出しました。
このドラマの家康像は何も新しくない。要はお粗末なだけだったのです。
それにしても三谷さんにはあらためて時代劇を描いていただきたいですね。ご本人もそのつもりがあるようで楽しみです。
◆(三谷幸喜のありふれた生活:1158)「関ケ原」を書いてみたい(→link)
小人は水に溺れ、君子は口に溺れ、大人は民に溺れる
小人は水に溺れ、君子は口に溺れ、大人は民に溺れる。『礼記』
凡人は水に溺れる。ドラマ通はSNSやプロパガンダに溺れる。インフルエンサーは支持者に溺れる。
『大奥』は素晴らしい。
しかし、その感想を見ていると『青天を衝け』の残した負の遺産も感じます。
たとえば井伊直弼が出てくるだけで「チャカポンw」と言い出す投稿がある。
確かにそういうあだ名はあります。しかし、幕末はその手のあだ名が語られている時代です。
『青天を衝け』では、井伊直弼はそうやって貶める一方で、徳川慶喜の
二心殿:裏表野郎
豚一:一橋の豚野郎・豚をよく食べたから
独公:ぼっち様
といったあだ名は無視している。
要は、都合のよいところだけ面白おかしく取り上げ、人物像を歪めることに繋がっている。
ある先生が著書で「幕末大河を信じて語られても困る」と毒を吐いていましたが、確かにその通りではないでしょうか。
大河そのものだけでなく、昨今はファンダムもおかしい。
推しをいかに激しくプッシュできるか。それを仲間同士で語り合うことが重要であり、どんなにバグだらけのシステムだろうが、萌えキャラがいればいい。そういう一点突破になっている。
作品として面白いか面白くないか? コンテンツ全体を見渡して評価することが邪道扱いされているようにすら感じます。
なぜ、こんなことを申し上げるか、というと次の記事が気になったからです。
◆《『どうする家康』も視聴率苦戦中》「つまらなかった大河ドラマ」ランキング…4位『平清盛』、3位『江』、2位『おんな城主 直虎』…納得の1位は?(→link)
2000年以降の大河ドラマで何がつまらなかったか?
視聴率ではなくアンケートで評価したもので、ランクインした作品のうち大河ファンに納得されるのは『江』と『武蔵』だけでは?とも感じます。
他の『青天を衝け』『平清盛』『おんな城主 直虎』『いだてん』は、むしろ高評価を掲げるファンも一定数いるはず。
その中で、特に気になるのが以下の二作品です。
1位『いだてん』
5位『青天を衝け』……武蔵と同票で5位
記事内では言及されていませんが、両作品には
・東京五輪
・新札の顔
という、政治色のかなり強い要素がありました。
例えば2019年の『いだてん』は、馴染みのない題材だから数字で苦戦したと言われます。
しかし、そんなことは放送前からわかっていたこと。なのになぜ題材としたのか? しかもスポーツが好きでもないという脚本家になぜ引き受けさせたのか。
東京五輪については、今なお不穏なニュースが止まりません。
◆ 江川紹子さん、馳知事の機密費発言に言及「間違えるわけないと自民ベテラン県議も言っていると」(→link)
それでも熱心なファンがいて「私は『いだてん』は好きです!」という趣旨の投稿も見かける。
「今までオリンピックに興味がなかったけど、このドラマのおかげで興味がでた!」というのは、かなり誘導されていませんかね?
2021年の『青天を衝け』も新札をイケメンで描いた誘導要素が満載です。
主人公の、テロを是とする姿勢や愛人問題などはほぼ伏せられ、綺麗事ばかりが羅列されていた。
世間で注目度の高まっている人物やイベントにクローズアップしただけ――NHKにしてみればそんな意図かもしれませんが、そのために都合の良いところだけを見せて、ファンの気持ちを高ぶらせるのは、危険なことだと感じます。
今年の『どうする家康』は、旧ジャニーズが全面に押し出された結果、これまでの大河ファンが離れてしまったとも指摘されています。
実際、来年になったら、見向きもしない視聴者が一定数いるでしょう。
大河ドラマが、自らそんな状況を作り出してどうするのか。
2024年『光る君へ』や2025年『べらぼう』については、今のところ懸念要素は見られませんが、以降の作品で、いつどこで偏向した姿勢が出てこないか?という心配は尽きない。
皆様も思うところあれば、NHKへ直接お伝えください。
◆NHK みなさまの声(→link)
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文:武者震之助(note)
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【参考】
どうする家康/公式サイト











