『西郷どん完全版第壱集Blu-ray』/wikipediaより引用

西郷どん感想あらすじ

2018大河『西郷どん』感想あらすじ総評・後編「チェスト種子島!」

2018/12/26

2018年の大河ドラマ『西郷どん』に捧げる言葉があるとすれば、
「チェスト関ヶ原!」
と、前編で説明しました。

そこで後編は、
「チェスト種子島!」
と、させていただきます。

これは『衛府の七忍』で提唱された、
「ぼっけもん(※マッドな薩摩隼人)による、種子島=鉄砲・重火器で”ぶち殺せ!”を意味する」
ですね。

前編と同じく後編も苦言を呈す流れとなりますが、今回、編集さんからはこんな要望がありました。

『西郷どんファンの声も是非聞きたい!』

むむー。
これは、どういうことか?
というと
・西郷どんのここが素晴らしい!
・西郷どんのここに泣かされた!
・西郷どんの時代考証が最高だった!
そんなご意見を聞きたいのだそうです。

どうやらサイトに寄せられる反論が、私のレビューに対する意見ばかりで、いつもこう嘆いています。

武者に反論する人って、どうして【おまえは何なんだ】と言うばかりで【西郷どんのここが素晴らしい!】とは言わないの?
西郷どんを称える、お声を聞かせてください!
たとえ著者と反対意見だって、有益なコメントは、サイトにとっても非常に嬉しいことなので、全部残しておりますよ。

確かにそうですよね。
私の言ってるコトにあれこれ言及するのって、作品の本質を褒めているワケじゃない。

作品そのものが好きであれば、好きな箇所について適切な感想・分析をコメント欄に残していただければ、それが最も説得力のある答えになるはずです。

けど、それが皆無に近い。
つまりはそれだけの説得材料がないんだろうな――ということで、後編も厳しく進めさせていただきます!

準備はよろしいでしょうか。

「晋どん、もうここらでよか」
と言われたって、
「ヒャッハッハーッ、提げ佩く太刀の利きか鈍きか!!」
そう叫びながらやって来る恐ろしい奴がいる世界ですからね。

言ったからな、ちゃんと言ったぞ!

では「チェスト種子島!」始めます!

 


五の太刀「モテ、いけんでんよか」

男にも女にもモテモテだった――。
コンセプトの時点で、心の底からどうでもよかった。

それが、モテ推しです。

本作がモテを前面に出してきた時点で、死臭が漂い始めておりました。
そもそも、薩摩隼人ってモテておりません。

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明治以降も、
「あの暴れっぷりが半端ない、ヒャッハー集団ね……」
という見方でした。

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薩摩隼人は、モテからほど遠いんですってば!

むしろ彼ららヤバイ、怖い、そういう集団です!!

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それなのに短絡的に「モテ」路線で強行突破しようとした制作陣の見る目の無さは絶望的で、最後までダメダメでした。

見目麗しくモテる薩摩隼人が見たいなら、むしろ
『いだてん』の三島弥彦
『ゴールデンカムイ』の鯉登
といったメンツに期待したほうがいいんです!

そもそも、薩摩隼人たちが「モテることを望んだかどうか」も怪しい。

男尊女卑が厳しく、男同士で篤い絆を結んでこそ。
そんな背景ゆえに男色が日本で一番盛んであった地域なのですよ。

西郷隆盛あたりも、美少年となれば熱心に見つめていたそうですし、大山綱良に至っては、激戦を繰り広げた相手である酒井了恒が美青年だったため、
「よか稚児(美少年)……」
と目がハートになったほどなんですからねッ!

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男色については後述するとして、モテならば2015年『花燃ゆ』ならばまだしも納得できました。
長州藩士のプレイボーイぶりはちょっとしたものでしたから。

それをよりにもよって、薩摩でねぇ。

確かに西郷隆盛は、人望が篤い人物として知られております。

ただし、そこにも注意が必要。
人望がある、魅力的だという証言は、相手次第なのです。

西南戦争での敗北後は「反政府の旗印」として期待されていたフシがあり、額面通りには受け取れない部分があります。

西南戦争
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そもそも、こういう人徳があることを「モテ」という薄っぺらい概念で表現して、一体何がしたいのでしょうか。

このモテ要素、ロマンス重視は本作を確実に悪化させました。

女性脚本家だから女性心理やロマンスがうまいという、そんなアホな期待感もありましたが、
『天地人』
『江〜姫たちの戦国〜』
『花燃ゆ』
そして本作を見たあとでは、そんなことを言うのはやめましょう!

ゲンナリしながら、本作のロマンスを振り返ってみましょうか。

特にロマンスがあったとは思えない一人目の妻・伊集院須賀とのやりとり。

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「島妻」という、現在の視点からすれば奴隷的にすら見える愛加那との関係。

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菊次郎との関係性はじめ、そこに差別感情がなかったとは到底思えません。

愛加那との関係をねじ曲げたことで、奄美大島が受けた薩摩による収奪や蔑視がぼかされました。

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西郷の息子・西郷菊次郎は西南戦争で右足を切断|その後は台湾や京都で活躍

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史実において西郷が奄美大島をどういう扱いをしたのか考えると、酷いにもほどがあります。
OPに島唄を入れ込み、西郷を讃美させる無神経さ。どうしようもありません。

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岩山糸子にしたって、どうして史実通りではなく、しょうもないロマンスを入れ込みましたか?

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そのおかげで、薩摩にとっても重要な人物であるジョン万次郎が、ただのLOVE野郎になりましたね。

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そして、西郷どんのロマンス相手のうち、最低の改悪をされたのが篤姫です。

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幕末に薩摩から将軍家に嫁いだ篤姫「徳川の女」を全うした47年の生涯とは?

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篤姫の人生といえば、後半生を徳川のために捧げて生きたことが欠かせません。
戊辰戦争では、奥羽諸藩を激励する書状が残されているほど。

それを、徳川を潰した西郷どんに尻尾を振る、どうしようもない女子マネージャー状態にされました。

これは篤姫の人生を真逆に描く、侮辱としか言いようがありません。
幕末大河に女子マネは、もういらないんだよ!

このモテ推しのせいで、さらに不愉快な要素が積み上げられます。

宿でウロウロしていた豚姫ことお虎。
彼女はこのドラマに必要でしたか?

西郷隆盛の愛人
あの西郷にも愛人がいたってマジ?その名も「豚姫」という祇園仲居の人柄に惚れて

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自分を貧困という境遇から引き揚げ、側室にしてくれた徳川慶喜を罵倒。
あやふやな情報を西郷どんに流すスパイとして暗躍したふきも酷いものでした。

本作では薩摩出身の貧しい女性にされましたが、史実では、江戸っ子の誇りである新門辰五郎の娘なのですから、罪深いとしか言いようがありません。

ちなみに新門親分の流れを汲む団体って、今も江戸におられるんですよ。
よくまあ、彼らの顔に泥を塗ったもんです。

怖くないのかな?

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偉大なる親分・新門辰五郎|将軍慶喜に愛された火消しと娘・芳の生涯

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このふき筆頭に、本作の女性陣は全員最低最悪としか言いようがありませんでした。

「西郷どん、ステキィー」
と言わせたいがために、西郷どん以外の男を罵倒する性格最低女になりおったからです。

篤姫、ふきは前述の通り。
大久保利通の妾でありながら、大久保そっちのけで罵りながら、西郷どんにくねくねするおゆう。
お前は一体、誰の妾だ!

西南戦争勃発したぞ、何とかしろと西郷従道に迫る琴子。
西郷どんも従道も、兄ですよね。
ドラマを見る限りじゃ、西郷どんが悪いとしか思えませんでしたが。

もはや西郷どんがモテるというよりも、この世界の女たちは何かがおかしとしか思えないのです。
自分の彼氏や夫そっちのけで他の男にくねくねする女、ド最低でしかないでしょ? 一体どこの誰の需要なんですか!

ついでに言いますと、本作のキャバクラ推しと妾プッシュも、モテの一環でしょうか。

前半の磯田屋から後半まで。
西郷どん以下、橋本左内から明治政府官僚まで、キャバクラでばっかり政治の話をする始末。なんのドラマですか?

明治維新150周年に、
「この国は、国難を迎えた時でもキャバクラに入り浸る男たちによって動かされたッ!」
というゲスの極みメッセージを送って、何がしたいんですか?

あと妾プッシュ。
もう、意味がわからない!

近年の戦国大河は、むしろ側室を避ける傾向にあります。
直江兼続も黒田官兵衛も、側室がいないから主役に選ばれたのではないか、なんて話も。

それはそれでどうかと思いますが、だからといって執拗にプッシュせよだなんて誰が言ったの?
こんなモテを、誰が望んだと言うのでしょうか。

あとモテをプロットホールの穴埋めに使いましたよね。
史実のイベントをガン無視して、しょうもない恋愛イベントをぶちこんで時間稼ぎしまくり。

百歩譲って、その恋愛エピソードがおもしろければいい。

例えば『真田丸』での真田信繁(真田幸村)と茶々。
『おんな城主 直虎』での井伊直虎と小野政次。

彼らの、恋愛感情がありそうでない、そういう関係は完全に創作といえるものです。
ただ、それを不要だと私は思いません。
納得のできるアクセントでした。

一方で本作は、ただのノイズでしかありませんでした。
その中身のくだらなさについては、もうツッコミたくありません。

各自思い出して、脳内チェストしましょう。

 


六の太刀「いけんしてBL推しなのか」

本作では、
「BL推し」
を公言しました。

別にBLを否定するわけじゃないんです。
大河でBL二次創作というのは、別に今年始まったことではありません。

『真田丸』での真田昌幸と出浦昌相。
『おんな城主 直虎』での万千代(井伊直政)と万福(小野亥之助朝之)。

こういうナイスな男性同士をくっつけて、ほんわかしようと、そんなものは自由なんですよ。

むしろ、そういうイラストなんかは微笑ましく見守ってよいもの。
楽しむことは自由ですよね。

こういう傾向は海外ではもっとおおっぴらで、トークショーに出たゲスト同士に、
「あなたたちのカップリングが人気です! 腐女子の夢を叶えるためにもハグ&キスをしちゃいなよ!」
なんて呼びかけがあったりするもの。

※『ゲーム・オブ・スローンズ』のあの二人が!!(閲覧注意)

俳優自身が、二次創作BLを見ることもあるそうです。

※『SHERLOCK』の二次創作BLを見るマーティン・フリーマンの悟り顔よ……(閲覧注意)

まあ、ここまではいいんだ。
世界的にそういう時代です。そこをどうこう言う気は微塵もありゃしませんよ。
それに薩摩隼人のBLなんて、それこそ伝統的ですからね。

江戸期の全薩摩が泣いた伝説の古典BL『賤のおだまき』の作者は、腐女子ですし!(多分)

賤のおだまき/amazon

問題は、公式がこういう二次創作的なことを押しつけ、盛り上がっているフリをすることなのです!

いいですか?
先ほど取り上げた出演者がハグをしたり、BLを見たりしている動画ですが、公式で作ったものではありません。
それに、公式だってそんな宣伝をおおっぴらにしているわけではありません。

そこが『西郷どん』との違いです。

このミスは、もうすでに大河でやっちゃってまして。

公式BLコミックスを出した『天地人』。
公式サイトで「俺ら松下村メン!診断」をぶちかまし、ファンアート募集をしていた『花燃ゆ』。

視聴率で苦戦しつつも、ファンアート投稿が大盛況だった『平清盛』とは別なんだってば!
あくまであれは自主的なファンが盛り上げたものですからね。

それが勝手にファン層に割り込んできて、
「人気あるんですー!」
と主張する。

別に盛り上がってもいないのに、
「こんなにファンが活発です!」
と勝手に言い出す。

もう、鬱陶しいことこの上ありません!

自然発生的に出てくれば、人物描写がよい証拠となるBL。
公式で宣言すんなって話なんですよ。順番が逆!

そもそも、BLがどういうものかわかっていますか?
BLだけじゃなくて二次創作は、あまりに出来がよくて、もう辛抱溜まらなくなったファンがやるものです。

つまり、そこには極めて出来のいい創作物がないと、発生しないものです。
心理描写や、キャラクター造形の巧みさ、関係性の濃さも重要です。

「BLってぇ、男同士がイチャイチャしていたらいいんでしょお」

そんなもんじゃないってば!

そしてこのミスは、初めてじゃありません。
前述の通り、『天地人』が通過済み。
『江〜姫たちの戦国〜』と『花燃ゆ』は、BLではなくて少女漫画路線でやらかしています。

「こんなにイケメンがいるんだもん、若い女の子はうっとりしているんでしょぉ?」
してねーよ!!
いい加減、懲りろッ!
学べッ!

それに、どうにもこの背景には、偏見や差別もチラチラ見えるんですよね。

「少女漫画とかBLって、考えが浅くて歴史なんかわかっていない、アホな女が好きなんでしょ? どうせイケメンさえ出せばいいんでしょ」
そういう舐め腐った見方ですね。

女性向けエンタメなんて底が浅いちゅう偏見は、鹿児島湾にでん沈めて来やったもんせね。
こげんもんはクソ差別だちゅう認識も持てッ!

近年、NHKではLGBT関連において意欲作が放映されるようになりました。

昨年の『女子的生活』もそう。
今年もそうです。
『弟の夫』と、『半分、青い。』がありました。

この作品では、同性愛の登場人物が出てきております。

『弟の夫』は、ゲイカップルの置かれた状況を描いた意欲作です。
『半分、青い。』では、ゲイの人物であるボクテが、さらりと登場しました。

この二作とも、同性愛者であろうと恋愛する気持ちは変わりがないというメッセージがありました。
人と人を愛するうえで、同性同士だから、性別がちがうから、何か変わることなんかないのだと。

そういう流れを台無しにしおった作品が『西郷どん』ですわ。

何がBL推しだ。

繰り返します。男と女だろうと、男同士だろうと、愛することは同じ。
それを、男同士をことさら取り上げて、
「男同士がイチャコラしま〜〜す! 見てね!!」
だと?
客寄せパンダ扱いしおって!
NHKが取り組んでいるLGBTテーマとしたドラマを台無しにする、クソ差別だと悟ってくれ!!

もう一度言います。

「(こっそりと)私たちの作ったドラマの男性同士の関係性を気に入って、二次創作するファンを歓迎しますよ〜」
「(堂々と)ねえねえ、私たちの作ったドラマで、イケメン同士がイチャコラするのぉ! 見に来てね!」
そんなん全然チャウからな!!

まだまだあります。
BLをシナリオのプロットホールのごまかしに使いましたよね?

西南戦争なんて、西郷どんと大久保のBL破局みたいな扱いだったでしょ?
そんな解釈、知らん!
ドコにあるのか教えて欲しい。ヒントになった何かでもいいから提示してくださいよ。

そしてこれ。
歴史的な文脈での同性愛の扱いについて。これも語っておきましょう。
そこをふまえた描写にするのであれば、アプローチの一種として評価できますからね。

昔の日本では、同性愛が許容されていました。
とはいえ、以下の点は見逃してはなりません。

・男性同士のみ、女性同士はこの中に含まれない
・地域差がかなりあるので、ひとまとめに出来ない
・江戸期は藩によって禁止から奨励まで様々
・小児性愛、身分差、相手が断れない場合も含まれるため、現代の同性愛とは異なる関係があることは留意すべき
・同性間の性行為に忌避感が薄くとも、結婚等制度や権利が認められていたものではない。これをもって、現代的な意味で「日本は同性愛に寛容」としないこと

こうした点をふまえて、近年における大河ドラマでの同性愛描写をちょっと考えてみましょう。

『平清盛』
院政期に大流行していた男色に迫った、意欲的な描写。藤原頼長は魅力的でした。
しかし、問題はあります。

・藤原頼長の異常性愛のように描かれていましたが、当時はそこまでおかしいものではありません。賴長一人だけが同性愛傾向があったわけではありません
・賴長の強制的なセクハラとも言える関係があるため、国によってはそこが問題される可能性あり

『おんな城主 直虎』
本作の同性愛描写は、歴史考証、配慮ともにほぼ満点。文句なし!

・戦国武将は全員同性愛傾向があったとは実は言えません。恋文のような証拠がある武田信玄、伊達政宗等、絶対にあったと断言できる人物はそこまで多くないのです
・同性愛関係は、主従関係の強さとしてアピールされることがあるため、実は徳川家康と井伊直政の関係は、絶対にあったとは言い切れない部分があります。そこを踏まえた関係です

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この二作と比較して、本作はふぬけで中途半端。
幕末薩摩の男色は、男尊女卑と一体になったものです。女にデレデレする薩摩隼人だらけの本作で、再現できるはずもありません。

西郷どんと、ストロングゼロで泥酔してそうな川口雪蓬の口移しチュウなんて、もうどうでもエエ。心の底からどうでもエエ。
幕末薩摩の男色をかすらない点において、歴史ドラマで扱う必要性ゼロです。

薩摩趣味(薩摩の男色)を大河ドラマ『西郷どん』で描くことはできるのか?

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本当に、今回のBLは、単なる客寄せパンダであり、プロットホールの言い訳であるという、クソ最低の使われ方でした。
それどころか差別、偏見、蔑視、手抜きを煮込んだ、最低最悪の話です。

BLみたいな女に媚びたものはヤダ、俺は男同士のいちゃつきなんか見たくないもん、どうせ出すなら好きなシチュエーションのBLにしろ――とか、そういうレベルじゃない。

純然たる放送事故でしかありませんよ。
『おっさんずラブ』と比較するのもおこがましいわ!

ここで、モテとBL推しについての結論に触れておきましょう。

別に、史実にガチガチに則してドラマを作れとは言いません。
ドキュメンタリーじゃないことは百も承知です。

そのかわり、創作でこねくり回した結果、面白くなければなりません。
つまらくなったら、容赦なくぶったたかれます。

史実のままのほうがよほど面白い場合、チェストされてもそれはそれまでのこと。
そのくらい覚悟しましょうね。

「歴史なんて、無視して自分の好きなものを作りたいんだもん!」
という方は、歴史ドラマを作ろうなんて思わないでくださいね。

それだったら、そもそも歴史にこだわる必要ないでしょ?

 

七の太刀「提げ佩く太刀の 利きか鈍きか」

編集さんからこんなことを聞きまして。

「『西郷どん』との比較で『八重の桜』を持ち出すと、不満そうな人がいるんですよねえ」

まあ、比較するのは悪いとは思いますよね。
うん、それは悪いと思います。『八重の桜』に失礼という意味でね!

八重の桜は、その後の躍進が何かと素晴らしいものでした。

・主演女優が紅白歌合戦司会に抜擢される
・主演女優がアクション路線に開眼し、飛躍するきっかけとなる
・主演女優が歴史を考えるドキュメンタリーナレーションを担当する等、芸風をさらに大きく広げるきっかけとなる
・ゆかりの城に、主演女優が桜を植樹する
・国際エミー賞ノミネート
・現松平家当主絶賛
・主演女優、5年連続「会津まつり」に参加、会津観光に大きく貢献する

◆綾瀬はるか、5年連続「会津藩公行列」登場 今年は鈴木梨央も参加(→link

◆会津の想い歌声に 若松で戊辰150周年記念コンサート(→link

このコンサートは『八重の桜』テーマ曲から始まったそうです。

上記のうち、どれかひとつでも『西郷どん』ができるか?
無理でしょ。
なんせ現島津当主が苦言を呈したほどですからね。

じゃあ、手加減するかって?
はい、ここでドヤ顔の会津藩士・山川浩に登場してもらいましょう。

「『八重の桜』が触れられたくねえ急所ならよ、そごを狙わねでなじょするっつう話よ! 撃でぇーッ!!」

山川は西南戦争の出征に際して、こんな歌を詠み、ノリノリで薩摩隼人をぶっ飛ばしました。

薩摩人 みよや東の丈夫が 提げ佩く太刀の 利きか鈍きか

【意訳】薩摩人、見てみっせ、東国=会津の武士がさげている太刀が鋭いか鈍いか

ちなみに山川は、薩摩隼人・大山巌の義兄にあたります。
妹の山川捨松(大山捨松)が嫁いだんですね。

大山捨松
会津藩家老の娘・山川捨松が辿った激動の生涯|留学後に敵だった大山巌の妻へ

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とういか、本作って大山巌と黒田清隆をすっ飛ばしましたよね。
西郷とも近しいのになぜ?

まあ、本人にとっては侮辱を免れてよかったことではあります。

「『八重の桜』さ出で、『花燃ゆ』と『西郷どん』でスルーされる。こういうのを、勝ち組っつうんだべした!」
そういうことでいいかな?

敵に囲まれた城へ入るため“獅子舞”で突破!会津藩士・山川浩の戦術が無双だ

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山川浩は、本レビューでは、最終回MVPでもあります。
まあ、羽生結弦選手もMVPを獲得していますし、出演者以外が獲得するのはよくあることです(ただし本作に限る)。

というか、途中からMVPのチョイスを忘却しておりました。

もう、個人的にはミスター『西郷どん』が山川浩ですね。
出番はありませんでしたが、西南戦争でボコボコにしたわけですから、彼ほど評価にふさわしい人物はおらんでしょ。

さてここで、個人的な好みの問題でもありますが、山川浩と『八重の桜』をしつこいほどに出してくる理由を簡単にまとめましょう。

ひとつめ。
◆20年以上も放映年代が離れていると、学説や価値観で限界があるため、参照するものとしてはふさわしくない。

戦国大河最高傑作ともされる『独眼竜政宗』を持ち出さないのもこのためです。
あの作品そのものはヒット作であることは疑いようもありませんが、現在では完全に否定された古い説を使用しており、東北戦国史を描いた作品としては非常に問題があります。

現在、あのリメイクをそのままの脚本で作り上げたら、私は駄作と評価します。

そしてこちらが重要な、ふたつめ。
◆『八重の桜』の当時のバッシングに、誠実に答えていないから。あの作品がクリアしたハードルを倒しながら走ったから。

そりゃあ会津側から、
「にしゃなんだ! オラ、なんだ!」
と、ボッコボコにされても文句は言えません。まさに西南戦争の山川浩状態なんです。

『花燃ゆ』も同じで、ここまで「薩長同盟」せんでもいいじゃないのって思います。

この大河対決を比較して一言でまとめます。

【フェアプレーで勝利した会津vs反則を使いまくって惨敗した薩長】
という図式ですね。
もう、めちゃくちゃダサくてカッコ悪いんですよ。

試合内容をもう少し詳しく見て行きましょう。

敵対する勢力にも正義があったと描けたか?

『八重の桜』:◎
→「禁門の変」で敗北する桂小五郎、武力倒幕に向かう西郷隆盛にも、そこに至る理由があったと描かれていました。

『西郷どん』:×
→お由羅刹騒動から西南戦争まで「うわーん! 卑劣な相手が悪いんだもーん!」に終始。最低最悪なのは、当時会津はじめ奥羽諸藩が恭順の意を示していたものを拒んで攻め込んだ戊辰戦争すら、「わーん! 西郷どんは無血開城でおさめようとしたのにバカで空気読めない東北が悪いんだもーん!」と描いたこと。

主人公側の問題点を描けたか?

『八重の桜』:◎
→これはもう見ていてしんどくなるほど、経済性で劣る、保守的、頑固、生真面目すぎる、策略が使えない、そんな会津藩の弱点が描かれていたものです。

『西郷どん』:???(評価不能)
→ウナギを食ってキャバクラに入り浸るバカしかいない薩摩藩という描き方は問題大ありでした。ただ、それは敵味方問わず同じことで、前述の通り争いにおいては「西郷どんは悪くないもん!」アピールに終始していたのでなんだかわかりませんな……。奄美大島の扱い? もう聞かないでくれよ。ただのリゾート観光地にしおったわ!

クライマックスの戦争描写はきっちりと描いていたのか?

『八重の桜』:◎
→およそ一ヶ月の会津戦争を、放映時間一ヶ月かけて描いたのですから、たいしたものです。

『西郷どん』:×
→戊辰戦争も西南戦争も、早送り感覚。田原坂すらろくに描かないわ、別府晋介どんすら出てこない。こんな西南戦争いらなかった!!

最新のVFX技撮影技術を用いていたのか?

『八重の桜』:◎
→鶴ヶ城の吹き飛ばされる瓦までVFXを使用。随所で最先端のVFXを用いて、見応えのある映像を作り上げました。戦闘シーンの映像は迫力抜群で、現在もNHKの歴史番組でよく使用されています

『西郷どん』:×
→VFXを使用せず、狭苦しい室内ばかり。戦闘シーンでも、味方の陣地に砲撃しているような箇所はあるわ、斃れ方にやる気がないわ。もう何もかもがダメ。

最新の研究や発見史料に基づく描写・展開はあったか?

『八重の桜』:◎
→川崎尚之助は、それまで途中で八重を捨て、逃げ去る卑怯者として描かれておりました。それが新発見の史料を基にして、彼の悲劇的な生涯を映像化することに成功しました。その他にも、最新研究を反映しておりました。

『西郷どん』:×
→太平洋戦争敗北前、この国では薩長閥の悪事は隠蔽されておりました。そのレベルにまで遡るレベルの、古くさい持ち上げ描写には失笑感しかありませんな。最新研究に基づいたというアドリブじみたものはあっても、根幹にあるのが戦前レベルの持ち上げ歴史観では話になりません。

敵対者をカッコよく描いたのか?

『八重の桜』:◎
→中でも吉川晃司さんの西郷隆盛は近年ナンバーワン!!

『西郷どん』:×
→よくも切羽詰まっていた松平容保公に特に意味もなくウナギを喰わせおったな……!

会津側の大河で、薩摩や長州をカッコよく描いたのに。
正義があると描いたのに。

その薩長が会津に敬意を払ったか?
いいえ。バカにしまくりました。

しかし、この卑劣な行為で下がった株は、会津よりもむしろ薩長側です。

本家の薩長同盟と異なり、平成大河の薩長同盟は、
「会津にボコられるために手を結んだ」
わけです。

これには山川浩もニッコリ!
「ありがとなし!」

 


八の太刀「歴史観がRubbish!」(終)

さて、最後の一撃です。

『花燃ゆ』も相当異常な歴史観がプンプンしておりましたが、本作はそれに輪を掛けて酷いものがありました。

「禁門の変」前後の、
「会津が全部悪いんだー!」
というマヌケっぷりは何でしょう。

その会津と手を組んだ薩摩もバカなのですか?

「幕府や会津が京都や長州の善良な人を殺すような、そういう内乱はいけないんだーッ!」
「でも、俺らは江戸の町に放火して、東北ガンガン潰さないと! 新しい日本にならないんだーッ!」
どういうダブルスタンダードは何ですか?

本作は、
「視聴率は低いけど、東低西高です!」
という逃げを打ちます。

当たり前でしょ。
西日本が東日本の民を殺すのはアリ、OK!
でも東日本が西日本の民を殺すのはダメ絶対!

そんなもん東日本が不愉快にならんほうがおかしいでしょう。

これに対して、
「幕末は内戦だから、東西で別れるのは当然」
という逃げもよく言われます。

これはさんざん書きましたけれども『八重の桜』はそうじゃない。
ちゃんと、薩長の正義も、会津の失敗も描いております。

『八重の桜』における薩長の行為はほぼ史実準拠。
それをそのまま描いたら気に入らないって、どういうことですか。歴史修正しろってこと?

ここまでで済まない、そういうきな臭さが本作からはプンプンしております。

そのひとつが、
「江戸幕府は、フランスに薩摩を割譲するつもりだった!」
というもの。

何の根拠もありません。

会津藩と庄内藩が、戊辰戦争の際に蝦夷地をプロイセンに売却しようとしたことが下敷きかもしれませんが、これはそもそも、話として成立しておりませんし、現在でも史実かどうか解釈が分かれるところ。

そもそも、戊辰戦争を強引に進めたのは誰でしょう?

外国からの脅威が差し迫る中、内戦で日本人同士が殺し合う愚と危険性は、当時から認識されていたのです。

会津はじめ東北諸藩は、恭順を申し入れておりました。
このあたりの経緯は『八重の桜』で描かれておりました。

相楽総三
最後は西郷に見捨てられた相楽総三と赤報隊|時代に散った哀しき徒花なのか

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武力倒幕
なぜ西郷は強引に武力倒幕を進めたのか?岩倉や薩摩藩は“下策”に反対

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ありとあらゆる意味で、無理があるうえに、史料的な根拠もない、佐幕勢力を貶めたいだけの大嘘。
こんなものを、良心の咎めもなくよく垂れ流したものだとしか言いようがありません。

西郷隆盛は難しい題材です。
幕末明治でもトップクラスです。
諸外国からの脅威が迫る時代に、内戦を十年で二度も起こしたわけですから。

そういう人物の描き方として、本作は最低の手段を選んだわけです。

まだまだ、ダメな歴史観についてツッコミはありますよ。

本作では、明治維新とフランス革命を堂々と重ね合わせ、関連書籍宣伝でも使用して来ました。
これまたとんでもない話。散々駄目出ししたので、もう繰り返すのも馬鹿馬鹿しい話ですけれども。

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ナポレオンの伝記は、幕末は様々な立場の人が嗜むブーム状態です。

那波列翁伝初編
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ナポレオン3世が統治していた当時のフランスは、幕府を支援していました。

ナポレオンを目指していたというのであれば、ナポレオン風の軍服写真がある徳川慶喜の方がよほど近いでしょう。

ジュール・ブリュネ
映画ラストサムライのモデル「ジュール・ブリュネ」は幕末の仏軍人だった

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ナポレオンの配下の将軍には、平民出の将校がおりました。
樽職人の子であるネイがその代表でしょう。

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そういうネイのような人物を、史実の西郷が待ち望んだのでしょうか?

いいえ、そんなはずはありません。
西南戦争において、薩摩軍は官軍を武士ではない連中だから弱いと嘲笑すらしていたほど。
日本版のネイがいたらば、むしろ笑われかねない状況でした。

むしろ、薩摩藩士として身分が低い側であったのは別の人物です。
それゆえ、彼はその悲哀や不満を知り尽くしておりました。

それは誰か?
川路利良です。

本作ではアホそのものでしたけれども、そんなわけがない。

川路は、明治維新の栄光に身分の低さゆえに乗り損ねた薩摩の士族を引き立てました。
負け組に回った元会津藩士を登用したのも、川路です。

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身分や出自に関係ない、フランス革命政府側の軍隊とは、西南戦争ではむしろ西郷の敵側なのです。

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歴史上、西郷隆盛とナポレオンを結びつける要素がまるでなかったとは言いません。

ただし、見てゆけばゆくほど、この程度で両者を似たもの同士であると重ね合わせることは、こじつけであることがハッキリします。
明治維新とフランス革命を重ね合わせることは、適切とは言えません。

むしろ明治政府中枢にいた山県有朋は、ヨーロッパ諸国の君主制の弱体化を嘆いていたほどなのですから。

山県有朋
陸軍の礎を築いた山県有朋|松陰の影響で“狂介”を名乗った長州の出世頭

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フランス革命は、野蛮な農民一揆であり、誇り高い武士による維新とは違う――そういう思想は江戸時代からずっと続いてきたものなのです。

むしろ、フランス革命のような事態は、明治政府にとってはおぞましいものでした。
不満を抱いた民衆が、自分たちに牙を剥くことを、彼らは知っていました。フランス革命になぞらえるのであれば、自分たちは三色旗を持って駆け回っている側ではなく、ギロチンに送られる側だとわかっていたのです。

吉田松陰の伝記にフランス革命思想を加えると、書き直しを命じられたなんて話もあるほどですからね。

このあたり、フランス史を題材にした作品が多数ある作家の佐藤賢一氏とジャーナリスト・池上彰氏の著作があります。

『日本の1/2革命』です。
ご興味のある方は、どうぞ。

こうした日本とフランスの差が、奇しくも今年はっきりと見られました。
「ジレ・ジョーヌ運動」です。
マクロン大統領にノンと突きつけ、政策すら変えたものです。

そこには、革命を経て国民の声こそ政治を動かすという、フランスの源流を見た気がします。

◆辻仁成が見る仏暴動「なぜ黄色いベストなのか?」(→link

一方で日本は……いいえ、もうそこまで語るのは余計なことでしょう。
こういう歴史観のきな臭さは、既に『花燃ゆ』のあたりで、実際に幕末史研究界隈にも被害が及んでいるそうで。
まったく一体何なんでしょうか?

本作最大ともいえる問題点。
それは、こんなキテレツで、歴史研究者がやらかしたら恥にもつながりかねない歴史観を、ぐいぐいとゴリ推ししてきたことです。

このあたり『花燃ゆ』からある意味では、学んだのでしょう。
あの作品は、幕末長州の専門家が全員逃げ出した感が伝わって来ました。

本作は、幕末薩摩専門家というよりも、テレビ出演歴が抜群に長く、顔も売れており、タレント的な活躍が目立つ考証担当者をメインとしてつけて来ました。
キャバクラの名前にも登場し、ご本人も出演されたのですから、目立つことこのうえありません。

このあたりも、大変残念なこと。
時代考証というのは、名前と顔を売るためのものでしょうか?

本作における時代考証の立ち位置を『八重の桜』、そして『真田丸』あたりと是非比較していただきたいことです。

歴史考証の先生あっての歴史ドラマです。
彼らは舞台を支える大事な方です。

しかし、そのあと論文の発表がぶっつりと途切れ、テレビで顔ばかり見るようになると、一体これはどうしたことだろうと首をひねってしまうものでもあるのです。

とりあえず、私が言いたいこと。
それは、フランス革命の歴史的意義を学ぶのであれば、こんなドラマのことは忘れて、西洋史の専門家の本を読んでください、ということです。

それを言うのであれば、明治維新関連もそうですね。
本作から得られる歴史知識、勉強になることなど、何一つない。

大河ドラマすべてがそうではありません。
本作(と、最低大河四天王)が際だってダメなだけです。

さて、ナポレオンをそもそも革命家扱いしてよいのか、ということですが。
ここで、パークスさんを呼んで来たいと思います。薩摩と縁が深いですしね。

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「あのナポレオンが革命家ですって? 王制を打倒して皇帝になるとか、どういうフレンチジョークですかw 対外戦争起こしまくって敗北するところが似ているって言いたいんですかね?」

このように、当時からナポレオンはパークス母国のイギリスからコケにされていましたってば!

もうひとつ、聞いてみましょう。
イギリスでは、論じる価値もないほどくだらないものに、どんな言葉を投げつけるんですか?

「それはRubbish!ですね」

 

このレビューがふざけているって?
いいえ、とてつもなく真面目に書いています。
これがもし自動車で、ふざけた態度でレビューするのであれば、ピアノ落としておしまいだもんねー。わかる人だけわかってくれよな!

 

そんなわけで、八の太刀は英国紳士からいただきました。皆さんご一緒に!

Rubbish!

 

最後に

今年の大河レビューは、苦行、純然たる苦行でした。

しかし、敢えて言うのであれば、それは「横木打ち」でもありました。

 

それは、薩摩示現流と薬丸自顕流で、ボコボコと猿叫しながら木を打つ、あの稽古です。

誰かがやらねばならん!
そうじゃないと、まだこんな駄作が生まれる!
斬らないと、斬らないといかんっ!

ところで私を、薩摩が嫌いだと思いますか?
むしろ逆です。

なんだか腹を割って話し合ったら、きっと薩摩は好きになるだろうなあ。そんな思いが強くある!
それは薩摩について調べれば調べるほど強くなる思いです。

『ゴールデンカムイ』も、『ドリフターズ』も、『衛府の七忍』も、『薩摩義士伝』も好きです。

『翔ぶが如く』を熱心に読んだこと。
今でもはっきり覚えています。

さつまあげも好きです。
やっぱり本場鹿児島のものはあきらかにうまい!
しろくまアイスも好きだ!!
芋焼酎の赤兎馬もわっぜうまかなあ!!

そういう愛があればこそ、本作にはやっぱりチェスト(※『衛府の七忍』的な意味で)しかなかっ!

薩摩はこげなもんでなかっ!
こげなもんでなかっ!

一年間、心の奥底から猿叫し続けた、そんな日々でした。

本作がらみで唯一、希望が持てる点があるとすれば『花燃ゆ』とは違うことです。
あのときは3年後の2018年、つまり今年、同じ愚が繰り返されるのではないかと思ったわけです。

流石に二度もコケて、しかも薩長がここまで記録的に失敗したとなれば、この路線は当分封印されることでしょう。

明うい光はそけあいもす。
こげんもんはさっさと忘れて、鯉登少尉でん応援しもんそ!

いやいやいや、そうでなくて。
『いだてん』の三島弥彦じゃっど!
彼は薩摩隼人じゃぁ三島通庸の子なのござんで。
来年こそは大河で、わっぜカッコよか薩摩隼人を見られう。そう信じもそや!
チェストォォーーーッ!!

もう二度と、大河でこんな総評を書かずに済みますように。
こんなこと、好きでしているわけじゃないんだ……。


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【参考】
NHK西郷どん公式サイト(→link)等

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武者震之助

2015年の大河ドラマ『花燃ゆ』以来、毎年レビューを担当。大河ドラマにとっての魏徴(ぎちょう)たらんと自認しているが、そう思うのは本人だけである。

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