大河ブギウギ光る君へ編 光る君へ

まんが『大河ブギウギ 光る君へ編 第10話』漢詩と和歌の応酬 その意味は?

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まんが『大河ブギウギ 光る君へ編 第10話』
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悲しみ

◆たとえ想う相手と結ばれても刹那的で長く続くものではない。

文学的・詩的なまひろのセリフに、いとの心情ツッコミが冴えわたる。

 

決め台詞

 

道長の和歌&まひろの漢詩解説

道長の和歌とまひろの漢詩には何が書かれていたのか?

著者・アニィたかはし(with奥様)の解説を以下に記しておきます!

 

1通目◆道長の和歌→まひろ

思ふには 忍ぶることぞ 負けにける 色には出でじと 思ひしものを

【意訳】あなたを愛しく思う心、もう耐えられません。恋心を表にだすまいと、思っていたのに……。

古今和歌集 恋歌1 503番 詠み人知らず

 

1通目の返信◆まひろの漢詩→道長

既自以心爲形役 既に自ら心を以て形の役と爲(な=為)す

奚惆悵而獨悲 奚(なん)ぞ惆悵(ちょうちゅう=嘆き悲しむこと)して獨(ひとり)り悲しむ

今まで心を押さえて体を使ってきた。もう何を嘆き悲しんで、戸惑うことがあろうか。

まひろの漢詩『帰去来』は「官職を辞して、郷里に帰るためその地を去る決意の歌」でした。

作者は陶淵明(とうえんめい)で、官職を去ってから田園で歌(漢文)に生きた人。

かつては生活のため官職についていましたがどうしても合わず、辞表を出して故郷に帰る――その決意を持った時に歌ったものです。

今回のまひろに当てはめると「もうくよくよ悩むことはやめて、お互いはお互いの道を生きましょう」と、道長に諭していることになります。

 

2通目◆道長の和歌→まひろ

死ぬる命 生きもやすると こころみに 玉の緒ばかり あはむと言はなむ

【意訳】この、死んだも同然の命がもしかしたら生き返るかもしれないと、試しに、ほんの少しだけ逢おうと言って欲しい。

古今和歌集 恋歌2 568番 藤原興風

 

2通目の返信◆まひろの漢詩→道長

悟已往之不谏 已往(いおう)の諌(いましめ)むべかざるを悟り

知来者之可追 來者(らいしゃ)の追う可(べ)きを知る

過ぎ去った愚かなる行いはもう諌めてもどうしようもないと悟って、これからは自分のために未来を生きよう。

一通目の漢文の続きとなります。とにかく、まひろが拒否していることを表している。

 

3通目◆道長の和歌→まひろ

命やは なにぞは露の あだものを あふにしかへば 惜しからなくに

【意訳】命?それが何だというのだ。露のように儚いものではないか。もしもあの人に逢うことができれば、少しも惜しくはないのだが。

古今和歌集 恋歌2 615番 紀友則

 

3通目の返信◆まひろの漢詩→道長

實迷途其未遠 實(じつ)に途(みち)に迷ふこと 其れ未だ遠からずして

覺今是而昨非 覺(さと)る 今は是にして 昨は非なるを

今日は正しくても昨日は間違っていたと感じたりするけども、そうやって道に迷っても、まだそう正しいことからは遠くは離れていない。

二通目のさらに続きで、今回もまたキッチリと拒絶を表している。

 

4通目◆道長の漢詩→まひろ

我亦欲相見君 我もまた、君にあい見えんと欲す

あなたにまた会いたい

和歌から漢文へ。

藤原行成のアドバイスを受けた道長の緩急をつけた作戦、ギャップ戦法とでも言いましょうか、とにかくまひろの心に刺さり、二人は会うことになりました。

そして「藤原を捨ててもよい」という道長に、ついに……。

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漫画:アニィたかはし
文:五十嵐利休

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